「マットレスが蒸れて暑苦しい」
「カビが心配」
人間は寝ている間に500~600ミリリットルの汗をかくと言われています。ペットボトル一本分の汗をかいているなんて、想像もできませんよね。
夏場なんかだと、とくに汗をかきます。
そこで心配になるのがマットレスの蒸れです。
マットレスが蒸れると暑苦しいですし、カビの原因にもなります。
ですが、通気性のよいマットレスを購入することで、蒸れを防ぐことができます。
今回の記事では、通気性のよいマットレスの特徴、メリットやデメリット、湿気対策について解説していきます。
通気性の悪いマットレスのデメリット
通気性が悪いということは、基本的に湿度が上がりやすいということです。
では、湿度が上がることによるデメリットを見ていきましょう。
寝苦しい
人間が汗をかくのは、気化熱で体を冷やす目的があるからです。では汗が気化しなかったらどうなるでしょうか。
身体の温度はなかなか下がらず、汗がどんどん出て蒸し暑くなります。
とくに夏場は蒸し暑く、寝苦しさで夜中に起きてしまうこともありますよね。
それを防ぐためにも、通気性のよいマットレスは必須であると言えます。
カビが繁殖しやすい
通気性の悪いマットレスを使う中で最も避けたいのはカビです。
カビが生えるのに必要な要素は温度、湿度、栄養素の3つです。具体的な条件を見ていきましょう。
- 温度は20~30度が最適
- 湿度は60~70パーセント。80パーセント以上になると活発に繁殖
- 栄養はゴミやホコリ、人間の皮膚や垢、建築材料など
これらの条件が揃うとカビが繁殖します。
蒸れやすいマットレスでは、これらの条件が揃いやすいと言えます。
人間がいるだけで温度と栄養の条件を満たしてしまうので、そこに湿度が加われば、カビにとって最高の環境であると言えるでしょう。
カビはアレルギー疾患の原因になるので、小さいお子さんや免疫力の低下したお年寄りの方は注意しなければなりません。
カビに合わせてダニも繁殖しやすい
日本の気候は高温多湿なので、ダニにとって過ごしやすい条件が揃っています。
日本の住宅は気密性も高く、エアコンによって温度も一定なので、ダニにとっては天国であると言えます。
とくに布団やマットレスは部屋の中でも高温多湿になりがちなので、ダニが繁殖しやすいです。
ダニの糞や死骸、抜け殻などはダニアレルゲンと呼ばれ、カビと同様にアレルギーの原因になります。
ダニの繁殖条件はカビとほぼ同じです。温度が20度~30度、湿度は60~80パーセントがダニにとって最適な環境です。
6月~9月の高温多湿になりやすい季節が最も活動的になります。
マットレスの寿命が短くなる
湿気が多いと、素材が劣化しやすくなります。
そうなると寝心地が悪くなったり、最悪の場合、買い替えを検討しなければならなくなります。
また、マットレスのダニやカビを完全に除去することは難しく、一度発生してしまうとなかなか大変になってしまいます。
悪臭の原因になる
湿気が多いと、人間の皮脂や汚れなどによる異臭が発生することがあります。
そうなると非常に寝苦しく、嫌なにおいが部屋全体にも広がってしまう可能性があります。
こまめなお手入れをしていれば悪臭も防げますが、忙しい毎日を過ごすなかで布団やマットレスのお手入れまで行うのはとても面倒ですよね。
通気性の良いマットレスのメリット
マットレスは毎日使うものなので、通気性を確保することが大切です。
具体的に通気性がよいとどのようなメリットがあるのか、見ていきましょう。
マットレスを清潔に保てる
通気性がよいとカビやダニが繁殖しにくく、マットレスが清潔に保てます。
そのため、マットレスの寿命も長持ちします。せっかく高いお金を払うのでしたら、出来る限り長持ちさせたいですよね。
アトピーやアレルギーの方は、マットレスが清潔に保てることで体調の改善が見込めるかもしれません。
肌ざわりがよく、快適に眠れる
湿気を含んだ布って気持ちが悪いですよね。通気性のよいマットレスならば常にサラサラとした触り心地が保てます。
湿気を逃しやすいことで、夏場でも快適に過ごすことができます。汗っかきの方や、エアコンは苦手という方にうってつけです。
また、子供は体温が上がりやすく汗をかきやすいので、通気性のよいマットレスに寝かせてあげるとよいです。
そもそも通気性の良いマットレスって?
カビとダニに関して、栄養と温度については防ぎようがありませんが、湿度に関しては対策できます。
マットレスには様々な素材が使われており、それぞれ通気性が異なります。
通気性のよいマットレスを購入することがもっとも簡単な解決方法となります。
ではマットレスの通気性とはどういうことなのでしょうか。
基本的には空洞の多いものは通気性がよいと考えれば大丈夫です。
空洞の多いマットレスの構造
空洞が多いマットレスを上から順に並べました。
- ファイバー
- オープンコイル構造
- ポケットコイル
- ウレタン、ラテックス
順を追って説明します。
ファイバー系のマットレス
高反発ファイバーマットレスと呼ばれるものです。
繊維状のポリエステルやポリエチレンでできているのですが、中に空洞がとても多いのが特徴です。
太い釣り糸をくしゃくしゃにまとめたようなものを想像してもらえると分かりやすいかと思います。通気性は抜群。
そしてこのマットレスの特徴は、なんといっても水洗いが可能であるという点です。
ペットを飼っている方ですと、おしっこやダニが心配になりますよね。ですが水洗いができれば衛生管理も楽になります。
デメリットとしては、固さが固めなので人を選ぶマットレスであるという事が挙げられます。
オープンコイル構造
高密度連続スプリングやボンネルコイルとも呼ばれます。
この二つは製法が違うだけで、芯材がバネのみでできている点が共通しています。空洞が多い構造をしており、通気性は抜群。
高密度連続スプリングはフランスベッドのみが製造、販売の権利を所有しており、耐久性が高いのが特徴です。ホテルなんかによく使われています。
一方、ボンネルコイルは手ごろな価格帯のマットレスに多く採用される芯材です。
どちらもバネがオープンなので、通気性に優れています。
また、商品によっては側面に通気孔が備わっているものがあるので、そういったものを選ぶとさらに通気性がよくなります。
高密度連続スプリングは値段が高めですが、通気性と寝心地は最高です。
ボンネルコイルは価格が控えめで通気性もよいですが、少し固めなので人によって好みが分かれます。
ポケットコイル
不織布で袋詰めされたコイルが、それぞれ独立した状態で並んでいるのが特徴です。
布で包まれているため通気性には劣りますが、寝心地はよいです。コイルが独立しているので揺れが抑えられ、体圧分散性にも優れています。
荷重がかかった場所のコイルのみが沈むような構造をしているので、2人以上で寝る際に効果を発揮します。
値段はボンネルコイルよりは少し高めです。
柔らかい寝心地が特徴なので、ポケットコイルかボンネルコイルかで迷う方が多いです。固めが好みならボンネルコイルの方が合うかもしれません。
安いから悪いというものではないのがマットレスなので、値段に左右されず自分に合ったものを選ぶのがよいです。
値段の差はあくまでも製法による差です。
ウレタン、ラテックス
ラテックスとは天然ゴムのことです。殺菌、防虫効果があるのでダニやカビが繁殖しにくく、衛生的といえます。
寝心地も抜群で、振動も伝わりにくく、なにより軋み音がしません。
ただ、値段が高く、重量があります。素材の密度が高いので通気性も悪いです。また、ゴムでできているのでアレルギーの方は使用を控えましょう。
一方、ウレタンはウレタンフォームと言われ、石油を原料としています。
高反発や低反発のマットレスはウレタンでできているものが多くあります。寝心地が選べるので、自分に合ったマットレスが見つかりやすいです。
腰痛や寝返りの対策として使われる場合が多いです。
デメリットとしては、通気性があまりよくありません。
とくに低反発なものは蒸れやすいです。
高反発だと表面に凹凸の加工がしてあり、通気性が確保された商品もあります。
そういったものは蒸れにくいので、ウレタン素材のマットレスを探す際は、表面の加工に着目するとよいでしょう。
表面の加工について
「素材の通気性が悪そうだけど、このマットレスが好み」という方は、マットレスの表面に着目するとよいです。
素材の通気性の悪さを表面の加工や素材を変えることでカバーしている商品もあります。
表面のキルティング加工
キルティングとは、ミシン縫いで指し縫いにすることで立体的な模様を浮き出させることです。
表面に凹凸が増えるので、何も加工されていないものと比較して通気性が高くなります。
空洞が増えれば通気性が確保されるというのは、マットレスの素材と同じですね。
メッシュ素材
通気性といえばメッシュ素材ですよね。スポーツウェアなどでよく見られる素材ですが、マットレスでも採用されることが多いです。
通気性に優れており寝汗が発散されやすいので、シーツの肌ざわりが悪くなりにくいです。
また、繊維そのものも吸水、速乾性に優れたものが使われています。
詰め物に注意
ボンネルコイルやポケットコイル構造のマットレスは、芯材とカバーの間に詰め物として中綿が使われていることが多いです。
綿はダニが繁殖しやすいので、お手入れをしっかりとする必要があります。
機能綿など、吸水性と速乾性に優れた素材が使われたものもあるので、そういった商品を選ぶのがおすすめです。
マットレスのダニ、カビ対策
マットレスは湿気を逃がしてやることが必要です。
こまめにお手入れをしたり、対策グッズを活用することでダニやカビを未然に防ぐことができます。
基本的には空気に触れさせることが大切です。
壁とマットレスの間に隙間を作る
洗濯物を隙間なく詰めて干すと、乾きが悪いですよね。それと同じで、マットレスも隙間がなければ湿気がこもりやすくなります。
マットレスを壁に立てかけたり、少し持ち上げるなどして隙間を作ってあげることが大切です。扇風機で風を当てるなどすれば、湿気対策としては万全です。
マットレスの底面は常に接地しており、湿気が逃げにくいのいで、その部分に風を当ててあげるイメージです。
すのこベッドフレームを使う
マットレスを床に敷いている方の場合、すのこベッドフレームを使うことで、通気性が確保されます。
すのこベッドフレームとは、木材をすのこ状に組み合わせたもので、地面とマットレスとの間に隙間を作ることができます。
そうすることで、ほこりや湿気が溜まりにくくなります。
折りたたみが可能な商品もあるので、部屋を広く使いたい場合はそういった商品を選びましょう。お部屋の模様替えもしやすいです。
デメリットとしては、通気性がよすぎるので冬場は少し寒く感じてしまうことが挙げられます。
また、脚付きのベッドフレームの場合、下に収納をしすぎると通気性が悪くなるので、注意が必要です。
除湿シートや除湿敷きパッドを使う
除湿シートはマットレスの下に敷くもので、除湿敷きパッドはマットレスの上に敷くものです。
寝汗が多い方の場合、除湿敷きパッドを一番上に乗せ、その上で眠るのがおすすめです。
湿度を抑えることで、通気性の低いマットレスでも快適に過ごすことができます。
まとめ
マットレスにとってダニやカビは切っても切れない関係です。
人間がいるだけで食べ物には事欠きませんし、温度や湿度も適度に調整してくれるのですから、天国と呼べるでしょう。
ダニやカビは体調不良の原因にもなりやすく、小さいお子さんや免疫力の低下したお年寄りの方にとって、できる限り避けたいものでもあります。
なので、通気性のよいマットレスを使ってダニやカビをしっかりと対策していくことが必要です。
今回の記事を簡単にまとめました。
- 通気性が悪いとカビやダニ、悪臭の原因になる
- マットレスは素材によって通気性が異なる
- もっとも通気性がよいのはファイバー系のマットレス
- もっとも通気性が悪いのはウレタン系のマットレス
- ウレタン系でも表面に凹凸加工されているものは通気性がよい
- 詰め物が綿の場合、ダニが繁殖しやすいので注意
- すのこベッドフレームや除湿シート、除湿敷きパッドも効果的
通気性を確保して、気持ちよく眠りましょう。