寝過ぎが気になったことはありますか。
寝不足は対処するけど寝過ぎって、ゆっくり休めていいことなんじゃないの?と思っていませんか。
実は寝過ぎは、場合によっては寝不足以上に深刻な問題を引き起こすこともあります。
そこで今回は
- 寝過ぎって体に悪いの?
- 寝過ぎってストレスからくるの?
- 寝過ぎの原因は?
- 寝過ぎが続くと体はどうなるの?
- 快眠のためにはどうすればいいの?
こんな悩みをお持ちのあなたにぴったりの記事です。
ぜひ最後までじっくり読んでもらって、質の良い睡眠と健康的な生活を手に入れましょう。
寝過ぎってどういう状態?
そもそも寝過ぎとは。
- 本来起きているべき時間に強い眠気がきて居眠りをしてしまう
- 夜の睡眠時間が長くなっている状態
こういった状態のことをさします。
心あたりはありませんか。
参考に厚生労働省発表の「健康づくりのための睡眠指針」によりますと、6~8時間が標準的な睡眠時間とされています。
夜中しっかり眠れているのに昼間も眠い。
昔にくらべて眠っている時間が長くなった。
こんな症状のあるあなたは、いちどこの記事をしっかり読んで寝過ぎかどうかを確認してみましょう。
寝過ぎかどうかチェック
自分自身が寝過ぎかどうかチェックしてみましょう。下の項目に当てはまるものはありますか。
- 夜しっかり寝ていても朝起きられない
- 夜しっかり寝ていても日中に寝てしまうことが多い
- 人が多かったり雑音が多い環境でも寝てしまう
- 車や電車に乗ると寝てしまう
- 人と話していても眠くなる
どうでしょうか。当てはまる項目が多いほど、寝過ぎの可能性が高いです。
ストレスが原因で寝過ぎになるの?
ストレスが原因で寝過ぎになることは十分に考えられます。
そのメカニズムを説明しますね。
まずストレスを感じると、いろいろな症状が体に出ます。
その中で寝過ぎに関わるのが「眠りの質の悪化」「自立神経の乱れ」など。
眠りの質が悪化すると、しっかり寝たはずなのに眠く感じて、結果寝過ぎにつながります。
同じように自律神経の乱れが生じると、睡眠すべき時間と起きているべき時間に乱れが生じて、寝過ぎになってしまうのです。
自律神経は自分の意志とは関係なく動くので、活動的な交感神経とリラックス時の副交感神経が乱れてしまうのですね。
ストレス以外の寝過ぎの原因は?
ストレスが寝過ぎにつながることはわかったけど、ストレスには心あたりがないあなた。
じゃあ自分の寝過ぎの原因は何?と疑問に感じたと思います。
寝過ぎには、ストレス以外にも様々な原因が考えられます。
それらを紹介しますね。
睡眠負債がたまっている
睡眠負債とは睡眠不足の状態がつづき、それが蓄積されて心身に影響が出ている状態のことです。
一時的な睡眠不足とは違って、慢性的に寝不足を感じている人は注意しましょう。
この睡眠負債は、休日に寝だめするなどのその場しのぎの対処ではなかなか解消できません。
ほうっておくと寝過ぎ以外にも、免疫力の低下や抗うつ状態など、様々な不調を引き起こします。
食生活の乱れ
食生活はあなたの睡眠の質に大きく影響しています。
たとえば覚醒作用のあるカフェインやアルコール。
あなたの睡眠を阻害するものを摂取していませんか。
また消化に時間のかかるものをたくさん食べたり、就寝前にたくさん食べたりしていませんか。
睡眠時であっても消化活動は優先されるので、快眠のためにも食事の内容と時間には気をつけましょう。
体がつかれている
体に疲れがたまっている状態だと、寝ても寝ても疲れが取れず、睡眠時間は自然と長くなります。
それでも通常であればある程度睡眠をとることで疲れは回復します。
その日の疲れはその日のうちに回復できるように、質の良い睡眠を心がけましょう。
ロングスリーパー
生まれ持った体質でロングスリーパーというものがあります。
一般的には、1日に10時間以上寝る人のことをいいます。
これは体質なので、病気などとは関係がありません。
寝過ぎとロングスリーパーの違いは、ロングスリーパーの場合は日中眠くなりません。
女性ホルモンの影響
女性の方は女性ホルモンによって眠気がきている場合もあります。
とくに妊娠中や生理前に多く分泌される「プロゲステロン」というホルモン。
この女性ホルモンの影響によって眠気を感じます。
このホルモンは体に「休ませてあげよう」という働きをしてくれているので、眠くても病気ではありません。
過眠症
過眠症は睡眠をつかさどる脳の働きに異常が出ている状態です。
日中にも強い眠気を感じるのが特徴のひとつ。
また過眠症は3つのタイプにわかれます。
過眠症の種類 | 特徴 |
ナルコレプシー | ・突然眠くなる ・夜しっかり寝ていても日中眠い ・金縛りにあうことがある ・よく居眠りしてしまう |
特発性過眠症 | ・強い眠気がおそう ・日中も居眠り程度ではなくがっつり寝てしまう ・金縛りの症状はない |
反復性過眠症 | ・過眠期(1日20時間近く寝る)と正常な睡眠期間をくり返す ・過眠期は数日〜数週間つづく ・過眠期は不定期に訪れる ・1日中眠ることもある |
当てはまる症状はありましたか。
ほかの病気の症状としての寝過ぎ
一時的に睡眠不足で寝過ぎてしまう場合にはそれほど心配する必要はありません。
しかしあまりにも寝過ぎの症状がひどいようであれば、ほかの病気の症状として寝過ぎが出ている場合もあるので注意が必要です。
二次性過眠症とも呼ばれるこの症状の場合は、原因となる病気を取り除きましょう。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは寝ている間に一時的に(10秒以上)呼吸が止まる病気です。
酸欠状態になって目覚めてしまうため、しっかりと眠ることができません。
その結果、寝たり起きたりをくり返すことで慢性的な睡眠不足となり、日中に眠くなってしまいます。
睡眠時無呼吸症候群は自覚しにくく、放置するとほかの症状にもつながる怖い病気。
肥満傾向の人が発症しやすいです。
うつ病
うつ病の症状のある人は、1日中眠ってしまうこともよくあります。
なぜなら「つらい」と感じる出来事から逃げるために眠るというのは、うつ病における逃避パターンの1つだからです。
「寝逃げ」とも言われており人間に備わっている防衛本能でもあるので、うつ病により寝過ぎることは必ずしも悪いこととは言えません。
心身回復のためのひとつの手段ということですね。
慢性疲労症候群
慢性疲労症候群は、体を動かすのがつらいほどの疲れが6か月以上続き、日常生活にも支障をきたす病気です。
風邪に似た症状や微熱がいつまでも続くようなら、いちど疑ってみてもいいかもしれません。
全身の検査をいくらしても異常が見つからないときに診断されることが多いこの病気。
自律神経が乱れることから、朝起きられない、日中に極度の眠気におそわれるといった寝過ぎの症状も見られる病気です。
原因はいまだ不明で、治療方法は薬物療法が一般的です。
むずむず脚(レストレスレッグ)症候群
聞きなれない名前ですが、その名の通り足がむずむずするという不快感がおそってくる病気です。
とくに横になっているときやじっとしているときに現れる症状なので、なかなか眠れず不眠につながります。
そうなると日中うとうとしてしまいますよね。
脳内の神経系の異常や貧血によって引き起こされるので、早めに医療機関に相談しましょう。
寝過ぎによる症状
寝過ぎの原因はわかりましたか。
ストレス以外にもいろいろありましたが、思い当たる原因はありましたか。
ここからは寝過ぎによる症状を解説していきます。
体重の増加
寝過ぎの場合、将来的に体重が増えやすい傾向にあることが疫学調査によってわかっています。
原因として、寝過ぎることで
- 運動不足になる
- カロリー消費の減少
こういったことが考えられます。
記憶や思考力の低下
睡眠時間と認知機能に関する研究でテストを行い、結果が良かった順に
- 7時間睡眠グループ
- 6時間睡眠グループ
- 6時間未満または8時間以上睡眠グループ
という発表がありました。
この研究からもわかるように、寝不足でも寝過ぎでも脳はダメージを受けます。
筋肉痛
いくら自分に合った寝具を使っていても、長時間同じ体勢でいることは体に大きく影響します。
筋肉が血行不良になることで、痛みが生じるのです。
肩や腰、背中が筋肉痛になるほど寝過ぎてしまわないように注意しましょう。
心臓や血管の病気の発症率の増加
9時間以上の睡眠をとっている人は、適切な睡眠時間の人にくらべて心臓や血管の病気にかかるリスクが高くなります。
心筋梗塞や狭心症、虚血性心疾患や高血圧まで、多くの病気での死亡リスクが上がってしまいます。
ひとつ、睡眠時間と心臓発作に関するおそろしい研究結果を紹介しますね。
コロラド大学ボルダー校で統合生理学を研究しているセリーヌ・ベッター氏らの研究チームによると
- 睡眠時間が6時間未満の人は、睡眠時間が6~9時間の人に比べて20%心臓発作リスクが高い
- 睡眠時間が9時間より多い人は、睡眠時間が6~9時間の人に比べて34%心臓発作リスクが高い
こういったことがわかりました。
寝不足よりも寝過ぎの方が、リスクは高いようです。
快眠のために
ストレスによる寝過ぎの原因や症状がわかったところで、それらを解消して快眠につなげましょう。
寝過ぎだけでなく寝不足の人にも気を付けてほしい、快眠のための習慣を紹介します。
睡眠負債を解消する
一時的ではなく慢性的な睡眠不足。
4時間睡眠が1週間続くと、徹夜明けと同じくらいのパフォーマンス低下につながるとも言われています。
さまざまな不調にもつながる睡眠負債、軽く考えないでくださいね。
解消方法としては
- 枕やマットレスなど睡眠環境の見直し
- 就寝前はリラックスできる環境をつくる
- 朝日を浴びて体内時計を調整する
など日々の習慣に取り入れてみましょう。
正しい食生活をこころがける
快眠のための正しい食生活で意識してほしいのは、食べる内容と食べる時間です。
まず内容。前述したように、睡眠中であっても消化活動は優先されます。
なので晩ごはんは、できるだけ消化によい胃腸に負担をかけない物を食べましょう。
そして食事は就寝の3時間前までに終わらせるのが理想です。
リラックスできる時間をつくる
就寝前はとくに、心身ともにリラックスできるように心がけましょう。
あたたかい飲み物を飲んだり軽くストレッチをしたり。
アロマのパワーもリラックスするのにとても効果的です。
あなたの就寝前に取り入れられそうなリラックス方法を見つけて下さいね。
お風呂の時間と温度に気をつける
就寝前に入浴する人も多いでしょう。
シャワーでなくお風呂にゆっくり浸かることは、気持ちよい就寝につながります。
ここで注意してほしいのが、お風呂の時間と温度。
暑すぎるお風呂に入ってしまうと、リラックスできず反対に興奮状態になってしまいます。
理想的なお風呂の温度は40℃ていど。
就寝の1~2時間前に入りましょう。
スマホやパソコンに気をつける
就寝前にスマホやパソコンを使いすぎていませんか。
画面から出るブルーライトのせいで、脳が「今は昼間」と錯覚してしまうのです。
そうなるとなかなか寝付けません。
理想は就寝の2時間前からスマホ、パソコンは見ずに、就寝時には電源を切っておくことです。
どうしても見る必要がある場合には
- 画面の明るさを暗めに設定する
- ブルーライトをカットするめがねやフィルターを使う
こんな対策も効果があります。
軽い運動習慣をつける
就寝の2~3時間前に定期的に軽い運動を心がけましょう。
この時間に1時間ていどのストレッチなどを行うことで、寝つきや熟睡感の向上、日中に眠気が起きにくいことが確認されています。
とくに高齢者や、普段から睡眠に問題を抱えている人には効果が高い方法です。
寝過ぎとストレスの関係まとめ
寝過ぎとストレスの関係でした。
まとめると
- ストレスが原因で寝過ぎになることはある
- ストレス以外にも寝過ぎにはさまざまな原因が考えられる
- 寝不足でも寝過ぎでも体にはよくない
- 日常生活を見直して快適な睡眠ライフを手に入れよう
こんな内容でした。
寝不足が問題なりがちですが、実はほっとくと危険な寝過ぎ問題。
適切に対処、予防して、質の良い睡眠を取れるようにしましょう。