なぜか寝つきが悪いと悩んでいませんか?実は、寝つきのよさや睡眠の質は、寝る前に何をするかに大きな影響を受けています。つまり、「眠れない」「いくら寝ても寝足りない」と睡眠に悩みを持っている人は、寝る前の行動を改めることで解決できるかもしれません。
そこでこの記事では、寝る前にやってはいけないこと8つとその理由、安眠する方法について紹介していきます。睡眠の悩みを持っている人は、ぜひ参考にしてください。
寝る前にやってはいけない8選
実は寝つきが悪いと悩んでいる人は、寝る前にやってはいけないことをやってしまっている場合が多いです。
ここでは寝る前にやってはいけないことを8つ紹介していきます。理由も紹介するので、一緒に覚えて改善に役立ててください。
激しい運動
眠れない理由が十分に疲れていないからと考えている人は、寝る前に一気にエネルギーを消耗するような運動をしていませんか。実は、寝る前の運動は方法を間違えると、逆効果になってしまいます。
たとえば、筋トレのような激しい運動をすると、自律神経が活発に行動する時にスイッチする交感神経に切り替わってしまいます。すると、脳は緊張状態になるので、頭はドンドン冴えてしまう結果に。
激しい運動をすればエネルギーを消耗するので睡眠によい効果があるように感じます。実際、日中にすれば適度な疲労が睡眠を助けるでしょう。しかし、寝る前にする場合は興奮を促してしまうので、逆効果です。
寝室に入って腕立てや腹筋運動などをしているという人は、今晩からやめるようにしましょう。
熱いお湯の入浴
寝つきが悪いという人の中には、寝る前に熱いお湯に浸かって一日の疲れをいやすという人が多い傾向にあります。しかし、熱いお湯に浸かる習慣は、眠りを妨げてしまいます。
その理由は、熱いお湯に浸かると、その刺激によって交感神経が優位になるため。通常人間は日中に交感神経が活発になって活動的になり、夜になると副交感神経が優位になってリラックスしていきます。そうして、脳と身体の両方が眠る体勢を作っていきます。
しかし、熱いお湯に浸かると日中のような活動モードに。すると、脳は冴えていくので、身体を横にしても眠れなくなります。
寝る前に入浴をする場合は、40度程度のお湯に浸かるようにしましょう。42度の熱いお湯をきもちいいと感じる人には物足りないかもしれません。しかし、熱いお湯では寝つきを悪くするので、温度には気をつけてください。
食事
仕事や受験勉強などで夜遅くまで活動をしている人は、小腹がすいたと夜食を食べるという人もいるでしょう。しかし、遅い時間帯の食事は眠りによくありません。
その理由は、寝ようと身体を横にしても、胃などの消化器官が働いてしまうためです。たとえば、通常食べ物が胃に入ってきたら、小腸に送られるのに2~3時間はかかるといわれています。もし、寝る前に食事をとると消化活動が優先されるので、脳は休むことができません。
脂っこいメニューなら4~5時間も消化にかかる場合もあります。そのため、寝る前の食事はできるだけ控えるのがいいでしょう。
一方で、極度の空腹状態でも交感神経が活発化するので、眠りにくくなります。空腹で眠れないというときは、消化のよいものを少し口にするようにすると空腹を抑えられます。
寝る時間が迫ってきたときの食事は、いつも以上にメニュー選びに慎重になってください。
パソコンやスマホの操作
何気なくやって眠りの邪魔をしてしまっているのが、パソコンやスマホの操作。寝室やリラックスタイムで触ってしまっていませんか。
パソコンやスマホを寝る前に触ってはいけない理由は、これらからはブルーライトが出ているためです。ブルーライトとは強いエネルギーを持った光で、目に入ることで脳を強力に刺激してしまいます。すると、脳は日中と錯覚してしまうので、活動できるように興奮状態に近づけてしまうでしょう。
もちろん、パソコンやスマホにはさまざまな情報が流れているので、気になってしまって脳が冴えていくことも考えられます。いずれにしても、パソコンやスマホは寝る前に触ると、寝つきが悪くなると考えてください。
なお、テレビもパソコンやスマホと同様にブルーライトが出ています。寝る前になったらテレビを消して、読書や音楽鑑賞などに時間の使い方を変えることをお勧めします。
カフェインの摂取
寝る前に水分補給をする人は多いでしょう。睡眠中は水分不足に陥りやすいので、寝る前の水分補給は健康面に有効です。しかし、覚醒作用があるカフェインの摂取をしてしまっているケースが多々あります。
たとえば、カフェインが含まれているお茶といえば、緑茶や紅茶、ほうじ茶、番茶、煎茶など。コーヒーやココアはカフェインが含まれていることが有名ですので控えていても、これらのお茶を飲んでしまっている人は多いでしょう。
他にも、リラックスタイムにおやつを食べる場合も、注意が必要です。たとえば、チョコレートにはカフェインが含まれているので、チョコレートを含んだおやつを食べるとカフェインを摂取してしまいます。
お茶やチョコレートなどはカフェイン摂取に注意をしていても口にしてしまいやすいもの。そのため、夜になったら口にするものにカフェインが含まれていないか確認するようにしましょう。
飲酒
お酒の力を借りて睡眠をしていませんか。寝酒といわれるほど、お酒を飲んで寝ている人は多いです。しかし、実は寝る前にお酒を飲むのは睡眠によくありません。
そもそもお酒を飲むと眠くなる理由は、身体に指令を送る役割がある中枢神経の働きが鈍るためです。その結果、催眠作用によって睡魔が訪れて、スムーズに寝つけるようになります。また、抗不安作用やリラックス作用があることも、寝つきやすくなる一因といえるでしょう。
しかし、アルコールの入眠作用は3時間程度で切れるといわれています。その後はアルコールが代謝されてできるアセトアルデヒドの覚醒作用によって、質の悪い浅い眠りの時間が増えてしまいます。
また、アルコールの利尿作用によって、途中覚醒してしまうリスクも増大。つまり、飲酒をして眠ると、気持ちよく朝を迎えることが難しくなります。寝酒の習慣は健康にもよくありませんので、減らしていくようにしましょう。
考え事
明かりを消して横になると、1日のできごとを振り返ってしまうことも多いでしょう。しかし、できるだけ夜に考え事をしないようにしてください。考え事をしてしまうと、ストレスによって眠れなくなってしまいます。
昔の人間にとって、夜は敵に狙われる時間帯でした。そのため、本能的にすぐに臨戦態勢になれるような仕組みが作られています。
具体的には、ストレスを感じるとコルチゾールというホルモンの分泌が増加します。すると、心拍数が上がったり血圧が上昇したりして、脳は活動モードに。その結果、頭が覚醒するので、横になっただけではすぐに眠れなくなります。
ストレスを感じないような楽しいことなら構いません。しかし、仕事の予定や不安なできごとなどは考えないようにしましょう。
カーテンを閉める
寝る前にカーテンをしっかりと閉めてしまうのは、実はおすすめできません。
その理由は、人間の体はまぶた越しの光を感知することで、目覚めるようになっているからです。もし、遮光性が高いカーテンを完全に閉めてしまうと、朝になっても光を感じることができません。すると、自然に起きられないので、寝起きが悪くなってしまいやすくなります。つまり、寝たりなく感じてダルさを覚えるようになります。
しかし、少しでも隙間があれば朝日の光を感じられるので、スムーズに起きられるようになるでしょう。また、一定の光に当たると人間の体内時計がリセットされるようになっています。すると、夜になると自然に眠たくなるようなリズムを作りやすくなります。
睡眠のリズムを整えるためにも、カーテンは少し開けておくようにしましょう。もしカーテンで冷気を防ぎたいのであれば、遮光カーテンの等級を下げてみることをおすすめします。そうすれば、冷気を防ぎながら光を取り入れられるようになります。
安眠する方法
寝る前にやってはいけないことを紹介してきました。ここでは反対に、安眠するために寝る前にするとよいことを紹介していきます。
温かい飲み物の飲用
寝る前にやるとよいこととしては、温かい飲み物を飲むのがおすすめです。
人間が眠気を感じるときは、深部体温が下がっていくときです。そのため、温かい飲み物を飲んで身体を温める行為は、眠気を誘う行為として有効。
特別な飲み物を用意する必要はなく、お白湯でも十分に効果が期待できます。ただし、注意点としては、お茶などでカフェインを摂取してしまわないこと。カフェインを摂取すると逆効果になってしまいます。
カフェインには注意しつつ、寝る前に温かい飲み物を飲む習慣を作ってみてください。そうすれば、気持ちよく眠れるようになるでしょう。
腹式呼吸
寝る前はリラックスを目的にした腹式呼吸が有効です。
寝つきが悪いという人は、夜になっても交感神経のままで副交感神経に切り替わっていない場合があります。そのため、寝るためには副交感神経にスイッチすることが必要。
副交感神経を優位にするための腹式呼吸の方法は、まずすべての空気を吐き出します。その次は、お腹を膨らますイメージで、鼻から少しずつ息を吸い込んでいきます。いっぱい吸い込んだところで、数秒そのままストップ。
そして、吸ったときの倍の時間をかけて、ゆっくりと口から吐き出していきます。これを何度か繰り返していくと、少しずつ交感神経から副交感神経に切り替わっていきます。リラックス状態を感じられるようになるので、ぜひ試してみてください。
ストレッチ
寝る前の軽いストレッチは、心身の緊張をほぐす効果が期待できます。
身体を伸ばすと筋肉が柔らかくなるので、リラックス効果が得られます。すると、副交感神経を優位にできるので、スムーズに寝つきやすくなるでしょう。
また、血行をよくすると新鮮な血液が全身に行き渡るので、少し深部体温を上げることができます。眠気は深部体温が下がっていくときに訪れるので、寝る前にストレッチをして深部体温を上げる行為は理にかなっています。
数分でも効果があるといわれているので、寝る前にストレッチをしてみてはいかがでしょうか。
アロマの利用
寝る前の準備として、アロマを利用しているという人も多いです。
アロマは自律神経を整える効果が期待できるので、寝る前に焚くとスムーズに寝つけるようになるでしょう。たとえば、ラベンダーにはストレスを和らげる効果が期待できますし、カモミールには鎮静作用があるといわれています。
寝付きが悪いという夜はアロマを利用すれば、気持ちが落ち着いて寝つきやすくなるでしょう。
ディフューザーを利用すれば、寝室に精油の香りを拡散できるのでおすすめです。ディフューザーを持っていないという人は、ティッシュに1、2滴精油をしみ込ませて枕元に置くだけでも効果的。
アロマ専用の機器を持っていないという人も、精油を買って枕元で利用してみてはいかがでしょうか。
音楽の視聴
音楽には気持ちをリラックスさせる効果があります。そのため、寝る前に気持ちが落ち着くような音楽を流しておくのは効果的です。
たとえば、「歌詞が入っていないもの」や「自然音」「高周波音を含んだ音楽」など。これらの音楽はリラックスした状態に出る脳波を放出しているので、心を落ち着かせやすくなります。
寝る前に流しはじめ、寝静まった頃に切れるようにタイマーを設定しておけば、気持ちよく眠れるでしょう。
ただし、激しい音楽や歌詞がついているものは脳を活性化させる恐れがあります。そのため、音楽選びには慎重になってください。
まとめ
寝る前に心を落ち着かせてリラックス状態を作り出せれば、スムーズに眠れて睡眠の質を高めることが可能です。その状態を作るためには、いくつもやってはいけないことがあります。この記事ではやっていけない行動を8つ紹介してしました。
また、安眠する方法も紹介しましたので、寝つきが悪いと悩んでいる人はぜひ参考にしてください。