「重い布団ってどんな人に向いている?」
「重い布団のメリットとデメリットを知りたい」
「重い布団を使ってみたいけど、評判はいい?」
本記事では上記のお悩みや疑問にお答えします。
人生の質を大きく左右するのが睡眠です。
ぐっすりと寝られれば、体の疲れがとれイキイキとした毎日を過ごせます。
重い掛け布団が話題になっていますが、自分に合うかどうかわからない と買うのになかなか勇気がいりますよね。
そこでこの記事では、重い布団の特徴や向いている人について解説するので、参考にしてください。
重い布団の特徴
重い布団とは、一般的な掛け布団に比べて重くなるように設計されている布団のことです。
ガラスビーズなどを使うことで、あえて普通の掛け布団より重くしているのが特徴 です。
掛け布団は軽ければ軽いほどいい、という風潮がありましたが、最近の研究によって重い布団のよさが見直されてきています。
重い布団には、不安を軽くしたりぐっすり眠ったりできるようになる効果があると分かってきたのです。
効果を感じるには、体重の10%くらいの重さのものを使うといいです。
なぜかというと布団が重すぎると圧迫感が強くなり、睡眠の質が低下する可能性があるためです。
また、布団が軽すぎても圧力を感じにくいのでリラックス効果を得られません。
重い布団の効果に気づく発端となったのは、アメリカの動物学者であるテンプル・グランディンさんです。
テンプルさんはある日、動物が予防注射を受ける前に、機械で締め付けられると大人しくなるのに気づきます。
「もしかして、人間も同じでは?」とテンプルさんは考え、研究した結果、適度な締めつけにはリラックスさせる効果があることが判明。
それから、各国で様々な研究が行われてきました。
アメリカの病院で、32人の大人に約13kgの布団を使って寝てもらうという実験を行ったところ、下記のような結果が出ました。
・32人のうち、10人はEDAが低下したと回答
・32人のうち、20人は不安が和らいだと回答
・32人のうち、24人は落ち着いたと回答
出典:Exploring the Safety and Therapeutic Effects of Deep Pressure Stimulation Using a Weighted Blanket
上記のように、多くの人の精神状態が良くなってることが分かります。
スウェーデンの睡眠研究所で行われた実験でも、重い布団の効果は実証されています。
同研究所では、20歳から66歳の男女33人に対して、3週間にわたって実験を行いました。
最初の一週間はいつも通りの掛け布団を使って寝てもらい、2週間目は重い布団に変更。
3週間目になったら、いつもどおりの布団で寝てもらうという実験の結果判明したことは下記のとおりです。
・多くの人が、2週間目が一番落ち着いて眠れたと回答
・寝付きが良くなって中途覚醒が減った
・睡眠時間が伸びた
上記のように、重い布団には睡眠の質を向上させる効果があることが実証されました。
睡眠の質に影響がある寝具として、敷き布団の他にもマットレスや枕などがあります。
マットレスや枕が睡眠に深く関わっているのはいうまでもありません。
ただ、睡眠の質が変わるということが、ここまでいろいろな実験の結果からわかっているのは、重い布団だけです。
重い布団に向いている人
重い布団を使うことで、人によっては睡眠の質が低下したり健康を害したりする可能性があるので注意が必要です。
重い布団に向いている人の特徴は、下記のとおりです。
・不眠症や認知症などの病気を抱えている人
・冬でも暖かく眠りたい人
・重い布団のほうがよく寝られる人
不眠症や認知症などの病気を抱えている人
精神疾患のある人は、重い布団が向いています。
なぜなら、重い布団で寝ると精神疾患が緩和するということが、研究の結果判明したからです。
『Journal of Clinical Sleep Medicine』によると、不安障害やADHDなどの症状がある患者さんを対象に、2ヶ月以上の実験が行われました。
それは、ガラスやビーズの入った毛布を金属チェーンで縫い付けられたものを使って、睡眠の質や症状の改善に効果があるかを調べるというもの。
重い毛布を4週間使い続けただけで、不安やうつの症状の改善だけでなく、睡眠の質があがったり疲労感が減少したりすることが分かりました。
ですから、病気とはいかないまでも、ネガティブに考えやすい人や不安に思ったりしやすくてつらい人は、一度試してみる価値がありますね。
冬でも暖かく眠りたい人
重い布団を使うと、布団と体の間に隙間ができづらいので、寒い季節もぐっすり寝ることができます。
軽い敷き布団を使っていると、体と布団の間に隙間ができやすいので寒さを感じるケースがあるでしょう。
なので、寒さに弱い人や少しでも暖かく寝たい人にとって向いているといえます。
エアコンの消費を抑えられる可能性が高いので、電気代を節約したい人にとってもありがたいですね。
重い布団のほうがよく寝られる人
軽い布団よりも重い布団のほうがよく眠れる、という人にとって重い布団は向いています。
最近まで布団は軽いほうがいいといわれてきましたが重い布団にもメリットがある、と判明したからです。
前述の通り、重い布団を使うと寝てる時に体に適度な圧力がかかり、幸せホルモンのセロトニンの分泌を促してくれる場合があります。
また、ストレスホルモンのコルチゾールの分泌を抑制してくれるので、ストレスをためないことも可能です。
好みの問題にもなりますが、重い布団のほうが寝やすいなら、重い布団で寝るのに向いています。
掛け布団の素材別重さの比較
掛け布団は主に5種類の素材から作られており、中に入っている素材によって、掛け布団の重さがかわります。
具体的な素材と、だいたいの重さは下記の表のとおりです。
素材 | 重さ |
羽毛 | 2,5kgくらい |
シルク | 2,5kgくらい |
ウール | 3,5kgくらい |
ポリエステル | 2kgくらい |
綿 | 4,5kgくらい |
上記の表の通り、ポリエステルが最も軽く、綿が最も重いことが分かります。
ポリエステルと綿では約2倍近くの重さの差があります。
羽毛は、掛け布団でもっとも一般的な素材。
羽毛の量によって値段や品質の差が大きくなるのが特徴です。
シルクは他の素材とくらべて、最も肌触りがいいのが特徴です。
吸湿性や放湿性が高く、ジメジメとした季節も快適に寝やすいでしょう。
ウールは弾力性が強く、保温性が高いのが特徴です。
また、吸湿性と放湿性もあるので、寒い季節だけでなく夏でも利用できます。
ポリエステルは軽く、お手入れを簡単にできるのが特徴です。
比較的ホコリが出ず、ダニが発生しにくいのでアレルギーのある人や小さいお子さんに向いています。
綿は吸湿性に優れているので、寝汗を吸収してくれるのが特徴です。
ヘタってきても、布団屋さんで打ち直してもらえば、新品のようになるので長く使いたい人に向いてます。
重い布団のメリットとデメリット
重い布団ならではのメリットもあれば、デメリットもあります。両方を知っておけば、買う時の参考にできるでしょう。
ここからメリットとデメリットを具体的に解説します。
メリット
体にピッタリフィットする
重い布団のメリットは、体にぴったりフィットしてくれるところです。
なので、寝返りを打っても布団が体から離れてしまう可能性は低いです。
特に寝相の悪い人は、寝返りを打った時に掛け布団が体から離れてしまい、睡眠の質が低下するケースがあります。
その点、重い布団は体に密着してくれるので、安心して寝られます。
温かい
重い布団のメリットは温かいところです。
前述の通り、重い布団は体にピッタリフィットするのでその分熱を逃しにくく してくれます。
特に冬などの寒い季節は、布団がちょっとめくれるだけでも布団の中に冷気が侵入しやすいです。
そこで、カラダにフィットする重い布団を使えば、より暖かさをキープしたまま寝られるので睡眠の質をあげられる可能性があります。
安心感を得られる
重い布団のメリットは、安心感を感じられることです。
理由として、適度な重みの布団を使うと体に圧がかかり、人から抱きしめられているような感覚を覚えるケースがあるためです。
普段ハグしてもらえる相手がいない人の場合、特に効果的かも?
前述の通り、重い布団を使うと、ストレス解消や睡眠の質が向上する可能性がありますから使ってみてくださいね。
デメリット
夏は暑さを感じやすい
重い布団のデメリットは、特に夏の暑さを感じやすいところです。
なぜなら、当たり前ではあるのですが重い布団は体に密着してくるのが特徴だからです。
暑い夏の夜は、少しでも涼しく寝るために、タオルケットを使ったり薄い掛け布団を使ったりする人もいるでしょう。
その点、重い布団は通気性が良くないので夏の利用には不向き だといえます。
寝苦しさを感じるようなら、夏の間は保管して使わないようにするのがいいでしょう。
お手入れが大変
重い布団のデメリットは、お手入れが大変な点です。
理由として、一般的には羽毛布団の2倍以上の重さになり、持ち運びが大変になるからです。
重い布団は基本的に丸洗いすることができないので、天日干しをする必要があります。
力がない人の場合、布団を移動したり干したりするのが重労働になるケースがあります。
また、天日干し以外にも、日常の布団の上げ下ろしを大変だと感じる可能性もあるでしょう。
少しでも重いものを持ちたくない人や、お年寄りの方など、重いものを持てない人には向いていません。
病気を悪化させる可能性がある
重い布団のデメリットは、病気を悪化させる可能性があることです。
重い布団は、一般的な布団に比べて体に圧力がかかりやすいので、以下の人は特に注意が必要です。
・呼吸器系の病気がある人
・循環器系の病気がある人
・怪我をしている人
上記の人が重い布団を使う場合、医師の診断を受けてからにするのが賢明。
また、幼児や妊婦さんの利用も控えた方がいいでしょう。
実際、カナダでは死亡事故が発生しています。
体重22キロの男の子が、18キロの掛け布団を使って昼寝したところ、窒息死したというもの。
18キロもの重さのある掛け布団は一般的ではありませんが、小さいお子さんがいるご家庭では使わない方が安全です。
妊婦さんが重い布団を使う場合、体に負荷がかかり、体調が悪くなったり赤ちゃんに影響がでる可能性があります。
重い布団の口コミ
重い布団を使っている人の実際の感想をここから紹介していきます。
重い布団って実際のところどうなんだろう、と気になる方の参考になるでしょう。
まずは、重い布団に対する肯定的な感想から。
【この重さがたまらない…雪国育ちだから重い布団じゃないと寝れないのに流行りのせいか近年は軽い布団しか売ってなかったりしてたからニトリには本当に感謝だ…】
あなざー@vipanother
出典:Twitter(https://twitter.com/vipanother/status/1576942686308745216)
重い布団は精神の安定に良いそうです。 (鬱病患者の体験談にもよく出てきます。)
森の妖精♡もりむみん@森村91
出典:Twitter(https://twitter.com/morimura91/status/1576953682994028551)
上記のように、重い布団に安心感や落ち着きを感じる人がいることがわかります。
実験で明らかになっているように、重い布団にはストレス低減効果やリラックス効果がある ことが分かります。
次に、重い布団に対してのネガティブな意見を紹介します。
相変わらず寝つきも寝起きも悪いし中途覚醒も悪夢も多いけど、被った感じ落ち着くのでよし
藻
@kanet_wl
https://twitter.com/kanet_wl/status/1576503684766531585
カバー外して圧縮袋に入れるだけで腕取れるかと思った… なんでも自分の実家から残ったもの持ってこようとしたんだけど、古い使いこなせないものばかり持って帰ってくるから自分で責任持ってほしい
みみ
@mimi_akachan
出典:(https://twitter.com/mimi_akachan/status/1575380049003708416)
上記のように、重い布団を使っても睡眠の質が良くならない人もいるのが分かります。
つまり、重い布団を使ったからといって、全員が睡眠の質が良くなるわけではないということに注意が必要です。
また、重い布団の取り扱いに苦労しているという感想も見られました。
重い布団は他の布団とくらべて重いので、力のない人には向いていない場合があります。
まとめ
重い布団の特徴や向いている人について紹介してきました。
重い布団の効果はいろいろな実験の結果、立証されてきています。
具体的には、不安の低減や睡眠の質の改善に効果があることが分かっています。
重い布団に向いている人は、精神疾患を抱えている人や重い布団の感覚が好きな人です。
重い布団で寝ると、精神疾患の症状が緩和することが解明されています。
重い布団のメリットは、密着性が高いので温かいことや安心感を感じやすいこと。
デメリットは、夏の夜に寝苦しさを感じやすかったり持病が悪化する可能性があることです。
怪我をしている人や呼吸器系などの病気がある人は、医師の診断に従ってください。
重い布団には、効果を感じられるという意見と、一部ですがあまり効果を感じられないという意見がありました。
重い布団のことを知るきっかけになれば幸いです。