部屋にソファを置きたいけど、ベッドや机も必要なのでスペースが足りない…。そんな場合に目が行くのが、ソファベッドです。
ここ数年、ソファベッドは機能性がかなり良くなっただけでなく、インテリアとしてもおしゃれ度が高いものが増えてきました。
ただ、ベッドに比べると寝心地がいまいち、ソファからベッドへの切り替えが案外面倒といった欠点もあります。今回は、ベッドとソファを兼用することのメリットとデメリット、実際に使用する場合の注意点を徹底解説していきます。
ベッドとソファを兼用できるソファベッドとは
ソファベッドは普段はソファとして使用し、就寝時には背もたれを倒したり、マットレスを引き出したりしてベッドとして使用できます。単身用の1Rマンションなど、限られたスペースを有効に使用したい場合に購入を考える人が多いようです。
ソファベッドは切り替え方法に注目
ソファベッドの利便性は、切り替え方法が左右します。切り替え方法は大きく分けて3つです。
- リクライニング式
- 折りたたみ式
- 座面引き出し型
リクライニング式
ソファベッドの中で、一番広く流通しているタイプです。背もたれの部分を倒すことで、ソファからベッドに変形させて使用します。操作が単純で力を入れずに切り替えられるので、子どもやお年寄りでも使用できるのがメリットです。
ベッドに切り替えると背もたれと座面に境目ができるので、人によっては寝心地よくないと感じることもあります。ベッドとして使用する際は、ベッドパッドや薄手のマットレスを敷くと快適に使用できます。
欠点としてはソファ本体に重量があるので、一度設置すると移動させるのは困難です。また、ベッドとして使用する際は、背もたれを広げるためのスペースを確保しなければならないので単身用1Rなど狭い部屋には、やや不向きと言えます。
折りたたみ式
マットレスとなる部分が折りたたまれているタイプのソファベッドです。座面と背もたれの両方を広げるタイプ、座面を引っ張り出すだけのタイプ、フラットなマットレスに近い形で自由に変形できるタイプ、など、マットレスになる部分の収納、引き出し方法にいくつか種類があります。
ソファに近いもの、マットレスをシンプルに折りたたんだ形に近いものなど、見た目もさまざまなので、自分の部屋に合ったデザインを探せます。
ベッドに切り替える際にマットレス部分が前に出るため、テーブルなどを移動させて、スペースを確保する手間があります。また、マットレスが3分割されているタイプは境目や段差ができるため、寝心地が悪いと感じることがあります。ベッドパッドなど上に敷くものを用意したほうがいいでしょう。
座面引き出し型
座面の下に収納されているマットレスを引き出してベッドとして使用できます。見た目は普通のソファと変わりありません。背もたれ部分は固定されていることがほとんどです。
マットレスにスプリングが使用されていたり、ベッドマットと同じ素材を使用していたりなど寝心地を重視したタイプもあり、その場合は、マット部分を引き出すのに手間がかかることがあります。
折りたたみ式同様、マットを引き出す際にスペースを確保する必要があります。また、寝心地を優先したタイプは価格が高くなり、予算オーバーになるかもしれません。
ソファベッドのメリットとデメリット
ソファベッドのメリット、デメリットは、使用する際に何を優先するかによって変わってきます。ソファベッドを購入する前に、購入する目的を考えてから購入する必要があります。
メリット①部屋を広く使える
1Rなどでベッドとソファを両方揃えると、かなりのスペースをとられるため、両方揃えた場合は、圧迫感を感じることは否定できません。その点、1台で2役をこなせるソファベッドなら、スペースの節約になり、部屋を広く使えます。
メリット②家具の購入代が節約できる
ベッドもソファも家具の中では高価な部類に入ります。家具を揃える資金が少ない場合は、ソファベッドを購入すれば費用の節約になります。
デメリット①切り替えが面倒
ソファからベッドとして使用するためには背もたれ部分を倒したり、マットレスを引き出したりと手間がかかります。少しの手間ではあっても毎日続くと次第に面倒に感じるようになっても不思議ではありません。切り替えが面倒でマットレスが敷きっぱなしになってしまい、ベッドと変わらなくなった…という話もよく耳にします。
部屋のインテリアも大事ですが、使い勝手にも注意する必要がありそうです。
デメリット②寝心地が悪い
ソファベッドによっては、マットレス部分に境目が気になることがあります。また、睡眠の質を第一に考えているベッド専用のマットレスに比べると、寝心地が悪くなるのは否定できません。
寝心地を追求したソファベッドもありますが、ベッドとしての機能が充実しているタイプはマットレスが重く、ソファとして使用しづらいだけでなく高価なものも多いので、ベッドとソファ両方揃えるのと変わらない額になってしまう可能性もあります。
デメリット③壊れやすい
切り替え機能が壊れると、ベッドかソファどちらかの機能しか発揮できません。とくにリクライニング方式は切り替えができなくなり、万年床のような状態になることもあります。
また、ベッドの場合は寝心地が悪くなったらマットレスを買い替えるだけですみますが、ソファベッドは座面やマットレス部分がへたれてしまったら使用できなくなり、処分費用がかかります。
デメリット④衛生面に不安がある
人の肌が直接触れる寝具は汚れやすく、ダニも発生します。ソファベッドも毎日のように寝ていると汚れてきてダニが発生する原因になります。
ベッドパッドやダニ除けシートを使用すれば、ある程度は防ぐことはできます。しかし、長年使えばソファベッド本体も汚れていきます。ソファベッドの奥まで自力で掃除したり、ダニ退治をしたりするのは至難の業といえます。
後悔しないソファベッドの選び方
ソファベッドは一度購入してしまうと、使い勝手が悪くてもすぐに買い替えるのは難しいものです。購入した後で後悔しないよう、以下の点は必ずチェックするようにしましょう。
- 大きさ
- 機能性
- 素材
大きさ
寝心地を重視する場合はマットレス部分の広さに、ある程度の余裕が必要になります。幅はシングルベッドと同じ97cm、長さは身長+20cm~30cm余裕があるサイズを選ぶと質の良い睡眠がとれます。
部屋のスペースを、なるべく広く確保したいからと、幅の狭いタイプや長さが足りないタイプのソファベッドを選んでしまうと、寝返りが打ちにくいため、血行が悪くなって疲れが取れにくくなります。腰痛や肩こりの原因にもなるので注意が必要です。
ソファとしての座りやすさも重視するなら、高さ38cm~45cmの間を目安に選ぶと快適に使用できます。
機能性
切り替え方法は、ソファベッドの使い勝手に大きく影響します。ソファとしての使用頻度が高いのか、ベッドとしての使用がメインなのか、家族構成からなど様々な角度から検討する必要があります。
例えば、折りたたみタイプは座面を引き出すだけでベッドとして使用できますが、引き出すたびにマットを広げるスペースを確保する必要があるため、小さなお子さんがいて、部屋が散らかりやすい家庭には不向きかもしれません。
最近のソファベッドは、収納機能を持つものや、スマホなどを充電できるようコンセントが付いたものなど、便利な機能がついたタイプもあります。少しでも部屋を広くすっきり見せたい、なるべく物を少なくしたいという場合はそのような機能性も見てみるといいでしょう。
健康を考えて清潔な状態を保ちたいのであれば、マットレスを置く部分がメッシュになっていたり、すのこになっていたりするタイプを選ぶとお手入れに手間がかかりません。
衛生面
ソファベッドは人が直接触れるものなので、徐々に汚れていきます。食べこぼしや飲み物などで汚れることも珍しくありません。また、人が外から持ち込んだ花粉やホコリなども付着するので、定期的なお手入れが必要になります。ダニ対策も必要です。
ソファベッドは布製のものがほとんどですが、革製や木材でできたものもあります。布製のソファは表面の汚れを落とすことはできますが、飲み物など液体が内部まで染みこんでしまうと、自力で掃除するのは困難です。革製は汚れを通しにくく、汚れがついても表面をふき取るだけでほとんど落とせますが、カビが生えやすいという弱点があります。
どちらにしても定期的なお手入れは欠かせません。自分にとって、なるべくお手入れしやすい素材を選びましょう。
ソファベッドのお手入れ方法
ソファベッドを清潔に長く使用するためには、定期的なお手入れが必要ですが、素材によってお手入れ方法が違ってきます。間違ったやり方で傷めてしまわないよう、注意する必要が必要です。
布製
表面についた毛髪やペットの毛はコロコロでとります。ホコリが溜まりやすい背もたれやマットレスの隙間は、定期的に掃除機で吸い取りましょう。シミができた場合は、スチームクリーナーをかけるととりやすくなります。
スチームクリーナーがない場合は、スチームアイロンで汚れを浮かせて、乾いた布でふき取る方法もあります。
しつこいシミは、タオルに中性洗剤をつけてシミ部分を叩いてなじませてから、シミを中心に集めるように拭いていきます。こすると汚れが広がってしまうので、中性洗剤は必ず叩いてなじませるようにしましょう。
汗やよだれの臭いが気になる場合は重曹を全面に振りかけて数時間放置した後、掃除機で吸い取り、濡らしたタオルで丁寧にふき取ります。重曹が残っているとカビの原因になるので、しっかりと吸い取りましょう。
合皮
合皮素材のソファベッドについた汚れは、重曹と洗濯用洗剤で落とせます。
- 水100mlに小さじ1杯の重曹をとかしてスプレーボトルに入れておく
- 毛髪やホコリなどを掃除機で取り除いてから、からぶきした後、硬く絞った濡れタオルに少量の洗剤をつけて表面をふき取る
- 汚れが特にひどい部分は、重曹水を吹きかけてスポンジで汚れをこすり落とす
- 表面全体を水拭きして洗剤と重曹をふき取る
- からぶきして乾くのを待つ
合皮の素材によっては重曹や洗剤で変色、変質する可能性もあるので、必ず目立たない場所で試してから使用しましょう。
本革
本革のソファベッドのお手入れは、革製品専用のクリーナーと保護クリームを使用します。
- 表面についた髪の毛やホコリを掃除機で取り除いておく
- 表面をからぶきする
- 革製品専用クリーナーをつけ、汚れをふき取る
- 革製品専用保護クリームを全体的に塗る
- からぶきする
革製品専用クリーナー、保護クリームはシミになることがあります。目立たない場所で試してから使用しましょう。
ダニ対策に布団乾燥機を活用
ソファベッドにダニが発生した場合は、布団乾燥機のダニ駆除モードを使用すると大半が退治できます。使用する布団乾燥機は乾燥マットを使用するタイプが向いています。乾燥マットを使用しないタイプは熱を奥深くまで送ることが難しいので、ソファベッドには向いていません。
ソファベッドの上に乾燥マットをのせ、その上に布団をかけ、ダニ駆除モードをセットして待ちましょう。背面などにも毛布などをかけると熱が伝わりやすくなります。
ダニがソファベッドの奥深くまで侵入していた場合はすべて駆除するのは難しくなります。すべてのダニが退治できるとは限らないので注意が必要です。
ソファベッドを長く使うコツ
ソファベッドは一度汚れると自力で落とすのが困難になります。少しでも汚れやダニをつきにくくするためには、シーツやカバーを使い、こまめに洗濯しましょう。
また、こまめなお手入れとともに、ダニ取りシートや寝具やソファに使用できるダニ駆除スプレーを併用するとダニが発生しにくくなります。
まとめ
ソファベッドは部屋広く使えたり、家具の購入費用を安く上げたりできるなどのメリットがある一方で、タイプによっては寝心地が悪い、ベッドからソファへの切り替えが面倒などのデメリットもあります。
マットレス同様、お手入れを怠ると不衛生になり、ダニの発生源になることもあります。そうなると、質の良い睡眠がとれません。質の良い睡眠は健康を保つために絶対に欠かせません。ソファベッドのメリットとデメリットをよく考えて、本当に必要かどうかをしっかり検討して購入しましょう。