睡眠ノウハウ

睡眠中によだれが出るのはなぜ?改善するための方法とは

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朝起きたら、口周りがよだれでカサカサに…。旅行先で枕カバーを汚してしまい、恥ずかしい思いをすることも。寝ている間のことなので仕方ありませんが、できれば事前に防ぎたいものです。

よだれは体を健康に保つために大事な役割がいろいろありますが、あまりに頻繁に睡眠中によだれが出る場合は注意が必要です。場合によっては治療が必要なこともあります。

今回は睡眠中によだれが出る原因と改善方法を解説するとともに、あまり知られていないよだれの役割にも触れていきます。

この記事の監修者
睡眠健康指導士、建築物環境衛生管理技術者
佐々木崇志
東北大学大学院薬学研究科修了。修士(薬科学)、建築物環境衛生管理技術者。 修了後は臨床研修指定病院で医局秘書や学生担当として全国の医療を志す学生や医療従事者と携る。勤務していく中で睡眠に関する訴えが医療従事者にも多い事に気づき、自身も医療従事者や患者の助けにならないかと考えるようになり個人で活動を始める。現在は東北を活動の拠点として睡眠(体内時計・時計遺伝子)の研究の経験、資格の知識を生かしながら睡眠啓蒙活動を行なっている。

睡眠中によだれが出る原因とは

よだれ1

唾液が口外に出てしまうのがよだれですが、睡眠中のよだれの主な原因は口呼吸です。睡眠中に何らかの理由で口が開きっぱなしになってしまい、よだれが出てしまいます。睡眠中、口呼吸になってしまう原因は以下のようなものがあります。

  • 鼻が詰まって鼻呼吸ができない
  • 口周りの筋肉の低下
  • 枕の高さ

鼻が詰まって鼻呼吸ができない

風邪やアレルギー性鼻炎、肥満などが原因で花が詰まると鼻呼吸ができないため、無意識に口が開いて口呼吸してしまいます。

口周りの筋力の低下

あごや舌の筋力が低下していると常に口が開いた状態になり、口呼吸の原因となります。食べるときに咀嚼が少ない、柔らかいものばかり食べていると口周りの筋力が低下し、鼻呼吸ができません。結果、口呼吸が常態化してしまいます。

とくに最近は常に口が半開きになった「口唇閉鎖不全」、通称「ポカン口」が増えています。ポカン口の原因は筋力の低下のほかに、歯並びの悪さや舌小帯が短い、肥満などさまざまな原因があり、場合によっては長期にわたる治療が必要なケースもあります。

枕の高さ

自分に合わない高さの枕も口呼吸につながることがあります。枕が高すぎると起動がふさがるため呼吸しにくくなり、口があいてしまうためです。よだれは仰向け寝より横向き寝のほうが出やすいですが、高すぎる枕では仰向けの姿勢を長く続けることができません。自然と横向きになり、よだれが出やすくなります。

また、低すぎる枕はあごが上向きになり首や肩に負担がかかるため、やはり横向き寝になりやすくなるので、注意が必要です。

そもそもよだれの役割とは

よだれの役割

睡眠中のよだれは厄介なものですが、よだれには体を守るための大事な役割があります。よだれは99%が水分ですが健康を保つのに欠かせない、さまざまな成分が含まれています。

消化の補助

唾液には「アミラーゼ」という酵素が含まれています。食べ物を柔らかくする働きがあるため消化器の負担を軽減します。子どものころは「よく噛んで食べなさい」口うるさく言われた人も多いかと思いますが、理にかなっていたわけです。

歯を健康に維持する

食べ物を口にすると口の中が酸性になることで歯が溶けやすくなり、虫歯ができやすくなりますが、唾液には酸の量を調整する働きがあります。また、唾液にはカルシウムやリン酸など歯の形成に欠かせないミネラル分も含まれていて、酸で溶けた歯の修復を行います。

ほかにもエナメル質を修復し抗菌作用があるスタテリンという成分があり、歯周病や虫歯になりにくくする役割があります。

抗菌、免疫力を強くする

口の中の菌のバランスを維持し、外から細菌やウイルスの侵入を防ぐことでインフルエンザなどの病気から体を守ります。

口の中を清潔に保つ

歯に付着した食べかすや汚れを洗い流し、雑菌の繁殖、プラークの発生を抑えることで口臭や虫歯を防ぐ、歯周病などの病気の発生を抑える働きがあります。

粘膜の保護、修復

口の中の潤いを保ち、粘膜を保護する働きに加え、傷ついた粘膜を修復する役割があります。

その他

体内の水分が少なくなると唾液の量が少なくなり、口やのどの渇きを感じることで水分補給を促します。味覚を感じやすくするという働きもあります。

唾液の質は腸が左右する

口は食物だけでなく、インフルエンザなど、さまざまなウイルスや細菌の入り口にもなります。口から入ったウイルスや細菌は腸へも届くため、腸は強い免疫機能を持つようになりました。腸の免疫機能を高めることが、唾液の免疫力を高めることにもつながります

よだれが出ないとどうなる?

唾液は大人の場合は1日に1,000ml~1,500mlほど作られていますが、唾液の量は常に変化し続けています。就寝時にはもっとも分泌量が減り、口の中が乾燥しやすい状態です。

睡眠時の口呼吸が続くと口内の乾燥が加速し、抗菌、浄化、湿潤などの作用が失われるため、免疫力が低下します。そのため、インフルエンザや風邪にかかりやすくなります。

睡眠中のよだれを改善する方法

よだれ改善

睡眠中のよだれを防ぐには口呼吸を防ぐ対策が欠かせません。口呼吸してしまう原因を特定して改善しましょう。

鼻炎などで鼻呼吸ができない場合

花粉症などのアレルギー性鼻炎、蓄膿症などが原因で鼻呼吸ができない場合は、根本的な治療をしない限り改善は望めません。日常的に鼻が詰まっている場合は、早めに専門医に相談しましょう

口周りの筋肉の低下が原因の場合

口周りの筋肉が低下している場合は、普段から意識的に鼻呼吸をする必要があります。口が開いた状態が長く続かないよう頻繁に鏡を見たり、目につくところに「鼻呼吸!」などと書いたシールを貼ったりして、口を意識的に閉じるようにする工夫が必要です

また、マスクをしていると息苦しさから、つい口呼吸になってしまうこともあります。マスクをしなくていい所では、できるだけマスクを外して意識的に鼻呼吸をするようにしましょう。

座るときの姿勢にも注意

猫背は鼻呼吸が浅くなり、口呼吸しやすい状態になります。デスクワークなど長時間座っている場合は、よい姿勢を保つように心がけましょう

口周りの筋力をつける

口周りの筋肉が弱っている人は、食べ物を咀嚼する回数が少ない、柔らかいものばかり食べているなど、口周りの筋肉を使っていないことがほとんどです。咀嚼する回数を増やす工夫をして、口周りやあごの筋肉を鍛える必要があります

食事の時は意識的に咀嚼の回数を増やしましょう。食べ物の丸の飲みは避けて、ひと口で30回を目安にしっかり咀嚼する必要があります。咀嚼を増やすと唾液で食べ物が消化しやすくなり、胃に負担がかかりにくくなるメリットもあります。

また、間食にはスルメなど固いものやガムを噛むと筋力アップにつながります。

筋力アップに「あいうべ体操」

口周りの筋力アップにおすすめなのが「あいうべ体操」です。福岡県にあるみらいクリニック院長である今井一彰院長が考案した、口周りの筋力アップの体操です。単純な動きですが、毎日続けることで舌の筋肉が鍛えられ、無理なく鼻呼吸ができるようになると、日本のみならず海外でも評判になりました。気が向いたときに簡単にできるので、挫折することなく続けられます。

あいうべ体操のやり方

あいうべ体操

出典:みらいクリニック

声を出す必要はありません。一度に30セットは疲れてしまう、という人は1日に何回かに分けると続けやすくなります。4セットすべてやるのではなく、部分的に自分がやりやすい部分を続けるだけでも効果はあります。

この体操を思いついたきっかけは、リウマチの患者さんの口臭がひどく、炎症がひどくなるほど口臭もきつくなることに気づいたことです。口内が乾燥すると雑菌が繁殖しやすくなり、口臭が強くなるだけでなく、免疫力も低下するため、さまざまな病を併発することにもなります。

クリニックのHPに体操の詳細が載っています。YouTubeに動画もアップされているので、参考にしてください。

あいうべ体操youtube

出典:YouTube「みらいクリニック」

枕の高さを調整する

枕は高すぎても低すぎても姿勢が崩れて口呼吸の原因になります。理想の高さは好みにもよりますが、仰向けに寝た時に頭が前方に5度くらい傾く程度を目安にしましょう。

口閉じテープを使用する

睡眠中にどうしても口が開いてしまうという場合は、口閉じテープが効果的です。2021年9月の「日本睡眠学会第46回定期学術集会」で、小林製薬株式会社が30~40代の男性7人に対して、口閉じテープを使用した睡眠中の口内の乾燥と睡眠の質の改善に関する調査の結果を報告しています。

報告によると、口閉じテープには自然な鼻呼吸を促進する効果に加えて、起床時の口内の乾燥を抑制し、いびき、睡眠の質の改善の効果もあったということでした。

口閉じテープはメーカーによって「鼻呼吸テープ」「マウステープ」など名称が違ってきますが、使用方法は変わりません。近くで購入できない場合は、ほかのものでも代用可能です。代用品として使用できるのは、絆創膏やサージカルテープ、それも用意できない場合はセロハンテープ、マスキングテープでも代用できます。

ただし、セロハンテープやマスキングテープは皮膚に貼ることを想定していないため、皮膚が弱い人は、かぶれる可能性があります。皮膚に異常が出てきたら、すみやかに使用を中止しましょう。ただ、粘着力が弱いと睡眠中にはがれてしまうので、ほどよい粘着力は必要です。

口閉じテープは使用方法をよく読んでから貼りましょう。代用品は貼り方に注意が必要です。代用品を使用する場合は、口を軽くとじて5cmほどに切ったテープを口の中央部に貼ります。粘着力が弱い場合は、2枚をクロスさせて貼り付けても構いませんが、口全体を覆わないように気を付けましょう。

よだれの量、回数が多いのは病気?

病気

よだれの量があまりに多かったり、よだれが出る回数が増えたりしている場合は何らかの病気が隠れているかもしれません。睡眠中だけでなく、普段からよだれの量が多い場合は唾液過多症の可能性があります。通常、唾液の分泌量は1日に1,000ml~1,500ml程度ですが、唾液過多症は平均より唾液の量が多く、話しづらい、唾液を飲み込む回数が増えて、わずらわしさを覚えることがあります。

唾液過多症は真性唾液過多と仮性唾液過多の2種類があります。真性唾液過多は胃炎や自律神経の異常、薬の影響などで実際の唾液の量が増えている状態です。とくに唾液の量が多い場合は流涎症(りゅうぜんしょう)と呼ぶこともあります。

仮性唾液過多は唾液の量自体は増えていないが、加齢や何らかの病気の影響で飲み込む力が弱くなることで唾液の量が増えたと感じる症状です。

よだれは何科を受診するべきか

よだれに関する診察は症状によって違ってきます。たいていは耳鼻咽喉科、消化器内科、内科のいずれかになりますが、ストレスなどが原因で唾液が多くなったり少なくなったりする場合は心療内科や精神科を受診したほうがよいこともあります。

よだれが枕カバーについてしまったら

枕

よだれが寝具についてしまうと、洗濯機で洗っても白く残ってしまうことがあります。よだれの汚れには、つけ置き洗いが効果的です。水よりもお湯のほうが汚れは落ちやすくなります。

  1. よごれに洗剤を直接つける(液体洗剤はそのままつける。粉末は少量のお湯で溶かしてからつける)
  2. 40℃~50℃のお湯に1時間ほどつける
  3. そのまま洗濯機で洗う

長く放置してシミになってしまった場合は、重曹を使用すると汚れが落としやすくなります

  1. 重曹と水を2:1くらいの割合で混ぜ合わせる
  2. 1を歯ブラシにつけ、汚れをこする
  3. 布でからぶきする
  4. 洗濯機で洗う

重曹がない場合は酸素系漂白剤でも落とせます。

  1. 40℃~50℃のお湯に酸素系漂白剤をとかす
  2. 枕カバーをつける
  3. 1時間ほどつけたらそのまま洗濯機で洗う

汚れてしまったら、なるべく早めに洗濯するようにしましょう。

まとめ

よだれ改善2

寝ている間によだれが出る原因は口呼吸です。口呼吸が常態化すると、口の中の乾燥を招き、虫歯や歯周病の原因になるだけでなく、免疫力が低下することで思わぬ病気になることもあります。口呼吸を防ぐためには、鼻炎の治療、口周りの筋力アップなど原因に応じた対策が必要です。

できることから少しずつ始め、治療が必要な場合は医師の指示に従ってしっかりと治療するようにしましょう。

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