疲れているのに、熟睡できないと悩んでいませんか。実は熟睡できないのには、いくつか考えられる原因があります。
そこでこの記事では、熟睡できない原因と日常生活で対処できるポイントについて紹介していきます。他にも睡眠前にするとよいことも紹介するので、熟睡できずにつらい思いをしている人は、ぜひ参考にしてください。
熟睡できない原因
熟睡できない理由はさまざまあり、人によって全く要因が違います。しかし、原因として考えられるものはいくつもあり、原因が分れば改善も可能。
そこでここでは、熟睡するために考えられる原因について紹介していきます。自分はどれが考えられるか、探しながら読み進めてみてください。
ストレス
近年熟睡できないと悩んでいる人に多い原因の1つが「ストレス」。
仕事や学業などで強いストレスを受けて蓄積すると、思い悩みやすくなってしまいます。特に、人間はもともと夜になると本能的にネガティブなことを考えてしまいがち。そのような状況で寝ようとしても、寝つきが悪くなったり深い眠りに入れなかったりします。
また、寝られない日が続くと、寝なければならないと焦りも生じるでしょう。眠気がこないことにプレッシャーを感じると、そのストレスが日中に活発になる交感神経を活発にさせてしまいます。すると、余計に眠りを妨げる結果になります。
ストレスが原因と考えられる人は、ゼロにできなくても蓄積したストレスをある程度解消する術を身につけるようにしましょう。そうすれば熟睡しやすくなります。
食生活
食生活が原因で熟睡できない人も多いです。
たとえば、夕食やその後にカフェインを含んだ飲み物を飲んでいませんか。紅茶や緑茶、玉露などはリラックス効果があるテアニンを含んでいるので、夜のリラックスタイムに飲みたくなります。しかし、同時に覚醒作用があるカフェインを含んでいるので、熟睡の邪魔にもなります。
また、夕食時のお酒も要注意。お酒には利尿作用があるので、夜に目が覚める原因です。他にも、辛いものなどの刺激物は交感神経を活発化させ、熟睡を妨げます。
実は、食事のタイミングにも注意が必要でしょう。できるだけ早い時間帯に食事を済ませ、就寝時間には胃が働いていないようにしてください。
寝る前の行動
熟睡できるかできないかは、寝る前の行動にも影響されます。
たとえば、寝る前にスマホやパソコンを操作したとしましょう。実はスマホやパソコンの画面からは、ブルーライトという強力なエネルギーを持つ光が放出されています。そのため、それが目に入ると脳を強烈に刺激して交感神経を優位にしてしまい、深い眠りに入りにくくしてしまいます。
他にも、寝る前に筋トレなどで体に大きな負担をかけたとしましょう。一見過激な運動は体に疲れが蓄積させるので、熟睡しやすくなると感じてしまいます。しかし、過激な運動をすると活動期に活発位なる交感神経にスイッチさせてしまいます。つまり、まったくの逆効果。
寝る前は光や刺激などには気をつけて、できるだけ遠ざかるようにしましょう。
生活リズムの乱れ
人間の体内時計は約24時間で作られているので、生活のリズムが乱れているとなかなか熟睡できません。
たとえば、休日だからといつもよりも起きる時間を遅らせたとします。すると、体内時計がスタートし始めるのも同様に後ろにズレるので、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンが分泌される時間も遅れます。その結果、脳の眠る準備ができていないのに、眠らなければならなくなるでしょう。このような状況ではいくら環境を整えて寝ようとしても、脳がついていかないので熟睡するのは難しいです。
旅行や出張などで海外に行った場合も、時差ボケによって熟睡できない場合があります。もし、帰国後に熟睡できない場合は、無理やりにでも生活のリズムを日本の生活に戻すようにするとよいでしょう。
病気
熟睡できない深刻なケースとしては、病気によるものがあります。熟睡を妨げる病気としては、睡眠時無呼吸症候群やうつ病、夜間頻尿などが挙げられます。
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠時に無呼吸状態を繰り返す症状のこと。苦しさなどから熟睡どころか夜中に目を覚ましやすくなります。うつ病も過剰なストレスや薬の副作用などで、しっかりと眠れないケースが多いです。他にも、加齢に伴って前立腺肥大や膀胱の筋肉が緩むなどで夜間頻尿が原因であることも考えられるでしょう。
病気や症状、条件などにもよりますが、多くの病気は病院で治療することで改善できます。少しでも思い当たるという人は、一度病院へ行ってみてください。正しく治療すれば、熟睡できるようになるでしょう。
日常生活で対処できるポイント
前章では熟睡できない原因について紹介してきました。そこでも少し改善点について触れましたが、ここではもっと具体的に日常生活で対処できるポイントについて紹介していきます。
一歩も二歩も踏み込んだ内容を紹介しているので、熟睡したいという人はぜひ実践してみてください。
睡眠時間へのこだわりの放棄
熟睡できない人の中には、睡眠時間にこだわりを持っている人がいます。そのような人は、まずは睡眠時間へのこだわりを捨てると、熟睡しやすくなるでしょう。
たとえば、「8時間は寝ないといけない」と考えた場合、翌日に仕事があれば必然的に寝る時間が決まってしまいます。その時間が迫ってくるとドンドン焦ってしまうので、それがストレスとなって交感神経を刺激する結果に。
また、思い通りの時間に眠れたとしても、予定よりも早く起きてしまうと満足感が得られず精神的に追い詰められていきます。ストレスは睡眠によくないので、熟睡がしにくい環境を自分で作ることになってしまうでしょう。
熟睡をするためには睡眠時間ではなく、ここで紹介するような対処法を実践して睡眠の質にこだわるようにしてください。そうすれば、自然に熟睡できるようになります。
アルコールを飲む習慣の改善
お酒を飲むとすぐに眠れるので、毎晩飲んでいるという人もいるでしょう。実際アルコールには入眠効果があるので、お酒を飲むと眠りやすくなります。しかし、熟睡をしたいなら、今晩から寝酒は控えるようにしてください。
その一番の理由は、アルコールの利尿作用です。アルコールは摂取してから約3時間で代謝されて、尿によって体外へ排出されます。この利尿作用が、熟睡の大きな妨げの原因。
実は、人間の眠りには深い眠りである「ノンレム睡眠」と浅い眠りである「レム睡眠」があり、一晩に約90分の周期で4~5回繰り返しています。そして睡眠してからはじめの3時間に最も深い睡眠が集中しています。
もしアルコールを飲んで寝ると、眠りが深い時間帯に体内でアルコールの代謝がなされ、そして利尿のために起きることに。つまり、熟睡するには最悪の条件です。
日常的にお酒を飲んで寝るという人は、習慣を改めるようにしましょう。
食事時間の変更
毎晩夕食が遅いという人は、今晩から就寝時間の3時間前に食事を済ませるように目標を設定してください。
満腹になると脳の働きが鈍ってくるので、眠気を感じるという人は多いと思います。しかし、これを利用していると、熟睡はなかなかできません。
その理由は、脳と消化器官はお互いに連携しているので、胃が動いていれば脳にもさまざまな影響を与えるためです。熟睡をするためには、睡眠の前半に集中しているノンレム睡眠を大切にしなければなりません。ノンレム睡眠の時間に脳をじっくりと休ませるためには、食事を早い時間帯に済ませることが必要でしょう。
なお、消化に悪いものを食べると、早い時間に済ませても消化に時間がかかってしまい、睡眠を妨げてしまいます。そのため、夕食は軽いものを中心にすることをおすすめします。
定期的な運動
毎日の熟睡に欠かせないのが、定期的な運動。
熟睡に定期的な運動が必要な理由は、大きく2つあります。1つは、運動をすることで、体に疲労を与えることです。疲労感があれば自然に眠たくなるので、気持ちよく睡眠を取ることができるでしょう。
もう1つは、運動をするとストレスが解消できるため。運動は精神的な負担と思っている人がいますが、実は反対です。運動をした後は爽快感が得られ、目標を達成すれば達成感も得られます。つまり、ストレス解消にもかなり有効といえるでしょう。
定期的に運動をすると疲労の蓄積とストレス解消の両方の効果が得られるので、熟睡できないという人はすぐに取り入れてください。
なお、ポイントは程よい運動です。あまり過度な運動をすると、寝ても疲労感が抜けきらなかったり運動に大きな負担を感じたりして逆効果です。心地よい運動を定期的にするようにしましょう。
適切な入浴
熟睡できないという人は、入浴に注意すると質の高い睡眠を取りやすくなります。
入眠から睡眠が深まっていく過程で、人間の深部体温は下がっていきます。つまり、就寝前に体を温めておくことが大切。そのため、就寝の3時間前くらいに入浴をして体を温めて、寝るタイミングで体温が下がっていくようにすれば、熟睡がしやすくなるでしょう。
体の深部をしっかりと温めるために、入浴では約40度のお湯に30分程度じっくりと浸かってください。このとき、入浴剤を使えばリラックス効果を高められるので、より効果的です。
朝の日光浴
熟睡して睡眠の質を高めるためには、スムーズな入眠も欠かせません。そのために取り入れてほしい日常の習慣が「朝の日光浴」です。
人間の体は朝に太陽の光を浴びると体内時計がリセットされて、かつ14~16時間後に睡眠ホルモンのメラトニンが分泌されるようになっています。つまり、朝に日光浴をすることで夜は気持ちよく入眠が可能になるでしょう。
また、メラトニンには入眠をスムーズにするだけでなく、途中で目覚めにくくする効果もあります。つまり、睡眠の満足度を高める効果があるので、熟睡したいという人には欠かせないホルモン物質です。
朝起きたときは一番にカーテンを開けて、太陽の光を全身で浴びる習慣をつけてみてください。入眠がスムーズになって熟睡がしやすくなるでしょう。
熟睡するために就寝前にするとよいこと
熟睡するためには、就寝前の行動にも着目すると効果をより高められます。日常の対処法と合わせて実践してみてください。
スマホの禁止
熟睡するためには就寝前にスマホやパソコンの操作、テレビの視聴などを禁止にするとよいでしょう。
これらの画面からは強い光であるブルーライトが出ていて、浴びることで脳を覚醒させてしまいます。つまり、熟睡とは反対の方向に向かうので、就寝前にはこのような光を浴びてはいけません。
また、スマホにはさまざまな情報が詰まっているので、気になって次から次へと見てしまうでしょう。すると、寝つきが悪くなって、満足できるだけの十分な睡眠が難しくなってしまいます。
寝室に入ったらスマホを触らない、寝室には持ち込まないなどのルールを決めて、熟睡をしやすい環境を作るようにしましょう。
空調管理
熟睡するためには、温度や湿度を管理して睡眠に適した環境づくりが必要です。そのため、就寝前に寝室を快適な環境を作っておくようにしましょう。
たとえば、睡眠に適した温度は夏場なら「25~28度」で、冬場なら「16~18度」が最適です。湿度は「50~60%」がベスト。熱すぎたり寒すぎたり環境が悪いと、途中で目が覚めやすく熟睡は決してできません。真夏や真冬の時期は就寝前にエアコンで寝室の空調管理をするようにしましょう。
温かいものの飲用
睡眠中は汗をかくのでコップ1杯の睡眠を補給しておくと健康的に睡眠ができます。その際は、温かいものを飲むのがおすすめ。
眠気は深部体温が下がっていくときに訪れます。就寝前に温かいものを飲んで体温を上げておくと、横になったときに体温が下がり始めます。つまり、睡眠に最適な環境を作りだすことが可能。
ちょっとした工夫で熟睡をしやすくなるので、就寝前は温かい飲み物を飲むようにしましょう。なお、その際はリラックス効果があるハーブティーなどを選んで飲むようにしてください。
まとめ
熟睡できない原因には肉体的なものや精神的なもの、ほかにも病気が眠りを妨げている場合もあります。自分はどれによって熟睡ができないのか、この記事を参考に当てはめてみてください。そして、日常の対策に生かすことで、明日から熟睡しやすくなるでしょう。
また、就寝前にするとよい行動も紹介してきました。熟睡するためにはどれも有効ですので、ぜひ試してみてください。