音楽と睡眠の関係についてご存じですか?
「安眠を手に入れたい」
「音楽が好きで睡眠に活用できないか」
「音楽と安眠の関係について知りたい」
こういった考えをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
音楽と睡眠には密接な関係があります。
この記事では読者の皆様が安眠を手に入れるために、音楽と睡眠との関係について解説しています。
記事を一読いただければ、音楽をうまく活用して安眠を手に入れることができるでしょう。
音楽と睡眠の関係
まずは、音楽と睡眠の関係について解説していきます。
深い睡眠を手に入れるために大切なのは、心を落ち着かせること。
精神的に安心し心を落ち着かせると、入眠もスムーズになり深い睡眠に入りやすくなるでしょう。
心を落ち着かせるには、副交感神経を優位にする必要があります。
音楽には副交感神経を優位にする作用があるため、安眠に効果が期待できるというわけです。
おさえておきたいのは、全ての音楽が安眠に効果を発揮するわけではないこと。
音楽にも多くの種類があり、活用法を間違えてしまうと逆効果にもなりかねません。
安眠につながる音楽には正しい活用法があります。
音楽と睡眠との関係についてしっかりと理解し、正しい音楽の聴き方を実践するようにしましょう。
睡眠が音楽から受ける影響
睡眠が音楽から受ける影響は、自律神経の1つである副交感神経を優位にすることだと説明しました。
では、副交感神経を優位にするとはどのような状態なのでしょうか。
それには脳波が関係しています。
人間の脳波には状態によって5つの種類があり、それぞれの名前と特徴は以下のとおりです。
脳 波 | 特 徴 |
ガンマ波 | イラついてるときに出ている脳波 |
ベータ波 | はっきりと覚醒しているときに出ている脳波 |
アルファ波 | 精神が落ち着いているときに出ている脳波 |
シータ波 | 睡眠中の脳波で、まどろんでいる状態 |
デルタ波 | 睡眠が深い状態のときに出ている脳波 |
これらの脳波のうち、精神が落ち着いているときに出ている脳波であるアルファ波を高めるほど、入眠がスムーズになるとされています。
アルファ波が出やすくなる音楽ほど、安眠につながるといえるでしょう。
では、アルファ波が出やすくなる音楽にはどのようなものがあるのでしょうか。
音楽で安眠を得る方法
アルファ波を高めて安眠するために聴いた方がよい音楽について解説していきます。
安眠に効果が期待できる音楽は以下の5つの音楽です。
- 自然音
- 曲のみの音楽
- 高い周波数でリズムが一定
- クラシック音楽
- オルゴール
1つずつ解説していきます。
自然音
安眠に必要な脳波であるアルファ波を高めてくれる音楽としては、自然音が効果的。
自然音には不規則なリズムで流れてくるという性質があり、この不規則なリズムがアルファ波を高めるために効果があると言われているわけです。
ちなみに脳の状態をリラックスに導く不規則なリズムは「エフ分の1ゆらぎ」と呼ばれています。
効果の高い代表的な自然音としては水の流れる音や鳥の声、風の音。
これらの自然音を寝る前に聴けばアルファ波の発生につながり、リラックス状態から安眠へといざなってくれるでしょう。
曲のみの音楽
曲のみの音楽には歌詞が含まれていないことで、余計な思考がはぶかれリラックス状態へとつながっていきます。
曲に歌詞が含まれていると言葉の意味について思考してしまい、気分の高揚にも影響を及ぼしかねません。
その結果、睡眠とは真逆の覚醒状態となってしまうでしょう。
寝る前に聴く音楽には、歌詞が入っていない音楽の選曲をおすすめします。
高い周波数でリズムが一定
一定のリズムをゆるやかに刻む音楽にも、アルファ波を発生させる作用があります。
さらに周波数に着目すると、4000ヘルツ以上の高い周波数にアルファ波を高める効果があることも認められています。
4000ヘルツ以上の周波数の例としては、鳥の鳴き声や赤ちゃんの泣き声です。
クラシック音楽
クラシック音楽には、アルファ波を高める要素がそろっているといえるでしょう。
リズム、周波数面のいずれをとっても安眠に効果のある音楽の条件を満たしています。
歌詞も入っていない曲のみの音楽ですので、ぜひ取り入れてみてください。
これまで紹介してきた全ての音楽の要素が詰まっているだけあって、みなさんが思っている以上に安眠への効果を発揮してくれるでしょう。
オルゴール
オルゴールには自律神経を整えてくれる効果があります。
ゆったりとした基調で幅広い周波数を奏でるオルゴールは、心身を優しく癒すため、そのリラックス効果も絶大。
ゆったりとした曲調を想像しただけで眠くなってきそうです。
オルゴールで落ち着くことで、睡眠の質が向上し安眠へとつながっていくでしょう。
睡眠を妨害する音楽
アルファ波を高めて安眠につなげる音楽があるように、逆に睡眠を妨害する音楽もあります。
ここでは、寝る前に聴いてしまうと睡眠を妨害する音楽について紹介します。
間違って聴いてしまうことのないようにしましょう。
睡眠を妨害する音楽は次の3つになります。
- 歌が入っている音楽
- スピード感のある音楽
- 騒がしい音楽
1つずつ解説していきます。
歌が入っている音楽
歌が入っている音楽は、歌詞を聴くことで脳が思考するきっかけになりかねません。
歌詞の内容によっては自分の好きなフレーズや意味について考えてしまう表現も含まれている可能性が高いです。
それらを聴いて脳内で思考してしまうと、睡眠どころか覚醒のきっかけとなってしまい本末転倒です。
寝る前は、脳をリラックスさせることが重要。
その点でいうと歌が入っている音楽は、聴かない方が賢明であるといえます。
寝る前に聴く音楽には、歌詞が含まれていない音楽を聴くようにしましょう。
スピード感のある音楽
スピード感のある音楽を聴くと、自然と気分が高揚してしまうものです。
寝る前に聴くテンポが良いノリノリの曲には、脳を覚醒させる作用が働きます。
ゆったりした音楽なら分かるのですが、スピード感のある音楽を寝る前に聴くのは、おすすめできません。
騒がしい音楽
ガチャガチャして騒がしい音楽もリラックスを妨げる原因となるでしょう。
騒がしい音楽は、どちらかというと気分を高めたいときやストレス発散を目的とします。
落ち込んだ気分をリフレッシュするために聴く分には構いませんが、睡眠前に聴く音楽からは避けるようにしたいものです。
入眠時に音楽を聴く前にやること
アルファ波の効用を活かして、寝る前に聴くと安眠につなげてくれる音楽について解説してきました。
ここからは、寝る前に音楽を聴くまでにやっておくだけで、音楽鑑賞の効果をより高めてくれる行動を紹介します。
- 入浴
- 食事
- ストレッチ
入浴
寝る前に音楽を聴くまでにやることの1つ目は入浴です。
入浴には血流を良くする作用があり、体温を一時的に高めてくれる効果があります。
睡眠へのトリガーは体温を下げること。
入浴の体温上昇による反動を利用することで、寝るときに自然な体温の低下がうまれます。
その作用が、寝る前に聴く音楽の効果をより高めてくれるでしょう。
入り方としては、就寝時間の約90分前までに、ぬるま湯に約30分の半身浴が理想です。
食事
食事による消化運動のタイミングを睡眠に合わせることで、音楽の効果を高めてくれるでしょう。
ポイントは入眠の3時間前、遅くても2時間前までに食事を終わらせること。
なぜなら食べ物の消化には約3時間以上を要するからです。
睡眠中に体内の消化運動を並行してしまうと、自然に睡眠が浅くなってしまうもの。
寝るまでに消化を終わらせておくことで、深い睡眠が得られる可能性が高まるわけです。
ストレッチ
寝る前にストレッチを取り入れ、体をしっかりと伸ばしておくことで血流が良くなります。
さらに、ストレッチの際、深い呼吸を意識するとリラックス効果も得られ、副交感神経が優位な状態に。
ストレッチは、寝る前に聴く音楽の効果を高めてくれる効果的な行動といえるでしょう。
熟睡のための音楽の聴き方
深い睡眠を得るためにも音楽の聴き方は重要です。
より効果的に、音楽で安眠を手に入れる聴き方についてみていきましょう。
熟睡のための音楽の聴き方のコツには、以下の4つがあります。
- 音楽器具の使用法
- 再生機能の活用
- 室内の環境
- 音楽の選曲
1つずつ解説していきます。
音楽器具の使用法
音楽を聴くとき、イヤホンなどの音楽器具の使用には注意が必要です。
寝る前に聴く音楽はリラックスを目的としたもの。
そのため、音楽のボリュームが大き過ぎてはいけません。
イヤホンやヘッドホンを使用すると、必然的にボリュームが大きくなりがちで入眠に悪影響を及ぼしてしまうでしょう。
また、長時間の使用をきっかけに難聴になったり、外耳が傷つくことによるかゆみや痛みも引き起こしかねません。
音楽器具を使う場合は短時間での使用とし、なるべくボリュームを落とすなどの対策をとるようにしましょう。
再生機能の活用
寝る前の音楽かけ流しをすると寝付きが悪くなるものの、なんとか寝付くこともできるとは思います。
しかし、睡眠中に音楽が流れていると睡眠が浅くなったり、覚醒したりと安眠とはほど遠い状況へと陥ってしまいます。
ベストな聴き方は音楽で心身をリラックス状態へともっていき、入眠時には音楽を聴き終わっている状態。
寝る前に音楽を聴く際は、再生機能を上手く活用しタイマーやスリープ機能を使用するようにしましょう。
室内の環境
室内の環境にも気を配ることで、音楽の効果が高まります。
部屋の温度は20度前後とし、湿度は50%程度を保つようにしましょう。
最も注意したいのは部屋の明るさ。
照明が明るい部屋では、いくら音楽を聴いていても眠気はおこりません。
部屋を暗くすることで視覚の情報を遮断し、聴覚である音楽に集中できるようになるわけです。
音楽の選曲
流れる音楽の選曲も重要です。
寝る前に音楽を連続再生で聴いていると、曲によって速さやリズムが違うことがあります。
曲が変わる度に曲調が変わると、脳は無意識に反応してしまうもの。
眠りにつくどころではありません。
連続再生による音楽を聴く際は、なるべく曲の速さやリズムが近い曲調のあった曲を再生リストとしてプログラムしておくとよいでしょう。
安眠につながる曲を紹介
では実際に、安眠につながる音楽にはどのような曲があるのでしょうか。
安眠の効果が期待できる曲について3つ紹介します。
- G線上のアリア
- モーツアルトの子守歌
- A Whole New World
1つずつ解説していきます。
G線上のアリア
原曲はバッハが作曲した曲として有名です。
リラックスが必要な睡眠前に聴く音楽にはもってこいの曲。
流れるようなゆったりとしたバイオリンの演奏を聴いていると、自然な眠気を呼び起こしてくれるでしょう。
モーツアルトの子守歌
子供の寝かしつけに作られたこの曲は、18世紀のドイツで誕生したと言われています。
題名にはモーツアルトとありますが、実際にはモーツアルトの作曲ではないという噂も。
曲調はゆったりとした音楽に、規則正しく単調なテンポが刻まれた睡眠向けの仕上がりになっています。
取り入れる際は、歌詞がない音楽のみの曲を選ぶのがポイントです。
子守歌として作られていますので、寝る前に聴く音楽として高い効果を発揮してくれるでしょう。
A Whole New World
おなじみアラジンのテーマとして知られた楽曲。
壮大かつゆったりとした曲腸は、優しく心を落ち着かせてくれます。
目をつぶって聴いていると、張りつめていた気持ちがだんだんと安らいでいくのを実感できます。
音量をやや低めで聴いてみると、さらなる眠気を引き起こしてくれるでしょう。
まとめ
ここまで、音楽と睡眠の関係や効果を高める方法、安眠につながる曲などについて解説してきました。
一言でいうと、音楽は安眠に効果を発揮してくれるといえます。
なお、その聴き方を工夫することでより一層、寝る前に聴く音楽の効果を引き立てることができます。
寝る前に音楽を聴く際は、記事で解説した内容を実践し、効果を下げてしまうような聴き方をしないよう注意しましょう。
一人でも多くの人が音楽を取り入れることで、安眠に成果をつなげていただければ幸いです。