睡眠ノウハウ

朝早く起きてしまう早朝覚醒の原因は?対処方法を紹介します

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「予定よりも早く目が覚めてしまう…」

「朝早く目が覚めてしまうから、日中眠い…」

「早朝覚醒がある場合、どうすればいいの?」

本記事では、上記のお悩みや疑問にお答えします。夜しっかり眠れないと、日中しんどいですよね。

早朝覚醒は病であり、適切に対処する必要があります。

これから早朝覚醒の原因と対処法をお伝えするので、参考にしてください。

 

この記事の監修者
睡眠健康指導士、建築物環境衛生管理技術者
佐々木崇志
東北大学大学院薬学研究科修了。修士(薬科学)、建築物環境衛生管理技術者。 修了後は臨床研修指定病院で医局秘書や学生担当として全国の医療を志す学生や医療従事者と携る。勤務していく中で睡眠に関する訴えが医療従事者にも多い事に気づき、自身も医療従事者や患者の助けにならないかと考えるようになり個人で活動を始める。現在は東北を活動の拠点として睡眠(体内時計・時計遺伝子)の研究の経験、資格の知識を生かしながら睡眠啓蒙活動を行なっている。

早朝覚醒の原因

早朝覚醒になる原因として、色々なものがあります。

早朝覚醒になる原因は以下の通りです。

・加齢
・生活環境
・ストレス
・うつ病

加齢

加齢によって早朝覚醒になる場合があります。原因は以下の2点。

・メラトニンの減少
・睡眠の質の低下

メラトニンの減少

加齢によって、体内時計の調節機能が年々低下していくことが判明してきています。

体内時計の機能が弱まるのは、加齢とともにメラトニンと呼ばれるホルモンの分泌が減るため。

メラトニンとは脳の松果体から分泌されるホルモンのことで、睡眠ホルモンともいわれます。

メラトニンは一般に、起床後14時間から16時間後に分泌されやすいです。

メラトニンが多く分泌されることで、人間の体は眠りにつきやすくなる仕組み。

そして、朝起きて太陽の光を浴びるとメラトニンの分泌は止まり、体内時計もリセットされます。

しかし歳をとるとメラトニンの分泌量が減るため眠くなる時間が早くなり、結果起きる時間も早くなりがち。

睡眠の質の低下

加齢によって睡眠の質が低下すると、早朝覚醒になる場合があります。

なぜなら、深く眠れる時間が短くなると、小さな物音や気温の変化、トイレなどの些細な変化で起きやすくなるため。

また、日中の活動量が低下しやすいために、長い睡眠を必要としなくなるのも原因の一つです。

加齢とともに夜中に目覚めやすくなったり、睡眠の質が低下しやすいのは自然現象ですから、気にしなくていいです。

なぜなら、白髪や老眼などと同じで加齢とともに起こりやすいため。

よって、夜中に何度も目が覚めてしまったり早朝に起きやすくなったことを、気にしすぎるのはよくありません。

悩んだり不安に思うことで神経が興奮して、かえって寝られなくなる可能性があるためです。

ただし日中に体の不調を感じる場合、医療機関に相談してくださいね。

生活環境

生活環境により、早朝覚醒になる場合があります。

具体的には以下の通り。

・家族と生活リズムが違う
・近所の騒音
・引っ越しなど

上記のように、家族と生活リズムが異なることで早朝覚醒になる場合があります。

家族の中には、深夜働いていたり早朝から働いている人がいるかもしれませんね。

すると、物音や光などで夜中や早朝に目覚めてしまう可能性があるでしょう。

また、住む場所によっては近所の騒音に悩まされて早朝覚醒になるケースもあります。

なかなか自分で解決しにくい問題でしょうから、管理会社に相談するといいです。

引っ越しや転職などが原因で早朝覚醒になる可能性も。

慣れない環境では、寝ている間も神経が興奮しやすいです。

ストレス

ストレスが原因で、早朝覚醒になる可能性があります。

なぜなら、不眠の人の半分以上の人がストレスを抱えていることが判明してきているため。

よってストレスによって心の病気になるだけでなく、睡眠にも影響を及ぼすことがわかります。

ストレスを抱えた状態で、寝つきが悪かったり夜中に目覚めることが長引く場合、精神的な病気が疑われます。

専門機関に相談するのも一つの方法。

うつ病

うつ病の人に多くみられるのが、早朝覚醒だといわれます。

なぜならうつ病によって、特に朝方の睡眠の質が低下すると判明してきているため。

うつ病のほとんどの患者さんにみられる症状があります。

・倦怠感
・睡眠や食欲の低下
・何をするにも億劫
・集中力や持続力の低下
・人と会いたくない

上記のように、うつ病の初期症状の一つとして睡眠の質の低下があります。

うつ病の人の睡眠の特徴として、浅い睡眠時間が多くなり、睡眠時間が短くなりやすいことが判明してきています。

よって、やる気が出なかったり体のダルさを感じたりする上で、早朝覚醒の症状がある場合、専門機関を受診するのもいいでしょう。

うつ病が治ると早期覚醒も改善する場合があります。


早朝覚醒の事例別の対処法

早朝覚醒になる原因は一概には言えません。よって、とるべき対策も原因によって変わります。

ここからは、早朝覚醒の対処法について紹介します。


加齢が原因の場合

加齢が原因の場合の対処法は以下の通り。

・夕食後にうたた寝をしない
・気にしすぎない

それぞれ紹介します。

夕食後にうたた寝をしない

夕食後に、習慣的にうたた寝をしてしまう方は注意が必要。

なぜなら寝付きや眠りの質が低下する可能性が高いためです。

よって、生活のパターンを変えるといいでしょう。

例えば、夕食の後にソファに座って寝てしまうという場合、近所を散歩するなど軽い運動をする方法があります。
趣味に没頭するのもいいでしょう。

また寝る時間を30分程度遅らせ、同じ起床時間に起きると、早朝覚醒を改善できることがあります。

トータルの睡眠時間が短くなることで、寝付きや眠りの質が上がる場合があるため。

よって普段からうたた寝をしやすい方は、うたた寝をやめたり寝る時間を遅らせたりすると、早朝覚醒に対処できます。

気にしすぎない

加齢によって早朝覚醒しやすくなったとしても、気にしすぎないほうがいいです。

なぜなら白髪が増えたり、シワが増えたりするのと同じ自然現象であるため。

よって、日中に体の不調を感じることがなければ気にしすぎなくて大丈夫。

夜中に目が覚めたり、朝早く目が覚めることを気にしすぎるとストレスとなって逆効果の場合があります。

ただし、あまりに気になるようでしたら一度専門機関に相談する方法もあります。

夕方以降のカフェインの摂取を控える

夕方以降にカフェインを控えたほうがいい理由は以下の2点。

・覚醒作用
・利尿作用

覚醒作用

夕方以降に、カフェインを含む飲み物を飲むのをやめると効果的です。

なぜなら、カフェインを含む緑茶やコーヒーには覚醒作用があるため。

覚醒作用の続く時間は、人にもよりますが4時間から5時間。

よって、夕方以降にカフェインを摂取することで寝つきが悪くなったり睡眠の質が低下したりする可能性があります。


利尿作用

カフェインの利尿作用によって夜中にトイレに行く回数が増える場合があります。

その理由は、カフェインの効果によって腎臓の働きが活性化し、排尿の量や回数が増加するため。

夜中に何度もトイレで起きると、早朝覚醒は改善しにくいです。

よって、なるべくカフェインの量を控えるといいでしょう。

アルコールを控える

毎晩飲酒している方や寝酒の習慣がある人は、量とタイミングを見直すといいでしょう。

少量のお酒は寝付きをよくする効果がありますが、アルコールが抜けるタイミングで覚醒しやすいためです。

よって睡眠のリズムが乱れやすくなったり、トイレに行きがちになったりします。

生活習慣の乱れが原因の場合


なるべく
規則正しく生活し、日中は積極的に活動するといいです。

いつも決まった時間に布団に入り、起きる時間も同じにすると体が順応しやすいためです。

また、日中部屋でぼーっとする時間や長すぎる昼寝の時間がある場合は減らすといいです。代わりに、運動をしたり読書をしたりすると効果的。

なぜなら頭や体を程よく疲れさせてあげると、睡眠の質も高まりやすいため。

特に運動の効果として体力面だけでなく、脳やメンタル面にもいい効果を与えることがわかっています。

よって規則正しく生活し、なるべく運動する習慣を取り入れるといいです。

ストレスが原因の場合

ストレスが原因の場合は、自分なりのストレス解消方法を見つけると効果的。人によって、ストレス発散の方法は違うためです。

ストレス発散の方法としては以下の方法があります。

・自然の中でウォーキングやジョギング
・美味しいものを味わって食べる
・アロマを焚いてリラックスする
・好きな人と楽しく会話
・瞑想
・好きな音楽を聴く

五感を満たすのがコツ。自分なりのストレス解消法を見つけてくださいね。

うつ病が原因の場合

うつ病が原因の場合、専門医の指示に従って治すことが大事です。

うつ病が治らないと、早朝覚醒も治りにくいためだからです。

うつ病になりやすい人の特徴としては以下の通りです。

・真面目
・何事も手を抜けない
・完璧主義
・仕事熱心

上記のようにうつ病の人の特徴の一つに、頑張りすぎる点があります。

頑張ることはいいことなので、オンとオフの切り替えをうまくできるといいですね。


早朝覚醒とは

早朝覚醒とは、不眠症のうちの一つです。

起床予定の時間より2時間以上も前に目が覚めてしまい、以後寝付けなくなるため早朝覚醒といわれます。

早朝覚醒の患者さんには、高齢者やうつ病の患者さんが多くみられるのが特徴。

早朝覚醒には一過性のものと、長期間続く神経性不眠があります。それぞれ解説します。

一過性の早朝覚醒

一過性の早朝覚醒とは一時的に発生するもののこと。

一時的なものであるため、不安に思わなくていい場合が多いです。

例えば遠足や好きな人とのデートの前夜、身近な人の死、旅先での慣れない生活などによって、発症するケースがあります。

比較的多くの人が経験しているものの、長期にわたって続くようであれば、専門機関に相談するのもいいでしょう。

神経性不眠

神経症不眠とは、精神的な緊張や不安によって引き起こされるものです。

本来であれば一過性で終わるはずが、何らかの理由で不眠が続いてしまったという場合もあります。

不眠が週に3日以上、3ヶ月以上続くようなら慢性不眠症の可能性があります。

よってご自身で判断せずに、専門機関を受診するといいでしょう。

早朝覚醒以外の不眠症

起きれない人

早朝覚醒以外で不眠症に分類されるのは、以下の3点。

・入眠障害
・中途覚醒
・熟眠障害

色々な調査によって、日本人の五人に一人が不眠に悩んでいると判明しつつあります。

不眠症と一言で言っても、症状は多岐に渡ります。
不眠症を正しく知ると、適切な対策を取ることができるでしょう。これから詳しく紹介します。

入眠障害

入眠障害とは、寝つきが悪く眠るまでに時間がかかることを言います。

一般に、眠りに入るまでに30分以上かかる場合が該当。

また眠りに入るまでに数時間かかるケースもあります。

なかなか寝付けないからと言って焦ったり不安に思ったりすると、より寝つきが悪くなりやすいと言われます。

中途覚醒

一旦眠れるものの、夜中に目が覚めやすいのが中途覚醒。

夜中に目が覚めると、深い眠りに入らないまま朝を迎えやすいため、日中ぼーっとしがちです。

熟眠障害

一旦眠れるものの、眠りが浅いために熟睡感を得にくいのが熟眠障害。 

睡眠時間は十分にあるものの、しっかりと寝た感じがしないのが特徴です。


不眠症の治療に薬は効果的か

現在、不眠症治療に最も多く用いられているのが、睡眠薬によるものです。

睡眠薬の品質が向上したことにより、安全に飲み続けられるようになったためだからです。

睡眠薬に悪いイメージを持っている人もいるでしょうが、最近では心配する必要がなくなりつつあります。

睡眠薬の効果としては以下の通り。

・脳の抑制系の働きを促進させる
・脳内の睡眠ホルモンの働きを促進させる
・脳の覚醒系の働きを抑える

睡眠薬を処方してもらえるのは専門機関のみですから注意してください。

ドラッグストアで販売されているのは、睡眠改善薬です。

不眠症は病気ですから、受診する場合は不眠症外来のある病院や専門医のいる病院へ行くといいでしょう。

具体的には下記の通り。

・内科
・心療内科
・神経内科
・精神科

まとめ

 

早朝覚醒の原因と対処法について解説してきました。

早朝覚醒の原因としては生活習慣やストレスなので、ある程度予防できます。

しかし高齢の方の場合、加齢が原因のケースもあるので、気にしすぎないことも重要。

早朝覚醒の対処法は、規則正しい生活や食生活を整えることです。

睡眠だけでなく、生活全体に良い影響を及ぼすでしょう。

早朝覚醒は不眠症の一部であり病気です。

よって、生活を改善しても症状が緩和しない場合、専門機関に相談することも大事。

少しでも症状が緩和することを祈ります。

 

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