「通気性が高い枕のメリットは?」
「枕の素材にはどんな特徴があるの?」
「枕の素材はどうやって選べばいい?」
私たちは寝る際に、枕を使って寝ています。
枕を使うことでより寝やすく、心地よく眠ることができるように、自分に合った枕を探している方も多いのではないでしょうか。
枕にはいろいろな種類があり、素材もさまざまでその特徴も、ものによって違っています。
ここでは、枕の素材の種類やその特徴、通気性が高い枕のメリットについてお伝えしていきます。
1.枕と睡眠の関係
私たちは毎晩枕を使用して眠っていますが、枕と睡眠にはどのような関係があるかみていきましょう。
寝ている間に、人は寝返りをうっています。
寝返りをうつことで、日中にこり固まった体の疲れを軽減させているのです。
枕が自分の体に合っていないと、柔らかくて枕が沈んでしまったり、高さが合わずに首とマットレスなどの寝具との間に隙間ができて、寝返りがうちにくくなるでしょう。
枕の大きさも寝返りに影響があります。
余裕のある枕のサイズを選ぶことで寝返りがうちやすくなり快眠にもつながります。
枕は、頭を支えているだけではなく、首を支える役割も持っています。
人が寝ている時の姿勢である寝姿勢は、起きている時と同じ姿勢であることが理想でしょう。
人起きている時に、頚椎がS字状のカーブを描いている姿が自然な姿と言われています。
寝姿勢もこのS字カーブの姿勢で寝ることが、理想です。
枕が合っていないとこの寝姿勢を保つことが難しくなってしまうでしょう。
枕には、マットレスなどの寝具と、頭から首との間の隙間を埋める役割があります。
枕が合わないと、頭や首をきちんと支えられず痛みやこりへとつながってしまいます。
またその痛みは背中や腰などにも広がる恐れがあるでしょう。
このように、寝返りや寝姿勢、心地よい睡眠をえるために枕は睡眠にとって大変重要な役割を担っているのです。
2.枕が合わない時の体への影響
枕は睡眠にとって重要な役割があることがわかりました。
では、枕が合わないとどのような影響が私たちの体に及ぶのか見ていきましょう。
①首や肩のこりや痛み
枕が合っていないと、寝姿勢が不自然な形になり、肩や首の筋肉に負担をかけることになります。
血液の循環も悪くなり、首や肩のこりや痛みとなって現れるでしょう。
その後、首や肩だけでなく、背中や腰など広い範囲に影響が及んでしまう可能性があります。
②頭痛
枕が合わないと、首が圧迫され筋肉が硬くなってしまいます。
首や肩などのこりが起こり、続くことで血流が悪くなり、やがて頭痛となる可能性があるでしょう。
後頭神経痛や緊張型の頭痛は、枕が合わないことが原因とも言われていますので注意が必要です。
③ストレートネック
人間の頚椎は、緩やかに「くの字」のようなカーブを描いています。
枕が合わないことで、ストレートネックになる可能性もあるでしょう。
ストレートネックは、本来の自然なカーブではなく、頚椎がまっすぐになった不自然な姿勢です。
頭が前に飛び出した前傾姿勢の状態です。
ストレートネックの原因として、パソコンなどデスクワークやスマートフォンの使用が挙げられますが、枕が合わないことも原因の一つでしょう。
枕の高さにも注意して、自然な寝姿勢を保つことが大切です。
④腰痛
枕が自分の体に合っていないことが原因で、肩こりや首こりだけでなく、腰痛になることもあります。
首から腰は背骨でつながっているため、寝姿勢が不自然な姿勢でいると、首や肩だけでなく腰にまで影響を及ぼすでしょう。
枕が合っていないと、寝返りをうまくうつことができません。
寝返りには日中の体の疲れをとる役割があるため、寝返りがうてないことで、腰にも影響を及ぼす可能性があります。
⑤睡眠の質の低下
枕が合っていないと、寝返りをうつことが難しかったり、寝苦しいことから寝返りを必要以上にうつことで、睡眠の質が低下することがあります。
朝起きた時にも、体の疲れが取れていないことも多くなってしまうでしょう。
体の疲れが取れなかったり、寝姿勢が悪く、筋肉が凝り固まってしまうことで、血液循環も悪くなってしまいます。
心地いい睡眠が取れないと、日中の生活にも響いてきますので枕選びは睡眠にとって重要です。
では次に本題である枕の通気性についてみていきましょう。
3通気性が高い枕のメリット
人が深い眠りにつくためには、寝心地の良い枕の素材であることが重要です。
寝ている間に、人はコップ1杯の汗をかくともいわれており、汗をかいて体温を下げることで、疲れた脳や体を休ませています。
汗をかき、枕がその汗で蒸れてしまうと、寝苦しくなってしまうでしょう。
寝苦しくなると、必要以上に寝返りを多くうつことになってしまいます。
寝返りを多くうつことは、疲れをとるはずの筋肉を余分に使うことにつながり、動くことで眠りも浅くなってしまいます。
通気性がよく、肌触りのいい枕は快眠につながります。
枕は通気性の高いものを選ぶといいでしょう。
通気性が高い枕のメリットとして、頭に熱がこもらないため脳の温度が下がり、心地よく眠れることが挙げられます。
通気性が悪い枕は、熱がこもってしまうため体温調整がうまくいかなくなり、結果として睡眠が浅くなるでしょう。
また、汗をかいても通気性が高いと蒸れずに枕が汗で濡れることもありません。
通気性が高い素材についてはこのあと説明していきますが、蒸れずに寝返りがしやすい硬めの素材が、通気性が高い素材には多いこともメリットの一つでしょう。
通気性が高いと、虫やダニなどが発生しにくくカビが発生する心配も少ないでしょう。
では、次に素材ごとの特徴をお伝えしていきます。
4.素材ごとの特徴
通気性の高い素材として、①ラテックス②ポリエチレンパイプ③ファイバー④そばがら⑤羽毛があげられます。それぞれの素材について見ていきましょう。
①ラテックス
ラテックスは柔らかく、弾力性がある素材ですが低反発ウレタンほど沈む込みません。
抗菌作用があり、通気性に優れた素材です。
素材の感触は、フィット感があり頭や首をしっかりと支えるでしょう。
ゴムアレルギーがある場合には使用不可です。
ゴムの匂いも人によっては気になることもあるでしょう。
②ポリエチレンパイプ
通気性が良く、水洗いできます。
パイプにの種類がたくさんあるため、枕の中のパイプの量を調節することで、自分好みの硬さにできます。
耐久性が高いのも特徴で、長い間へたることがなく使用できるでしょう。
流動性があることから、寝返りをした時などにパイプの音が気になることがあります。
パイプの粒が流動性があるため、頭や首を支えるといったフィット感には欠けるでしょう。
また、大きさもさまざまありますので、大きめのパイプはゴツゴツ感が気になります。
ほこりや虫がわくことはないため、衛生的な素材です。
③ファイバー
ファイバーは寝汗などの熱がこもりにくく、通気性に優れている特徴があります。
水洗いが可能なのでいつでも清潔を保つことができます。
吸湿性はあまり高くないでしょう。
やや硬めな素材でできているため、首などのフィット感があまり高くありません。
フィット感は薄いですが、頭や首などをしっかりとサポートする力があるでしょう。
④そばがら
そばがらは、吸湿性や通気性に優れ、夏なども暑苦しさを感じない素材です。
古くから日本で使用され、日本の気候に適した素材とも言えるでしょう。
そばがらの枕には、重量感があるため安定していています。
また、適度な硬さがあり、価格も手頃で求めやすいのも特徴です。
枕の中で、そばがらが流動性があるため人によっては、気になることもあります。
水洗いができないため、手入れを怠ると虫がわくことがありますので注意しましょう。
天日干しをして、手入れをすることをおすすめします。
⑤羽毛
柔らかく頭や首を包み込み、ふわふわした感触の素材です。
復元力も高く、吸湿性や発散性、通気性に優れています。
枕が蒸れないため、長期間使用してもへたらないでしょう。
使用している間に、枕の中から素材が出てくることもあるため注意が必要です。
5.枕カバーの素材
枕の通気性を考えたときに、中身だけ通気性が高くても、外側との生地との相性も重要になってきます。
ここでは、枕カバーに使われている主な生地についても見ていきましょう。
枕カバーを通気性の高いものや吸湿性が高いものを使用することで寝汗の対策にもなり、一緒に使うことでより素材の良さを発揮することができます。
枕カバーは肌に直接触れるますので、肌触りがいいものを選ぶといいでしょう。
では、それぞれの素材についてみていきます。
①リネン
リネンは、発散性と吸湿性に優れた素材です。
天然素材ですので肌触りが良く、汗をかく季節にも涼しく過ごすことができるでしょう。
肌に密着しないので、蒸れることがなく熱を逃します。
洗濯をしてもすぐに乾く特徴があり、洗うほどに生地が丈夫になっていきます。
シワになりやすい特徴がありますので注意しましょう。
②コットン素材
通気性や吸湿性に優れた特徴があります。
肌触りがいいので、肌が敏感な方にもおすすめです。
季節を選ばず使うことができ、繰り返し洗えるので、長く使えるでしょう。
縮みやすく、シワになりやすいので注意が必要ですが、安心して使える素材の一つです。
③タオル地
通気性や吸水性に優れているので、汗を吸い取るのに適しています。
ふんわりと優しい手触りで、肌が弱い方にもおすすめの素材です。
パイル地でできており、引っかかることもありますので注意しましょう。
④シルク
なめらかで光沢のある素材です。
天然素材のため肌への刺激が少なくなめらかでほこりなどはつきにくい特徴があります。
コットンよりも吸湿性や放湿性には優れているでしょう。
クリーニングなどでケアすることをおすすめします。
6.枕選びのポイント
では枕の通気性や素材についてわかったところで、次に枕を選ぶ際のポイントについてみていきます。
ポイントとしては通気性のほかに3点のポイントがあります。
①枕の硬さ
枕の硬さも自分に合った枕を選ぶ際に重要なポイントになります。
硬い枕は、枕と首の間に隙間ができてしまい、首が浮いてしまうでしょう。
首が浮くことで、体圧分散がうまくできず、寝返りをうまくうつこともできません。
反対に、枕が柔らかすぎると頭が沈み込んでしまうでしょう。
枕の硬さで、睡眠の質も変わるため自分に合った枕を選びましょう。
②枕の高さ
枕の高さも重要なポイントとなってきます。
枕の高さが合わないと、寝返りがうまくうてず、首や肩にこりや痛みを生じることがあるでしょう。
また、低い枕を使用していると、寝違えや顔のむくみの原因となり、寝つきも悪くなってしまいます。
高い枕は血液の循環が悪くなったり、肩こりや頭痛を引き起こす恐れがありますので注意しましょう。
寝姿勢が自然S字カーブになるよう、首をしっかり支える自分の体に合った枕を選びましょう。
③枕の大きさや形
枕の形にもいろいろなものがあります。
枕の形が安定しないと、寝違えや肩こりなどの原因になりますので、形や大きさも選ぶときのポイントとなります。
長方形の枕や低反発で自分の首の形に沿う枕、オーダー型などさまざまな種類のものがありますので、実際に試してみましょう。
また、大きさもいろいろありますが、枕のサイズが小さいと頭が枕から落ちてしまいます。
枕から頭が落ちて寝ていると、寝返りがうちづらくなるため注意しましょう。
枕は、寝返りがうちやすい形が安定したものを選ぶといいでしょう。
7.まとめ
自分の体に合った枕を使うことは、心地いい睡眠をとるために重要であることがわかりました。
合わない枕を使い続けることは、肩こりや首こりだけでなく、ストレートネックや腰痛など体への影響を及ぼす可能性があります。
通気性の高い枕を使うことで、かいた汗で枕が蒸れることを防ぎ、快適に眠ることができます。
適度な寝返りをうち、正しい寝姿勢で眠ることで日中の疲れをとることができるでしょう。
通気性のよい枕の素材として①ラテックス②ポリエチレンパイプ③ファイバー④そばがら⑤羽毛といった5つの素材が挙げられます。
また、枕カバーも通気性の良いものを選ぶことがさらなる快眠を得ることにつながるでしょう。
通気性のほかにも、枕の高さや硬さ、大きさなど自分の体に合うものを選ぶことがより良い睡眠へつながります。
自分のお気に入りの枕を見つけて心地よい眠りにつけるといいですね。