「ポケットコイルマットレスの特徴って何?」
「ポケットコイルマットレスを買いたいけど、選び方がわからない」
「ポケットコイルマットレスのお手入れってむずかしい?」
本記事では上記のお悩みや疑問にお答えしていきます。
健康で充実した日々を送るためにも睡眠は重要であり、睡眠を左右するのがマットレス。
マットレスの中でもポケットコイルマットレスは人気が高いです。
これからポケットコイルマットレスの特徴や選び方、お手入れ方法などについて詳しく解説するので参考にしてください。
ポケットコイルマットレスの特徴
コイルのあるマットレスには大きく3種類。
・ポケットコイルマットレス
・ボンネルコイルマットレス
・高密度連続スプリングマットレス
ここから、「ポケットコイルマットレス」について詳しく紹介します。
3つの特徴
①高い体圧分散性
ポケットコイルマットレスは体圧分散性に優れているため、よく眠ることができるでしょう。
1つ1つのコイルが独立しており、体に合わせて柔軟に形を変えてくれるため。
よって「面」でなく「点」で支えてくれるので、安定感があり安心して眠れるでしょう。
コイルのあるマットレスの寝心地を左右する要因の一つに、コイルといわれるらせん状のバネの働きがあります。
そもそもマットレスの内側は、下記のような3層構造。
・キルト層
・クッション層
・スプリング層
それぞれ紹介します。
・キルト層
キルト層とは寝ている時に肌に直接触れる部分のこと。
寝ている間にかく汗を対策するために、通気性のいい素材が使われるケースが多いです。
使われる素材はさまざま。
・クッション層
クッション層で行われるのは、保温や吸湿。
また、クッション層があることで、コイルの上で寝ても痛みを感じずに寝られることができます。
もしクッション層がない場合、コイルのゴツゴツ感を感じる可能性も。
・スプリング層
スプリング層は、マットレスの構造の中でも最も重要とされる場所。
スプリング層にたくさんのコイルが並べられています。
マットレスの寝心地は、コイルの数、並べ方、種類などによって大きく変化。
人間で言うと、脳や心臓の部分が当てはまるでしょう。
②優れた振動吸収力
ポケットコイルマットレスには振動を吸収する力があるため、横揺れなどが起こりにくいです。
なぜなら1本1本のコイルが自立しており、揺れを抑えてくれるため。
コイルが連結しているマットレスで揺れが発生した場合、1箇所の揺れでも全体に広がってしまいます。
しかし、ポケットコイルマットレスでは揺れが広がりませんから、二人で寝る場合に適切。
マットレスに二人で寝ている場合、相手の寝返りの時の振動で目が覚めてしまうと言う人もいるでしょう。
夜中に何度も目が覚めると、睡眠の質の低下につながりかねません。
またパートナーに対して不満を抱いてしまう可能性もあります。
しかし、ポケットコイルマットレスを使えば、寝返りなどによる振動を抑えてくれるのでぐっすり眠りやすいでしょう。
③高めの価格設定
ポケットコイルマットレスはボンネルコイルマットレスに比べて、お値段が高くなりがちです。
使われているコイルの数が多いのが原因。
一般的なシングルサイズのポケットコイルマットレスで使用されているコイルの数は、400個から650個くらいだといわれます。
一方ボンネルコイルマットレスの場合、一般にポケットコイルマットレスに比べて、使われるコイルの数は少ない傾向。
ボンネルコイルマットレスの場合、300個前後のコイル数のマットレスが販売されているケースも。
ポケットコイルの値段が高くなりやすいのには、上記のような理由があるんですね。
ポケットコイルとボンネルコイルの違い
ポケットコイルマットレスとボンネルコイルマットレスの違いは以下の点。
・体を「面」で支える点と「点」で支える点
・コイルが連結している点と自立している点
・通気性がいい点と悪い点
・横揺れしやすい点と横揺れしにくい点
上記のように、と言えます。
ポケットコイルマットレスとボンネルコイルマットレスの性質は正反対
体を「面」で支える点と「点」で支える点
ボンネルコイルマットレスで寝るときのポケットコイルマットレスとの違いは、体を「面」で支えてくれる点。
理由はコイルが連結しているため。
よって高反発になりやすく、硬めのマットレスが好きだという人に向いています。
硬めですから寝返りをしやすいのがメリットの一つ。
また、コイルの連結によって優れた耐久性もあります。
ヘタリにくくしっかりしたマットレスであるため、長期間使える場合も。
・通気性がいい点と悪い点
ボンネルコイルマットレスはポケットコイルマットレスに比べて、通気性がいいです。
コイルの数が少なく、マットレスの内部に空間があるため。
よって、寝汗をよくかく方や、定期的なお手入れが苦手な方に、比較的向いています。
長年使い続けると、マットレスの内部はダニが発生する可能性も。
しかし、通気性がいいとダニの発生を抑えやすくなる点がメリット。
ダニの好む環境は高温多湿(気温20度から30度。湿度50%から60%)です。
よって、マットレスの下に除湿シートを引くといいでしょう。
またマットレスの上には敷きパッドをひき、上からシーツを被せるようにすると日常的に湿気を予防できます。
横揺れしやすい点と横揺れしにくい点
ボンネルコイルマットレスの特徴は横揺れしやすい点。
マット内部のコイルが連結しているため、一箇所の揺れでも全体の揺れにつながりやすいため。
よって二人で寝る場合、相手の寝返りによる振動を感じやすい点がデメリット。
相手が寝返りをした振動で、夜中に何度も目が覚めてしまう可能性があります。
また寝返りをすると相手に振動を与えてしまうと気を使い、眠りが浅くなる人もいるでしょう。
すると睡眠の質が低下してしまう可能性も。
私も二人で寝ているときに、相手の寝返りが気になってしまい全然寝られなかった経験があります。
夜寝られないと日中にボーッとしてしまい、辛いですよね。
よって二人で寝る場合は、ポケットコイルマットレスが向いているでしょう。
ポケットコイルマットレスの選び方
ポケットコイルマットレスを買う時にはいくつかのポイントがあります。
全てとはいかないまでも、当てはまるポイントが多いほど、いいマットレスである可能性は高いでしょう。
具体的には以下の6点。
・太さをチェック
・コイルの数をチェック
・信頼できるお店かをチェック
・コイルの配列の種類をチェック
・マットレスの硬さをチェック
・マットレスの厚みをチェック
これから紹介していきます。
①コイルの数をチェック
コイルの数が多ければ多いほど、包まれるような寝心地の良さを感じやすくなります。
コイルの数が多ければ、体を支える「点」が増えるため。
「体圧分散性の高いマットレス」とも言い換えられます。
体圧とは、寝ている状態で肩や腰などの出っ張っている部分にかかる圧力のこと。
よって体圧が分散されるマットレスを使うことで、腰痛や肩の痛みを予防することができるでしょう。
ただし、体重の重すぎる人は体圧分散性の高いマットレスに不向きです。
腰などの下半身がかなり沈んでしまう場合があり、姿勢が悪くなるとともに寝返りをうちづらくなるため。
寝返りを十分に打てないと圧力がかかったり、血流が悪くなったりして腰痛など体の痛みを引き起こすことも。
また、柔らかすぎるマットレスでも体が沈み込みすぎることで、寝返りを打ちにくくなるケースがあります。
よって、柔らかすぎないマットレスを選んでください。
また体圧分散性の高いマットレスは、体重の軽い方や女性に向いているでしょう。
体重の軽い方の場合、適度に体圧が分散されるので寝やすさにつながります。
また女性の場合、男性に比べて腰のくびれなどが大きい人が多いでしょう。
よって体圧分散性の高いマットレスを使うと、マットレスが腰のスペースを埋めてくれるため、姿勢が自然に整う場合があります。
②コイルの太さをチェック
体重の重い人はコイルの太いマットレスを選ぶといいでしょう。
コイルが太いほどマットレスは固くなり、しっかり体重を支えてくれるからです。
よって、体重の軽い人の場合は、コイルの細いものを選ぶと体に合ったマットレスを選べるでしょう。
コイルの太さは「線径」とも言いわれます。
目安として体重が軽めの人は太さ2mm以下のコイル、重めの人は2mm以上の太さのコイルを試すといいでしょう。
③信頼できるお店かをチェック
お店選びも重要なポイントの一つです。
お店側の都合でマットレスをすすめられる場合があるため。
お客様志向ではないお店の場合、あまり売れない商品をすすめられる場合も。
私は販売員として働いた経験があり長く売れない商品があると、悩んでいるお客様にすすめるように指示を受けたことがあります。
とてもお客さんのことを考えているとは言い難いですよね。
お店選びのポイントは2点。
・販売実績はあるか
・口コミ評価はいいか
インターネットで検索すれば、いい評判も悪い評判もすぐわかるでしょう。
④コイルの配列の種類をチェック
体圧分散性の高いマットレスなら「交互配列」、体圧分散性の低いマットレスなら「並行配列」がいいです。
「交互配列」はマットレス内部にコイルが隙間なく並べられており、「並行配列」は、コイルの間隔に余裕をもって並べられているため。
マットレス内部のコイルの配列でも寝心地が左右されます。
⑤マットレスの硬さをチェック
マットレスの硬さはとても大事。
寝ている時の姿勢や寝返りのしやすさに影響するため。
寝ている時には理想とされる姿勢があり、立っている時と同じ状態がいいとされます。
まっすぐ立った時の理想の姿勢は、背骨がS字のカーブになっている状態。
よって、仰向けに寝た時に背骨がS字を描いており、横向きになった時も背筋がまっすぐキープできるマットレスがいいです。
自分ではわかり難いと思いますので、店員さんなどに見てもらうといいでしょう。
また実際に寝てみてチェックしたいのが以下の点。
・肩や腰に極端に負担がかかっていないか
・寝返りはしやすいか
・腰や下半身が沈み込みすぎていないか
・硬すぎる感じはないか
⑥マットレスの厚みをチェック
マットレスの厚みは20cm以上の厚いものを選ぶといいです。
20cm以下のマットレスの場合、寝づらさを感じる可能性があるため。
ポケットコイルマットレスは厚くなるほどお値段が高くなりますが、体をしっかりと支えてくれるでしょう。
よって、質の良い眠りを求める人は、25cm以上のマットレスを検討するのもいいですね。
ポケットコイルマットレスのお手入れ
ポケットコイルのマットレスのお手入れについて、以下の3点を紹介します。
・マットレスの位置替え
・陰干し
・シーツ類の洗濯
上記は基本的なお手入れであるため、実践してもらえると長くマットレスを使える場合も。
これから紹介します。
①マットレスの位置替え
2ヶ月から3ヶ月に一度くらいのペースでマットレスの前後、裏表を入れ替えると良いでしょう。
マットレスのヘタリを防止したり、コイルの消耗を抑えることができるため。
毎晩同じ位置で寝ると特定の部分に負担がかかるため、マットレスの消耗が激しくなる場合があります。
よって定期的にマットレスを入れ替えてあげると、長く使えるようになるでしょう。
②陰干し
マットレスの裏側にも湿気は溜まりやすいです。
一晩で人のかく汗の量は約350mlともいわれ、マットレスが一部を吸っているため。
よって定期的にマットレスを壁に立てかけると、マットレスの裏面に風が当たるので、湿気をとることができます。
ポケットコイルマットレスが重い場合もあるので、気をつけて作業してください。
③シーツ類の洗濯
シーツ類は1週間に1度か2度は洗濯するといいでしょう。
年間を通して、人は寝汗をかくからです。
よって、洗濯せずにシーツを使い続けることは体にとってもマットレスにとってもよくありません。
汗を吸ったシーツを放置することで、マットレスにも湿気がうつる場合があります。
特に夏場など汗をかきやすい季節は、こまめな洗濯を心がけるといいでしょう。
まとめ
ポケットコイルマットレスの特徴や選び方、お手入れの方法について解説してきました。
本記事をまとめると以下の通りです。
- ポケットコイルマットレスの特徴は3つ。
・高い体圧分散性によって、快眠を得やすい
・振動吸収力が高く、二人で寝る場合に最適
・ボンネルコイルマットレスに比べると価格が高くなりがち - ポケットコイルマットレスを選ぶときのポイントは6点です。
・コイルの太さや数、配列は自分の体にあっているかチェックする
・マットレスの厚みや硬さを実際に寝て確かめる
・お店で買う場合、実績があるかを調べる - ポケットコイルマットレスのお手入れ方法は3点。
・定期的にマットレスの向きを変えたり、壁に立てかけると長持ちしやすい
・シーツ類をこまめに洗うと湿気を予防できる
ポケットコイルマットレスの特徴や選び方などを知った上で、あなたに合うものを選ぶといいでしょう。素敵なマットレスと出会えるといいですね。