朝起きると「腰が痛い」「腰の痛みで熟睡できない」など、腰の痛みに悩まされたことはありませんか?
睡眠時や起床時の腰の痛みを解消するためにも寝具のマットレスの購入または買い替えを考えている方もいらっしゃるかと思います。
1日の約3分の1の時間は睡眠と言われています。その睡眠時間を快適にするためにもマットレス選びは重要です。
一概にマットレスといっても、硬さや素材もさまざまで、価格もピンからキリまでで、一体どれを選べば良いか迷うことも。
ここでは、腰痛にお悩みの方にも使いやすいマットレスの選び方を紹介します。この記事を参考に、あなたにピッタリのマットレスを見つけてくださいね。
腰痛とは?
まずはじめに、腰痛とはどういった症状なのでしょうか?腰痛を引き起こす主な2つの要因について説明します。
要因1:筋肉のねじれが原因の腰痛
骨盤や背中のゆがみ、また、ストレスによる腰の筋肉のねじれが原因となって起きる腰痛です。体のバランスが崩れ、腰の筋肉に負担がかかることで腰痛になりやすくなります。
要因2:急性腰痛
いわゆるぎっくり腰と呼ばれる症状です。体に疲れがたまっている時に重いものを持ち上げたり、くしゃみをしたりなどで、急な衝撃が腰に加わった際に発生します。
腰痛対策にはマットレスがおすすめ!
引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/22565835
次に、腰痛とマットレスの関連性や腰痛が悪化する原因となる寝具について説明します。
腰痛とマットレスの関連性とは?
朝、布団から起き上がったときに腰に痛みを感じる事がありませんか?これは、体に合わないマットレスを使用することで、腰へ大きな負荷がかかったことが原因です。また、マットレスによっては寝返りを打ちにくいものもあります。結果として、スムーズな寝返りが打てず睡眠中に同じ姿勢でいることが腰痛の原因となっている可能性もあります。
腰痛の原因となるマットレスとは?
寝ている間に腰に負担がかかっていたり、同じ姿勢で寝ている時間が長いことなどが原因で、就寝時や寝起きに腰に痛みを感じることがあります。以下のようなマットレスが原因と考えられます。
1.柔らかすぎるマットレス
引用:https://kaimin-times.com/blog/mattresses-lower-back-pain-3748#i-2
寝た姿勢ではお尻や腰に一番圧力がかかるため、柔らかすぎたり弾力性の弱いマットレスで寝ると、お尻や腰が沈み込んで腰が「く」の字のように曲がり、不自然な体勢から腰痛につながることがあります。
2.硬すぎるマットレス
引用:https://kaimin-times.com/blog/mattresses-lower-back-pain-3748#i-2
マットレスが硬すぎる場合も、体重が腰に集中することで負担がかかり、腰痛が悪化する場合があります。特に、あおむけに寝たときに腰の部分が浮いてしまうと、腰に負担がかかりやすくなります。
3.へたりのあるマットレス
へたりのある部分だけ体が沈みこむので、最適な睡眠姿勢が保てなくなり睡眠の質が下がってしまう可能性が高くなります。
また、同じマットレスでも寝る方の体重や体型によりマットレスが合う、合わないは変わってくることを知っておきましょう。
腰痛におすすめのマットレス!選び方は?失敗しないためのポイントは?
引用:https://stretchpole-blog.com/morning-back-pain-tips-20765
腰痛は寝る姿勢が影響している場合もありますので、緩和のためにもマットレス選びはとても重要です。自分の体に合わないマットレスを使用すると、腰痛を解消したくてマットレスを買ったはずが、効果を実感しにくいことも。腰痛対策としてマットレスを活用するのであれば、使う方の体型や目的にあったマットレスを選んでいくことが大事です。
体にあったマットレスのメリットは、大きく2つです。
1.寝返りがしやすくなる
人は一晩で平均20〜30回寝返りを打つと言われています。寝返りを打つことで体液循環や背骨の歪み調節など、体をリセットし、特定の部位への負荷の偏りが減らせます。
2.最適な睡眠姿勢が確保できる
体圧が分散されて体全体が支えられるので、腰にかかる負担が減らせます。
自分にあったマットレスの選び方
ここでは、腰痛の改善や予防に適したマットレスを選ぶときのポイントを6つ紹介します。就寝中や寝起きに「腰が痛い」とお悩みの方に向けて、自分にあったマットレスの選び方を解説していきます。
ポイント1 マットレスのサイズを決める
マットレスの幅によってサイズが分けられています。幅80㎝のSS(セミシングル)から幅180㎝のK(キング)までの6種類あります。長さは195〜200cmの物が多く売られています。ベッドに敷いて使う場合は、サイズがベッドフレームに合っているか確認が必要です。 また、自分の体格に合っているかや同じマットレスで寝る人数なども考慮して選びましょう。
ポイント2 マットレスの素材を決める・求める寝心地に合わせて選ぶ
寝る姿勢が腰痛に影響している場合もあります。腰の痛みを和らげるためにもマットレス選びはとても重要です。
マットレスには素材は主に5種類のあり、種類によって寝心地も違います。それぞれの特徴を簡単に紹介します。
1.コイルマットレス(ボンネル・ポケット)
コイルマットレスは「ボンネルコイルマットレス」「ポケットコイルマットレス」の2種類があります。
・ボンネルコイルマットレス
引用:https://simqlo.com/bedpedia/alone/bonnell_vs_poket-coil/
ボンネルコイルマットレスは、マットレスの基盤となるコイルがひとつずつ連結してつながっていて、面で体を支える構造になっています。やや硬めの触感で、布団で寝るような寝心地に近いとも言われています。マットレスに体が沈みすぎて腰に負担がかかる方にもおすすめです。
ボンネルコイルはコイルの間を空気が通りやすいため湿気を逃しやすく通気性にも優れています。また、マットレスそのものの耐久性が強いことも特徴です。一方、振動が伝わりやすくきしみやすいという特徴もあります。2人で寝る場合にはあまり適していません。
・ポケットコイルマットレス
引用:https://simqlo.com/bedpedia/alone/bonnell_vs_poket-coil/
ポケットコイルマットレスはコイルが一つずつ不織布に入った状態で分離した構造をしています。点で支えるので、腰や肩などの部分は適度に沈み、他の部分はあまり沈まず、立っている時の姿勢に近い寝姿勢を保ってくれます。
フィット感が高く、包み込むような寝心地が特徴です。また、振動が伝わりにくいので2人で寝るのにも向いています。一方、コイルの一つ一つが不織布製あるいは布製の袋に入っていることでマットレス内に湿気が溜まりやすいという構造も持ち合わせています。定期的に表と裏を入れ替えて使って風通しを良くしたり、通気口のあるものを選ぶなどの工夫が必要です。
2.高密度スプリング®マットレス
引用:https://interior.francebed.co.jp/spring/
日本ではフランスベッド社だけが製造と販売のライセンスを持っているスプリングマットレスです。ボンネルコイルよりも高密度にバネを配置しており、マットレス全体の反発力や耐久性に優れています。たくさんのコイルが面で体を支えるので、揺れも少なく、体にもほどよくフィットし硬めで安定した寝心地です。腰回りをしっかりと支え、腰痛でお悩みの方にもおすすめです。
3.ウレタンマットレス
ウレタンは衝撃吸収性が高く揺れにも強いため、腰痛防止マットレスとして使われることもあります。バネを使用したスプリングのマットレスとは違い、ウレタンそのもののクッション性で体を支えます。低反発タイプや高反発タイプにくわえて、両者の長所を合わせた「ハイブリッドタイプ」も出ており、製品のフィット感や体圧分散性などバリエーションが豊富です。価格も手ごろなことも取り入れやすい特徴です。
4.ファイバーマットレス
引用:https://bed205.com/mattress/fiber-type
ポリエチレンといわれる炭素と水素からつくられた高分子の繊維(ファイバー)を、絡め合うようにして編み込んで作られたかなり硬い寝心地のマットレスです。人の体にフィットするように作られておりあらゆる方向から体を支えてくれます。
5.ラテックスマットレス
ゴムの木から採取された樹液を原材料に作られているマットレスです。弾力性がありながらも柔らかい寝心地を得られるのが特徴です。通気性は良くありませんが、天然ゴムの自然抗菌採用によりダニやハウスダストが発生しにくく、衛生的に使えます。
ポイント3 反発力で選ぶ
反発力の高いほうがスムーズに寝返りを打てるため、腰への負担が軽減できます。寝返りには体の小さなズレや歪みを整える役割もあります。
寝返りのしやすさと最適な睡眠姿勢の確保が大事なので、高反発素材を使ったものや反発力の高い少し堅めのマットレスを選ぶようにしましょう。程よい硬さとフィット感でスムーズな寝返りと睡眠姿勢を実現し、快眠を得ることができます。そのため、高反発マットレスは腰痛を防止・改善したい方にもおすすめです。
ウレタンマットレスの反発力は、ニュートン(N)という単位で表され、ニュートンの数値が高いほど反発力が高いことを意味します。消費者庁では110ニュートン以上を硬め(高反発)と定義しています。反発力で選ぶ際の参考にしてみてください。
ポイント4 寝心地を確認する
寝心地の良いマットレスかどうかは、体格によっても一人ひとり感じ方に違いがあります。気になる商品を見つけたら、自分に合った寝心地かどうかを実物のマットレスで確かめることも大切です。実際に寝るときのように仰向けや横向きの姿勢をとってみて、腰の沈み込み具合などをチェックしましょう。横になった状態で、背骨がS字を描く姿勢になるマットレスが理想的です。腰への負担解消、腰痛の予防・改善に重要なポイントなので、腰痛持ちの方は必ず確認しておきましょう。
ポイント5 通気性や防カビ性の確認も忘れずに。洗えるものが理想的
引用:https://min-katsu.com/mattress/6054/
マットレスは毎日、数年から十数年にわたって長期的に使用するものです。また、睡眠中は多くの汗をかきます。そのまま放置するとカビや雑菌の発生が懸念されます。衛生面や手入れにかかる手間や耐久性も重要なため、通気性や干しやすさ、防カビ性についても、しっかりと確認しましょう。マットレスの素材や製品によって通気性や防カビ性に違いがあります。湿気を逃がしやすい工夫があるか、防カビや消臭性はあるかなどもチェックしてください。通気性にすぐれたマットレスとしては、ファイバー素材を使用したものがあります。水洗いできるものが多く、カビやダニ対策もしやすく、重量も比較的軽いのでお手入れもしやすくおすすめです。ファイバー素材以外ではボンネルコイルや通気性を良くする加工を施したウレタンなどがおすすめです。
ポイント6 敷き方を守る
敷き布団の上に敷くマットレス、敷き布団の下に敷くマットレス、単独で使うマットレス、ベッド用のマットレスなど、マットレスによって使い方が異なります。使い方を誤ると腰痛の悪化に繋がりますので、必ず使用方法を守ってくださいね。
「これはおすすめ?」腰痛対策マットレスのチェックポイント
ここでは、マットレスを選ぶ際に、チェックしたいポイントをマットレスのタイプごとに5つ紹介します。それぞれの特徴を知って、マットレス選びの参考にしてみてください。毎日使うものなので、価格だけでなく品質も考慮して選びましょう。
1.ウレタン1枚のマットレス
一般的なマットレスは1枚のウレタンで作られています。厚みや硬さもさまざまです。硬すぎるマットレスの場合、身体の凹凸にフィットしにくいため体圧を十分に受け止めることができません。反対に、柔らかすぎるマットレスの場合、体がベッドに沈み込んで、人間本来の背骨の自然なカーブとは異なる体勢で長い睡眠時間を送ることになります。 寝返りもしにくくなるので、腰痛がある方は注意が必要です。低反発と高反発を組み合わせた2層以上のマットレスを選んだほうが、腰痛対策には向いています。
2.折りたたみタイプのマットレス
折りたたみ式マットレスは2つ折りまたは3つ折りをすることでコンパクトに出来るため移動や収納がしやすく部屋のスペースを有効に使うことができます。しかし、腰痛の症状がある方には適していません。折れる部分にはどうしても凹みが生じます。そのため腰にフィットせず、負担がかかりやすくなります。どうしても折りたたみ式を使用したい場合は、腰やお尻部分に折り目が来ない三つ折りタイプをおすすめします。そして厚みがある高反発ウレタンマットレスや敷き布団に重ねて使えるファイバー素材のマットレスを選びましょう。
3.安価なマットレス
マットレスの価格があまりにも安い場合は、耐久性が低い可能性があります。マットレスは買い替えや廃棄処分に手間がかかるので、一度購入したら数年から数十年、使い続けることになるでしょう。安物のマットレスはパーツが少ないものも多く、すぐに反発力がなくなりへたるため、長年にわたって使い続けると腰痛がどんどん悪化する可能性もあります。目安として、1万円以下の製品は避けたほうが無難です。
4.超低反発・超高反発マットレス
柔らかすぎるマットレスや硬すぎるマットレスは、腰痛を持つ方には向いていません。マットレスが柔らかすぎる場合、一番体重がかかる腰の部分が落ちて背骨のS字カーブが崩れ、寝返りを打ちにくくなります。その状態で無理に寝返りを打つと腰をひねってしまい、腰に負担がかかってしまいます。反対にマットレスが硬すぎると、寝た時に腰のくびれ部分に大きなすき間ができてしまいます。マットレスに接地した部分で体重を支え、負担がかかるため、腰痛になりやすくなります。柔らかすぎ、硬すぎ、いずれの場合にも体圧分散ができていない状態ですので、適度な硬さで支えてくれるマットレスを選ぶようにしてください。
5.高反発で厚みのあるマットレス
起き上がった時に腰に痛みを感じることが多い方には、高反発で適度な厚みのあるマットレスがおすすめです。
厚みが少ないと就寝中に体が沈み込み腰やお尻が床に接触することにより底つき感を感じてしまったり、違和感が生じ最適な睡眠姿勢が取れないこともあります。マットレスの性能を活かすなら多層構造で厚みが10cm以上あるマットレスのほうが快適に眠れるでしょう。一方で、今使用している寝具(ベッド・マットレス、敷き布団など)の上に重ねて使う場合は、厚さ5cm未満の薄めのマットレスでも大丈夫です。
まとめ
腰痛の改善には、マットレス選びが大切であることがお分かりになったと思います。腰に負担をかけないためには「硬すぎず、柔らかすぎず」がポイントです。
しっかりと体圧を分散してくれるものや体型に合った硬さのマットレスを選ぶことが大切です。ご自分に合ったマットレスで快適な睡眠時間を迎えられることを願っています。