最近、幸せホルモンという言葉を雑誌やネットなどで見かけることが多くなりました。
人間の脳のなかでは、常時、何百種類ものホルモンが分泌されていると言われています。
その中でも、幸せホルモンは生活の質を高めるためには欠かせないホルモンです。
「幸せホルモンについて知りたい」
「セロトニンを増やしたい」
「生活の質を高めたい」
このような悩みをお持ちの方には、ぜひ記事を読み進めていただきたいと思います。
この記事では、幸せホルモンやセロトニンの増やし方について解説しています。
記事を一読いただくことで、幸せホルモンやセロトニンの増やし方をマスターし、幸せで充実した毎日を送ることができるようになるでしょう。
幸せホルモンとは
まずは、幸せホルモンについて解説していきます。
幸せホルモンとは、簡単にいうと心を安定させてくれるホルモンのこと。
幸せホルモンにも数種類のホルモンが存在しますが、よく聞く有名なものに「オキシトシン」「ドーパミン」「セロトニン」があります。
これらのホルモンが不足すると、気分の落ち込みなどの抑うつ状態になる可能性もあるため注意が必要です。
幸せホルモンをうまく生活に活かしていく前段階として、それぞれの幸せホルモンについて特性や簡単な増やし方についてみていきましょう。
オキシトシン
オキシトシンは心を優しくしてくれるホルモン。
女性の出産や育児の際に多く分泌されるといわれていますが、近年では出産、育児以外でも分泌されることが認められています。
効果として、ストレスを緩和したり、認知機能を向上させる作用があります。
オキシトシンの分泌を最も増やす方法は他人と触れ合うこと。
俗にいうスキンシップです。
身近で親しい人やペットと直接肌を触れ合わせたスキンシップを行うことで、オキシトシンの分泌が促進されるでしょう。
人やペットに触れる機会がないという場合は、肌ざわりの良い毛布や布団、柔らかい感触が味わえるクッションなどでもオキシトシンの分泌が得られるので試してみてください。
また、他人の役に立ったり、人助けをするといった慈善活動でもオキシトシンが分泌されることが確認されています。
ドーパミン
日々の活力に欠かせないのが、やる気ホルモンのドーパミン。
活動の原動力となるやる気と幸福感を高めてくれます。
また、ドーパミンが多くなるとワーキングメモリーという作業記憶も高まるため、やる気だけではなく仕事のパフォーマンスも向上します。
その反面、ドーパミンが不足すると無気力、無関心といった状態になりかねません。
不足させてはいけないホルモンといえます。
ドーパミンは、何かを達成したときの喜びの感情に反応して分泌が増えることが知られています。
そのため、分泌を促進させるには小さくても良いので目標設定をして、コツコツと目標を達成していくと良いでしょう。
セロトニン
最もメジャーで知られている幸せホルモンのセロトニン。
メンタルの安定に高い効果を発揮してくれ、日常をポジティブに保ってくれる働きがあります。
朝起きたときに目覚めさせてくれるのもセロトニンによるもの。
不足すると感情がネガティブになるばかりか、朝の目覚めが悪くなるなどがあげられます。
今回は、紹介した幸せホルモンの中でもセロトニンに視点をフォーカスし解説を進めていきます。
セロトニンを増やすコツは、いずれも簡単なものばかりです。
日々の行動を少し変えるだけでセロトニンの分泌量を増やせるので、ぜひ学んでみてください。
セロトニンの効果
セロトニンを高める方法を身につける上で、効果を知っておくことは大切です。
この項では、セロトニンが私達に与える影響について紹介していきます。
セロトニンの効果には主に以下の3つがあげられます。
- 心のリラックス
- 安眠の獲得
- 脳機能の向上
1つずつみていきましょう。
心のリラックス
まず1つめの効果は、心を落ち着かせてリラックスさせてくれるというもの。
実はこの効果の反面、心が落ち着くような行動をとっているときにもセロトニンが分泌されるといった行動に対する相関関係も成り立っています。
では、具体的にセロトニンが分泌されているリラックス行動とは何なのでしょうか。
- 湯船につかってホッとしている
- 一人時間をまったりと自由に過ごしている
- 1日が終わり寝床に入っている状態
- マッサージで癒されている
このようなときは、セロトニンが分泌されているといえるでしょう。
セロトニンは、精神的な癒しが得られるタイミングで分泌されるホルモンということです。
逆にいえば気分が落ち込んでしまったり、すぐにイライラしてしまうときはセロトニンが不足しているかもしれません。
セロトニンが満ちている状態では考えられない症状だからです。
ネガティブな感情に支配されないためにも、セロトニンの分泌は大切な生命活動ともいえます。
安眠の獲得
睡眠ホルモンとして有名なものにメラトニンがあります。
メラトニンは眠気を誘発するホルモン。
セロトニンはメラトニンの前駆体であり、昼の間に分泌されたセロトニンはメラトニンの材料として使われます。
そのため、セロトニンの分泌が多くなればメラトニンも多く作られるため、安眠につながるというわけです。
セロトニンにはメラトニンの効果とは逆に目覚めの作用があり、寝起きの明確な切り替え役として分泌量を減らさないようにしましょう。
脳機能の維持
セロトニンの大切な役割の1つに、海馬を守るというものがあります。
海馬は、脳内で記憶をつかさどる部位。
海馬がストレスなどによって傷つくと記憶力の低下といった脳機能に異常が見られる状態に発展してしまいます。
セロトニンには海馬をストレスホルモンであるコルチゾールから守ってくれる働きがあります。
この作用により海馬の損傷がくい止められ、脳機能が健全に保たれるというわけです。
セロトニンの分泌が増えれば、脳機能は正常に維持されるでしょう。
幸せホルモンの増やし方5選
それでは、セロトニンの分泌量を高める方法について解説していきます。
セロトニンの増やし方5選は以下の通りです。
- 太陽の光
- 腸活
- 感動による涙
- 運動法
- 呼吸法
1つずつみていきましょう。
太陽の光
セロトニンの分泌を増やす1つめの方法は太陽の光を浴びること。
太陽の光には、セロトニンの分泌を高める作用があるためです。
光を浴びれば、何でも良いのかというとそういうわけではありません。
セロトニンの分泌に効果があるとされる光の強さが2,500ルクス以上の強さが必要。
室内の照明の強さは2,000ルクスも満たしていないので、いくら浴びてもセロトニンの分泌効果は得られないでしょう。
2,500ルクスという光の強さは、朝の日の出くらいの強さです。
朝の日の出というのは、眩しさを感じない程度の優しい光力のため、太陽の光はたいていの気象状況であってもセロトニンの分泌に活用できることが分かります。
セロトニンを増やすためにも、起き抜けはカーテンを開けて室内に日差しを入れるか、外に出て太陽の光を直接浴びる習慣をもつとよいでしょう。
腸活
脳腸相関という言葉をご存じでしょうか。
簡単にいうと、脳と腸には深い関係があり、互いに影響を与えあうほど密接な関係になっているということです。
セロトニンは脳内でも作られていますが、9割は腸で作られています。
しかし、腸で作られたセロトニンが実際に脳で使われることはほとんどありません。
では、なぜ腸内環境が影響するかというと、腸内環境が乱れていると腸でセロトニンが生成されなくなるからです。
腸内でセロトニンが生成されなくなると、腸と密接に関わっている脳でもセロトニンが生成されなくなってしまうのです。
腸活を意識して腸内を健全に保つことはセロトニンを増やすうえでも重要といえるでしょう。
涙
近年、涙を流すことに多くの癒し効果があることが認知されてきました。
ストレス発散や気分のリフレッシュなど涙を流したあとは、スッキリした感覚があるのを実感されている方もいらっしゃると思います。
この涙を流すという行為にも、セロトニンの分泌を増やしてくれる作用が認められています。
では、どのようにして涙を流すかというと感動する映画や小説、ドラマなどを活用すること。
ジャンルは決まっていませんが感動する作品が好ましいといえます。
これらの作品に没頭し、作品へ深く感情移入することでより涙の効果を高めることができるでしょう。
運動法
運動にもセロトニンを増やす効果があります。
おすすめの運動法はランニングやウォーキングなどです。
ポイントとなるのは、単調なリズム運動を伴っているかという点。
リズム運動は、セロトニンの分泌を高める効果が認められているからです。
時間は長くならない20分程度が効果的とされています。
朝の散歩は、先に紹介した太陽の光を浴びる効果も掛け合わさるため、運動とのより良い相乗効果が得られるでしょう。
呼吸法
呼吸を意識することで、気持ちの切り替えが可能になります。
深呼吸には自律神経が整う効果があるように、呼吸への意識がセロトニンの分泌を高めるのです。
実際に効果のある呼吸法は、腹式呼吸法。
呼吸には胸式と腹式があり、主に肺を膨らませる胸式に比べて、腹式呼吸は横隔膜を上下運動させてお腹を膨らますようなイメージです。
横隔膜の運動がセロトニンの分泌に効果を発揮します。
呼吸は無意識に行うもので、普段は意識が向いていない場合が多いもの。
意識的に腹式呼吸を取り入れることでセロトニンを増やしていきましょう。
セロトニンの分泌に効果的な食事
幸せホルモンのセロトニンの増やし方について紹介しました。
セロトニンを増やす効果をより高めるための食事について解説します。
食事に関する意識を変えることで、セロトニンを増やす効果が高まり分泌が大幅に増やせるようになるでしょう。
セロトニンの分泌に効果的な食事法は以下の2つに気を配ることです。
- タンパク質の摂取
- 食物繊維
1つずつ解説していきます。
タンパク質の摂取
セロトニンの分泌向上をねらう上で、摂取する栄養素として欠かせない成分がタンパク質。
なぜかというと、タンパク質にはトリプトファンが含まれるためです。
トリプトファンはアミノ酸の1つで、セロトニンを生成する際の材料となる成分と言われています。
このトリプトファンが多く含まれるタンパク質を意識して摂取することで、セロトニンの分泌を推進。
セロトニンの増やし方を実践したときの効果を一層高めてくれるというわけです。
トリプトファンが含まれる食品には、豚やマグロ、大豆製品などがあげられます。
食物繊維
食物繊維の摂取は、腸内環境を改善する観点からも重要です。
先に紹介したセロトニンの増やし方の1つに腸活がありました。
腸活に効果がある食事として、腸内に存在する善玉菌のエサとなる食物繊維を摂取するのが効果的というわけです。
その中でも、善玉菌に好まれるのが水溶性食物繊維。
水溶性食物繊維は、名前のとおり水に溶けやすい性質があります。
そのため、善玉菌のエサとなりやすいのです。
水溶性食物繊維は主に野菜に多く含まれていますが、例を出すとアボガドや納豆、きのこ類などがあげられます。
トリプトファンが含まれるタンパク質と合わせて料理に取り入れてみると、より高い効果が得られるでしょう。
まとめ
ここまで幸せホルモンの特性や増やし方のコツについて解説してきました。
幸せホルモンのセロトニンを増やすと心が穏やかになりメンタルが安定、人に優しくなれるなど好循環が生まれます。
そうなると自然と人生が幸せに満ち足りたものになっていくでしょう。
当記事では、主にセロトニンについて深堀しましたが、その他の幸せホルモンも重要なホルモンに変わりはありません。
ご覧になって分かるように、幸せホルモンのセロトニンを増やす行動は簡単なものばかりです。
この機会に、生活の中で幸せホルモンを高める行動を意識してみてはいかがでしょうか。