「首が痛くて夜眠れない」
「寝て起きても首の痛みがとれない」
「朝起きたら首が痛くなった」
こんな悩みをお持ちではないでしょうか。首の痛みがあると日中に活動する時に痛みで集中できなかったり、夜もなかなか眠れず体も心も疲れ果ててしまいます。放置しておくと症状が更に悪化することにもなりかねません。そこで本記事では、首が痛くなる原因から対処方法まで解説します。毎日を快適に過ごすヒントにしてくださいね。
首が痛くて眠れない時に考えられる4つの原因
様々な原因がありますが、主なものは以下の4つとなります。
- ストレートネック
- 寝違え
- 神経痛
- ぎっくり首
1つずつ詳細を解説していきます。
ストレートネック
首は本来、緩い「く」の字を描くようにカーブしているのですが、それが真っすぐになってしまった状態をストレートネックと呼びます。本来の姿勢ではないため、首に負担がかかってしまい多くの症状を引き起こします。たとえば、首や肩の痛みや、頭痛、手足のしびれ、目の疲れなどが挙げられます。
ストレートネックになる原因として、スマホやパソコン作業などで正しい姿勢をとっていないために引き起こされることが多いです。スマホやパソコンを覗く際は前傾した姿勢になりやすく、だんだん首のカーブがなくなっていきます。元の状態に戻らず無理な姿勢が続いてしまうため、様々な症状を引き起こしてしまうため、普段の姿勢が重要なポイントとなるでしょう。
寝違え
朝、目が覚めた時になぜか首が痛いということがあります。眠る前はいつも通りだったのに、寝て起きたら首に痛みがあり思うように動かせない時は、寝違えている可能性があります。上下左右に動かしにくかったり、ぐるっと首を回せない時は無理に動かさないようにしましょう。
寝違えの原因は、眠っている最中に無理な姿勢をしている可能性が考えられます。たとえば、枕が高すぎて首が無理な姿勢をとっていたり、マットレスが硬すぎて体の痛みを避けるために変な寝相をとってしまったり。そういった行動が首に負担をかけてしまうので注意しましょう。
神経痛
首に痛みを感じる際は、神経が圧迫されている可能性があります。痛みやしびれ、麻痺を感じる場合は、末梢神経が圧迫されているかもしれません。眠っている最中に不自然な姿勢で寝続けることで、首の頸椎(けいつい)周辺の神経が圧迫され、神経痛の原因となることがあります。寝違える時と似ており、あまり首を大きく動かさないよう注意してください。
神経痛の原因は、寝具が体に合っていないことで引き起こされる可能性があります。特に、高すぎる枕は首や肩に負荷をかけやすいため、寝るときに首や肩に余計な負担がかからない姿勢かどうか確認するとよいでしょう。
ぎっくり首
急性頸椎捻挫症のことをぎっくり首と言います。ぎっくり腰と同様、急に首に痛みが走り、動かせない状態のことです。これは首が捻挫状態になっており、何かしら急激な負担が首にかかると発症しやすいです。普段と違う環境で仕事をしたり、スマホやパソコンを操作する際は姿勢が崩れやすく、首を痛めやすいので気を付けてください。
また、急な刺激が引き金となりますが、日中や睡眠時の姿勢が崩れて、首に負担がかかっていても起こりやすいため、注意が必要です。慢性的な肩こりが原因で、首に負担をかけてしまい発症することもありますので、日々の生活にも注意を払いましょう。
首が痛くて眠れないのは病気?
いきなり首が痛くなったり、痛みがなかなかひかないと、病気ではないかと心配になりますよね。首の痛みに関連する主な病気は「頸椎椎間板ヘルニア」と「頚椎症」の2つが考えられます。不自然な姿勢や衝撃が原因で発症しやすいため、日常生活を送る際に、正しい姿勢や突然激しい動きをしないよう気を付けましょう。
頸椎椎間板ヘルニアは、椎間板と呼ばれるものが変形し、神経を圧迫する病気です。その他にも、外傷によって神経が傷つき圧迫されるケースもあります。頸椎症も、骨が変形して神経を圧迫している際や、加齢によって椎間板がすり減った状態に発症しやすいです。
痛みがひどい場合は自分だけで判断せず、医療機関で適切な治療を受けるようにしましょう。
睡眠中だけじゃない!日中のストレスが原因のことも
寝違えやぎっくり首のように突然痛みが生じるときもありますが、引き金となるのは不自然な寝姿勢や日中の姿勢だけではありません。普段の生活でため込むストレスや、日中の体の冷え、歯ぎしりなど様々な要因が考えられます。これは血行不良が関係しており、一定時間冷えが継続すると筋膜炎を起こしやすくなるため。歯ぎしりも首回りの筋肉に大きな負荷をかけるため、首に炎症を起こしやすくなります。寝ている最中だけでなく、日中の生活にも気を配るようにしましょう。
準備不足のリモートワーク環境がもたらす首への負担
2020年以降、リモートワークで働く方が増えています。その影響で、職場に行かず家の中で仕事をする機会が増えた方も多いのではないでしょうか。実はこうした状況が首の痛みにつながる可能性があります。なぜかというと、急激に拡大したリモートワークによって、家で仕事をするための環境が整っていない状態で働くようになったから。机や椅子などが自身に適した高さでないと、長時間作業すると姿勢が崩れやすく、体に負担がかかります。また外出せず、運動量が減ることで血行不良につながる可能性も。リモートワークの環境を整えることで、首へかかる負荷の軽減につながります。しっかり対策していきましょう。
4つの原因の対処方法を知っておこう
では、これらの原因に対して、どう対処していけばよいのでしょうか。まずは先ほど取り上げた主な4つの原因について、それぞれ解説していきましょう。
ストレートネック
無理な姿勢を長時間続けることを避ける。これが主な対処法となります。仕事でもプライベートでも、パソコンやスマホを使う時、首に負担がかからない姿勢を意識するとよいでしょう。また、日中の行動を改善しても痛みがひかない場合は、使っている寝具、特に枕が合わない可能性も。日中と就寝時、両方を見直してみるとよいでしょう。
寝違え
寝ている最中に体に負担のかかる姿勢をとらないよう、気を付けましょう。そのためにも、就寝前の過ごし方も重要です。たとえば、寝る直前までお酒を飲んだり、ベッド以外のところで寝てしまったりなど、いつもと違う姿勢になりやすい状況は要注意。加えて、ストレートネックの時と同様、寝具が体に合っているかも確認しましょう。理想の寝姿勢は、仰向けは直立した時の首や腰のカーブを保つことで、横向きは背骨とマットレスが平行になっているのが目安です。購入する際に、できれば実際に寝てみて体の沈み込み具合を確認するとよいでしょう。
神経痛
神経痛への対処は、寝違えの際と同様で寝具を選ぶポイントに気を付けるとよいでしょう。仰向けと横向きの姿勢を確認するようにしてください。また、寝返りを打つ回数が少なすぎるのも、神経痛につながる可能性があります。人間は一晩に20~40回ほど寝返りを打ちますが、回数が少ないことで筋肉や血流が凝り固まり、痛みにつながります。姿勢を保ちつつ適度に寝返りを打つことができる程度の反発力や、ベッドのスペースがあるかも確認するとよいでしょう。
ぎっくり首
急性の捻挫のため、首に急激な負担がかかる行動を避けるようにしましょう。寝具も重要で、高さの合わない枕や体が沈み込みすぎるマットレスなど、首に負担をかけず、適切な寝姿勢を保てる寝具を選んでください。また、なってしまった際は患部を冷やすのが効果的です。可能であれば整体に行き、体の歪みを含めて治療するのもおすすめですよ。
枕が合わないことが原因で痛むこともある
ここまででお伝えしたように、首の痛みを予防するためには日中と就寝中の活動が重要です。日中は問題なくても就寝中に無理な態勢で寝てしまうと、首を痛める可能性があるため、寝具がしっかり体に合っているかを確認するとよいでしょう。特に枕が合わないと首に負担がかかりやすいため注意。高すぎると頸椎が圧迫され、あごが上がり口呼吸になり睡眠の質が下がる可能性もあります。低すぎると枕で頭を支えられず、首に負担がかかりますので、適切な高さの枕を選んでください。
ではどんな枕やマットレスを選ぶとよいのでしょうか。まずは以下点を考慮して選ぶとよいでしょう。
- 枕は体格
- マットレスは反発力、硬さ、体圧分散性
枕に関しては体格の良い方はやや高め、細身の方は低めから試してみてください。マットレスは寝返りしやすい適度な反発性、寝姿勢を保つ適度な硬さや体圧分散性があるものを選んでみてください。
座ったまま簡単!痛みの予防には30分に一度のストレッチ
ただ、集中して作業をしていたり、翌朝起きたら首に痛みを感じる日もあるかと思います。そうならないよう、日頃の生活で予防を意識した行動をとることが大切です。具体的には30分に1度は体を動かすようにするとよいでしょう。特に首の痛みに効果的なのは、僧帽筋(そうぼうきん)のストレッチです。首から肩や背中にかけての筋肉をほぐすことで、首の痛みの予防につながります。
具体的には、以下手順で行ってみてください。
- 10秒間、肩をすくめる
- 10秒たったらストンと下に落とす
- これを10回程度繰り返す
日中はもちろん、湯舟につかりながらストレッチするのもおすすめです。お風呂に入ることで血行が促進されますので、ストレッチの効果も上がりますよ。
寝るだけ整体もおすすめ
ストレッチ以外にも、自宅でできる整体もおすすめです。寝るだけ整体というもので、バスタオル1枚あればできますよ。首を痛めた原因が体のゆがみだと、定期的にマッサージや整体に通う必要があります。そうならないためにも、日頃ケアをすることで正しい状態を維持できるようにしましょう。以下に簡単なやり方を記載するので、しっかりと対策をしたい方はぜひ試してみてください。
- 120cm×60cmの少し厚みのあるバスタオルを用意
- くるくる丸めて直径8~10cmの枕(円柱)を作る
- 枕を使い仰向けに寝てみる
- 3.の時に4つのポイントをチェックする
- 天井がまっすぐに見えるか
- 喉に圧迫感がなく呼吸しやすいか
- 首が浮いていないか
- 肩と肩甲骨がしっかり床や寝具についているか
- 3つの寝返りストレッチをする
- 首ほぐし
- 基本姿勢で肩を動かさずゆっくりと顔を横に倒す
- 倒したら3~5秒キープし、反対側に倒して同じ時間キープ
- 2.を1セットとして5回程度実施する
- 腰ほぐし
- 仰向けに寝て両足ひざを立てる
- 立てた膝を片側にゆっくり倒す
- 床から肩が浮かないよう注意し5秒キープする
- 反対側に倒し同様に5秒キープ
- 3と4を1セットにして5回繰り返す
- 全身ほぐし
- 片足のみひざを立てる
- 立てたひざを伸びている足側にゆっくり倒す
- 肩は床につけたまま5秒キープする
- その状態から立てた膝のほうに腰や肩や顔も倒す
- 再度5秒キープし、ゆっくりと正面に戻す
- 2~5を逆側の足でも実施する
- 2~6を1セットに5回繰り返す
- 首ほぐし
全部やるとボリュームがありますので、できるところからでも大丈夫。毎日コツコツ継続して取り組んでいきましょう。
まとめ
今回は、首の痛みで眠れない原因と対処法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。痛めた時の対処法を知ることも大切ですが、それよりも重要なのが日頃の予防です。日中や睡眠中の姿勢を、首にとって負担のかからない姿勢を意識することや、寝具を体に合うものにすることが大事なので、日々の生活を見直していきましょう。首の痛みは睡眠の質や量を低下させ、快適な日々を送る妨げとなります。本記事の内容を実践して、快適な毎日を過ごしていきましょう。