寝てる時に足がつるのはなぜ?
夜中に感じるつらい痛みの原因を知りたい
上記でお悩みではありませんか?
寝ている時に足がつると痛みとともに不安になる方も多いかもしれません。
足がつる事で睡眠の妨げや翌朝まで筋肉痛になることもあります。
この記事では、寝ている時に足がつる原因・対処法・予防法についてわかりやすく紹介していきます。ぜひ、今晩から参考にしてみてください。
寝ている時に足がつるってどういうこと?
条件が重なると寝ている時でも足がつることが多くあります。
寝ている時の人間の体はこのような状況になっています。
- 体をほとんど動かさない
- 多くの汗をかき水分不足
- 心拍数が低下
- 血行不良
このような状況下で寝返りを打ったとき、足の筋肉に想定以上の大きな負荷がかかると足がつるという症状が出ます。
医学用語では「有痛性筋痙攣(けいれん)」、「筋クランプ」と言われています。
これらを踏まえまして、
寝ている時に足がつる原因は複数ありますので、次の章から詳しく見ていきましょう。
寝てる時に足がつる2つの原因
寝ている時に足がつる原因は大きく2種類に分かれます。
- 一般的な原因
- 病気が原因
それぞれ原因が違いますので詳しく見ていきましょう。
【一般的】寝てる時に足がつる4つの原因
一般的に寝ている時に足がつる原因は4つあります。
- 筋肉の疲労
- 寝汗による水分不足
- 栄養不足
- 体の冷え
それぞれ見てきましょう。
1.筋肉の疲労
筋肉の疲労にも2種類あります。
- 筋肉への急な負荷
- 運動不足
筋肉への急な負荷
筋肉の疲労も人によって様々ですが、足を酷使してつる場合があります。
例えば、
激しい運動です。これは筋肉が伸縮バランスを崩し、異常な収縮を起こして足がつってしまう状態です。
筋肉の疲労による過剰な神経反射によって異常な収縮を起こしてしまうことで筋肉と神経のバランスが崩れてしまうことが原因になります。
運動不足
運動不足になると筋肉を使う機会が減り筋肉量が落ちていきます。
筋肉量が落ちることによって血行不良、乳酸、疲労物質の蓄積がされやすくなることが分かっています。
寝ているときは動きが少なくなるためさらに血行不良・冷えなどがひどくなり足がつる原因になります。
2.寝汗による水分不足
寝汗で水分とミネラル(電解質)が失われ脱水状態が続くと足がつることがあります。
ミネラルは筋肉や神経の働きを調整しておりミネラルバランスが崩れてしまうと、
筋肉に異常興奮を引き起こしやすくなり十分に代謝を行えず足がつりやすくなると考えられています。
ミネラルバランスが崩れることを「電解質異常」と言います。
健康な大人でも冬は200ml前後、熱帯夜には500ml以上の寝汗をかきます。
3.栄養不足
栄養不足の状態で寝ることによって足がつることがあります。
代表的な栄養素は、
カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、ビタミン、タウリンなどの不足が考えられます。
これらの栄養素が不足すると足がつりやすくなります。
栄養面からのミネラルバランスが乱れると筋肉の収縮や神経の伝達機能に悪影響が出ます。
例えば、
カリウムは神経や筋肉の伝導に関与し、体の水分量調節の働きをするナトリウムは筋肉などの情報伝達にも関わっています。
4.体の冷え
寝るときに足がつる原因になるのが「体の冷え」です。この冷えが血行不良を起こすことで足がつりやすくなります。
冷えは季節要因が大きく関わってきます。
例えば、
- 冬の気温・室温低下
- 夏の冷房(冷気)
- 寝汗からの冷え
室温・パジャマなど着衣にも工夫することで足のつりを予防することができます。
【病気】寝てる時に足がつる2つの原因
病気によって寝ている時に足がつることもあります。
- 病気や服薬の副作用
- 夜間の熱中症
病気や服薬による副作用
足がつる原因として病気や服薬による副作用があります。
足が頻繁につるなど普段よりも症状が出ている場合は個人の判断で薬を中断するのではなく主治医に相談してください。
足がつりやすい病気
イオンバランスの異常 | 下痢、嘔吐、脱水、人工透析、熱中症 |
血管病変 | 血管炎、バージャー病、閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤 |
代謝異常 | 低栄養、糖尿病、肝硬変 |
内分泌疾患 | 甲状腺機能低下症、副甲状腺機能低下症、アジソン病 |
神経筋疾患 | 脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、脳梗塞、筋萎縮性側索硬化症、筋ジストロフィーなど |
骨関節疾患 | 関節炎 |
薬剤の副作用 | 高血圧の薬、高脂血症の薬、抗がん剤、喘息の薬、利尿剤、ホルモン剤など |
夜中の熱中症
熱中症の初期症状(熱中症Ⅰ度)で「足がつる」という症状があります。
夏の熱中症の4割が夜間に発症していることがわかっています。
夜間に大量に寝汗をかくことで、体内から水分以外に塩分(ナトリウムや塩素)も失われ脱水症状が起き足がつってしまいます。
睡眠中のため症状が自覚しにくい場合があるので注意が必要です。
中高年は寝ている時に足がつりやすい
50代の女性は78%が寝ている時に足がつった経験があるという調査があります。
ここ2〜3年で寝ている時に足がつったことがある人は78%。
つる部分はふくらはぎが89%。
頻度は個人差があり、半年に1回、1〜2カ月に1回、ほぼ毎日と大きく分かれています。
これには年齢が大きく関わっています。
年齢とともに寝ている時に足がつることが増える
年齢とともに寝ている時に足がつることが増える理由は3つあります。
- 足の筋肉量が減る
- 血流が滞って栄養素が運ばれにくくなる
- 筋肉疲労が蓄積しやすくなる
このようなちょっとした日常動作でも足に負担がかかりつりやすくなります。
さらに生活習慣病などの血行不良、冷動脈硬化、神経障害(病気)などの原因でも足がつることが増えていきます。
寝ている時に足がつった時の3つの対処法
寝ている時に激しい痛みで飛び起きた経験がある人も多いのではないでしょうか。
この章では、寝ている時に足がつった時の3つの対処法を紹介していきます。
足がつってしまう箇所は様々ですが、
代表的なふくらはぎがつった時の3つの対処法
を見ていきましょう。
- 座りストレッチ
- 立ちストレッチ
- マッサージ
座りストレッチ
- つった足の膝を伸ばして座る
- 足の指先手で掴んでをゆっくりと自分の体の方へ引き寄せる
- つるのが治まるまで引き寄せ続ける
立ちストレッチ
- 両足を前後にずらす(つっている方は後ろ)
- ふくらはぎ・アキレス腱をゆっくり伸ばす
マッサージ
- ふくらはぎを片手もしくは両手で軽く握る
- 少し物足りないくらいの力でほぐす
理想的にはこの3つをすべて行うとよいでしょう。
漢方薬・市販薬【足のつりやすい人向け】
足のつりやすい人向けの漢方薬、市販薬がありますので、これらを試してみるのもよいでしょう。
足のつりやすい人向けの漢方薬
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
一般的に筋肉がけいれんして、急に強い痛みが出た方、運動中や就寝中に足がつる方、
たまに運動するとこむらがえりや腰痛を起こす方などにおすすめの漢方製剤です。
足のつりやすい人向けの市販薬
3種類のタイプがあるため、シーンや症状によって使い分けができます。
コムレケア ヨコヨコ 小林製薬
- 錠剤
- ゼリー
- 塗る
興味がある方は、ドラッグストアの薬剤師もしくは主治医に相談しください。
寝ている時につるのを予防する5つの方法
寝ている時につってしまうのを予防する方法は5つあります。
- 栄養バランスのよい食事
- こまめな水分補給
- 適度な運動
- 体を温める
- 体を動かしやすいマットレスを使う
それぞれ見ていきましょう。
1.栄養バランスのよい食事
栄養バランスのよい食事を摂るのはもちろんですが、足がつりやすい人は下記のミネラルや栄養素を意識しましょう。
カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、ビタミン、タウリンなど
例えば、
- カリウムは神経や筋肉の伝導に関与
- ナトリウムは体の水分量調節の働き
このようにミネラルは神経や筋肉と密接な関係があります。
足がつりやすい人が食べたい食材・飲み物
カリウム | バナナ、トマト、みかん、豆乳、牛乳 |
マグネシウム | ほうれん草、納豆、アーモンド、ココア |
カルシウム | チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、小魚、牛乳 |
ナトリウム | しょうゆ、みそ、梅干し、みそ汁、スポーツドリンク |
2.こまめな水分補給
「足がつる」原因の多くは「脱水症状」になります。
速やかに水分補給を行い、体内のミネラルバランスを保つことが重要です。
水分補給と聞くと水をイメージする人も多いと思いますが、ミネラルも一緒に摂る必要があります。
例えば、
- ポカリスエット
- アクエリアス
- 経口補水液
特に暑い夏の時期は汗でミネラルを失いやすいので注意してこまめに水分補給をしましょう。
3.適度な運動
適度な運動は血流をよくして疲労回復にもつながります。足の筋肉の維持にも効果的です。
おすすめは、
- ウォーキング
- スクワット
1日あたりの理想的な歩数は1万歩と言われていますが、いきなりは難しい方はその場で足踏みからでもはじめてみるとよいでしょう。
4.体を冷やさない
冷えは筋肉を収縮させ血行不良の原因になります。
特に夏・冬は冷える原因に注意が必要です。
夏は冷房、冬は気温の低下などで体が冷えますのでこれらで対策をしましょう。
- 湯船に浸かる
- あたたかい飲み物
- 素足ではなく靴下を履く
- 長袖・長ズボン
- ひざ掛け
- カイロ
5.足のセルフケア
マッサージをすることで足の筋肉疲労を直接的に解消することで足がつるのを予防できます。
マッサージといっても自分でやるセルフケアから施術者や機械(マッサージャー)にやってもらうこともできます。
気軽にできるのは自分でやるセルフマッサージです。
寝る前に、ふくらはぎ、足裏をほぐすことで血流もよくなります。
ストレッチも組み合わせるとより良いでしょう。
まとめ
寝てる時に足がつることで睡眠の質が落ち、疲れがとれない原因にもなります。
原因も様々で1つだけということではないかもしれません。
今晩からでも取り組める予防法もあると思いますので1つでも試してみてください。
頻繁に寝ている時に足がつるようなら主治医に相談をしましょう。