睡眠ノウハウ

ビタミンB12は睡眠に効果あり?安眠を得るための摂取の方法

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上記のタイトルを見ると、

「健康のためにビタミン剤を服用しているけど、睡眠にかかわるビタミンってあるのだろうか?」
「ビタミンB12の摂取はほんとうに安眠効果があるのだろうか?」

など、疑問がわいてくると思います。

実は、ビタミンB12と睡眠には深い関係があります。ここでは、ビタミンB12についての解説と、どのように睡眠に関与するのかを詳しく説明していきます。

この記事を読まれた方が、安眠のためにビタミンB12を含む食品に興味をもち、積極的に食事に取り入れていただければ幸いです。

ビタミンB12の働きとは?

ビタミンB12

まず、ビタミンについて簡単に説明します。ビタミンとは、ヒトが必要とするタンパク質や脂質、炭水化物、ミネラルといった栄養素以外に身体に必須な微量成分です。そして、体内における非常に多くの代謝や健康維持に関与する重要な栄養素です。

なお、ビタミンには体内では作ることができないものや必要量を合成できないものがあるため、食品から摂取する必要があります。現在、13種類が確認されており、水に溶けるものと油に溶けるものがあります。それぞれ水溶性ビタミン、脂溶性ビタミンと呼ばれます。

このうち、ビタミンB12は、水溶性ビタミンの1種でビタミンB群の仲間です。微量必須元素であるコバルトを含むビタミンの総称で、活性型のものはシアノコバラミンと呼ばれます。赤色のビタミンで、「赤血球の造血作用において重要な役割を果たすこと」や「神経系を正常に保つ作用をもつこと」、「DNAの正常な合成に関与すること」、「ホモシステインという動脈硬化の危険因子と考えられている物質の血中濃度を正常に保つ働きがあること」などが知られています。

ビタミンB12は水溶性ビタミンですが、脂溶性ビタミンのように肝臓で数年分を貯蔵することができます。そのため、通常の食事では欠乏することはほとんどないのですが、動物性食品に含まれるため、菜食主義者(特に完全菜食主義者)では欠乏が起こりやすくなります。また、吸収に障害がある人(胃酸の分泌が低い人や高齢者、胃や腸菅の切除者など)でも欠乏が見られることがあります。甲状腺機能低下症でも欠乏が認められます

欠乏すると、悪性貧血や神経障害、うつ病、慢性疲労などが生じることが知られています。なお、サプリメント等で過剰に摂取しても吸収の上限値があるため、過剰摂取による副作用や障害はほとんどありません。

ビタミンB12と睡眠の関連性は?

のび

上記のとおり、ビタミンB12は造血作用や神経系の維持など生体にとって必要不可欠な働きを有していますが、睡眠との関連性はどうなのでしょうか?

睡眠とビタミンB12の関連性については1980年代ごろに研究が始まったようです。その後、1990年代に入り様々な研究発表があり、ビタミンB12が睡眠と覚醒リズムに関与するという報告が多くなされました。

睡眠覚醒リズムに異常がある患者(非24時間睡眠覚醒リズム患者や長時間睡眠患者)にビタミンB12を投与したところ、睡眠覚醒リズムが24時間に戻るという結果が確認され、再現性も認められたとのことです。なお、睡眠障害の種類により効果に強弱があるようです。

また、ビタミンB12が強い光による体内時計(概日リズム)調節機能を強化することで睡眠改善効果を示すことが確認されました。さらに、ビタミンB12は強い光によるメラトニン(睡眠を誘導する働きをもつホルモン)の分泌抑制効果を強化することが明らかとなり、メラトニン分泌への関与がそのメカニズムのひとつだと考えられます。

このように、ビタミンB12には睡眠障害に対する効果が認められています。次に、このビタミンB12の1日の摂取量について説明します。

ビタミンB12の1日の摂取量は?

ビタミンB12摂取基準

出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

厚生労働省が発行した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、12歳以上の男女(妊婦などを除く)における1日のビタミンB12摂取推奨量は2.4μg※とされています。なお、妊婦では+0.4μg、授乳婦では+0.8μgが更に必要となります。
※μgは1gの100万分の1の単位であり、かなり微量です。

政府の調査(国民健康・栄養調査データ2019年度)では、どの世代も1日の摂取量を満たしている(平均で3.6μg以上)ことが確認されていますが、50歳以上の人では吸収が悪くなるうえ、摂取量には個人差があるため、一部で欠乏症が発生している恐れがあります。

また、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」にも記載がありますが、1日2.4μgでは足りないかもしれないという報告もあるため、今後の研究報告を注視する必要があります。

次は、ビタミン12を多く含む食材や効率よく摂取するための方法について説明します。

ビタミンB12を含む食材や摂取方法

ボンゴレ

ビタミンB12は動物性食品(特に、レバー類や2枚貝)に多く含まれます。また、のりにも多く含まれます。野菜にはほとんど含まれません。そのため、菜食主義や完全菜食主義(ヴィーガン主義)で長期間、動物性食品を摂取しない状況が続くと欠乏し、健康を損なうことになります。通常の食事をしていればほとんど欠乏しないため、特に意識して摂取に取り組む必要はないですが、上記した通り、胃酸分泌が低下した人や高齢者(特に50歳を超えると胃酸分泌が低下する)などは積極的な摂取が必要です。

日々の食生活に取り入れる場合、ビタミンB12は水溶性ビタミンであるため、調理中に煮汁などに溶けだします。そのため、煮汁に溶けだしたビタミンB12も摂取できるような料理を選択することが大切です。

おすすめは、シジミやアサリのみそ汁です。ただ、季節により入手できないため、1年を通して入手できる食材を使う料理も提案します。

食材 100g当たりの
ビタミンB12含有量
12歳以上の推奨摂取量(2.4μg/日)
を摂取するために必要な量の目
シジミ(生) 68μg 3.5g(1粒以下)
アサリ(生) 52μg 4.6g(1粒以下)
焼きのり 58μg 4.1g(19×21cmを1枚半程度)
味付け海苔 58μg 4.1g(3×9cmが5枚/1袋のものを4袋程度)
牛レバー(生) 53μg 4.5g
豚レバー(生) 25μg 9.6g
鶏レバー(生) 44μg 5.5g
牛肉(脂肪付) 1~2μg程度 120~240g
鶏卵(全卵、生) 1.1μg 220g(M/Lサイズで約4ヶ)
カタクチイワシ煮干し 41μg 5.9g(目安は7cm程度を12匹くらい)
塩サケ(生) 6.9μg 35g(切り身半分程度)
真サバ(生) 13μg 18.5g(切り身1/4程度)
真サバ(水煮缶) 19μg 12.6g(ブロック1~2ヶ程度)

・文部科学省発行「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より抜粋

のりや卵だけで必要量を摂取しようとするとかなりの量になるため、色々な食材を組み合わせて1日の食事で分散して摂取することが大切です。

出汁取りに使った煮干しを入れたままのみそ汁や焼き鮭、焼きサバなどはあまり季節を気にせず作ることが可能かと思います。また、真サバの水煮缶については、煮汁も調理に使えば溶けだしたビタミンB12だけでなく、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸(動脈硬化を抑制する作用があります)も摂取できるため、焼きサバよりも栄養面的には有益です。

なお、ぶっかけうどんにサバの水煮缶のブロックを1~2ヶと煮汁を1/3程度かけ、めんつゆを少しだけかけて食べると、春から秋までさっぱりと美味しく食べられます。味変として、納豆をトッピングすると更に栄養が取れますのでお勧めです。焼き飯の具にも使えます。

サバの水煮缶は骨まで食べられるためカルシウムの補給にも役立ちます。また、みそ汁に煮汁ごと入れれば「うしお汁」にもなりますし、サラダにトッピングすると栄養的にも非常にバランスが良くなります。万能食材であり保存食でもあるサバの水煮缶は、是非ともご家庭に常備することをお勧めします

さて、次に、食品から摂取したビタミンB12の吸収について説明します。

1:食品中のビタミンB12とタンパク質が結合した複合物質が、食事により胃に入る。

2:食事により、「消化酵素ペプシン(pH2の強酸性下で働く酵素)」と「胃酸」、「内因子(糖タンパク質)」などが胃内に分泌される。

3:十分量の「胃酸」の分泌により胃内のpH(ペーハー、水素イオン濃度)が2程度まで低下した状態で、「ペプシン」が正常に作用する。

4:ペプシンがその他のタンパク質およびビタミンB12に結合したタンパク質を分解し、タンパク質が外れた遊離状態のビタミンB12が生成される。

5:「内因子」がこの遊離ビタミンB12と結合する。

6:小腸下部(回腸)にあるビタミンB12吸収組織から『内因子とビタミンB12の複合体』のみが吸収され、遊離ビタミンB12は吸収されない。

7:なお、1回の食事で吸収できるビタミンB12の上限量は2μgであることが確認されており、1日3回の食事での吸収上限値は合計6μgとなる。

補足します
食品中のビタミンB12はタンパク質と結合した複合物質として存在します。胃での消化の際、胃酸の分泌量が正常であれば、遊離のビタミンB12が生成され、「内因子」と結合し、小腸で吸収されます。しかし、胃酸の分泌が少ないと胃内pHの低下に問題が生じ、たんぱく分解酵素であるペプシンの働きが悪くなるため、ビタミンB12とタンパク質の分離効率が低下します。ビタミンB12は遊離状態でないと「内因子」と結合できず小腸で吸収されないため、胃酸分泌量の低下はビタミンB12欠乏につながる恐れがあります。

よって、胃を切除した人、慢性的に胃炎がある人、高齢者などの胃酸分泌が低下した人では遊離ビタミンB12の不足が原因で吸収されるビタミンB12の量が減少し、欠乏の危険性が高まることになります。

そこで、このような胃酸分泌が低下した人には、食事由来のビタミンB12ではなく、サプリメントによるビタミンB12の服用をおすすめします。サプリメントに配合されるビタミンB12は遊離状態のものであるため、胃で「内因子」が正常に分泌されていれば問題なく吸収されるからです。

なお、魚嫌いの人やレバー類が苦手な人にもサプリメントによるビタミンB12の服用をおすすめします。食事は楽しむことも必要ですから、無理をせずサプリメントなどで手軽に摂取することが望ましいです。

腸管切除などでビタミンB12吸収組織が失われた人ではサプリメント服用でも腸管からの吸収は望めないため、点滴や注射などの方法で体内(筋肉、皮下、静脈など)への直接投与が必須となります。専門医による治療が必要です。

まとめ

サバ

ビタミンB12は体内時計を調節し、睡眠覚醒リズムを整えることで睡眠障害を改善することが確認されています。

ビタミンB12は通常の食事ではほとんど欠乏することはありませんが、長期間の菜食主義などで動物性食品の摂取が著しく低下した場合や胃酸分泌の低下などによる吸収不良が発生した場合には、欠乏し、重篤な病気を引き起こすことがあります。

ビタミンB12は、レバー類や青魚などで効率的に摂取可能ですが、これらの食品が苦手な人や胃酸分泌が低下した人には、サプリメントによる摂取が望ましいと考えられます。

サバが苦手でない人には、日々の食事にサバの水煮缶(煮汁も一緒に)を使うことでビタミンB12以外の様々な栄養素も摂取でき、栄養バランスも整うため、積極的に活用していただきたいです。

1度の食事で必要量を満たそうとせず、3回の食事に分けてまんべんなく摂取することで安眠効果も安定すると考えられますので、上記の調理法を参考にして積極的に摂取することをおすすめします。

以上、ビタミンB12の機能や睡眠との関連、効率的な摂取方法などについて解説しました。睡眠障害を持つ方や家族の方などがこの記事を読んで、医者の診察を受けたり、診察を勧めたり、食事に気を付けたりすることで、改善への一歩を踏み出していただけると幸いです。

参考資料

日本食品標準成分表2020年版(八訂)

日本人の食事摂取基準(2020年)

国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報HP

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