睡眠ノウハウ

長時間寝ると疲れる理由とは?質の高い睡眠のためにやること

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溜まった疲れを取ろうと長時間寝たはずなのに、逆に疲れてしまったという経験はないでしょうか。

「長時間寝たのに疲れる理由が分からない」

「睡眠の質を高めたい」

そんなお悩みを抱えている方は多いと思います。

長時間寝ることで疲れる理由とは何なのでしょうか。

この記事では長時間寝ると疲れる理由や対処法、質の高い睡眠を得るための方法について解説していきます。

記事を読むことで、睡眠に対する考え方が良い方向に一変し、質の高い睡眠を手に入れることができるようになるでしょう。

この記事の監修者
睡眠健康指導士、建築物環境衛生管理技術者
佐々木崇志
東北大学大学院薬学研究科修了。修士(薬科学)、建築物環境衛生管理技術者。 修了後は臨床研修指定病院で医局秘書や学生担当として全国の医療を志す学生や医療従事者と携る。勤務していく中で睡眠に関する訴えが医療従事者にも多い事に気づき、自身も医療従事者や患者の助けにならないかと考えるようになり個人で活動を始める。現在は東北を活動の拠点として睡眠(体内時計・時計遺伝子)の研究の経験、資格の知識を生かしながら睡眠啓蒙活動を行なっている。

長時間寝ると疲れる理由

起きれない人

長い時間の睡眠により疲れる理由は、同じ姿勢で長い時間寝ることで体の一部に血行不良やコリが発生してしまうからです。

寝ている姿勢にもよりますが、コリや血行不良は主に背中や腰に起こります。

この状態から起きた時に、体に疲れやだるさといった不快な症状が生じてしまうのです。

また、経験がある方もいらっしゃると思いますが、長い時間寝すぎると二日酔いのように頭痛が起こることも。

この症状は医学的にも証明されていて、睡眠酩酊と呼ばれています。

睡眠酩酊は二日酔いと症状こそ似ていますが、実際に受けるダメージはすこし違います。

長時間の睡眠により脳のサイクルがくるってしまい、頭痛とともに体が重くなったりします。

これらの症状が、長い時間の睡眠が疲れるゆえんといえるでしょう。

睡眠で疲れる原因

眠気がとれない

睡眠が長くなると疲れるとお話ししましたが、そもそも寝ても疲れが取れないと感じている方もいらっしゃいます。

そこで、睡眠によって疲れが解消できない理由について解説していきます。

疲れが解消できない理由は、以下の6つの原因が考えられます。

  • 疲労の蓄積
  • 老化
  • 体を動かさない
  • 精神的な疲労
  • メンタルの不調
  • 睡眠障害

疲労の蓄積

睡眠では回復できないほどの疲労の蓄積があると、寝ても疲れが取れない原因となっている可能性があります。

疲労の蓄積は、自覚がないため気付かないことが多いもの。

仕事はいつも室内で動かないからといって、疲労が蓄積しないわけではありません。

座りっぱなしや食生活の乱れも疲労の蓄積につながりますので注意しましょう。

老化

老化が進行すると睡眠の質が下がります。

理由は、老化によって細胞も正常に働かなくなり睡眠時における修復機能を低下させてしまうからと考えられています。

老化により細胞の修復機能が働かなくなると、睡眠時の細胞修復が十分に行われません。

つまり、寝ても疲れが残るというわけです。

体を動かさない

体を動かすと逆に疲れてしまいそうですが、なぜ疲労が取れない原因になってしまうのでしょうか。

体を動かすと新陳代謝が活発化され、全身の筋肉がまんべんなく使われることで全身に血流がめぐるからです。

この作用により睡眠で疲れが取れない要因の1つとなっています。

精神的な疲労

精神的な疲労が増えると体に不調のサインが出てきます。

始めにあらわれるサインは自律神経の乱れ。

自律神経が乱れると頭が痛くなったり、立っていてクラクラしてしまうなどの不調が起こります。

精神的な疲労は自分の気持ちにフタをして我慢し続けることや、反すう思考などにより引き起こされますので、日頃からストレスをためすぎないようにしましょう。

メンタルの不調

メンタルの不調も睡眠を浅くする要因となっています。

統合失調症などのメンタル疾患を患っていると熟睡できないことも。

横になっている時間は長い割に、疲れや眠気が取り除かれていないと感じるシーンが多いため、寝ても疲れが取れない原因となっています。

睡眠障害

いびきや不眠症にも睡眠の質を下げてしまう効果が確認されており、寝ても疲れが取れない要因となっています。

いずれも睡眠が浅い時間が長いため、満足な熟睡感が得られず起きたときに眠気やダルさを感じてしまいます。

この場合、睡眠で疲れを感じないためにも医療的な治療が必要といえるでしょう。

適正な睡眠時間

ベッドで寝ている人

長い時間の睡眠により疲れる原因について解説してきました。

そもそも適正な睡眠時間はどれくらいなのでしょうか。

個人差はありますが、推奨されている睡眠時間は平均8時間といわれています。

理想とされる睡眠時間の前後1時間までが、睡眠の効果を得るために許容できる睡眠時間となるわけです。

推奨睡眠時間の前後1時間を越えてくると、満足に睡眠の恩恵を得ることはできないでしょう。

9時間を越えてしまう場合は寝すぎとなり、はじめに解説した睡眠酩酊を誘発しかねませんので注意が必要です。

長時間の睡眠が及ぼす影響

眠気がとれない人

次に長時間の睡眠が及ぼす影響について見ていきましょう。

睡眠を長く取り過ぎることで起きる症状は、以下の5つです。

  • 病気のリスク増加
  • 脳のパフォーマンス低下
  • 頭痛
  • 生活リズムの乱れ
  • 体重の増加

病気のリスク増加

長い時間の睡眠により病気のリスクが高まります。

一番リスクが高まる病気は心臓病。

また、糖尿病や慢性疾患のリスクも高まるほか、病気ではありませんが記憶障害も引き起こすとされています。

脳のパフォーマンス低下

寝すぎによって運動量が少ないと、血流が悪くなり全身に血液が循環しなくなります。

すると、脳が血液から十分なエネルギーを吸収できないことによって脳のパフォーマンス低下につながるわけです。

頭痛

もともと持病として、慢性的な頭痛がある方は特に注意が必要といえるでしょう。

頭痛につながるカラクリは次の通りです。

睡眠により副交感神経が優位になることで血管が拡張。

拡張した血管が三叉神経を刺激するため頭痛が誘発されるという流れです。

睡眠を取り過ぎて副交感神経の優位な時間が長くなると、このような状況に陥りやすいため、睡眠は長く取りすぎないようにしましょう。

生活リズムの乱れ

平日は仕事などで決まった時間に起きる必要がありますが、休みの日は平日に比べると遅く起きがちです。

睡眠も長くなっているケースが多く、そうなると生活リズムが乱れる原因となってしまいます。

睡眠をたくさん取って起きる時間が遅くなるということは、その日の就寝時間も遅くなるという悪循環を誘発してしまうでしょう。

その状態で平日の生活に突入すると、確実に生活リズムの乱れが生じてしまいます。

休みの日だからといって長く寝たりしないで、普段と同じ時間に起きることが大切です。

体重の増加

睡眠を長くとると、日中に比べ消費カロリーが少なくなります。

休日に長い時間の睡眠をとってしまうと、消費カロリーが減少したあげく食事量は増えてしまいがちなため、体重の増加は加速してしまうでしょう。

睡眠が長くなる原因

布団から出れない

睡眠が長くなってしまう原因には、以下の4つがあげられます。

  • 体と心の疲労が重複
  • 年齢による問題
  • 睡眠負債
  • メンタルの不調

体と心の疲労が重複

疲労は体だけに起こるものではありません。

精神的なストレスも疲労の1つです。

体と心の疲労度が高いと必然的に体が睡眠を求めてしまい、長時間の睡眠を取ってしまう要因となります。

年齢による問題

歳を取ると、睡眠の質は低下します。

低下した分の睡眠を補おうとして睡眠時間が長くなってしまうことも。

睡眠の質が低下しているため、ぐっすり寝ている感じが得られず長い時間ベッドに横になって過ごしてしまいます。

睡眠負債

仕事や子育てに追われてしまい、睡眠時間が確保できずに睡眠負債が溜まっていることがあります。

この場合、寝だめをしようとすると睡眠時間が長くなってしまいがち。

1度の寝だめでは睡眠負債は解消できないため、普段から適正な睡眠時間を習慣化しておく必要があります。

精神疾患

精神疾患は一度発症してしまうと、なかなか改善しないもの。

睡眠に及ぼす影響も大きく、いくら寝ても眠気が取れない不眠症と真逆の過眠といった症状が出ることもあります。

精神疾患による過眠などの症状が出た場合は、根本となるメンタルの不調を整えることが重要といえるでしょう。

長時間寝ないための対処法

長く寝たい人

長い時間寝ないようにするための対処法について、以下の3つをご紹介します。

  • 時間の規則化
  • 太陽光による体内リズム改善
  • 睡眠時間の平均化

時間の規則化

人の生態系は基本的に規則的な生活をするようにできています。

この性質を利用して起床と就寝時間を決めてしまい、生活を規則化しましょう。

不規則な生活による睡眠の乱れが解消されます。

平日のみではなく、休日も同じ規則に従って生活することがポイントです。

太陽光による体内リズム改善

朝起きたらすぐに太陽光を浴びるようにします。

太陽光には体内リズムをリセットしてくれる効果と眠気を取り除く効果があるためです。

習慣化することで、気付いたときには朝になると脳が自然と目覚める体内リズムが確立されていることでしょう。

睡眠時間の平均化

睡眠を取りすぎてしまう休日にも長時間寝ないための対策が必要です。

ここまで紹介してきた対処法になれるまでは、休日の午前中に予定を入れておくなどして起床時間が遅くならないようにしておきましょう。

また、自分の趣味や楽しみな予定を組むなど工夫を凝らすことで、早く起きることが苦にならなくなります。

質の高い睡眠のためにやること

まだ寝かせてほしい人

睡眠時間を適正にとれるようになっても、睡眠の質が低かったら意味がありません。

そこで、睡眠の質を高めるために役立つ6つの方法をご紹介します。

  • 食生活の改善
  • 運動習慣の確立
  • メンタルの安定
  • 寝る前の食事禁止
  • ブルーライト制限
  • 適正な寝具の選定

食生活の改善

細胞の修復には、エネルギー源や材料となる栄養素が必要です。

細胞となるタンパク質を変換するために脂質やビタミンなどの栄養素も重要になってきます。

そのため、多くの食材からさまざまな栄養素を吸収した方がよいとされています。

具体的なイメージがつかないという方は、主に3大栄養素を意識した食生活を心がけましょう。

運動習慣の確立

運動習慣の確立は質の高い睡眠を得るために多くの恩恵をもたらします。

軽い疲労が睡眠の質を高めてくれるばかりか、適度な運動により筋肉がほぐれ、全身に血流が巡ることで疲労の低減にも効果を発揮します。

運動は気分転換にもなります。

メンタルの安定

メンタルの安定も睡眠の質を高める上で重要な要素の1つです。

ストレスが溜まった状態でいると、寝る前も思考が止まらなくなってしまいメンタルが安定しません。

この状態で、無理に寝ても質の良い睡眠は得られないでしょう。

ストレスをためない考え方が難しいという方は、自分に合った心を落ち着かせる習慣を作るとメンタルの安定につながります。

アロマを焚いてみたり、ホットココアで精神を安定させてくれるGAVAを摂取したりするのもオススメ。

寝る前の食事禁止

食事のあとに体内で行われている消化は活動に分類されます。

就寝前に食事をしてしまうと消化活動が活発化してしまい、副交感神経が優位にはならず睡眠の質は低下してしまうでしょう。

寝付くことができたとしても、脳や消化器官は活動しているため細胞の修復はされず睡眠としての機能は満たせていません。

この状態から目覚めると確実に疲れは取れていないでしょう。

最低でも、就寝時間の3時間前までには食事を済ませておく必要があります。

ブルーライト制限

ブルーライトには脳を覚醒させる効果があります。

スマホやPCはブルーライトを発しているので、就寝の2時間前からは使わないようにしましょう。

寝る前のブルーライトをカットすることで睡眠の質が良くなります。

スマホをベッドの近くで充電すると使用してしまう可能性が高くなるため、充電器具はなるべく寝る場所から離れた位置に設置しましょう。

快適な睡眠環境の構築

質の高い睡眠にとって、睡眠環境を整えることは重要です。

まずは自分に合った寝具の選定をしましょう。

快眠できる寝具が決まったら、室内の温度や湿度を睡眠に適したものに設定します。

湿度が高すぎれば除湿、室内が乾燥しすぎるようなら加湿、といった具合に空調を使用して室内を快眠できる環境へと改善していきましょう。

まとめ

使われた寝具

この記事では、長時間の睡眠をとると疲れてしまうメカニズムや原因、対処法について詳しく解説してきました。

睡眠は人が生きていく上で、日々のパフォーマンス維持や疲労回復、メンタルの安定などに不可欠な機能です。

意味もなく長く寝すぎたり、短く削ったりして質を低下させては元も子もありません。

睡眠をおざなりにしてしまい、本来、起こることもなかった心身の不調などを起こしてしまうと勿体ない行為だといえます。

健全で充実した人生を過ごすためにも、質の高い睡眠を取ることを意識して生活の質を高めていきましょう。

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