認知症

認知症は性格が関係する?なりやすい人なりにくい人について解説

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「認知症になると性格が変わるのか?」

「認知症になりやすい性格ってあるのだろうか?」

「認知症になったらどうすればいいの?」

認知症を心配されている方やご家族の方は、上記のようにお悩みではありませんか?

この記事では以下の内容についてまとめました。

  • 認知症と性格の関係
  • 認知症になりやすい性格
  • 認知症になりにくい性格
  • 認知症による性格の変化 など

当記事をご覧になれば、認知症による性格の変化や認知症への対応策について理解することができるでしょう。

ぜひ、最後までご覧ください。

この記事の監修者
睡眠健康指導士、建築物環境衛生管理技術者
佐々木崇志
東北大学大学院薬学研究科修了。修士(薬科学)、建築物環境衛生管理技術者。 修了後は臨床研修指定病院で医局秘書や学生担当として全国の医療を志す学生や医療従事者と携る。勤務していく中で睡眠に関する訴えが医療従事者にも多い事に気づき、自身も医療従事者や患者の助けにならないかと考えるようになり個人で活動を始める。現在は東北を活動の拠点として睡眠(体内時計・時計遺伝子)の研究の経験、資格の知識を生かしながら睡眠啓蒙活動を行なっている。

認知症と性格の関係性

認知症とは、主に高齢者に見うけられる病気としてあげられるのが認知症です。

認知症による記憶障害を加齢による物忘れと勘違いしてしまい、認知症として見逃す恐れがあります。

そのため、物忘れなどによる認知症の発見は非常に困難です。

認知症の初期症状のひとつとしても性格の変化があげられます。

家族や身近な周囲の方が性格の変化を認知症かどうか判断する材料として、見極めることで認知症の早期発見につなげることが期待できるでしょう。

性格の変化を単純に加齢での性格の変化と決めつけずに、認知症の症状である可能性を疑うことも重要となります。

認知症になりやすい性格

神経諸傾向が強い方が認知症になりやすい性格として、認知症になるリスクが高いといわれます。

神経諸傾向とは人の5つの性格傾向にあるのうちの1つです。

以下のように、5つの性格傾向は分類されています。

  • 外向性(親しみやすい、社交的、陽気など)
  • 調和性(他人を信用する、利他的、実直など)
  • 誠実性(人の期待を裏切らない、目標達成のため努力するなど)
  • 開放性(知的好奇心が旺盛、異なる価値観を受容など)
  • 神経諸傾向(不安になりやすい、抑うつ的、攻撃的など)

神経諸傾向の方の性格の特徴を具体的にあげると以下のようになります。

  • イライラする
  • 短気で怒りっぽくなる
  • 小さなことを気にしすぎるようになる
  • 家事や仕事を人に任せられない
  • ストレスを感じやすい
  • 傷つきやすくなる
  • 自意識が強くなる
  • 協調性がなくなる

一方、抑うつ的な方もストレスを受けやすいので認知症発症のリスクが高まります。

ストレスホルモンが血流の悪化を招くことで、必要な酸素や栄養が脳の神経細胞に届きにくくなるからです。

認知症になりにくい性格

一般的に認知症のリスクが低いのは誠実性と開放性の高い方が認知症のリスクが低いので、認知症になりにくい性格といえます。

特に誠実性には、認知症発症と関連が深い3要素(自制心、責任感、勤勉さ)が含まれているんです。

認知症予防のためには生活習慣の改善も必要なことから、責任感のある方は決めたことはやり遂げる方が多いので、責任感のある方は認知症になりにくい性格といえます。

また、家族や周囲の方との円滑なコミュニケーションをとれることかから自制心のある方は、認知症の要因である社会的孤立を防ぐことができるでしょう。

さらに、勤勉な方は日常的に継続した活動ができることから、脳に刺激を与え認知能力の低下を防ぐことができます。

その他、誠実性とともに危機感がある方も認知症になりにくいともいわれます。

認知症の原因のひとつに生活習慣も関係してくるので注意が必要です。

  • 偏った食事
  • 運動不足
  • 睡眠不足
  • 昼夜逆転の生活
  • 過度な飲酒
  • 過度な喫煙
  • ストレスを溜めた生活

認知症になりにくい性格の方は、現在の生活習慣を変えなけれな認知症になってしまうという危機感を持てるので、すぐに行動に起こせるので、認知症になりにくいといえます。

認知症による性格の変化

認知症の初期症状として性格にも変化が見うけられ、次のような性格の変化が起きる可能性があります。

  • 頑固になる
  • 怒りっぽくなる
  • 人付き合いが悪くなる
  • 失敗を人のせいにするようになる
  • 気遣いができなくなる

ただし、性格の変化の原因は他にも存在することから、上記の性格の変化だけで認知症であることを断定するところまではできません。

性格の変化があり、かつ中核症状や周辺症状のような症状が見られるのであれば、認知症の検査を早めに受診したほうがよいでしょう。

この項目では、認知症による性格の変化に対する原因や対策について解説していきます。

  • 原因
  • 前頭側頭型認知症
  • 対策

原因

認知症により性格が変化する原因として、「意欲の低下」「見当識障害」があげられます。

まず、認知症が発症すると精神機能に支障をきたす症状が起こる可能性があり、意欲の低下や抑うつ状態に陥ることで性格が変化してしまいます。

次に、認知症の性格の変化に起因する可能性があるものとして見当識障害です。

見当識障害によって、自分が現在どのような状況に置かれているかわからなくなると不安を感じてしまい興奮状態に陥る可能性があります。

自分の現在の状況を理解できないことで自分がしたいこがうまくできず、その結果無力感や不満、怒りにつながってしまう可能性があるでしょう。

前頭側頭型認知症

認知症による性格の変化が見られやすい代表格として、「前頭側頭型認知症」の認知症があります。

前頭側頭型認知症は、若年層認知症のひとつで65歳未満の方に多く見られ、脳の前頭葉と側頭葉の前方部分のみが萎縮することで生じる認知症です。

前頭側頭型認知症の特徴は、前頭葉が委縮されることから思考や判断能力がコントロールできなくなり性格の変化が生じるとされています。

次のような症状が性格の変化としては、具体的に見られる可能性があるので注意が必要です。

  • 他者に対してまったく興味がなくなる
  • きれい好きだった方が急にお風呂に入らなくなる
  • 赤信号の横断歩道を渡ったり万引きなどの反社会的行動をとってしまう
  • 周りとのコミュニケーションがうまくとれず、社会的な関係を維持できなくなる

また、前頭側頭型認知症によって感情的になってしまうこともあるので、穏やかだった性格の方が急に怒りっぽくなり暴力を振るうようなケースもあります。

更に、周徊と呼ばれる症状が見られるようになり、毎回決まった道(コース)のみを歩く行動をとるようになるでしょう。

前頭側頭型認知症が中程度まで症状が進行していくと、言語障害もでてくるので会話がうまくできなくなったり、言葉がスムーズにでなくなるので注意が必要です。

対策

認知症で変化した性格を治すためには、抗精神薬を服用することもひとつの方法です。

しかし、抗精神薬にふらつきや眠気、じっと座っていられない、歩きにくさ、便秘などさまざまな副作用があるため注意が必要となります。

患者本人、家族や身近な人、医師との相談を行ったうえで抗精神薬を服用しましょう。

また、認知症で一番不安を感じるのは患者本人なので、否定的な言葉をかけるのではなく落ち着いた口調で話しかけるなど患者本人が落ち着ける環境作りを周囲の方は行うことも重要です。

認知症を予防するのは不可能?

特に高齢者に多い認知症ですが、残念ながら完全に予防することは不可能です。

高齢に伴い身体機能や脳機能は衰えてくるため、今の医学では確実に認知症を予防することは困難といえます。

しかし、運動習慣や食生活などの生活習慣を見直すことで、ある程度の認知症を予防することができるでしょう。

早い段階から自分の生活を見直すことで予防を心がければ認知症の発症リスクを抑えることはできます。

認知症を発症リスクを高める病気

認知症を発症するリスクを高める病気も存在します。

  • 歯周病
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 慢性腎臓病

この項目では、認知症を発症するリスクを高める病気について解説していきます。

歯周病

歯と認知症って関係があるのかと思われるでしょうが、歯周病の予防は認知症の予防にも繋がります。

歯周病が進行すると歯を失ってしまうことがありますが、歯を失うことで嚙む力が弱くなり脳の中枢神経に与えていた刺激を失うことで認知症の発症リスクを高めてしまうのです。

たかが歯周病と考えているととんでもないことになりえるので歯周病も高齢だからしょうがないと考えずしっかり治療することをおすすめします。

口臭が歯周病発見のきっかけになることもあるので、定期的に歯医者へ行き口腔ケアをしっかりと行い歯周病にならないように気をつけましょう。

糖尿病

糖尿病と認知症の関連性は深く、糖尿病を抱えている方は約1.2~2.3倍アルツハイマー病にかかりやすいと言われています。

さらに、アルツハイマー病の要因であるアミロイドβの蓄積を促す要因を糖尿病にが引き起こすインスリン抵抗性の発症が指摘されているんです。

糖尿病にならないような食生活を意識することが重要ですが、すでに糖尿病の方は食事療法、運動療法、服薬治療などを指導に従いきちんと行うことが何より大切でしょう。

高血圧

高血圧も認知症と深い関係があり、調査結果として血圧が高いほど血管性認知症を発症しやすいというデータもあります。

血管性認知症の発症するリスクは、高血圧でない人と比べると

  • 高血圧前症の中年期で約2.4倍
  • 老年期で約3.2倍

高血圧により動脈硬化が起きてしまうと、脳出血や脳梗塞などによって脳の神経細胞がダメージをうけてしまいます。

高血圧にならないように食生活を見直し塩分を控えたりストレスを溜めないようにするなど、生活習慣を改めることが認知症予防にもつながります。

慢性腎臓病

腎臓機能障害を患っている方も調査結果として、認知症のリスクが高くなるというデータがありますが、特に慢性腎臓病は、女性の方が発症すると軽度の認知障害の進行が速いといわれます。

慢性腎臓病が引き起こす高血圧や糖尿病、脂質異常症、酸化ストレスなどが認知症につながるとも考えられています。

更に、肥満や運動不足のほかに飲酒や喫煙、ストレス加重などに心当たりがある方は、この機械に生活習慣を見直し慢性腎臓病予防に努めましょう。

健康診断や人間ドックでは血糖に注目

健康診断や人間ドックの結果を受け取ったら自覚症状がなくても細部までチェックしましょう。

その中でも、血糖レベルを比較的高い状態で放置してしまうと、糖尿病や認知症、フレイル、がんなどのリスクが高まるので、血糖だけは必ずチェックしてください。

例えば、30歳代から高めの血糖レベルである結果が出ていたものを放置した状態で数年経過後、改めて病院で検査したところ、症状が想像以上に進行していたというケースは多くあります。

医師からは「もっと早い段階で来院して治療していれば」と嘆くケースも多いので、血糖値に少しでも異常がある場合は早めに医療機関でチェックしましょう。

糖尿病と認知症は関連性が深いので、高血糖状態が続くことで認知症のリスクを高めてしまうことになります。

仕事が忙しいことを理由に健康診断の結果の総合評価だけ見て細かい数値を細部まで見ない人も多いことでしょうが、診断結果を細かくチェックすることを心掛け注意しましょう。

まとめ

高齢者社会が進む中、認知症を発症するリスクも高くなってきています。

認知症の初期症状としても性格の変化が見うけられるので認知症を理解していることは重要です。

認知症は本人の性格にによてっもなりやすい人やなりにくい人もいるので自分の性格を理解することで、認知症の予防に努めることもできるようになります。

認知症になると完全に治すことはできないので、認知症のしくみを理解することで予防や発症リスクを抑えていきましょう。

この記事では、

  • 認知症と性格の関係
  • 認知症になりやすい性格
  • 認知症になりにくい性格
  • 認知症による性格の変化
  • 認知症を発症するリスクを高める病気

などについてまとめてまいりました。

本記事の内容を参考にしていただき、認知症による性格の変化や認知症に関連する病気について理解を深めていただけましたら幸いです。

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FitMap Wellnessを運営する株式会社FiiTは、正しいヘルスケアを直接ユーザー様へお届けすることはもちろん、ヘルスケアを提供する事業者の属人性も無くし、「誰でも健康になれる世界」を創るヘルスケアベンチャーです。 毎日有益コンテンツを制作しています。
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