睡眠ノウハウ

睡眠不足が体や精神にもたらす影響は?対処法も紹介

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「毎日、夜中に目が覚めてしまう」

「十分な時間眠っているはずなのに、疲れが取れない」

「どうしたら、快適な睡眠を取れるのかが知りたい」

この記事をお読みのあなたは、睡眠に関して悩みや改善したいことはありますでしょうか?

厚生労働省の調査によると、日本人の5人に1人が「睡眠全体の質に満足できなかった」「睡眠時間が足りなかった」と回答しています。*1

引用:*1 令和元年「国民健康・栄養調査」(厚生労働省):https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html

 

睡眠の質や量が十分でない状態が続くと、集中力の低下や記憶力の欠如といった、日常生活への影響や、免疫力の低下や生活習慣病にかかりやすくなるといった、健康面への影響もあります。

本記事では、現在睡眠の悩みを抱えている方に、睡眠の重要性を改めて理解いただき、よい睡眠をとるには具体的にどうすればよいのかをお伝えします。

すぐ取り組めることもありますので、ぜひ最後までお読みください。

日本人は睡眠不足!?あなたはどう?

冒頭でお伝えした厚生労働省の調査によると、5人に1人は今の睡眠について満足してない状況です。*1

睡眠には、体の疲れをとることはもちろん、脳の疲れをとる作用もあります。さらに睡眠中は脳で記憶の整理がされるなど、良質な睡眠をとることができれば、日々の生活を快適に過ごせるようになります。

ただ、2020年から流行している新型コロナウイルスの影響で、生活リズムが乱れ、睡眠習慣にも悪影響を及ぼしています。生活様式の変化による不安、感染症に怯える毎日、経済状況の展望が見えないなど、現在の世の中は複数のストレスが重なっているため、睡眠へ影響を及ぼしやすく、注意が必要です。

睡眠不足が心身に及ぼす悪影響

そんなストレスの多い状況だと、慢性的な睡眠不足が続き、心身に支障が出てくる方もいらっしゃいます。

これは睡眠負債と呼ばれる状態で、身体や精神に様々な不調を引き起こします。

代表的な不調の症状を以下にまとめました。

  • 集中力、判断力、記憶力の低下
  • ストレスの増大
  • 免疫力の低下
  • 太りやすくなる
  • 生活習慣病にかかりやすくなる

1つずつ、見ていきましょう。

集中力、判断力、記憶力の低下

寝不足のせいで、イライラしたり、頭がぼーっとしたり、いつもならすぐ覚えられるものが、なかなか覚えられなかったり。

脳が十分に働かないため、集中力、判断力、記憶力の低下につながります。その結果、重大なミスや事故を招いてしまう可能性が上がります。

ベストなパフォーマンスを発揮するためにも、よい睡眠が欠かせません。

ストレスの増大

あまりよく眠れなかったことがストレスになったり、睡眠不足が原因でパフォーマンスが低下し、ミスが増えることで、ストレスがより増大します。

ストレスがたまると心にも体にも悪影響を及ぼし、様々な病気の原因となります。

ストレスを溜めないためにも、睡眠をしっかりとり、セルフケアをすることが大切です。

免疫力の低下

睡眠不足が身体の免疫力を低下させることがわかっています。ある調査では、睡眠時間が7時間未満の方は、8時間以上の方に比べ2.94倍も風邪をひきやすい傾向がありました。*2

睡眠をしっかりとることは、予防にもつながります。

*2  Sheldon Cohen, William J. Doyle, Cuneyt M. Alper, Denise Janicki-Deverts, Ronald B. Turner「 Sleep Habits and Susceptibility to the Common Cold」(『Arch Intern Med』2009 Jan, 12;169(1):62-7.)

太りやすくなる

睡眠不足になると、食欲を司るホルモンが乱れます。 食欲を抑制するレプチンというホルモンの分泌が減少し、食欲を高めるグレリンというホルモンは増加します。

寝不足だと、いつもより食欲が湧いて、たくさん食べたくなってしまいます。

こんな時は食べる量を抑えるのではなく、まずはたっぷり眠ることで解決するかもしれません。

生活習慣病にかかりやすくなる

睡眠問題は、糖尿病、高血圧、うつ病など、様々な病気のリスクになると考えられています。

日常の生活に支障が出ますし、ひどい場合は健康面でも被害がでます。だからこそ、よい睡眠をとるためにはどんなポイントを押さえればよいのか。それを知ることが重要です。

睡眠に必要な「3条件」

朝起きた人

では、「よい睡眠」をとるには何が重要なポイントなのでしょうか。

それは3つあり、量(睡眠時間)、質(安定した睡眠)、リズム(規則正しい睡眠)です。

量(睡眠時間)

十分な睡眠時間については年齢や個人差もありますが、日本人の睡眠時間は男性の30代〜50代、女性の40〜50代では6時間未満の人が約5割と、睡眠不足の人がとても多いです。*1

理想的な睡眠時間は、成人だと7〜9時間と言われています。色々試しながら、自分にとって適切な睡眠時間はどれくらいなのか、把握することが大切です。

日常生活に支障をきたさない、睡眠時間を確保しましょう。

質(安定した睡眠)

量とともに、睡眠の質も重要なポイントです。夜中に何度も起きてしまったり、寝ている間に呼吸が止まってしまうなど、睡眠の質を下げる原因は様々あります。

安定して眠れるように、寝室の環境や寝る前にやることを見直し、 快適な睡眠が得られるようにしましょう。

リズム(規則正しい睡眠)

毎日同じ時間に起きて、同じ時間に眠る。このリズムが狂うと睡眠に悪影響を及ぼします。

自分自身が快適に過ごせる体内時計のリズムを把握し、なるべく逸脱しないような生活を心がけましょう。たとえば、平日と休日で睡眠時間を大きく変えるのではなく、なるべく均等に睡眠を確保するなど、自身の生活リズムに合わせて調整することが大切です。

質の高い睡眠をとるためのポイント

では、3つのポイントを抑える具体的な行動はどんなものがあるのでしょうか。

朝、昼、夜で区切ってみました。ぜひ出来そうなものから実践してみてください。

朝に意識するポイント

規則正しい生活

先ほども述べた通り、安定したリズムで毎日を過ごすことが重要です。

朝は決まった時間に起きるようにしましょう。ただし、どうしても寝付けなかったり、疲労が溜まる時もあります。そんな時は30分ほど昼寝したり、前日早めに布団に入るなど、起床時間のリズムを崩さないよう意識しましょう。

日光を浴びる

日の光を浴びると、体内時計がリセットされます。眠気をもたらすメラトニンの分泌を抑え、約14時間後にはメラトニンの分泌を増加させ、眠気が起きるリズムを作ることができます。

リズムを作るためにも、起きたらまず、日光を浴びましょう。

朝食をとる

体内時計をリセットするのに、食事も効果的です。

血糖値を上げることで体内時計がリセットされます。炭水化物やタンパク質が効果的ですが、どうしても朝食の時間がなかったり、量を食べられない方はジュースでもいいので飲みましょう。

朝食で血糖値を上げることがポイントです。

昼に意識するポイント

適度な運動

日中を活動的に過ごすことで、心地よい疲労と気持ちのリフレッシュにつながります。

睡眠にもよい影響がありますので、散歩をしたり、階段を使ったりと日頃からコツコツ運動するようにしましょう。

最近だとリモートワークの普及で運動不足になりがちです。休憩する時に軽く筋トレをしたり、家事をすることで運動にもなります。

家の中でも意識的に体を動かすとよいでしょう。

カフェインの摂取

カフェインには興奮作用があり、眠気が軽減できるので効果的です。

ただし、カフェインをとる時間帯には注意が必要です。午後2時以降は夜の就寝に影響するため、カフェインは摂取しないように注意してください。

コーヒーや緑茶、栄養ドリンクにもカフェインは含まれているので、飲み物の成分表を見るとよいでしょう。

昼寝

日中どうしても眠い時もあるかもしれません。そんな時は、可能であれば昼寝をしてみましょう。

最適な時間は30分ほどで、脳がリフレッシュでき活動に戻りやすいためです。スペインでは「シエスタ」と呼ばれる昼寝の文化もあり、疲労を回復する方法として使われています。

ただし、長時間昼寝してしまうと、覚醒するまでに時間がかかりますし、夜の就寝にも悪影響を及ぼすので、適切な時間で昼寝をするように意識しましょう。スマートフォンのタイマー機能などでアラームをかけるのもおすすめです。

夜に意識するポイント

お風呂につかる

朝と同様、夜も睡眠に入るリズムを作ることが大切です。

就寝の2〜3時間前にお風呂につかることで、リフレッシュしながら睡眠のリズムを整えることができます。

また、お風呂に入ると身体の深部体温が上昇し、2〜3時間経つと下降します。深部体温が下がることで眠くなるため、睡眠のリズムを作るのにおすすめです。

もちろん体調が悪い日に無理は禁物ですが、心も体もリフレッシュできるので、なるべく湯船につかりましょう。

就寝直前はブルーライトを避ける

スマホやゲームなど、ブルーライトを寝る直前まで浴びていると眠りにくくなります。

これはブルーライトを浴びると、眠気を催すメラトニンと呼ばれるホルモンの分泌が抑制されるからです。

寝る前はなるべくデジタル機器の画面を見ないように気をつけましょう。

また、最近はブルーライトカット機能のスマートフォンやメガネもありますので、活用するとより効果的です。

就寝直前の食事を避ける

寝る直前に食べてしまうと、寝ている最中に消化活動が行われ、睡眠を妨害します。

なるべく寝る直前に食べず、規則正しくリズムで夕食をとりましょう。

就寝直前のお酒やたばこを控える

アルコールは寝付きを良くしますが、反面、睡眠の質を下げる作用があります。

いつもより早い時間に目が覚めたり、夜中に何度も目が覚めることで、睡眠の質が低下し、よく眠れたと感じにくくなります。就寝直前ではなく晩御飯と一緒に飲むなど、楽しみながら工夫しましょう。

タバコも就寝前に吸うと、ニコチンが刺激となって快眠の妨げになるので注意が必要です。

季節による睡眠環境の整え方

気温や湿度の変化が激しい日本では、季節によって寝室の環境を整えることも重要です。

特に夏は高温になるため、夜中に目が覚めやすい環境です。エアコンで室温を調整したり、暑さを和らげてくれる寝具などで調整しましょう。

エアコンが苦手な方は、寝る前に部屋を冷やしておいたり、タイマー設定で2〜3時間後に切れるようにするとよいでしょう。

この記事の監修者
睡眠健康指導士、建築物環境衛生管理技術者
佐々木崇志
東北大学大学院薬学研究科修了。修士(薬科学)、建築物環境衛生管理技術者。 修了後は臨床研修指定病院で医局秘書や学生担当として全国の医療を志す学生や医療従事者と携る。勤務していく中で睡眠に関する訴えが医療従事者にも多い事に気づき、自身も医療従事者や患者の助けにならないかと考えるようになり個人で活動を始める。現在は東北を活動の拠点として睡眠(体内時計・時計遺伝子)の研究の経験、資格の知識を生かしながら睡眠啓蒙活動を行なっている。

まとめ

起床した女性

いかがでしたでしょうか?

睡眠不足は身体や精神に重大な影響を及ぼします。個人差や環境の影響も少なくありません。

まずはすぐできることを試す。そして継続しながらよりよい方法を探す。これを繰り返し、自分に合った方法を見つけることが大切です。

1日の3分の1の時間を使う睡眠の問題をなくして、毎日の生活をより快適に過ごしませんか?

早速、やれることから始めていきましょう!

 

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