ダイエットをしていると眠れないという経験をしたことはありませんか。実はダイエット中によくある空腹が睡眠を邪魔していることが考えられます。
そこでこの記事では、空腹と睡眠の関係とダイエットしていても快眠するための方法について紹介していきます。睡眠とダイエットの両方をうまくしたいという人は、ぜひこの記事を参考にしてください。
空腹と睡眠の関係
空腹と睡眠には深い関係があります。そのためダイエット中だからといって、十分に食事をせずに空腹状態で寝ようとしても、なかなか眠りにつくことができません。
ここでは空腹ではなぜ眠れないのか説明していきます。
ストレス
空腹で眠れない原因の1つは、ストレスが挙げられます。
ダイエット中は空腹による不満を長時間、我慢し続けなければなりません。それは睡眠しようとする時間にも及び、常にストレスがかかっている状態です。
人間はストレスがかかると、これに対抗するために脳はアドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンを大量に分泌します。アドレナリンなどは血糖値を上昇させる働きがあるので、集中力や判断力を高めてしまう結果に。すると、脳が覚醒するので、眠りたくても眠れなくなると考えられます。
神経伝達物質の働き
空腹で眠れない原因には、オレキシンという神経伝達物質の働きもあるでしょう。
オレキシンとは、脳の覚醒を維持する働きがある物質のこと。オレキシンは脳の視床下部という場所から分泌されますが、ここは満腹感や空腹感を司る摂食中枢と深い関係がある部分です。そのため、オレキシンと空腹には深い関係があり、空腹になると分泌されるようになっています。
野生動物は空腹になると寝る間を惜しんでエサを探しに行かなければなりません。そして、この作業には集中力が必要で、危険が伴うことから緊張感も保つ必要があります。つまり、空腹になると頭が覚醒するのは、本能的な働きによるものといえるでしょう。
栄養バランスの偏り
栄養バランスを崩して空腹になっている場合は、なかなか寝つけない可能性が高いです。
メラトニンという物質を聞いたことがある人は多いと思います。これは眠気を促す体内ホルモンで、夜スムーズに眠るために欠かせません。
メラトニンは陽が沈むころに体内で作られる物質ですが、メラトニンはセロトニンという物質が原料となっています。そのセロトニンはトリプトファンという物質から作られています。そして、トリプトファンはというと体内で作ることができないので、外から摂取しなければなりません。
つまり、トリプトファンは乳製品や肉類、穀物などに多く含まれているため、ダイエットで無理な食事制限をするとトリプトファンが作れなくなってしまいます。その結果、夜になっても睡眠ホルモンであるメラトニンが不足するので、眠れなくなっている可能性があります。
ダイエット中でも快眠するための方法
ダイエット中は食事の量が減ってお腹が減るので、ベストな状態でなかなか眠れないでしょう。しかし、上手に対策を取ることで、快眠できるようになります。
そこでここでは、ダイエット中に快眠する方法について紹介していきます。
食生活の改善
ダイエット中に快眠するためには、しっかりと3食バランスよく食べるようにしましょう。
ダイエットをしている人の中には、摂取カロリーを減らすために毎日2食しか食べないという人もいると思います。しかし、2食しか食べないダイエットは快眠とダイエットの両方によくありません。
その理由は、2食しか食べないと栄養バランスが悪くなることが考えられます。栄養バランスが悪くなるとトリプトファンが不足するので、夜になってもメラトニンが分泌されず眠れなくなります。特にトリプトファンは肉類に多く含まれていますが、ダイエット中は敬遠する食材の1つでしょう。
食べ過ぎは決してよくありませんが、食べないのも快眠とダイエットによくありません。ダイエット中に快眠するためにも、食事を3回摂り、かつ栄養バランスにも気をつけて食べるようにするとよいでしょう。
生活リズムの改善
生活リズムを整えることはダイエットと快眠に有効なので、おすすめです。
例えば、人間は習慣に大きく左右されるので、起きる時間と寝る時間を決めて習慣づけると眠りがスムーズになります。また、一定のリズムで生活をすると、食事の時間帯も自由に決められるでしょう。すると、寝る時間帯に空腹を感じない時間に食べるように調整できるので、空腹感がない状態で眠ることも可能です。
一定のリズムで生活できるようになると体への負担も軽減できるので、ストレスもたまりにくくなります。つまり、空腹を感じずにストレスもたまらなくなるので、快眠とダイエットに有効といえるでしょう。
適切な運動
ダイエットと快眠は、適切な運動をすることでも可能にしてくれます。
例えば、日中に運動をするとお腹が空くので、昼食や夕食でお腹を満たせて栄養補給ができます。また、運動をすることで体に疲労が溜まるので、夜に睡眠しやすくなるでしょう。特に、食事の前なら脂肪がエネルギーとして使われるので、ダイエットのタイミングとしてはベストです。
ただし、夜寝る前の激しい運動は逆効果ですので、控えてください。激しい運動をすると活動期に活発になる交感神経が優位になってしまいます。つまり、頭が冴えて寝つけなくなるので、夕食以降は激しい運動をしないようにしましょう。
ストレッチ
寝る前の激しい運動は睡眠の妨げになりますが、ストレッチは睡魔を促す効果が期待できます。
ストレッチには筋肉や血管を柔らかくする効果があるので、新しい血液がどんどん体中に供給されます。それによって起こるのが体温の上昇。実は人間が眠たくなる時というのは、体温が下がっていくときです。
事前にストレッチで体温を上げることで、寝ようと思ったときに体温が下がり始めるので、スムーズに眠れるようになるでしょう。
また、ストレッチをすると代謝がアップするので、ダイエットにも効果的。ぜひ寝る前にストレッチをする習慣を作ってみてはいかがでしょうか。
ストレス発散
空腹と睡眠のところで説明しましたが、ストレスは快眠をするのには邪魔な存在です。そのため、適度にストレスを発散しておくのがおすすめです。
趣味がある人という人は1週間や1日の間などで、時間を決めて趣味に没頭できる時間を作るといいでしょう。そうすれば仕事などでたまったストレスが発散できて、夜に気持ちよく眠れるようになります。
もし趣味がないという人は、日中に運動をするのがおすすめ。適度な運動をすると爽快感が得られるので、ストレスを発散させる効果が期待できます。もちろん、カロリー消費ができて脂肪の燃焼もでき、さらに体に疲れを蓄積できるのでダイエットと快眠の両方を叶えられるでしょう。
ストレス発散は人によって方法が違うので、自分に合った方法を時間を決めて行うようにしてください。
就寝1~2時間前の入浴
ダイエットをしている人なら、お風呂ダイエットという言葉を聞いたことがあるかもしれません。この入浴の習慣を就寝の1~2時間前にすることで、ダイエットと快眠がしやすくなります。
お風呂に入るとたくさんの汗をかくので、デトックス効果で代謝がよい体を作れるようになります。また、入浴では思っている以上のエネルギーを消費するので、カロリー消費もしっかりとできるでしょう。
何より、湯船にゆっくりと浸かることで、深部体温をグッと高められます。就寝の1~2時間前の入浴であれば、ちょうどよい時間帯に体温が下がってくるので、スーッと寝つけるようになるでしょう。
ただし、入浴には注意点もあります。お風呂ダイエットでは42度を超えるような高温で入る場合があります。しかし、高温で入ると交感神経が優位になるので、入浴するときは40度程度のお湯に浸かるようにしてください。そうすれば、リラックス効果が得られるので、快眠しやすくなります。
日光浴
夜スムーズに眠りたいなら、日光浴がおすすめです。
睡眠ホルモンであるメラトニンとセロトニンの関係を説明しましたが、メラトニンの原料となるセロトニンの分泌を促進するには日光浴が効果的。朝起きたときはカーテンを開けて太陽の光を浴びることで、夜の眠りがスムーズになるでしょう。
また、朝日を浴びると体内時計がリセットするので、狂っていた生活習慣を整えやすくなります。すると体への負担が減ってストレスを感じにくくなるので、ダイエットにも有効です。さらに、朝に散歩をする習慣を作れば、カロリーを消費できるのでダイエットにかなりおすすめといえるでしょう。
なお、セロトニンは無限に増えるわけではないので、1日30分を目安に日光浴をするのが効果的です。
ゆっくりと食べる
食事をするときは、ゆっくり食べるとダイエットと睡眠によい影響を与えられます。
ダイエットをしている人なら食事の量を減らしたいでしょう。ゆっくりと食べれば満腹中枢を刺激できるので、食べ過ぎをしにくくなります。また、一定のリズムで咀嚼するとストレスホルモンのコルチゾールが低下するので、自律神経が整ってストレスを軽減させることが可能。
さらに、咀嚼すると唾液の量が増えるといわれていますが、唾液量の増加は腸内環境を整えるのに有効です。腸内環境が整うと代謝がよくなってストレスにも強くなるので、ダイエットができて快眠もしやすくなるといえるでしょう。
睡眠前に温かいものの飲用
温かいものを睡眠前に飲むと、寝つきを良くするといわれています。
その理由は、温かいものを飲むと体温を上昇させられるためです。寝る前に体温を上げて横になったタイミングで体温を下げるようにできれば、スムーズに眠れるようになるでしょう。
ダイエットをしている人の中には、むくまないために水分を取るのを控えようと考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、水分を控えすぎると血流が悪くなるので、むくみやすくなるだけでなく代謝も悪くなってしまいます。つまり、ダイエットに逆効果です。
温かいものを飲むと体温が上がって代謝をよくできるので、ダイエットと快眠の両方に効果的といえるでしょう。
ダイエットのことを考えない
よく眠るためには、横になったらダイエットについて考えないことが大切です。
例えば、「明日はダイエットであれをしよう」や「全然思い通りに痩せない」などと考えてしまうと、頭が冴えていきます。特に悩みや不安は脳を緊張させるので、交感神経が刺激されてドンドン眠気が失われていくでしょう。
寝室に入ったらダイエットのことは考えず、ゆったりとした気持ちで過ごすようにしてください。
まとめ
ダイエット中は空腹になることが多くなるので、夜眠れない日が増えてしまいます。実際、空腹と脳の覚醒には関係があるので、お腹が空いた状態では寝るのが難しくなってしまいます。
しかし、食生活の改善や日光浴、就寝1~2時間前の入浴などで、ダイエット中でも快眠することは可能。この記事ではダイエットと快眠を両立させる方法を紹介してきましたので、ぜひ参考にして実践してみてください。そうすれば、気持ちよく眠れてダイエットをスムーズにしてくれるでしょう。