最近、首にシワが増えてきたような?鏡を見て憂鬱になっている方は多いのではないでしょうか。
ある程度の年齢になればシワができるのは仕方がないといえますが、少し工夫すれば、首にシワができるのを遅らせることは可能です。
枕を変えてみるのも一つの手です。自分に合わない枕を使用していると、首のシワが増えるばかりでなく、肩こりや頭痛など体の不調の原因になったり、不眠から肥満に繋がったりすることもあります。
今回は、首のシワと枕の関係、シワのできにくい枕の選び方について解説します。
首のシワの原因と種類
首にシワができる原因は様々で、人によっても原因は違ってきます。首のシワは、大きく分けて2種類あります。
縦ジワ
縦ジワは乾燥や加齢が原因でできるシワです。肌が乾燥すると角質のキメが荒れることで隙間ができ、そこから乾燥してシワができます。もともと首は皮脂が出にくい上に水分を保ちにくいため、体のほかの部位に比べて荒れやすいのです。さらに冬場はマフラーやタートルネックなどの刺激を受けやすくなり、余計にシワができやすくなります。
また、加齢で皮膚がたるんだり、コラーゲンが減少して水分を肌に保持する力が弱まり、ハリがなくなったりすることでシワができやすくなります。さらに新陳代謝の低下で古いコラーゲンが皮膚に蓄積されて硬くなり、それがシワの原因になることもあります。
横ジワ
癖ジワと呼ばれることもあります。普段の生活習慣が原因でできるシワです。長時間うつむいていると、そこに折り目ができて、やがてシワになります。
主に長時間のデスクワークやスマホの閲覧が原因ですが、猫背も首の折り目が付きやすく、横ジワの原因になります。若いうちはそれほど気になりませんが、年齢とともに肌に弾力がなくなり、乾燥しやすくなることで横ジワが目立つようになります。
枕が首の横ジワの原因になる
人は人生の約3分の1は睡眠にあてていると言われています。睡眠中に高すぎる枕を使用することは、首にシワが寄りやすい状態が長時間続くことになり、やがて横ジワが目立つようになってしまうのです。
枕なしで寝るとシワがつきにくい?
では、枕を使用しないで寝るとシワが付きにくくなるのか?というと、そうとも言えません。
枕なしで寝ると、寝返りを打つ時に首がねじれてシワができてしまいます。また、枕を使用しない、または低すぎる枕で寝ていると、血液の循環が悪くなり、脳に血液が溜まったままになり、脳への刺激が増えるので深く質のいい眠りがとれません。
眠りが浅くなると疲労がとれず、新陳代謝も悪くなるので肌荒れやくすみなど、シワ以外の美容面でも問題がでてきます。首のシワを防ぎたければ、自分に合った枕は必須です。
今の枕は自分に合っているか確認しよう
現在使用している枕が合っているかどうか、以下のポイントを確認してみましょう。
- 首の付け根から背中がシーツにピッタリと着いているか
- 後頭部から首全体が枕にしっかり乗っているか
- 後頭部が枕にしっかり収まっているか
1.シーツと背中の間に隙間ができている場合は、枕の高さが合っていません。
2.後頭部だけが枕にのっている状態は首に負担がかかり、肩こりや頭痛の原因になる可能性があります。
3.枕が高すぎる場合は、あごの付け根付近に圧迫感があります。逆に低すぎると頭が後ろに引っ張られている感じがします。このような感覚がある場合も枕が合っていません。
首にシワのつかない枕の見極め方
高さや形が自分に合う枕を選ぶことで首のシワは付きにくくなります。今使用している枕が自分に合っているか確認する場合は、仰向けに寝てみて首にシワができていないか手鏡で見てみましょう。
枕本来の役割とは
枕は、質の良い睡眠をとるために必要なものです。合わない枕は首のシワの原因になるだけでなく、安眠の妨げになり、体に違和感や不具合を起こす原因になります。
質のよい睡眠には、正しい姿勢を保って眠ることが欠かせません。寝るときの正しい姿勢とは、立っているときと同様、背骨が緩やかなS字を描いて、方からくるぶしまでが一直線になっている状態です。枕には布団と頭の隙間を埋めて、正しい姿勢を保つという役割があります。枕が高すぎても低すぎても姿勢が崩れてしまいます。
また、寝返りを打ちやすくするのも枕の大事な役割です。寝返りには筋肉の疲れをほぐす、背中のゆがみの矯正、血流の流れをよくするなどの役割があり、人は睡眠中に20回~30回ほど寝返りを打つと言われています。
汗を吸収して、頭に熱がこもらないようにするのも枕の役割です。頭に熱がこもらないようにすることで、頭の血液が体の下へと流れて手足から熱が発散されることで、体内の温度が下がり、深い睡眠に入れるようになります。
自分に合った枕を探すコツ
自分に合った枕は以下4つのポイントに注意して条件の合うものを選んでいくと失敗がありません。
- 高さ
- 大きさ
- 硬さ
- 形
高さ
正しい姿勢を保つには、高さが自分にあった枕を選ぶことが重要になります。低すぎても高すぎても首にシワができやすくなりますし、寝返りが打ちにくくなるので、疲れがしっかりとれません。血流が悪くなるので、顔がむくむこともあります。
睡眠時の正しい姿勢は、背中がゆるやかなS字ラインを描いている状態になります。顔の角度は5度くらいが最適といわれています。
寝てみて、首、肩に違和感がなく、仰向けに寝てみて目線が真上より少しだけ下に向いている程度を目安にしてみましょう。一人で確認するよりは、家族などにも見てもらうほうが確実です。
バスタオルを使って高さを調整
枕が低すぎる場合は、バスタオルを使って高さを調整できます。バスタオルを枕の大きさに沿って折りたたみ、枕の下に入れて仰向けに寝てみましょう。
- 背中がS字ラインを描いている
- 耳からくるぶしまでが直線でつながる
- 顔の傾斜が5度になる
上記3つのポイントがクリアできていれば、首にシワができにくく、質の良い眠りがとりやすくなります。
大きさ
大きさは好みの問題もありますが、寝返りを打っても頭が落ちないくらいのサイズが理想です。大人の頭が3つ分収まる程度を目安にしましょう。
市販の成人用枕は63×43cmが中心なので、大きさとしては充分です。
硬さ
枕は硬すぎると首に負担がかかり、肩こりや頭痛の原因となります。逆に柔らかすぎる枕は頭が沈みすぎて、正しい姿勢を保てなくなります。素材の項目で詳細を説明しますが、好みの問題もあるので、自分が心地いいと感じる硬さを選びましょう。
形
市販の枕は63×43cmで、フラットな長方形のものが大半です。この形は頭を必要以上に固定することがなく、寝返りが打ちやすいので、失敗がありません。
ただ、最近の枕は用途や好みに合わせて様々な形状のものが売られています。夜だけでなく、昼寝などにも使用するのであれば、違う形のものを複数そろえてみてもいいでしょう。
首のシワを防ぐ目的で選ぶなら、首の部分が盛り上がった形のものを使用すると首の自然な形状を保ちやすくなります。このタイプの枕は、スマホの長時間の閲覧が原因になるストレートネックを補正する効果も期待できます。
素材
基本的には好みのものを選んで構いませんが、質の高い睡眠のためには、通気性の良いものを選ぶとよいでしょう。また、枕は素材によって寿命が違ってきます。長年使って形状が変わってしまうなど劣化した枕を使用していると、安眠できない可能性があるので定期的に買い替えましょう。
低反発ウレタン
柔らかめで、頭や首をしっかり包み込みます。ただ、通気性が悪く、熱がこもりやすいという短所もあり、洗濯できないタイプがほとんどです。通気性の良い枕カバーを用意したほうがいいでしょう。
高反発ウレタン
反発力が高く、やや硬めな質感です。体重のある人に適しています。一方で高反発ウレタン同様、通気性が悪く夏場は寝苦しくなる可能性があります。家庭で洗濯できるタイプとできないタイプがあります。
ポリエステルわた
ボリュームのある枕が好きな人におすすめです。柔らかさと弾力の両方を兼ね備えています。家庭で洗濯が可能なのでお手入れも楽です。ただ、弾力が失われるのが早く、寿命は短めです。
羽根
やや硬めでボリューム感があります。弾力もあり、型崩れしにくい枕です。フィット感を大事にする人には、向いていないかもしれません。人によっては羽の硬い芯がゴロゴロして気になる、という可能性もあります。家庭で洗濯はできません。ときどき、風通しのよい場所での陰干しが必要です。
羽毛(ダウン)
通気性、保湿性に優れています。冬は暖かく、夏でも蒸れにくいのが特徴です。柔らかい寝心地が好みの方に向いています。洗濯はできません。お手入れは風通しの良い場所での陰干しになります。
そば殻
程よい硬さがあります。天然素材なので通気性がよく、熱がこもりにくい枕です。使用期間が長くなると、そば殻が砕けて粉状になることがあります。また、湿気の多い場所では虫がつくこともあり、アレルギーを持っている人は注意が必要です。洗濯はできません。定期的に天日干ししましょう。
パイプ素材
中身が筒状になっているので通気性が高く、耐久性があるので長期間使用できます。価格も低めです。ただ、パイプの粒が動きやすいため、フィット感を重視する人には向いていません。音や感触が気になる可能性もあります。洗濯可能で、衛生的に使用することができます。
マットレス選びも重要
店頭で好みの枕を買ったものの、いざ寝室で使用してみるといまいち使用感が悪い…という経験をした方もいるのではないでしょうか?枕は、それ自体の素材や寝心地も大事なのですが、マットレスとの相性も重要です。
例えば、柔らかいマットを使用している場合は、体が深く沈み込むので、その分枕が高く感じられる可能性があります。また、寝返りをうって仰向けから横向けになった場合も寝心地がかわることがあります。
首のシワを防ぐには基本的には枕が必要ですが、体が深く沈み込むほど柔らかいマットレスを使用している場合は、枕が必要ないこともあります。枕を買い替える際は、マットレスとの相性も考慮した上で選ぶようにしましょう。
枕の寿命も考慮しよう
枕は毎晩のように使用するので心地よく使用できる期間は意外と短かく、寿命は2~3年といったところです。最初は寝心地のよかった枕も、いずれはへたってきたり、劣化して寝心地が悪くなったりします。天然素材の枕はにおいがついたり、虫がわいたりすることも考えられます。
枕は消耗品と考え、寝心地が悪いと感じるようになったら買い替えましょう。
まとめ
首のシワは多かれ少なかれ、年齢とともに増えてきますが、自分に合った枕を使用することで遅らせることは可能です。
最近は寝心地を重視した様々な枕が販売され、価格もピンからキリまであります。大事なのは「値段が高い=いい枕」と単純に信じるのではなく、自分で寝心地をしっかり確かめて選ぶことです。
価格やスペックにこだわらず、自分が本当に良いと思える枕をこだわって探すことが重要です。高かったからと言って無理に寝心地の悪い枕を使い続けて、美容や健康に悪影響が出ないよう気を付けましょう。