布団やマットレスにダニが大発生して、気が付いたらダニアレルギーを発症…。充分な睡眠は健康の維持に欠かせませんが、ダニが大量発生していたら、安心して眠ることもできません。
ダニは退治した後にしっかりした予防策を取らなければ、すぐにまた大量発生してしまいます。
ダニが発生する原因と効果的な対策をしっかり学習して、良質な睡眠をとれるようにしましょう。
ダニ対策に有効な布団専用クリーナーなども紹介します。
ダニはどこから侵入してくる?
新品のマットレスや布団にはダニはいません。いったいどこから侵入してくるのか、不思議に思っている方は多いと思います。
ダニの侵入経路は主に人、ペットの犬や猫です。部屋に入り込んできた虫やネズミなどの生き物が原因になっていることもあります。
どんなに家をきれいに掃除していても、職場や学校にダニがいると、衣服や持ち物にダニが付着してしまいます。知らない間に入り込んできた虫などにダニが寄生していれば、そこから繁殖することも珍しくありません。ダニは繁殖力が強いので、あっという間に増えてしまいます。
マットレスにダニが繁殖する理由とは
ダニが繁殖しやすいのは、
- 温度が20℃~30℃である
- 湿度が60%~70%
- ダニの餌になる皮膚や髪の毛、埃が多い
- 暗いところ
という条件が揃った環境です。
寝具はダニの楽園
マットレスや布団は人と密着するため、ダニが好む高温多湿な環境になります。さらにマットレスと布団の間は暗いので、ダニにはとても居心地のいい住処です。
また、布団から出る埃が溜まりやすい上に、人の体から落ちる髪の毛や皮膚片が餌となるので、さらに繁殖しやすい環境が整います。
人が安らげる場所は、ダニにとってもとても暮らしやすい環境となってしまうのです。
ダニを100%取り除くことは難しいですが、予防と対策をしっかりすれば、ダニアレルギーに悩まされることはほとんどなくなります。
ダニが繁殖しやすい季節は?
ダニの発生・繁殖には季節も影響します。ダニが最も繁殖しやすい季節は、気温が高く、湿気も多くなる5月~7月です。反対に秋になると気温も湿度も低下してくるので、繁殖の勢いは収まってきます。
ダニの大量発生=アレルギーではない
ただ、ダニが大量に繁殖したからといって、発生後すぐにダニに刺されたり、咳や鼻炎などのアレルギー症状がでたりするわけではありません。
7月~9月はダニに刺されやすい季節
ダニでも人を刺したり咬んだりするのはごく数種類です。アレルギー症状を引き起こすダニは、主にチリダニで、寝具に巣食うダニの8割から9割を占めます。残りの2割程度がツメダニです。このダニが人を刺したり咬んだりします。
ツメダニは肉食で、ほかの種類のダニを捕食します。つまり、チリダニが大量発生すると、それに伴ってツメダニも数が増えることになります。
アレルギー症状は9月~10月から出る
生きているダニがアレルギーを引き起こすことは少なく、ダニの死骸やフンがダニアレルゲンとなって様々な症状の原因となっていることがほとんどです。
なぜ秋にダニアレルギーが起きやすいかというと、空気が乾燥しているので、ただでさえ小さなダニの死骸やフンがさらに細かくなって空気中に舞い上がります。人が呼吸するとそれらが気管に入り込み、喘息や鼻炎発症するのです。
ダニ対策は季節ごとに変えるのが効果的
この表は、ダニの産卵から生存日数の研究結果をまとめたものです。
温度(℃) | 成長日数(産卵→成虫) | 生存日数 | 一匹の総産卵数 |
16 | 122.8 | – | – |
23 | 34 | 31.2 | 68.4 |
30 | 19.3 | – | – |
35 | 15 | 15.5 | 48 |
(引用:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2280388/)
気温の変化とともに、産卵期、発育期、生存日数が変化しているのが一目瞭然です。ダニ退治は、季節ごとに気温に合った方法をとる必要があります。
春から夏にかけてのダニの退治方法
春から夏(5月~7月)はダニの産卵数が多くなり、成長も早くなります。この時期は
- 寝室の換気
- マットレスを床に直接敷かない
- 万年床にしない
の3つに重点を置くことで大量繁殖を防ぐことが可能です。先述したように、ダニは高温多湿な環境を好みます。こまめに窓を開けたり、エアコンを除湿モードにしたりして、湿気を追い出すようにすると効果的です。
マットレスの床の直置きもダニが大量発生しやすい原因を作ります。マットレスの下にすのこを敷くと風通しがよくなり湿気と温度が溜まりにくくなり、ダニの発生を抑えることができます。
布団は朝起きたらかならず上げて、風通しを良くすることを心がけましょう。ベッドの場合は、マットレスの片側を本などで上げて、扇風機などで風を送って湿気を飛ばすとダニの大量発生を抑えることができます。
何日も敷きっぱなしにすると、いつの間にかダニが大量発生する原因になります。
夏に効果的なダニ対策
春にしっかりダニ対策をしておけば、夏の寝具のお手入れはかなり楽になります。とはいえ、ダニの発生をゼロにすることは不可能なので、なるべくこまめに対処するのがおすすめです。
- 布団乾燥機を使用して高温で乾燥させる
- ダニ駆除スプレーやシートを使用する
- クリーニング業者にマットレスの洗浄を依頼する
自宅でのダニ防止対策は布団乾燥機をかけるのが一番です。最近の布団乾燥機はダニ退治ができる機能がついているものも多く、上手に利用すればダニの発生を抑えられます。
人気の布団乾燥機
アイリスオーヤマ「カラリエ KFK-C3」 9,972円
「引用:アイリスプラザ」
重さ約1.8kgの小型・軽量設計なので使いやすく、収納の場所をとりません。65℃の温風でダニ対策もしっかりできます(ダニが死滅する温度は50℃以上)。
日立「アッとドライ HFK-VS3000」13,286円
「引用:HITACHI公式HP」
11か所の吹き出し口を備えたV字形状のアタッチメントで布団を均一に乾燥させることができます。長めのノズルがついているので、ベッドの下からの乾燥も可能です。
シャープ「UD-CF1」 10,760円
胞子を遠くに飛ばすきのこの形状にヒントを得た「きのこアタッチメント」で布団の隅々まで温風を届けることができます。ダニだけでなく、カビ、汗、加齢臭などの嫌な臭いを抑える効果もあります。
市販のダニ駆除スプレーやダニ除けシートを併用すればさらに効果が上がります。
ダニアーススプレー ソープの香り 畳・カーペット・寝具・ソファーに [300mL]
「引用:Amazon」
それでもダニの大量発生を防ぐことができなかったら、プロのクリーニング業者に駆除を依頼しましょう。費用は10,000円前後が相場です。何社か比較検討して見積をとると、洗浄力、価格が納得できる業者を探せます。
秋以降のダニ対策
秋はダニアレルギーが一番発生しやすい季節です。空中に舞い上がる細かなダニの死骸やフンをなるべく少なくする必要があります。
そのためにできる対策は
- 布団クリーナー・掃除機をかける
- ベッド周りや床をこまめに掃除する
- シーツやベッドカバーは最低一週間に1回は洗濯する
2014年頃に寝具のお手入れに特化した「レイコップ」が登場してから、布団専用クリーナーが様々なメーカーから数多く出回るようになりました。布団のダニや細かいごみを吸い取ることができる吸引力の強い掃除機も種類が豊富です。価格もお手頃なものが増えてきました。
人気の布団クリーナー
ダイソン Dyson V7 MattressHH11COM 35,000円
「引用:Amazon」
コンパクトで軽いにも関わらず、吸引力が非常に強力です。小型で軽いので、楽に布団の手入れができます。ボタン一つで電源が入り、ごみ捨てもワンタッチでできる、ダストボックスが水洗いできるなどお手入れも簡単なのが魅力です。
アイリスオーヤマ ふとんクリーナーハイパワー KIC-FAC4 17,200円
「引用:Amazon」
コスパがいい家電が揃っていることで評判のアイリスオーヤマの布団専用クリーナーです。ダニや埃をしっかり吸引するだけでなく、布団に合わせてヘッド部分の角度を変えることで手首への負担がかかりにくくなっています。
レイコップ・ジャパン レイコップPRORS3-100JPWH 19,000円
「引用:Amazon」
元祖布団クリーナーのレイコップです。60℃の温風でダニの繁殖を防ぎます。(ダニが死滅する温度は50℃から)吸引力も強く、細かいゴミもしっかり吸い取れます。ただ、フィルター部分の洗浄がしにくく、洗面台が汚れやすいのが難点です。
クリーナー選びに迷う場合は、家電量販店の店員さんに相談して選ぶと失敗する可能性が少なくなります。
ダニアレルゲンはベッド周りや床にも散らばるので、寝室以外の部屋もしっかり掃除する必要があります。
冬はダニが発生しにくい季節ですが、エアコンや暖房器具が発達した現代では、部屋の温度が常に20℃以上に保たれていることも珍しくありません。冬でもダニが発生する可能性があります。
ダニ除け効果のある成分が入った洗濯用洗剤で洗えば、ダニの発生を抑えることができます。
P&G アリエール ダニよけプラス 910g
「引用:Amazon」
マットレスを買い替えるなら防ダニ効果の高いものを
寝具はいずれ買い替えの時期がきます。買い替えるなら、防ダニ効果の高い布団やマットレスを選んでダニの大量発生を防ぎましょう。
NELL マットレス
「引用:NELL公式HP」
サイズ | 価格 |
シングル | 75,000円 |
セミダブル | 90,000円 |
ダブル | 105,000円 |
NELL マットレスは、連結した渦状のコイルの入ったマットレスです。丈夫なだけでなく、通気性にも優れているのが特徴です。また、防ダニ・抗菌・防臭機能を備えた素材を使用しているので、ダニが大量発生する心配もありません。
まとめ
ダニは季節ごとに繁殖する時期、アレルギーを引き起こす時期が違うことがわかりました。季節に応じた対策を講じつつ、クリーナーや乾燥機なども状況によって使い分ければダニの大量発生は抑えられます。
健康を保つためには良質な睡眠が欠かせません。こまめな掃除やお手入れで寝具の清潔さを保ち、万が一大量発生してしまったら寝具をそっくり買い替えることも必要になります。
日ごろからしっかり対策して、良質な睡眠がとれるようにしましょう。