理想的な睡眠効率をご存じですか?
「理想の睡眠を手に入れたい」
「睡眠効率を高めたい」
「睡眠の質が低くて困っている」
そんなお悩みをお持ちの方々のために、理想的な睡眠効率と睡眠の質を高めるために日々できることについて解説します。
睡眠効率を高めることは、人生の質を向上させることにつながります。
記事をとおして睡眠効率や睡眠の質を高める方法についてご理解いただくことで、理想的な睡眠の質を手に入れることができるでしょう。
睡眠効率
理想的な睡眠効率を知るには、睡眠に必要な時間について押さえておく必要があります。
まずは、睡眠と時間の関係から最適な睡眠時間とはどれくらいなのかを解説していきます。
最適な睡眠時間
最適な睡眠時間は個人差があるため、何時間寝れば良いという明確な時間は定義されていません。
年齢、性別、体調、季節との相性など人によって条件が異なるためです。
しかし、最適な睡眠時間が分からないのは困るので、判断となる参考目安を紹介します。
最適な睡眠時間を判断する目安は、日中に眠気がなくしっかりと意識を保って活動ができているかです。
日頃から日中の活動時に眠気があったりすると、睡眠時間も足りていなければ睡眠効率も低下しているかもしれません。
睡眠効率とは
ベッドに入っている時間と睡眠の時間を比率であらわしたものを睡眠効率といいます。
寝付きが悪いから8時間の睡眠を確保しようと10時間ベッドにいた場合、睡眠効率は80%となります。
ベッドにいる時間のなかで、睡眠が占める割合を数値化したものが睡眠効率というわけです。
理想的な睡眠効率
一般的に理想的な睡眠効率として、80%以上が最適といわれています。
この数値よりも低くなると睡眠の質が悪く、高くなると睡眠の質が良いと判断できるわけです。
すなわち、睡眠効率は睡眠の質を把握する指標として使用すると良いでしょう。
睡眠の質を決める要素
睡眠の質を決める要素には、主に以下の3つがあります。
- 年齢
- 季節
- 体質
1つずつ解説していきます。
年齢
年齢に伴って睡眠の質も変化していきます。
その代表的な例が睡眠時間です。
年齢別の自然に眠れるとされる睡眠時間は、以下のとおりです。
年代 | 10歳未満 | 10代 | 20~30代 | 40~50代 | 60代以上 |
睡眠時間 | 8~9時間 | 8時間 | 7時間 | 6時間半 | 6時間 |
歳をとると睡眠時間が短くなる傾向にあります。
理由は、老化によってホルモン調整など体の機能が年々変化してくるためです
成人の場合は、平均してみても約7時間前後の睡眠時間が最適な時間といえるでしょう。
また、老化が進むと睡眠時間の減少に合わせて睡眠の質も低下する傾向にあります。
歳をとると眠りが浅くなってきたと感じている方は、誰にでも共通して起こる自然現象という認識を持っておきましょう。
季節
季節によって、1日の日照時間は変わってくるものです。
人の体内リズムも、日照時間と深く関係していることが分かっています。
冬になると暗い時間が長くなるため、これに合わせて睡眠時間も長くなる傾向に。
逆に夏は、暗い時間が短いため睡眠時間が短くなる傾向にあるでしょう。
体質
睡眠の質は、体質によっても変わってきます。
もともと持ち合わせている遺伝子によって、朝型か夜型に分かれていることも明らかとされています。
加齢による体内の細胞変化も進行していくため、体質、年齢によって睡眠の質は常に変化していくものと認識しておきましょう。
体質次第で、長時間の睡眠が必要な人や短時間の睡眠で足りる人など違いが出てくるというわけです。
理想的な睡眠を叶える条件
理想的な睡眠を得るには、つぎの5つのポイントを意識します。
- 時間
- 質
- まとまった時間
- バランス
- 熟睡感
1つずつ解説していきます。
時間
理想的な睡眠を叶えるための睡眠時間は、先ほどもご紹介したとおり平均して7時間前後が理想とされています。
この時間を逸脱しすぎると、さまざまな疾病を引き起こす原因にもなりかねません。
年齢に応じて多少前後するのは仕方ありませんが、無理して短く済ませたり長く寝すぎると理想的な睡眠とはかけ離れてしまいます。
質
睡眠の質が高いことは理想の睡眠を叶える条件の重要な項目です。
睡眠の質を把握するには、以下の指標を参考にしましょう。
- 中途覚醒がないか
- すぐに眠りに入れているか
- 起床時に眠気がなくすっきりしているか
- 夕方頃に眠気が起こらないか
この指標を全て満たしていれば、睡眠の質に問題はありません。
全てに該当するようなら、あとに紹介する改善法を取り入れて睡眠の質を高めていきましょう。
まとめた睡眠
高齢になってくるとホルモン分泌量や細胞の変化などにより睡眠が浅くなりがちで、夜中に何度も覚醒したりするようになります。
睡眠に覚醒を挟みながら寝ることを分割睡眠といいます。
分割睡眠は高齢者にとっては問題ない自然な現象なのですが、若い世代でこの現象が起こっていると危険信号。
年齢が若い時期は、細胞の活動やホルモン分泌も活発なため睡眠の質が高い傾向にあるからです。
若いのに分割睡眠となっているという方は、深い睡眠が取れていない可能性が高いといえるでしょう。
バランス
睡眠周期のバランスも理想的な睡眠には重要です。
基本的な睡眠周期は1周期約90分。
睡眠のメカニズムは、1周期中にノンレム睡眠とレム睡眠が交互にあらわれるようになっています。
ノンレム睡眠とレム睡眠のバランスが睡眠の質を決める重要なポイントになってきます。
理想のバランスは、90分の間にノンレム睡眠が約60分前後に対し、レム睡眠が約30分前後。
年齢や個人差によって多少変わってきますが、はじめに訪れるノンレム睡眠がレム睡眠の2倍以上確保できていれば問題ありません。
熟睡感
睡眠の質を判断する基準として意識するのが熟睡感。
熟睡感は、起きたときに熟睡した感覚を覚えることができたかで判断します。
熟睡感を感じるための指標については、睡眠の質で紹介した判断指標と基本的には同じ内容で判断すると良いでしょう。
睡眠の質を高めると得られる恩恵
睡眠の質を高めると多くの恩恵が得られます。
具体的には以下の6つです。
- 疲労除去
- 精神的ストレス緩和
- 脳機能改善
- 耐久性向上
- 病気予防
- アンチエイジング効果
1つずつ解説していきます。
疲労除去
まず1つ目に得られる恩恵は、疲労の除去です。
睡眠中は細胞の修復が行われるため、疲労が取り除かれ日中に溜まった疲れが解消されます。
この疲労回復効果は睡眠の質が良くなるほど効果も高いです。
精神的ストレス緩和
睡眠の役割として、記憶の整理があります。
起きている間に得た情報を定着させたり、消去しながら整理が進んでいきます。
その過程において、嫌な記憶等も不要な情報として削除されるため、精神的なストレス緩和へとつながっていくわけです。
脳機能向上
睡眠により記憶の整理が行われると、そこで重要と判断された記憶は定着。
記憶する領域が増え翌日に記憶できる量を増やすことにつながっていくわけです。
つまり、質の高い睡眠による脳機能向上の恩恵が得られます。
耐久性向上
細胞の修復が進むことで体内のウイルス等に対抗する力、すなわち免疫力の向上が見込めます。
質の高い睡眠により細胞修復が促進され、外部からの細菌に抵抗できる耐久性が培われるといえるでしょう。
病気予防
睡眠時間が不足してくると体内の免疫力が低下し、病気にかかりやすくなってしまうでしょう。
睡眠が足りていないと体内リズムが乱れはじめ、ひいては生活習慣の乱れにもつながっていきます。
すると、生活習慣病にもかかりやすくなってしまいます。
アンチエイジング効果
睡眠には、成長ホルモンを分泌する効果があります。
成長ホルモンは細胞の修復を担っているので、古い皮膚や細胞を修復してくれるでしょう。
細胞修復により、老化の進行を遅らせたり肌を若返らせたりとアンチエイジング面で期待できます。
睡眠の質を高めると老化を防止し、若々しい肌を手に入れることができるというわけです。
質の高い睡眠のためにできること
質の高い睡眠を得るためにできることを7つ紹介します。
- 食生活の改善
- 生活リズムの見直し
- 入浴
- 運動の取り入れ
- 刺激物を避ける
- ブルーライト対策
- 鼻呼吸
1つずつ解説していきます。
食生活の改善
食生活の改善は、睡眠の質に大きな影響をもたらします。
具体的には1日3食を心がけること。
朝から食事により1日のエネルギー摂取をすることで、しっかりとした覚醒効果が見込めます。
昼と夜にメリハリが生まれ、入眠がスムーズになり質の良い睡眠がとれるというわけです。
栄養のバランスも大事で、朝食には脳のエネルギー源となる炭水化物を摂るようにします。
夕食には、睡眠ホルモンの元になるタンパク質を摂ると良いでしょう。
生活リズム
俗にいう生活リズムの規則化です。
ポイントとなるのは、起床時間を一定させること。
寝る時間も合わせた方が良いですが、なかなか難しいものです。
そんな時は、起床時間だけでも一定にして毎日決まった時間に起きるようにしてみましょう。
起床時間を決めることで、生活リズムが整い睡眠の質が高まります。
コツは、二度寝をしないことです。
入浴
入浴の方法も意識すると睡眠の質を高めることができます。
最も効果的な方法は、寝る時間の2時間前までに入浴すること。
お湯の温度はぬるま湯に設定し、30分以上の入浴が良いとされています。
じっくり時間をかけて体温を上げていくことで、入眠時に体内温度を下げる効果が向上。
入眠時に体温が下がると寝付きも良くなるため、質の良い睡眠へとつながっていくというわけです。
また、入浴にはリラックス効果も期待でき、一石二鳥の恩恵が得られるでしょう。
運動
運動やストレッチも、質の良い睡眠に効果を発揮してくれます。
運動には血流改善と適度な疲労感を得る効果があります。
特にストレッチは入浴後に血流が良くなっている状態で行うのが良いとされています。
全身の筋肉が十分にほぐされることで心身もリラックス、睡眠時に必要な副交感神経が
優位に働きはじめる効果が期待できるでしょう。
刺激物を避ける
アルコールやカフェインには脳を一定の間、興奮状態にする作用があります。
この作用により睡眠が浅くなるため、中途覚醒のリスクを高めます。
質の高い睡眠を目指す上で、刺激物などの飲用は無縁。
寝る前のアルコールやカフェインなどの刺激物は控えましょう。
ブルーライト対策
ブルーライトには、睡眠ホルモンの分泌を抑える作用があります。
寝る前にPCやスマホを見続けていると、脳内で入眠モードへの切り替えが行われなくなります。
いつまでも眠気がおとずれることがないため、寝付きが悪くなる原因に。
寝る1時間前までにはスマホやPCの使用は控えましょう。
鼻呼吸
睡眠の質が低下している原因に、満足な呼吸がされず十分な酸素が得られないことがあげられます。
いわゆる睡眠時無呼吸症候群です。
睡眠時にこの状態が続くと、浅い眠りとなってしまうでしょう。
対策として有効なのが、鼻呼吸というわけです。
やり方は口にテープをして鼻のみでしか呼吸できない状況を作るか、鼻孔を広げるテープを使用する等の方法があります。
音楽
音楽には、気分を落ち着かせる効果があります。
とくに自然音は効果が高く、脳をリラックスさせ副交感神経を優位にしてくれるでしょう。
音楽の効果を高めるコツは、聴いたときに心が落ち着くこと。
人によって感じ方は異なります。
自分が最も心地良いと感じる音源を活用し、睡眠の質を高めていきましょう。
短い睡眠の効果を高める方法
ここまで睡眠の質を高める方法を解説してきましたが、事情によって夜にまとまった睡眠時間が確保できないという方もいます。
そこで、短い時間でも睡眠の効果を得る方法について解説していきます。
日中の仮眠
夜の睡眠が足りなくて、日中の眠気がとれないというときは思い切って仮眠をしましょう。
目安は、15分から30分程度。
どうしても眠くて仕事にならないという時は、短時間の仮眠により頭をスッキリさせると昼からの生産性が高まります。
睡眠を分割
睡眠を分割するのは推奨されませんが、不眠状態が続いてしまい日常生活に支障が出るレベルでつらいときは睡眠を分割するのも1つの手段として有効です。
子育て中は、夜中でも起きることが多いもの。
睡眠負債をため込んでしまう前に、日中3時間など短い時間でも確保できそうなら睡眠に充てた方が良いでしょう。
まとめ
この記事では、理想的な睡眠効率と質の高い睡眠のためにできることについて解説してきました。
睡眠効率を高めるためには、睡眠の質を高めてベッド滞在時間と睡眠時間を近付けることがポイントです。
全ての人の生活リズムや生活事情は違うもの。
紹介した対処法をためしてみて、自分に合った対処法を見つけてみてください。
理想の睡眠効率を求めていくことは、人生の充実度にも直結します。
この機会に睡眠の質について深く見つめなおし、これからの人生をストレスのない楽しいものへと変えていきましょう。