睡眠ノウハウ

夏でも質の高い睡眠を取りたい!寝付きやすくするための方法

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夏は熱帯夜などの影響で、質の高い睡眠を取るのは難しくないですか。質の高い睡眠だけでなく寝付きが悪くなるので、夜がつらく長い時間になってしまうと思います。しかし、いくつかポイントを押さえて就寝に備えることで、スムーズに質の高い睡眠を取ることが可能。

そこでこの記事では、夏でも質の高い睡眠をスムーズに取る方法を紹介していきます。また、注意点も紹介するので、寝苦しい夜に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。気持ちよく朝を迎えられるようになりますよ。

この記事の監修者
睡眠健康指導士、建築物環境衛生管理技術者
佐々木崇志
東北大学大学院薬学研究科修了。修士(薬科学)、建築物環境衛生管理技術者。 修了後は臨床研修指定病院で医局秘書や学生担当として全国の医療を志す学生や医療従事者と携る。勤務していく中で睡眠に関する訴えが医療従事者にも多い事に気づき、自身も医療従事者や患者の助けにならないかと考えるようになり個人で活動を始める。現在は東北を活動の拠点として睡眠(体内時計・時計遺伝子)の研究の経験、資格の知識を生かしながら睡眠啓蒙活動を行なっている。

夏に質の高い睡眠を取る環境

エアコン

引用:o-dan

夏に質の高い睡眠を取るポイントは「湿度」と「温度」。この2つを上手に調整することができれば、熱帯夜でも快適に睡眠ができます。

ここでは夏に質の高い睡眠を取るための室内環境について紹介していきます。

湿度は50~60%

朝まで気持ちよく眠るために、湿度は50~60%に維持しましょう。

湿度を気にする人は少ないかもしれませんが、実は寝ているときは湿度調節がかなり大切。その理由は、人間は寝ている間に汗をかくことで体温を調整しているからです。汗の水分が蒸発して熱を奪うことで、体にストレスがかからないようにしています。

ところが、夏場の湿度が70%を超えるような状態ではスムーズに汗が乾かず、体温を下げられません。その結果、汗をかいて服や寝具がベトベトするので、不快感から頻繁に起きるようになってしまいます。

また、湿度が高い状態は、蒸し蒸しとして不快指数が高いです。心地がよくない寝室では、どのような工夫をしてもスムーズには寝つけないでしょう。

なお、湿度が20%変わると体感温度が4度変わるといわれています。そのため、湿度を上手にコントロールできれば、冷やし過ぎずに快適に眠れる環境を作れます。

温度は25~28度

熱帯夜でも気持ちよく眠るためには、寝室を事前にしっかりと冷やしておくことが大切。

その理由は、人間は体温が下がっていくときに眠気を感じるようになっているからです。つまり、室温が30度を超えているような状態では体温が下がっていきにくいので、なかなか眠くなりません。

そのため、質の高い睡眠を取るためにも、就寝時間の少し前に寝室を冷やして快適な環境を作っておくようにしましょう。夏場の理想的な室温は25~28度です。心地がいいと感じる温度は個人差やパジャマ、寝具など条件によって違うので、自分に合った室温を探してみてください。

なお、温度が下がっていくときに眠気をかんじるのであれば、肌寒く感じるくらい冷やした方がいいのではと思う人もいるかもしれません。しかし、冷やし過ぎは逆効果。あまり冷やし過ぎてしまうと、血管が収縮して熱の放出がうまくできなくなってしまいます。つまり、深部の体温が下がりにくくなるので、寝つきにくくなってしまいます。

そのため、寝室の温度は25~28度くらいに保つようにしましょう。

夏でも寝付きやすくするための方法

パジャマ姿の女性

引用:o-dan

ここまでは、夏場に質の高い睡眠を取るための環境づくりを紹介してきました。しかし、それだけでは夏場にスムーズに寝ることは難しいでしょう。

そこでここでは、夏でも寝付きやすくするための方法について紹介していきます。寝室の環境とともに重要なポイントですので、しっかりと読んでいってください。

エアコンによる空調

夏場にスーッと眠りにつくためには、エアコンを使うことが欠かせません。

すでに説明した通り、心地よく眠れる環境は「湿度が50~60%」で「温度が25~28度」です。しかし、夏の夜は湿度が30度を超えたり湿度が70%を超えたりして、決して心地よい環境ではありません。

そのため、多くの場合寝室を睡眠に適した場所にするにはエアコンを使わないと作れないでしょう。夏場の寝付きをよくしたいなら、就寝時間の少し前からエアコンを使って環境を作ってください。

ここでのポイントは、エアコンの風が体に直接当たらないようにすることです。エアコンの風が体に当たると涼しいので、気持ちよく感じます。しかし、風が直接当たっていると、体が冷えすぎてしまって質の高い睡眠ができません。

エアコンの風が当たりそうな場所にベッドがあるという人は、風向きなどを調整して風が当たらないようにしましょう。

寝る前の入浴

夏の寝付きをよくするには、寝る前の入浴がおすすめです。

人間が眠くなるタイミングは、深部体温が下がっていくとき。つまり、就寝前に入浴して体の奥深くまでしっかりと温めておけば、就寝時間に体温が下がっていくので自然に眠れるようになります。

入浴のタイミングとしては、就寝時間の3時間前くらいがよいでしょう。3時間前くらいであれば入浴後にゆっくりする時間があるので、よりリラックスができて効果的です。

なお、入浴するときは約40度のお湯に30分程度じっくりと浸かるようにしてください。深部体温を上げるためには、ゆっくりと浸からなければなりません。

もし長く浸かっていられない、あるいは湯船に浸かる習慣がないという人は、シャワーで足首など足元だけでも温めておくようにしましょう。これだけでも体温が下がりやすくなるので、効果が期待できます。

リビングや浴室の照度の低下

寝室に入ってすぐに寝付くためには、脳や体をリラックスさせて就寝モードにしなければなりません。そこで大切なのが、リビングや浴室、トイレなどの照度を落としておくことです。

強い光に当たっていると、夜になっても脳が朝と勘違いしてしまって興奮し続けます。そのような状況を回避するためにも、夜になれば照明の光を弱くしていきましょう。

照明器具によっては、リモコンで光の強弱を変えられるものがあります。照度を変えられるのであれば、弱くしていくようにしてください。

また、光の色も青白い色よりも暖色系の方がリラックスできます。両方変えられるのであれば「光の強さは低く、色は暖色系」に変えるようにしましょう。

飲食の工夫

夏場に自然に寝付くためには、口にする物にも気を配らなければなりません。

たとえば、夕食時や就寝前はカフェインを含んだ物を飲まないようにしましょう。カフェインには覚醒作用があるので、睡眠に悪影響を与えます。同様に辛いものなどの刺激物も食べないようにしてください。刺激物を口にすると、活動期に活発になる交感神経が優位になってしまいます。すると、脳が興奮するので寝つけなくなります。

また、夕食を食べてよいのは、就寝の3時間前まで。それ以降に食べ物を食べてしまうと、寝ようと横になっても胃が動いているので寝付きが悪くなってしまいます。もちろん、消化のよいものを選んで食べることも必要です。

夏の寝付きをよくするには、夕食の時間と内容にこだわるようにしましょう。なお、就寝前に温かい飲み物を飲むと体が温まるので、寝付きがよくなります。夜はお白湯などを飲む習慣を作ってみてはいかがでしょうか。

BGMに自然音

寝付けない夏の夜をスムーズに寝る方法には、BGMに自然音を流す方法があります。

実は雨音や風音、川の流れる音など自然界で聞こえてくる音には、人間を落ち着かせる効果があります。そのため、寝室のBGMとして利用すれば、寝付きをよくできるでしょう。

同様の効果はクラシックやヒーリングミュージックにもあります。クラシックやヒーリングミュージックを流せるという人は、こちらを利用してください。

BGMを流す注意点は、タイマーを設定して流すことです。寝た後もずっと流し続けていると脳に刺激を与えることになり、睡眠の質を低下させてしまいます。そのため、忘れずにタイマーを設定するようにしましょう。

接触冷感のシーツや掛け布団の使用

寝室の環境づくりの他に寝具にもこだわると、寝付きをよくできます。

たとえば、接触冷感のシーツや掛け布団などを使用するとよいでしょう。これらの寝具は体感温度を下げられるので、夏の暑い夜でも心地よく眠りやすくなります。また、素材によっては実際に熱を効率よく逃がすものがあります。このような機能を持った寝具なら熱が布団にこもりにくくなるので、寝苦しさを軽減できるでしょう。

今はさまざまな素材のものがあるので、自分に合った肌触りのものを選んでみてください。

夏に適したパジャマ

寝付きのよさはパジャマにも左右されます。理想は通気性と吸水性に優れた、毎日決まったもの。

たとえば、通気性の悪い素材のものを選んでしまうと、寝ている間にかく汗が気になって眠れません。また、通気性が悪く汗がスムーズに発散されないと、体を冷やしてしまう原因。上手に体温を下げられないと、寝付きも悪くなってしまいます。

夏場の理想的な素材は、麻。麻は通気性と吸水性に優れていて肌触りに冷感があるので、汗が肌に張り付かず快適に過ごせます。夏の快眠に欠かせないアイテムといえるでしょう。

また、パジャマを決めたら、毎日着るようにしてください。毎日パジャマを着たら寝るというルーティンを作れば、パジャマを着たときに就寝モードに脳が自然にスイッチします。つまり、パジャマを着ることで眠たくなるので、スムーズに寝られるようになります。

夏の睡眠の注意点

水が入ったコップ

引用:o-dan

夏に質のよい睡眠を取るためには、何点かポイントを押させておかなければなりません。

このポイントを押さえておかないと、毎晩快眠をするのが難しくなります。ここでは夏の睡眠の注意点について紹介していきます。

エアコンは朝までつけっぱなし

夏になると悩む人が多いと思いますが、エアコンは朝までつけっぱなしにするようにしましょう。

この理由は、快適な状態を朝まで続けて、明るくなれば自然に目覚められるようにするためです。たとえば、エアコンにタイマーをつけて、夜に切れるようにしたとします。すると、エアコンが切れた途端、窓や扉をしめ切っているので室温が急上昇していくでしょう。

もう一度寝ようとしても、パジャマや寝具が汗で濡れていて熱さも戻っているので、なかなか寝つけません。また、睡眠の質も低下するので、疲れが残って仕事などのパフォーマンスを下げることにもなります。

気持ちよく朝を迎えられるように、エアコンは朝までつけっぱなしにするようにしましょう。

就寝前にコップ1杯の水分

夏場は就寝前にコップ1杯の水分を取ってからベッドに入ることが必要。

人間は夏場の睡眠中、1晩でコップ2杯分の汗をかくといわれています。水分をしっかりと補給してから寝ることで、脱水症状などで目覚めるリスクを低減できます。喉の渇きで目覚めると水を飲むために、ベッドを出なければなりません。それは睡眠の質を悪くするだけでなく、もう一度寝るのを難しくしてしまいます。

また、体内の水分が不足すると血行が悪くなるので、睡眠中の疲労回復効果も低下します。就寝前の水分補給は簡単にできるので、必ず飲むようにしましょう。なお、温かい飲み物を飲めば体温を温められて、寝付きがよくなります。そのため、可能であればお白湯などを作って飲むとよいでしょう。

冷やし過ぎは厳禁

夏場は暑いので、冷たいものや冷えた環境が心地よく感じます。しかし、だからといって冷やし過ぎは体によくありません。

たとえば、部屋を冷やし過ぎると手足が極端に冷めてしまい、熱を体外に放出しにくくなります。つまり、深部体温が下がりにくくなるので、眠気を覚えにくくなります。それだけでなく、手足の冷えによって、自律神経の乱れも招いてしまうでしょう。すると、体全体のリズムが狂ってしまうので、夏バテの要因にもなります。

スムーズに眠るためだけでなく深い眠りを取って健康的に夏を過ごすためにも、温度は25~28度に設定するようにしましょう。

温度だけでなく湿度にも注意

夏場に快適な環境でスムーズに寝つくためには、温度だけでなく湿度をコントロールすることが必要です。

人によっては冷房を入れると寒くなるので、エアコンを使いたくないという人もいるでしょう。そのような人でも、エアコンのドライや除湿機能などを使って湿度を50~60%に下げるようにしてください。湿度を下げないと汗が蒸発しないので、睡眠の質を下げてしまいます。

夏場は温度に注目してしまいますが、湿度にも気をつけて快適な部屋で眠れるようにしましょう。

まとめ

眠っている女性

引用:o-dan

夏に質の高い睡眠を取るためには、寝室の温度と湿度をコントロールすることが必要です。また、入浴や食事、寝具などの工夫も欠かせません。この記事では熱帯夜でも質の高い睡眠を取る方法を紹介してきましたので、夏に眠れないという人は実践してみてください。

なお、健康的に夏を過ごすための睡眠の注意点も紹介しました。そちらにも気をつけて、ぜひ快適な睡眠を取ってください。

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