「大人の寝返りって重要なの?」
「寝返りをうたないとどうなるの?」
「寝返りをするための対処方法はあるの?」
寝返りは、毎晩無意識に行っている動作ですが、実は私たちの体にとって重要な役割を果たしています。
朝起きた時に、体が痛かったり、熟睡できず疲れが取れなかった時は、寝返りがきちんとできていないのかもしれません。
ここでは、大人が寝返りができないときの問題点、寝具選びや姿勢など、寝返りに関する対処方法についてお伝えしていきます。
1.寝返りの役割と重要性
「寝返り」と辞書で調べると「寝たまま体の向きを変えること」とあります。
寝がりをうつということは、私たちの体にとってどんな意味があるのでしょうか。
寝返りには重要な役割があります。
①体の負担軽減
寝返りは、血液の循環を良くして、日中の疲れをとる役割があります。
骨や筋肉を休ませて体の歪みを整え、腰痛や肩こりなどの体の不調を戻すための動きをしているのです。
②体温調整と室内の空気入れ替え
同じ姿勢で寝ていると、布団の一部分で湿気が高くなり汗をかきます。
寝返りをうつことで、汗が蒸発し、布団の風通しや、室内の空気も入れ替わるでしょう。
水分や熱の発散を寝返りをうつことで上手に行っているのです。
2.大人と子どもの寝返りの違い
大人の一晩の寝返り回数は20~40回と言われています。
子どもの頃はもっと寝返りをうっていましたよね。
子どもの寝返りは、大人に比べてもっと多くなります。
大人と子どもの寝返りの違いは何でしょうか。
一般的に、寝返りが多くなるのは、ノンレム睡眠中か、レム睡眠からノンレム睡眠に移る時と言われています。
子どもの方が、大人に比べると、ノンレム睡眠とレム睡眠の切り替わりの周期が短いので、寝返りが多くなります。
また、子どもは体温が高いので、寝返りをして温度調節しているのも寝返りが多い理由の一つでしょう。
では、寝返りができないとどうなってしまうのでしょうか。
3.寝がえりできないとどうなる?
すっきりと起きたい朝ですが、大人になるにつれ、起きた時に体になぜか違和感を感じる方も多いのではないでしょうか。
寝返りをしないと血圧の循環が悪くなり、体への負担が大きくなるでしょう。
また、睡眠中、同じ姿勢で寝ていると骨や筋肉の負担となるため、体をほぐすためにも寝返りをうつのです。
同じ場所に負担がかかることが、肩こりや腰痛などの原因になります。
また、寝返りをしないと、睡眠が良く取れず、起きた時にだるさや疲れが残ったままになってしまうでしょう。
日中の疲れや背骨や筋肉への負担が取れずに次の日を迎えると、疲れが蓄積していき、やがては痛みにもつながってしまいます。
4.寝返りができない原因は?
大人が寝返りができない原因として二つ挙げられます。
一つ目は、寝具などによるもの、二つ目は体の筋肉の凝り固まりや日中の姿勢によるものです。
①寝具など環境が原因
みなさんはどんな寝具をお使いですか?
マットレスが柔らかく体が沈みやすいと体が動かしにくく、寝返りがうてないことがあります。
また、布団が重いと動きづらく、圧迫され、寝返りをうつことが難しくなります。
布団の周りに物は置いていないでしょうか。
物が近くにあると、無意識にそれを避けようとすることで寝返りがうちにくくなります。
また、子どもやパートナーが近くにいることも寝返りの妨げの一つとなっています。
マットレスが狭すぎないか、マットレスにへたりがないか、枕の高さはどうかなど寝具について確認してみてください。
②筋肉の凝り固まりや日中の姿勢
毎日、仕事でパソコンに向かいっていたり、デスクワークで座ったまま同じ姿勢をとっていませんか。
また、家事や育児が忙しく、下を向く時間が長いと猫背の原因にもなります。
今は、スマホやパソコンに向かう時間も長いのではないでしょうか。
日中のその姿勢の悪い状態が続くと、筋肉がこり固まり、血の流れが悪くなり体が固くなってしまいます。
特に、腰回りや肩周りの筋肉がこり固まってしまうと、寝返りがうちにくくなり、柔軟性がないことで体がうまく動かなくなってしまうのです。
寝具などの環境や、日頃の姿勢が寝返りをうちにくくさせているでしょう。
また、注意しなければいけないのは、自力で寝返りがうてない場合です。
自力で寝返りがうてない場合、病気の可能性もあります。
パーキンソン病や頚椎の損傷が当てはまりますので、少しでも不安があればお医者さんに診てもらいましょう。
寝返りができない原因は、寝具などの環境と、筋肉のこり固まりや日中の姿勢にあることがわかりました。
次に寝返りがうてるようになるにはどうしたらいいかそれぞれ対処方法をみていきましょう。
5.寝返りしやすい寝具の選び方
寝具などの環境の改善は、大人の寝返りにとって、とても重要です。
では、どのようなものを選ぶのが良いのでしょうか。
寝具といっても種類はさまざまです。
まずは、掛け布団から見ていきましょう。
①掛け布団
掛け布団は、保温性があり、軽く吸湿性に優れているものを選びましょう。
重い掛け布団は体の動きを制限してしまい、寝返りがスムーズにうてなくなります。
また、掛け布団の下に毛布をしくと摩擦が起こります。
摩擦が起こると寝返りがうちにくくなるため、掛け布団の上に、毛布を敷くことをおすすめします。
掛け布団を選ぶ際には、暖かさと軽さ、吸湿性を確認し、動きやすいものを選びましょう。
②マットレス
次に、マットレスです。マットレスは実際に寝返りをうつ時、一番、体が面している部分です。
マットレスは特に自分に合ったものを選ぶことが重要となってきます。
マットレスを選ぶ時には、寝返りのうちやすさに加えて、体圧分散がされるかどうかをポイントとしましょう。
以下、マットレスを選ぶときのポイントを4点お伝えします。
マットレスを選ぶときには(1)素材の密度(2)厚さ(3)反発力(4)通気性について確認しましょう。
(1)素材の密度
寝返りをうつには、マットレスの素材の密度が大切です。
マットレスの密度が低いと、柔らかいためへたりやすい傾向があります。
密度が高いものは、耐久性に優れ、へたりにくいという特徴があるでしょう。
マットレスには低反発と高反発がありますが、高反発のマットレスの方が素材に復元力があるため、へたりにくいでしょう。
密度が低いと、同じ高反発のマットレスもへたりやすさが違います。
マットレスがへたってしまうと寝返りや体圧分散がうまくいかなくなります。
マットレスを選ぶ際、素材の密度を確認してみましょう。
(2)マットレスの厚さ
マットレスの厚さにはいろいろな種類があります。
トッパーとして使われるようなものは、厚さも薄く3cmほどのものもあります。
30cmくらいの厚いマットレスもあります。コイル製やスプリング製が厚いマットレスに多いでしょう。
「体圧分散」にマットレスの厚さは関係しています。
薄いマットレスは、体が床に近く、ついてしまうので、上手に体圧分散がされません。
そのため、寝返りもうちにくくなってしまうでしょう。
寝返りをうつこと、体をちきんと支え体圧分散することからも、厚さは10cm以上のマットレスがおすすめです。
(3)反発力
マットレスには低反発と高反発なものがあります。
寝返りを打ちやすいのはどちらでしょうか。
低反発なマットレスはとても柔らかく、体の全体をやさしく包んでくれます。
また、マットレスを手で押すと沈み込み、衝撃の吸収をしてくれます。
体にもとてもフィットするでしょう。
高反発なマットレスは、低反発に比べ硬さもあり、手で押しても深く沈みません。
また、衝撃に対しても反発させる力があります。
マットレスが柔らかいと、寝た時に体が沈みやすく寝返りがしにくいでしょう。
硬く高反発すぎても、寝返りがうちづらいことから、自分に合った硬さが適度なものを選ぶことが大切です。
自分に合った適度な硬さのマットレスはあると、体圧分散ができ、寝返りも打ちやすいでしょう。
実際にいろいろなマットレスを試して、自分に合ったものを見つけてください。
(4)通気性
人は寝ている間に汗をかきます。その量は、コップ1~2杯分とも言われます。
そのため、マットレスは通気性が良いものを選びましょう。
湿気があり汗をかくと、熟睡できずに起きてしまったり、途中で寝苦しくなってしまいます。
寝苦しいと、体にいい寝返りではなく、体に力が入り、体のバランスを崩してしまいます。
通気性が良いと、蒸れずにぐっすり寝ることができますね。
衛生の面からも、通気性が悪いとカビが生えることも考えられますので、清潔を保ちましょう。
以上マットレスについて4点ポイントをお伝えしました。
③枕
寝返りができて、心地よく睡眠をとるには、枕も重要になります。
高さも重要なポイントです。高すぎず、低すぎず、自分に合った適度な高さの枕を見つけましょう。
枕の高さは、体格や寝ているときの姿勢によっても変わってきます。
また、枕にはマットレスと頭や首の隙間を埋める役割があります。
硬めのマットレスには、低い枕が合いますし、マットレスが柔らかい場合には枕は高い方がいいでしょう。
枕が沈んでしまうと、寝返りをうちにくくなります。
反対に枕の反発力が強いと、頭や首に圧力が掛かることもありますので注意しましょう。
枕のサイズは頭が落ちないように、余裕があるサイズを選びましょう。そうすることで寝返りがうちやすくなります。
枕の素材には、そばがらやパイプ、高反発ウレタンやラテックスがありますので、素材も確認しながら寝返りがうちやすい自分の好みのものを選びましょう。
④パジャマ
パジャマ選びも寝返りにとって大切なことです。
寝返りがしやすいパジャマとはどういったものでしょうか。
パジャマの素材は、麻や絹、綿といった天然の素材のものが良いでしょう。
天然の素材のパジャマは、湿気や汗を吸って、蒸れにくいのが特徴です。
伸縮性のあるもので、ゆったりとしたサイズがおすすめです。
重ね着や、厚手のものは動きにくく体を締め付けてしまいます。
締め付けがあると体がリラックスできなくなってしまいますので、心身がリラックスできる素材とサイズなどにこだわってパジャマ選びを楽しみましょう。
6.日中の姿勢の改善
デスクワークや、立ちっぱなしの家事、パソコンやスマホを使っての作業には、適度なストレッチや休憩が必要です。
また、身体的な原因に対しては、リハビリを行なったり治療をすることも大切でしょう。
姿勢が崩れ体中に疲れを起こすパソコンの姿勢について、チェックしてみましょう。
◯パソコン作業時姿勢チェック
・あごが突き出て、首の後ろに縮みがありませんか
・猫背になっていませんか
・足を組んでいませんか
・机とイスの高さはあっていますか
・足を組んでいませんか
・ディスプレイとキーボードは自分の正面にありますか
・ほおづえをついていませんか
・机の上は整理されて余計なものがのっていませんか
・手にマウスはあっていますか
チェックするだけでも、気をつけることがたくさんあります。
意識して姿勢を改善していくことが寝返りに結びつくでしょう。
デスクワークや家事の間にはぜひ、ストレッチを取り入れてみてください。
それにあわせて、座っていても短時間でできる、肩こりや腰痛などに効く簡単な方法をご紹介します。
それは、「爪もみ」です。これなら座っていても短時間ですぐにできますね。
片方の指で、もう片方の爪の生え際を挟んで、もむだけのとても簡単なものです。
爪の先は自律神経のツボなどが密集しているので、もむことで血流が増えるのです。
小指は肩こりや腰痛に効くので、小指を20秒、そのほかの指を10秒もむことをストレッチに合わせ是非、続けてやってみてください。
まとめ
大人の寝返りについて、寝返りができなかった場合の問題点と、対処方法についてお伝えしました。
寝返りには、血液の循環を良くして、日中の体の疲れをとる役割と、体温調整や室内の空気の入れ替えをする役割があります。
寝返りをしないと血圧の循環が悪くなり、体に大きな負担がかかってしまいます。
寝返りをうてない原因となってしまうものの一つが、寝具などによるもの、二つ目は体の筋肉のこり固まりや日中の姿勢によるものでした。
自然な寝返りをするためにも、掛け布団やマットレスなどの寝具は自分に合ったものを選び、日ごろから姿勢に気をつけ、過ごしてみましょう。