睡眠ノウハウ

頚椎ヘルニアを悪化させない枕の選び方!高さなどのポイント

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「長い間、肩こりや首こりに悩まされている」

「最近、首をよく寝違えるようになって痛い」

「ときどき首にしびれを感じる」

こんなお悩みがある方、もしかすると枕を変えることで症状が改善するかもしれません。

これらの悩みの原因には、頚椎(けいつい)ヘルニアが関連している可能性があります。最初は軽い痛みを感じるだけだったのが、症状が悪化すると、手足のしびれなど日常生活を送るのに悪影響を及ぼします。

そうならないためにも、本記事では頚椎ヘルニアを悪化させない枕の選び方をお伝えしていきます。

頚椎ヘルニアの症状と原因

頚椎ヘルニア症状

まず、頚椎ヘルニアとはどんなものなのかを説明していきます。

首には頚椎と呼ばれる骨があり、神経が通ってます。頚髄(けいずい)や脊髄(せきずい)と呼ばれる神経で、この神経を通って、脳から体へ信号が送られます。

頚椎ヘルニアとは、7つある頚椎の間にある椎間板(ついかんばん)と呼ばれる、クッションの役割を担うものが破れて飛び出し、神経を圧迫する症状のことです。

頚椎ヘルニアと頚椎椎間板ヘルニアは同じ意味で使われます。

症状と病気の進行

神経を圧迫されることで、首、肩、腕に痛みやしびれが生じたり、手や足の動作、排尿に支障がでることがあります。

肩や首がずっとこっていたけど、最近痛みもでてきて不安だという方は、一度病院に行って検査を受けていただくことをおすすめします。

最初のうちは軽い痛みのため、湿布や痛み止めで様子を見ることもあります。ただし、症状が悪化してしまうと、痛みやしびれがひどくなって歩きづらくなったりと、日常生活がままならなくなる可能性があります。

少しでも不安だなと感じる方は、早めに専門家の方に見ていただくとよいでしょう。

原因

ここまでは症状についてお伝えしてきましたが、ではなぜ頚椎ヘルニアは発症するのでしょうか。さまざまな原因がありますが、大きく分けると以下3つのものが代表的な原因と考えられています。

  • 元々の骨格
  • 日常生活
  • 老化

もともと椎間板の状態が悪いことが原因で、頚椎ヘルニアになりやすい方もいます。

また、現代は日常生活を送る中で、デスクワークやスマホを見る機会が増加しており、首に負担がかかりやすい生活様式になっているため、発症するリスクが高くなっているのも原因の1つです。

ほかには、激しいスポーツをすることで発症する可能性もあります。特に30〜50代で多いと言われているため、年齢を重ねるごとに発症リスクが高まるため、運動をする際は注意しましょう。

睡眠中も注意が必要です。日中は気をつけていたとしても、寝姿勢が悪いことで首に負担がかかり、頚椎ヘルニアを引き起こしてしまう可能性もあります。そうならないためにも、正しい姿勢で睡眠をとることが重要です。

首のヘルニアに悩む人こそ、正しい枕を

まくら

ではここからは、睡眠中の首にかかる負担を軽減するために、何をすればよいかを説明していきます。

ヘルニアなど、首になんらかの病気を抱える方は、体に合った正しい枕を使うことで症状が改善される可能性があります。医師の治療ももちろん必要ですが、睡眠中に正しい姿勢をとることで、神経の通り道を確保し、痛みを緩和することができるため、枕選びは大切です。

枕は睡眠中に首を休めて回復させる治療道具

首は日中、人間の重い頭を支えています。元々負荷がかかりやすいため、毎日しっかり休ませることが大切です。

睡眠時間は1日7〜9時間が平均と言われており、睡眠中の首の状態は枕によって左右されます。首はもちろん、脳や体をしっかり休ませるためにも、自分に合った枕を選ぶことが大切です。首を痛めないよう、起きた時に首に違和感がないものを選ぶようにしましょう。

また、ヘルニアになっても首の正しい角度は変わりません。ただ、症状がひどい場合は痛みを感じることもあるため、注意が必要です。

自分に合った枕をどうやって見つける?

では、自分に合った枕をどう選ぶとよいのでしょうか。

まず注目してほしいのは、高さです。おすすめなのは少し高めの枕。頚椎ヘルニアによる神経の圧迫は、首を曲げることで多少緩和されることがあるためです。

ただし、極端に高すぎると、首に負担をかけますのでほどよい高さの枕を選ぶとよいでしょう。また、頚椎が反る枕も控えてください。たとえば、首部分が隆起している枕だと、頭が沈み込んで頚椎がそるため神経を圧迫してしまいます。その結果、症状が悪化する可能性があります。

枕を選ぶ際には高さだけでなく、首部分や頭部分にも注意するとよいでしょう。

また、枕選びで大事なのが理想の寝姿勢を保てるかどうかです。判断する際は、仰向けと横向きで寝た時の姿勢に注意しましょう。仰向けの際は、直立した際の緩やかなS字カーブを描いた背骨がキープできるかを確認してください。横向きの場合は、頭から背骨がまっすぐ伸びてマットレスと並行になっているかを確認しましょう。高さを選ぶ際の参考にしてください。

高さ以外にも!頚椎ヘルニアの方におすすめな枕の選び方

枕ほか

ここからは、高さ以外にも考慮してほしいポイントについてお伝えします。

快適な睡眠を得るためにも、以下3つのポイントも考慮して選ぶとよいでしょう。

  • 素材
  • 硬さ
  • サイズ

では、1つずつ見ていきましょう。

素材

素材によって寝心地が異なります。通気性や吸放湿性を重視して選ぶと良いでしょう。

人間は一晩でコップ1杯分の汗をかくと言われており、通気性や急放湿性が高くないと、寝苦しく、睡眠の質の低下につながる可能性があります。

ご自身の好みもふまえながら、枕の素材を選ぶとよいでしょう。

以下に、枕に使われる素材の特徴をまとめました。選ぶ際の参考にしてください。

素材 特徴
羽毛

・包み込むような寝心地

・復元性が高い

羽根 ・ふんわり

・弾力性あり

パイプ ・通気性が高い

・水洗い可能

そばがら ・安定感あり

・熱の発散性が高い

ファイバー ・通気性が高い

・水洗い可能

低反発ウレタン ・形に合わせて沈み込む

・頭を包み込むように支える

高反発ウレタン ・適度な反発力

・フィット感がある

ポリエステルわた ・ふんわり

・弾力性あり

 

 

硬さ

高さが合っていても、硬さが適切でないと理想の寝姿勢を保つことができません。その結果、首を痛めてしまい、肩こりやヘルニアの原因につながる可能性があります。

素材の密度によっても硬さが変わるため、素材とともに密度を一緒に確認するとよいでしょう。固すぎても柔らかすぎても、首に負担がかかりますので注意して選びましょう。

おすすめの方法は実際に試すことです。実際に寝てみて、どれくらい頭が沈み込むのか、通気性はあるのか、肌触りはよいか、などを仰向けと横向きで試してみるのがよいでしょう。

サイズ

枕が小さすぎると、寝返りを打った際に頭が落ちて、寝姿勢が乱れてしまいます。その結果、寝返りが打ちにくくなり、血行が滞る可能性があります。

人間が一晩で打つ寝返りの数は、20〜30回と言われています。快適な寝返りが打てて、高さが変わらないサイズの目安は、『頭3つ分の幅』と言われていますので参考にしてください。

寝返り時に枕から頭が落ちないよう、自分に合ったサイズを選ぶようにしましょう。

自分好みの枕をオーダーする

最近では、枕の高さや素材を自分好みに調整できる『オーダー枕』も発売されています。ショッピングモールやインターネット上でお試しが可能なお店もありますので、お値段が張ってもいいものにしたい、という方は検討するとよいでしょう。

枕と一緒にマットレスも見直そう

枕とマットレス

自分に合った枕を見つけても、マットレスが合っていないことで、枕の高さが変化し、首に負担がかかることがあります。たとえば、マットレスが柔らかめの場合、体が沈み込みすぎて枕の高さがかわり、理想の寝姿勢をキープできないこともあります。

このように、枕と相性のよいマットレスを選ぶことが大切です。注意するポイントは、先ほど述べたように、仰向けと横向きで寝た時の寝姿勢を確認しましょう。枕の高さが変わりすぎないようなものを選ぶのがおすすめです。

また、マットレスを選ぶポイントは以下4つの点を考慮するとよいでしょう。

  • 体圧分散性
  • 反発力
  • 通気性
  • 耐久性

今回のような頚椎ヘルニアの観点では、体圧分散性と反発力に優れたものがおすすめです。

体圧分散性のみを意識すると、ある程度柔らかいマットレスがおすすめですが、柔らかすぎるとかえって寝返りが打ちにくくなったり、枕の高さが変わることで血行不良になるなど、さまざまな体の不調につながる可能性があります。

体圧分散性とともに、適度な反発力があるマットレスを選ぶことで、寝返りをサポートし、理想的な寝姿勢を保ちやすくなります。

加えて、寝ている最中の蒸れが気になる方や長く使いたい方は、通気性や耐久性も意識して選ぶとよいでしょう。通気性や耐久性は、マットレスの素材や構造はもちろん、ベッドシーツなどの素材にも左右されますので、ご自身に適したものを選ぶのがおすすめです。

以上の4点を考慮しながら、枕との組み合わせを考えてみてください。

この記事の監修者
睡眠健康指導士、建築物環境衛生管理技術者
佐々木崇志
東北大学大学院薬学研究科修了。修士(薬科学)、建築物環境衛生管理技術者。 修了後は臨床研修指定病院で医局秘書や学生担当として全国の医療を志す学生や医療従事者と携る。勤務していく中で睡眠に関する訴えが医療従事者にも多い事に気づき、自身も医療従事者や患者の助けにならないかと考えるようになり個人で活動を始める。現在は東北を活動の拠点として睡眠(体内時計・時計遺伝子)の研究の経験、資格の知識を生かしながら睡眠啓蒙活動を行なっている。

首の痛みを改善するグッズ

快眠グッズ

枕やマットレスを変えるだけで、症状が大きく改善されることもあります。

ただし、すでに頚椎ヘルニアになっている方は、肩、背中、腰の筋肉がこって硬くなっている状況の方が多く、仰向けや横向きで寝るのが難しい方もいらっしゃいます。その影響で、眠りが浅くなり、ますます筋肉が硬くなる悪循環につながる可能性もあり、別の対策をとる必要性があることもあります。

そういった方には『抱き枕』もおすすめです。抱き枕が姿勢を安定させ、全身の重みを緩和してくれます。なかなか枕の高さが調節できないなどの事情がある際にも効果的です。

その際の注意点は、 1人で判断しないことです。医師の専門的なサポートを受けながら、徐々に調整し、ご自身の寝姿勢を保てるよう進めるとよいでしょう。症状が重い方は、枕やマットレス、サポート器具などを選ぶ際も、専門家に意見を聞きながら慎重におこなうことで、症状を回復につなげる近道にもなります。

まとめ

まとめ

今回は頚椎ヘルニアの症状を悪化させない枕の選び方や、その他のポイントについてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。

大切なのは、自分に合う枕を選ぶこと。そして、マットレスやサポート器具を含め、選ぶ際には専門家の方に相談しながら進めてほしいということです。

ご自身で全て判断するのではなく、選ぶ際や使用してみての判断など、専門家の意見をしっかりと聞きながら進めていきましょう。

首の痛みを抱えている方や頚椎ヘルニアで苦しんでいる方が、少しでも快適な生活を送るためのヒントになれば嬉しいです。

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FitMap Wellnessを運営する株式会社FiiTは、正しいヘルスケアを直接ユーザー様へお届けすることはもちろん、ヘルスケアを提供する事業者の属人性も無くし、「誰でも健康になれる世界」を創るヘルスケアベンチャーです。 毎日有益コンテンツを制作しています。
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