「マットレスの種類によってどんな特徴があるか知りたい」
「自分にあったマットレスを探したい」
このようなお悩みはありませんか?
人生のうちなんと3分の1は睡眠時間。
マットレス選びに失敗すると睡眠の質に大きな影響があり、腰痛や肩こりなどの体の不調につながります。
この記事では、マットレスの種類とそれぞれの特徴を解説し、自分にあったマットレスの見分け方やマットレスの種類別におすすめな人を紹介します。
これから「マットレスを買おうと思っている人」「寝ても疲れがとれずに困ってる人」が、自分にあったマットレスを選び、快適な睡眠ライフを手に入れる一助となれば幸いです。
マットレスの種類とそれぞれの特徴
マットレスには大きくわけて、クッション材にスプリングコイルを使用する「コイル系マットレス」とスプリングコイル以外を使用する「ノンコイル系マットレス」があります。
コイル系マットレスは、スプリングコイルの違いによって
- ポケットコイルマットレス
- ボンネルコイルマットレス
があります。
ノンコイル系マットレスは、使用するクッション材の違いから
- ウレタンマットレス
- ファイバーマットレス
- ラテックスマットレス
の3種類にわけられています。
どのマットレスが自分にあっているかは、体格や性別などによって変わります。
それでは、5種類のマットレスの特徴を解説します。
マットレスの種類別の比較表
マットレスの種類 | 体圧分散 | 反発力 | 通気性 | 耐久性 | 振動 | 価格 |
ポケットコイル | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ | △ |
ボンネルコイル | △ | ◯ | ◯ | ◎ | △ | ◎ |
高反発ウレタン | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ | ◯ |
低反発ウレタン | ◎ | △ | △ | △ | ◎ | ◯ |
ファイバー | △ | ◯ | ◎ | ◯ | △ | △ |
ラテックス | ◎ | ◯ | △ | ◎ | ◎ | △ |
ポケットコイルマットレス
ポケットコイルマットレスとは、スプリングコイルを1つずつ不織布の袋に包んで並べたマットレスで、フィット感があり寝心地がいいのが特徴です。
ポケットコイルマットレスは、コイルを等間隔に並べたやわらかい寝心地の「並列配列」と、コイル同士が密着しておりしっかりとした寝心地の「交互配列」があります。
メリット
- 体圧分散に優れ、理想の寝姿勢を保てる
- 反発性があり寝返りが打ちやすい
- 振動が伝わりにくい
コイルが独立して動き体を「点」で支えるため、体圧分散に優れており理想の寝姿勢(立ったときと同じ姿勢)を保つことができます。
反発性があり寝返りが打ちやすいので、体への負担を軽減してくれます。
また、複数人で寝ても振動しにくいため、隣の人の眠りを妨げることもありません。
デメリット
- 価格が高い
- 大きく重いので持ち運びやメンテナンスが大変
ポケットコイルマットレスは、多くのコイルを使用するため価格が高くなります。
また、コイルを多く使用するということで、大きく重くなるためメンテナンスや持ち運ぶ作業は大変です。
ボンネルコイルマットレス
ボンネルコイルマットレスは、複数のスプリングコイルを連結した構造をしたマットレスで、敷布団で寝るような硬めの寝心地が特徴です。
メリット
- 耐久性が高い
- 反発性が高い
- 価格が安い
コイル全体に体重を支え、体を「面」で支えるためコイルがへたりにくく耐久性が高くなります。
反発性も高いため寝返りが打ちやすく、体への負担も軽減されます。
また、ポケットコイルマットレスよりコイルの量を少なく作成できるため、安く購入できる製品が多いのも魅力です。
デメリット
- 体圧分散に劣る
- 振動が伝わりやすい
- きしむ音がする
体を「面」で支えるので、腰やお尻などの部位に負担がかかります。
コイルが連結されているため振動が伝わりやすく、複数人で寝るには向いていません。
また、圧力が分散されにくいので「ギシギシ」ときしむ音がします。
ウレタンマットレス
ウレタンマットレスは、スポンジなどに用いられるクッション素材のウレタンフォームで作られたマットレスで、フィット感が高い寝心地が特徴です。
ウレタンフォームは軽い素材。よってマットレスも軽くなり、持ち運びやメンテナンスがしやすくなっています。
ウレタンマットレスには、「高反発ウレタンマットレス」と「低反発ウレタンマットレス」があります。
高反発ウレタンマットレス
もとの形に戻る反発力が強く、ほどよい硬さのマットレスです。
メリット
- 体圧分散に優れている
- 反発力が高く寝返りが打ちやすい
- 品質と比較して価格が抑えられている
ほどよいフィット感があり体圧分散に優れているため、理想の寝姿勢を保つことができます。
反発力も高く寝返りが打ちやすいので、体への負担が少なく肩こりや腰痛になりにくいとされています。
ヘタりにくく耐久性が高いのにプラスして、価格も抑えれておりリーズナブル。品質と価格のバランスがいいコスパの高いマットレスとなっています。
しかし、粗悪品はヘタりやすく注意が必要です。
デメリット
- 通気性が悪い
コイル系マットレスに比べて、通気性に劣るのでカビやダニが発生しやすいため、しっかりと湿気対策をすることが大切です。
低反発ウレタンマットレス
もとの形に戻る反発力が弱く、やわらかく包み込むような寝心地が特徴です。
横向きで寝ても安定したフィット感があります。
低反発ウレタンマットレスは、睡眠の質を考慮するとデメリットが多くおすすめしません。
デメリットには次のようなものがあります。
- 腰が沈み込んで負担がかかり腰痛の原因になる
- 反発力がなく寝返りが打ちにくい
- 通気性が悪くカビやダニが発生しやすい
- ヘタるのがはやく耐久性が低い
そのため、ウレタンマットレスを選ぶときには「高反発」にしましょう。
ファイバーマットレス
ファイバーマットレスは、プラスチックの一種である「ポリエチレン、ポリエステル」を繊維状にした素材で作られたマットレスで、釣り糸を作る技術が用いられています。
メリット
- 丸ごと水洗いができて衛生的
- ファイバー素材はダニやカビが発生しにくい
- 通気性に優れている
- 反発力が高く寝返りが打ちやすい
ファイバーマットレスのメリットは衛生的なこと。なぜなら、ファイバー素材は水に強いため丸ごと水洗いができ、ダニやカビも発生しにくいからです。
また、ファイバー素材が網目状になっているため空洞が多く、通気性にも優れています。
そのため、夏でも快適に眠ることができ、水洗いした際もすぐ乾くのでメンテナンスが楽です。
デメリット
- 硬めでフィット感が少ない
- 振動が伝わりやすい
- 熱や直射日光に弱い
- ヘタりやすく耐久性が低い
- 価格は高い
寝心地は硬めでフィット感が少ないため、あまりいい寝心地とはいえません。
振動も伝わりやすく、複数人で寝るときは避けたほうがいいでしょう。
ファイバー素材は熱や直射日光に弱く、70度を超えると溶け出してしまいます。
天日干しや布団乾燥機の使用、電気ストーブなどの暖房器具の使用には注意が必要で、水洗いした際には陰干しをしましょう。
価格は非常に高価なものが多く、ヘタりやすく耐久性が低いのも難点です。
ラテックスマットレス
ラテックスマットレスは、ゴムの木から採取される樹脂を原料に作られるマットレスで、独特のやわらかさと反発性で寝心地がいいという特徴があります。
メリット
- 体圧分散に優れている
- ゴム特有の反発力があり、寝返りが打ちやすい
- 自然抗菌効果があり衛生的。
- ヘタリがほとんどなく、耐久性が高い
ラテックスマットレスは、体圧分散に優れており反発力もあるため、体への負担が少なくなっています。
ラテックス素材には自然抗菌効果があるので、カビやダニが発生しにくく衛生的で、ホコリもほとんど出ないのでメンテナンスが楽なところも魅力です。
デメリット
- 通気性が悪い
- 重量があり、持ち運びやメンテナンスがしにくい
- ゴム臭やラテックスアレルギーがある
- 価格が高い
ラッテクスマットレスには空気の通る穴があいており、ある程度の通気性はありますが、夏だと蒸れを感じるなど通気性はよくありません。
素材がゴムなので、品質によってゴム臭がしたり、ラテックスアレルギーがある方は避けた方がいいでしょう。
価格も高くなっており、安くなっている製品では耐久性が低かったり品質が悪かったりするので注意が必要です。
自分にあったマットレスの種類を見分ける方法
マットレスが自分にあっているかを見分けるポイントは5つあります。
- 寝心地がいいか
- 適した硬さになっているか
- 寝返りがしやすい反発力があるか
- 厚みは十分か
- 体格や人数に適したサイズか
ポイント①寝心地がいいか
寝心地はマットレスの種類ごとに違ってきます。
寝心地の感じ方は、体格や体質などによって変わってくるため、いくら評価の高いマットレスでもそれが自分に合っているとは限りません。
自分にあったマットレスの寝心地を確かめるためには、実際にマットレスに寝て試してみることが重要です。
ポイント②適した硬さになっているか
マットレスの硬さは、寝るときの姿勢が立ったときと同じ姿勢をとれるかが大切です。
マットレスと背中に隙間がなければ、圧力が一定の部位に集中することなく体全体にかかり、体圧が分散されています。
マットレスがやわらかすぎると圧力がかかる部位が沈み込み、硬すぎると腰などに集中して圧力がかかるため、腰痛や肩こりの原因になります。
ポイント③寝返りがしやすい反発力があるか
快適な睡眠には寝返りが欠かせません。
寝返りには、体への負担軽減や血行の促進、体温調整や湿度調整などいろんな役割があります。
マットレスに反発力があることで、寝返りをサポートしてくれます。
しかし、寝返りのしすぎは睡眠をさまたげる原因になるもの。よって不自然な寝返りにならない程度の適度な反発力が求められます。
ポイント④厚みは十分か
体圧分散が優れており理想の寝姿勢がとれていても、厚みが薄いと沈み込んだ体がマットレスの底についてしまいます。
それを防ぐためにも、10cm以上の十分な厚さがあるマットレスを選びましょう。
ポイント⑤体格や人数に適したサイズか
マットレスは体格や人数によって、適正なサイズが変わってきます。
マットレスのサイズがあっていないと、寝ている間も落ちないように意識して寝返りが打ちにくくなります。
複数人で寝るときも同様です。
パートナーや子供と一緒に寝るときは、寝返りが打てるくらいの余裕をもったサイズを選ぶことが重要です。
マットレスの種類別におすすめな人を紹介
マットレスの種類別におすすめの人を紹介します。
マットレスの種類別のおすすめ
マットレスの種類 | 特徴 | おすすめな人 |
ポケットコイル | ・体圧分散に優れている
・振動が伝わりにくい ・価格は高い |
・華奢な人や女性
・複数人で寝る予定の人 ・体の不調に悩んでいる人 |
ボンネルコイル | ・反発性が高い
・振動が伝わる ・耐久性が高く価格も安い |
・お金に余裕がない人
・体格がしっかりした人 ・硬めの寝心地が好きな人 |
(高反発)ウレタン | ・体圧分散に優れている
・振動が伝わりにくい ・価格は抑えらている |
・体格がしっかりした人
・体の不調に悩んでいる人 ・品質と価格どちらもこだわりたい人 |
ファイバー | ・丸ごと水洗いできる
・通気性が優れている ・価格は高い |
・いつも清潔な状態に保ちたい人
・アレルギー対策がしたい人 ・暑がりで汗をかきやすい人 |
ラテックス | ・寝心地がいい
・自然抗菌効果がある ・通気性が悪い ・価格が高い |
・とにかく寝心地にこだわりたい人
・体の不調に悩んでいる人 ・アレルギー対策がしたい人 |
ポケットコイルマットレスがおすすめな人
ポケットコイルマットレスは、体のラインにフィットしてコイルが沈み込んで寝姿勢を保ち、振動も打ちやすいという特徴があります。
上記の特徴から次に当てはまる人が向いています。
- 体重が軽い人や女性
- 複数人で寝る予定の人
- 腰痛や肩こりなど体の不調に悩んでいる人
ボンネルコイルマットレスがおすすめな人
ボンネルコイルマットレスは、体をマットレス全体で支えあまり沈み込まないこと、価格が安い製品が多いという特徴があります。
上記の特徴から次に当てはまる人が向いています。
- 価格を抑えたマットレスが欲しい人(一人暮らしの学生や新社会人など)
- マットレスに沈み込みやすい体格がいい男性や体重が重い人
- 敷布団で寝たときのような硬めの寝心地が好きな人
(高反発)ウレタンマットレスがおすすめな人
高反発ウレタンマットレスには、ほどよい硬さがあり体が沈み込みすぎず、ポケットコイルマットレスより価格が抑えられた製品が多いという特徴があります。
上記の特徴から次に当てはまる人が向いています。
- 腰痛や肩こりに悩んでいる人
- 体格がしっかりした人
- 品質と価格のコスパがいいマットレスを選びたい人
ファイバーマットレスがおすすめな人
ファイバーマットレスには、丸ごと水洗いできてダニやカビが発生しにくいこと、通気性に優れているという特徴があります。
上記の特徴から次に当てはまる人が向いています。
- マットレスを常に清潔な状態に保ちたい人
- ダニやハウスダストなどアレルギー対策をしたい人
- 暑がりで汗をかきやすい人
ラテックスマットレスがおすすめな人
ラテックスマットレスには、やわらかい寝心地と反発性が両立していること、価格は高いが耐久性が高いという特徴があります。
上記の特徴から次に当てはまる人が向いています。
- 腰痛や肩こりに悩んでいる人
- とにかく寝心地にこだわりたい人
- ダニやカビなど衛生面を気にする人
- お金に余裕があり耐久性が高いマットレスがいい人
どのマットレスが向いているかは、それぞれの環境や体格、体質によって変わってきます。
あくまで参考程度にしておき、実際に試してみることをおすすめします。
実際に寝心地を試すときに確認すること
マットレスを購入するときには、実際に寝心地を確認することが重要です。
マットレスを試す方法として次のようなものがあります。
- メーカーのショールームに行く
- 家具量販店やホームセンターの寝具コーナーに行く
- レンタルで借りてみる
- 返金保証のあるネット通販で購入する
メーカーのショールームや家具量販店の寝具コーナーで、寝心地を試すときに確認しておくべきポイントを紹介します。
寝るときはなるべく薄着で確認する
寝心地を試すときには、ジャケットなどを着用していたり厚着をしていると本来の寝心地がわからなくなるため、なるべく薄着で確認するようにしましょう。
第一印象を大切にする
寝心地は試す人によって感じ方がそれぞれ違ってきます。
どんなに高品質でいい機能がついていたとしても、寝心地がよくなければ快適な睡眠にはなりません。
したがって、品質や機能性よりも自分が感じた印象を大切にしましょう。
5分間は横になって寝心地を確認する
寝心地の第一印象がよければいいというわけでもありません。
第一印象だけではわからないこともあるので、5分ほどは横になって試してみることをおすすめします。
横になった際に確認したいことはこちらです。
- マットレスの硬さはちょうどいいか
- 体のフィットしているか
- 仰向けや横向きなどいろんな体勢での寝心地はどうか
- 寝ている姿勢はどうか
- 寝返りがしやすいか
長い間横になったり仰向けや横向きなど体勢が変わることで、マットレスの硬さや寝心地が変わってくることもあります。
寝ている体勢は自分ではわからないので、腰などが沈み込んでいたり体とマットレスの間に隙間がないことを、同伴者や店員さんに確認してみてください。
夫婦や子供と一緒に寝る予定なら、一緒に寝てみた際の寝心地や振動の伝わりやすさなども確認してみることも大事です。
マットレスに関するQ&A
マットレスを使う上での質問や疑問を解説します。
マットレスを長く保つためのメンテナンス方法は?
メンテナンスはおもに「湿気」「汚れ(ダニ)」「ヘタリ」対策をする必要があります。
これだけはしておきたい簡単にできるマットレスのメンテナンスを紹介します。
湿気対策
湿気対策は、基本的に毎日やることとして、掛け布団をめくり窓をあけて空気の入れ替えをしましょう。
2週間に1回程度は、部屋の壁に立てかけて陰干しすることも大切です。
マットレスは天日干しは推奨されていないので、必ず陰干しするようにしてください。
汚れ(ダニ)対策
汚れ対策として、ベッドシーツは週に1回は洗濯しましょう。
夏場は寝汗なども多くなるので、週に2回は洗濯するのが理想です。
1ヶ月に1回程度はシーツをすべて取り、マットレスに掃除機をかけてください。
ダニは50度以上の熱と乾燥に弱いので、布団乾燥機を使い高温の風をマットレスに送ることも効果的です。
ヘタリ対策
同じ箇所に圧力がかかるとヘタリが早くなるため、2ヶ月に1回程度はマットレスを上下を反転させたり、両面仕様のものならば表と裏を入れ替えてローテーションさせましょう。
メンテナンスの方法はマットレスの種類によっても変わってきますので、マットレスを購入したときに注意事項を確認し、マットレスにあったメンテナンスをしていきましょう。
マットレスを買い替えるタイミングは?
マットレスの寿命を過ぎての使用は、寝ても疲れがとれなかったり、肩こりや腰痛など体に不調が出ることがあります。
マットレスは種類によって違いますが、一般的には5~10年が寿命とされています。
マットレスの寿命は製品の品質の影響が大きいですが、日頃のメンテナンスによって伸ばすことも可能です。
買い替えの判断をするタイミング
- マットレスにへこみや凹凸がある
- 購入時に比べて反発力がなくなり寝返りが打ちにくくなっている
- コイル系マットレスではきしみ音が出てくる
- スプリングコイルが背中にあたる感覚がある
- カビなどが発生して不衛生な状態になっている
上記の状態になっているマットレスは寿命のサインなので、買い替えを検討しましょう。
また、購入時より体重が増えたり、子供の成長によって体格に大きな変化があったときも買い替えのタイミングです。
マットレスは、品質が高いほど寿命が長くなり価格も高価になる傾向があります。
しかし、価格だけではなく「寿命はどれくらいか」を考えることで、長期的にみると価格を抑えることが可能です。
まとめ
マットレスは種類ごとにさまざまな特徴があり、どのマットレスが向いているかは人によって変わってきます。
マットレス選びに失敗しないためには、マットレスの種類ごとの特徴を把握し見分けた上で、実際に自分にあっているか寝て試してみることが重要です。
自分に最適なマットレスを選び、快適な睡眠ライフを手に入れましょう。