みなさんは自分の睡眠に満足していますか。
毎朝目覚ましで起こされるけど本当はもうちょっと寝ていたい、そんなふうに感じていませんか。
そんなあなたはもしかしたら、睡眠時間が足りていないかも。
「いやいや毎日ちゃんと寝てるしそんなことない」
と思ったあなた。
1日たったの1~2時間の睡眠不足でも、積み重なれば体に不調をきたします。
今回はそのちょっとの睡眠不足が積み重なった睡眠負債について、疑問や悩みを解決します。
- 睡眠負債って何?
- 睡眠負債は体に悪いの?
- 睡眠負債は休日の寝だめで取り返せるのでは?
こう考えているあなた。
この記事をしっかり読んで、質の良い睡眠習慣と体調の良い毎日を手に入れましょう。
睡眠負債とは
睡眠負債という言葉を知っていますか。
睡眠負債とは、毎日のちょっとした睡眠不足が借金のように積み重なり、取り返しのつかない状態になっていることです。
まず1日に必要な睡眠時間は個人差や年齢差があります。
引用:Shop Japan
平均するとだいたい7時間。
それが5時間しか取れていないとしたら、どうでしょう。
その日1日だけみれば「たった2時間少ないだけで、取り返せる」と感じるかもしれません。
しかしそんな状態が1週間続けば14時間の睡眠負債がたまります。
1か月だと約56時間。どんどん取り返せない状態になっていくのがわかります。
この「睡眠負債」という言葉、2017年にはなんと流行語大賞にノミネートされました。
それだけ日本国民は、睡眠に関して満足していないということですね。
睡眠負債をためるとどうなるのか
睡眠負債についてはわかったところで、それが続くとどうなるのでしょうか。
気になるところですね。
いくつかその症状を紹介しますが、一番恐ろしいのは自分で気付かないうちに体や心の不調がどんどん進んでいってしまうことです。
たとえば「昨夜は2時間しか寝てない」「仕事で徹夜続き」など明らかな寝不足は自覚しやすいし、それなりに対策はできるはずです。
一方この睡眠負債による症状は、自分の気づかないうちに始まって積み重なってしまうので注意が必要です。
日本人の多くが悩まされてるといわれている睡眠負債の症状。
あなたは大丈夫ですか?チェックしてみてください。
身体的な不調
- 疲労感、倦怠感
- 生活習慣病をまねく
- 肥満
- 免疫力の低下
「なんとなくだるい」「風邪をひきやすい」など、見逃されそうなサインが多いですね。
歳のせい、とあきらめている人も多いかもしれません。
精神的な不調
- 注意力、集中力の低下
- 判断力の低下
- 軽いうつ状態になる
精神的な不調も、意識してないとなかなか気づくことができません。
手遅れになる前に、あなたの睡眠習慣を見直しましょう。
あなたの睡眠負債度チェック
実際にあなたが睡眠負債を抱えているのか?以下の項目でチェックしてみましょう。
見逃されやすいサインが多いので、この機会に自分の体調をしっかりふりかえってみてください。
昼寝するときの寝つき
あなたは昼寝をするとしたら、どのくらいで眠りにつくでしょうか。
正常な状態だと、目を閉じてから眠りにつくまでにだいたい15分かかるといわれています。
反対に目を閉じてすぐに眠ってしまうというのは、疲れている証拠。
睡眠負債がたまっているのかもしれません。
いつでもどこでもすぐに眠りにつけるというあなたは、ちょっと危険です。
休日の起床時間
休日の起床時間について、あなたは何時に起きますか。
平日に比べてどうでしょう。
2時間以上ずれていたら、睡眠負債を抱えているかもしれません。
平日でも十分な睡眠時間がとれていれば、休日も同じ時間に自然と目覚めるはず。
ところが睡眠負債を抱えている人は、休日には平日より2時間ほど多く眠ることがわかっています。
目覚めの状態
あなたの普段の目覚めの状態を思い出してください。
睡眠負債がなく理想の目覚めの状態は、目覚ましが鳴らなくても自然と毎日同じ時間に目覚める状態です。
毎朝目覚ましの大きい音で起こされて、それでも起きれずに二度寝三度寝してしまう。
そんなことありませんか。
さてここまであなたの睡眠負債の状況をチェックしましたが、上記以外にも
- 日中眠たい
- 体がだるい
- やる気が出ない
- 体調をくずしやすい
- いつもつかれている
- イライラすることが多い
- 寝ても寝ても疲れが取れない
こういった症状はありませんか。
睡眠負債がたまっていると考えられます。
睡眠負債を抱えている人の多くはほとんど自覚がないともいわれています。
体の不調を見逃さないように、普段から意識してチェックしてみてくださいね。
睡眠負債は寝だめで返済できるの?
睡眠負債をためると、体に不調が現れることがわかりました。
できるだけ改善したいから、週末の寝だめで睡眠負債を返済しようと考えていませんか。
ところが睡眠負債は寝だめでは返済できません。
くわしく解説します。
寝だめの効果
寝だめのイメージってどういったものでしょう。
「1日1時間睡眠時間が足りていないから、平日足りてない5時間分の睡眠時間を休日寝て取り返す」
こういったものでしょうか。
実はこの寝だめですが、効果があるのは2~3時間までということがわかっています。
つまり、それ以上はいくら寝ても効果がないどころか逆効果になることも多いです。
寝だめのデメリット
寝だめをすることは睡眠負債の返済にはつながらず、逆にデメリットの方が多い。
ではどんなデメリットがあるのでしょうか。
体内リズムをくるわせる
平日は毎日6時に起きているのに休日は10時まで寝てしまうと、4時間のズレが生じますよね。
このズレは、日本と4時間の時差のある国に行って帰ってくるのと同じストレスを体に与えます。
月曜日の朝に起きるのがしんどい、体がだるいと感じるのも当然ですね。
また週末2日間で寝だめをすることで引き起こされるパフォーマンスの低下は、2~3日間も継続します。
寝だめの影響は、月曜日だけじゃないんです。
社会的時差ボケをひきおこす
社会的時差ボケとは、平日の睡眠と休日の睡眠との差によって引き起こされる就寝・起床リズムのズレのことです。
体内リズムが狂うこととも深く関わっています。
この社会的時差ボケが起こっている中でがんばって早起きしている状態が続くと、心身面での負担がどんどん積み重なっていき、取り返しがつかなくなることも。
1日ごとの負担はそんなに大きくないのでついつい我慢してしまっているあなた、放置してると危険です。
睡眠負債を返済する方法
睡眠負債は寝だめで解決できない、しかも寝だめにはデメリットが多い。
というなら、どうしたら睡眠負債は返済できるのでしょうか。
睡眠負債の状況を知る
適切な睡眠時間は人によってそれぞれ。
そこでまず適切な睡眠時間とは「日中に眠くならず、活動にも支障が出ない睡眠時間」のことです。
この基準と、前述の「睡眠負債度チェック」であなたの状況を把握しましょう。
また簡単な睡眠負債のチェック方法を紹介します。
次の日が休みの夜に、遮光カーテンをしてアラームをOFFにして寝ます。
次の日に自然と目が覚めるまで眠り、睡眠の合計時間を出しましょう。
この合計時間がふだんの睡眠時間より長い場合、睡眠負債がたまっている証拠。
参考に試してみてください。
体内リズムを調整する
体内のリズムを調整して、決まった時間に寝て起きる習慣をつけましょう。
このリズムの調整に大きな役割を果たしているのが朝の日光です。
体内のリズムは、いちどリセットされてから15~16時間後に眠気がくることがわかっています。
そして朝の日光こそがこのリセット機能。
毎日朝日を浴びれば、夜になると自然と眠気がやってきます。
日中に軽く運動する
快適な睡眠のためにも、日中は適度に動きましょう。
せっかく朝日を浴びて体内リズムを調整しても、日中ずっと暗い部屋に閉じこもっていてはまた乱れてしまいます。
運動することによる適度な疲労感は、自然な眠気をさそうでしょう。
人間は体温が上昇して、下がり始めるときに眠気を感じるので就寝の3時間ほど前に運動することをおすすめします。
就寝直前の運動は、反対に寝つきを悪くするため避けたほうがいいでしょう。
健康的な食生活をこころがける
睡眠も食生活も、生活リズムの一部です。
つまり食生活が乱れると睡眠も乱れてしまう可能性が高いので、健康的で規則正しい食生活を心がけましょう。
朝、昼、晩と同じ時間に食事をとることで、生活リズムが整います。
お風呂の時間と内容を見直す
心地よい自然な睡眠につなげるなら、お風呂の時間と内容も大切です。
- 寝る前90~120分前に入浴する
- ぬるめのお湯(38度ていど)なら25~30分の入浴
- 熱めのお湯(42度ていど)なら5~10分の入浴
が効果的。
熱すぎるお風呂は体を興奮させてしまうので、注意しましょう。
夕食の時間と内容を見直す
睡眠中は消化が優先されるため、就寝の3時間前までには食事を終えておくのが理想です。
あまり食べ過ぎないことや消化されやすいものを食べることも、質の良い睡眠につながります。
消化にかかる時間の目安はこちらです。
- 果物は約40分
- 野菜は約2時間
- ご飯などの炭水化物は約8時間
- お肉は約12~24時間
夜ご飯を考えるときに参考にしてください。
寝る前のカフェイン、アルコールは控える
寝る前には避けたほうがいいものとして、まずカフェインがあります。
覚醒作用があって寝つきが悪くなるため、就寝の5時間ていど前から控えたほうがいいでしょう。
カフェインといえばコーヒーだけだと思っていませんか。
カフェインを多く含む飲み物はこちらです。
- コーヒー
- 紅茶
- 緑茶
- ココア
- エナジードリンク
寝る前は避けましょう。
またアルコールを飲まないと寝られないという人、いませんか。
アルコールはリラックス効果によって眠気を促しますが、同時に睡眠の質を下げるため注意が必要です。
アルコールを摂取して寝ると、睡眠の後半での覚醒が増えることがわかっています。
アルコールは習慣化しやすく依存症になる危険もあるため、睡眠をアルコールに頼るのはやめましょう。
寝る前のスマホ、パソコンは控える
就寝前にベッドの上でついつい長時間スマホをさわってしまうあなた。
スマホやパソコンなどの電子機器からは、ブルーライトと呼ばれる光線が発生しています。
このブルーライトはとても強くて、脳が「今は日中」と錯覚してしまうんです。
そしてそこから寝つきの悪さや睡眠の質の低下が引き起こされます。
寝室にはスマホ、パソコンを持ち込まないようにして、質の良い睡眠環境を心がけましょう。
質の良い睡眠をとる
睡眠負債を返済する方法として、上記以外にも質の良い睡眠をとる方法をいくつか紹介しますね。
そもそも質の良い睡眠とは
- 寝つきがよい(ベッドに入って15分ていどで眠りにつく)
- ぐっすり眠る(夜中起きない)
- 寝起きスッキリ(目覚ましがなくても自然に目覚める)
こんな状態のことです。
ではその質の良い睡眠のためにこちらをチェックしてみましょう。
- 室温
- 光
- 寝具
あなたの寝室はどうですか。
暑すぎ、寒すぎ、光がもれてくるなどストレスはありませんか。
エアコンやアイマスクなどの対策をしてくださいね。
またマットレスが自分に合っていないと、腰痛やさまざまな体の不調にもつながるので、いちど見直してみましょう。
睡眠負債を返済 のまとめ
睡眠負債と返済方法など、わかっていただけましたか。
まとめると
- 睡眠負債がたまると体にいろいろな不調が起こる
- 睡眠負債による不調は見逃されることが多いから意識してチェックしよう
- 睡眠負債は寝だめで返済することはできない
- 睡眠負債を返済する方法を知って実践しよう
こんなところです。
1日数時間睡眠が短いくらいで自分は大丈夫だと思っているあなた。
その睡眠負債、放っておくと危険です。
自分の睡眠負債の状況をしっかりと理解して、手遅れになる前に返済を心がけてください。
1日の1/3ていどを占めている睡眠。
その質と時間を見直して、いきいきとした人生につなげましょう。