早起きをしたいけど、なかなかできないと悩んでいませんか。しかし、ちょっとしたコツを実践することで、早起きが今までよりも容易になります。また、早起きのためには睡眠の質をよくすることも大切。
そこでこの記事では、早起きに効果的な方法5つと睡眠の質を高めるための食生活、生活習慣、睡眠環境の改善のポイントを紹介していきます。早起きをしたいという人は、ぜひ参考にしてください。
早起きに効果的な方法5選
毎日しっかりと早起きをするためには、事前に準備をしておかなければなりません。ここでは早起きに効果的な方法を5つ紹介していきます。
簡単なものばかりですので、すべてを実践するという気持ちでやってみてください。
夜はなるべく早い睡眠
早起きをする上では、夜はなるべく早い時間帯に睡眠をすることが基本中の基本です。
NHK放送文化研究所が2020年に調査した結果によると、日本人の睡眠時間の平均は7時間12分でした。もしこの睡眠時間を十分に寝たという時間だと仮定した場合、午前6時に起きるのであれば午後11時前には寝ていなければなりません。
ただし、実際に眠りに落ちるまでには時間がかかります。そのため、目安よりももう少し早くベッドに入っておく必要があるでしょう。
なお、睡眠にはサイクルがあり、約90分で深い眠りと浅い眠りを繰り返しているといわれています。そして十分な睡眠を取るためには4~5回繰り返す必要があります。深い眠りと浅い眠りはそれぞれ役割が違うので、4~5回の周期を繰り返すことで心身の疲労の回復が期待できます。
つまり、朝スッキリと起きるためには、6~8時間の睡眠が欠かせません。6時に起きるという人なら、可能であれば22時を寝室に入る目標タイムに設定してみてはいかがでしょうか。
休日も普段と変わらない時間の起床
1週間を通して基本的に起床時間を同じにすることは、スッキリと早起きするのに大切なポイントです。
休日は平日の疲れを癒すために、遅くまで寝ているという人も多いでしょう。しかし、休日の寝だめは、疲れを癒して早起きをしやすくするどころか、早起きを難しくする原因の1つです。
その理由は、人間の体には体内時計がありますが、遅くまで寝ることで体のリズムが狂ってしまうため。人間が朝起きて太陽の光を浴びると、セロトニンという神経伝達物質が分泌され、体内時計がリセットされます。すると14~16時間後にメラトニンという睡眠ホルモンが分泌され、スムーズに睡眠に入れるようになっています。
もし、朝起きるのが遅くなると眠たくなる時間も遅くなってしまうので、早起きを難しくしてしまうでしょう。つまり、生活のリズムを一定にすることが、早起きをスムーズにする方法です。休日だからといって寝だめをせず、あまり変わらない時間に起きるようにしましょう。
目覚ましの工夫
朝の早起きを習慣にしたいという人は、目覚ましに工夫をするのがおすすめです。
たとえば、今すぐできる工夫としては、スマホのアラームを複数回セットして何度も鳴るようにしておくとよいでしょう。二度寝してしまっても何度もアラームが鳴るので、早起きがしやすくなります。
あるいは設定した時間になると、ロボットが大きな音とともに走り回るような目覚まし時計もあります。このアラームの特徴は、音を止めるためには布団から出て必ず起きなければなりません。そのため、強制的に起きるのに効果的です。
他にも、スマホとカーテンが連動していて、朝になると自動でカーテンが開くようなものもあります。これなら朝太陽の光が差し込んで部屋が明るくなるので、自然に目覚められるでしょう。
目覚ましにはいろいろなタイプのものがあるので、自分に合ったものを探してみてはいかがでしょうか。よいものが見つかれば、早起きがしやすくなります。
人を巻き込む
早起きをしたいなら、人を巻き込むとよいでしょう。
たとえば、早起きをする仲間を作るのがおすすめです。1人では難しいことでも、仲間と一緒に早起きをするようにすれば起きやすくなります。もし、別々に住んでいるのであれば、スマホで電話をすることでお互いに起きられるでしょう。
また、「早起きをする」と誰かに宣言をするのも効果的です。一方的であっても誰かに宣言をした以上、自分にプレッシャーがかかります。自分がした約束を守りたいという心理が働くので、起きやすくなるでしょう。
早起きの目的化
早起きをする理由を明確にすることも、早起きには有効です。
たとえば、「資格試験の勉強のために早起きをする」「ダイエットのために、早起きをしてジョギングする」など。早起きをすることがゴールではなく、起きた後に本当の目的を持ってくることで眠気の誘惑に勝ちやすくなります。
何より目的を持つことで、早起きすることで得られるメリットがハッキリと認識できます。するとモチベーションアップにもつながるので、より早起きが持続しやすくなるでしょう。
なお、目的がどうしても作れないという人は、朝に趣味の時間を作るのがおすすめです。充実した気持ちで朝のスタートを切れるようになるので、早起きを楽しい習慣に変えられます。
早起きは睡眠の質が鍵
前章では早起きのテクニックについて紹介してきましたが、早起きを続けるためには質のよい睡眠が欠かせません。
十分すぎるくらい長い睡眠を取ったとしても、睡眠の質が低いと脳や体に疲れが残ってしまいます。すると、強い睡魔によって気持ちよく起きられないので、早起きは続けられないでしょう。そのため、早起きのテクニックを実践するとともに、睡眠の質を高める術を身につけることも必要です。
早起きをしやすくする術とは、大きく「食生活」「生活習慣」「就寝環境」の3つからアプローチできます。次の章からは、それぞれの方法について紹介していくので参考にしてください。
早起きをするために有効な食生活
一見睡眠と食生活には関係がなさそうですが、質の高い睡眠を取るためには食生活の見直しが必要な場合があります。
ここでは早起きに有効な食生活について紹介していきます。
夕食は就寝の3時間前までに完了
睡眠と食事で関係が深いのが、夕食。実は夕食を食べる時間帯によっては、睡眠の質を低下させてしまいます。
結論からいって、睡眠の質を高めるためには夕食は就寝の3時間前までには完了させておかなければなりません。その理由は、胃が食べ物を消化させるのには3時間程度かかるため。
もし、就寝の1時間前に食事をしたとすると、寝ようとしても胃腸が活発に動いているのでなかなか寝つけなくなります。また、仮に寝つけたとしても、胃腸が動いていては眠りが浅くなってしまうでしょう。
どうしても夕食が遅くなってしまう場合は、バナナやヨーグルト、栄養補助食品など軽めのものを選んで食べるようにしてください。また、夕食は腹8分目など、満腹まで食べないことも重要です。夕食は脂っこいものを選んでしまいがちですが、睡眠の質を高めるのであれば消化のよいものを選ぶようにしましょう。
カフェインの摂取には注意
睡眠の質をよくするには、カフェインの摂取には特に注意が必要です。
睡眠の前にカフェインを摂取してはいけないことは誰でも知っているでしょう。しかし、カフェインを摂取してから効果がどれくらい持続するかまではあまり知られていません。
効果の感じ方には個人差がありますが、一般的に摂取してから30分から2時間で効果がピークになり、効果が半分になるまでに2~8時間程度かかります。つまり、カフェインに敏感な人の場合、夕方にカフェインを摂取してしまうと、睡眠の大きな妨げになってしまうでしょう。
敏感でなくても、カフェインの効果が残っていては質のよい睡眠は取れません。そのため、夕方以降はコーヒーはもちろん、紅茶や緑茶などカフェインを含んだものを口にしないようにしましょう。
就寝前は温かい飲み物の飲用
睡眠の質を高めるのにおすすめなのが、就寝前に温かい飲み物を飲むことです。
人間が眠気を覚えるのは、深部体温が下がっているときです。つまり、温かいものを就寝前に飲んでおくとお布団に入ってから体温が下がっていくので、スムーズに眠りやすくなるでしょう。
睡眠の状態は深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」の2種類あり、約90分で繰り返しています。この内最初のノンレム睡眠は入眠後すぐに訪れ、睡眠の満足度に大きな影響を与えます。
つまり、いかに気持ちよくスムーズに眠れるかが、質のよい睡眠を左右するといえるでしょう。そのため、質のよい睡眠を取るためにも、就寝前に体を温めて寝つきをよくするのがおすすめです。
早起きのために改善すべき生活習慣
人間の生活は毎日の習慣に大きな影響を受けています。そのため、生活を早起きに向いている習慣に改善するのが効果的。
ここでは早起きのために改善すべき生活習慣を紹介していきます。
就寝の3時間前の入浴
質のよい睡眠を取って早起きをしやすくするためには、就寝3時間前に入浴をするのがおすすめ。
眠気は体温が下がっていくときに訪れるので、入浴で体の深部をしっかりと温めておくと深い睡眠に入りやすくなります。
ポイントは、約40度の湯船に半身浴でゆっくりと浸かること。入浴をリラックスタイムにすることで、スムーズな睡眠の準備をします。反対に、熱いと感じるようなお湯に浸かるのは厳禁。強い刺激によって、活動期に活発になる交感神経を優位にしてしまいます。
適切に入浴できればリラックスできて体も温められるので、深い睡眠が取れて早起きがしやすくなるでしょう。
適度な運動
早起きを習慣化させるためには、適度な運動をする習慣が必要です。
運動をすると疲れてしまうので、遅くまで寝てしまうのではないかと心配してしまうかもしれません。しかし、適度な運動であれば、反対に朝を気持ちよく起きられるようになります。
その理由は、適度な運動をすると疲れが蓄積されるので、深い睡眠を取りやすくなるため。ノンレム睡眠時にしっかりと深い眠りが取れるので、朝の目覚めがよくなるという仕組みです。
運動をすると体が温まる作用があるので、運動も夕方くらいにするのがベスト。なお、刺激的な運動は交感神経が活発化してよくないので、筋トレやハードな運動は避けるようにしましょう。
朝一番のカーテンの開放
朝目が覚めた時に、一番にカーテンを開ける習慣は早起きを続けていくのに大切。
人間の体は太陽の光を浴びると体内時計がリセットされるようになっています。すると、自動的に14~16時間後に睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されるので、質のよい睡眠を取りやすくなります。
つまり、疲れをしっかりと回復できるので、朝の目覚めがスムーズになって早起きが容易にできるでしょう。
もちろん、朝日が目に入ってくれば脳が朝と認識するので、二度寝の予防にも効果的。朝目が覚めれば無意識にカーテンに手が伸びるようになれば、早起きも難なくできるようになるでしょう。
質の高い睡眠のための就寝環境
スムーズに入眠してスッキリと早起きするためには、就寝環境も見逃せません。
ここでは早起きをしやすくするための就寝環境の作り方を紹介していきます。
自分に合った寝具への買い替え
早起きができないと悩んでいる人は、自分に合った寝具かどうか考えてみてください。自分に合っていない寝具では、ぐっすりと眠れないので朝が起きられない可能性があります。
たとえば、マットレスが硬すぎたり柔らかすぎたりしては、睡眠中に体にストレスを与えてしまいます。枕も合っていないといびきの原因になるなど、眠りによくありません。
寝具は睡眠の質に直結するので、合わないと感じている人は買い替えを検討してください。自分に合ったものものに変われば、早起きがしやすくなるでしょう。
音楽の視聴
睡眠をするには静かな環境が必要です。しかし、真っ暗や無音の環境はかえって眠りにくいといわれています。
そこでおすすめなのが、風音や雨音のような不規則な音をわずかに流すこと。人間は何千年も自然の中で眠ってきたため、自然に近い音があると眠りにつきやすいといわれています。
また、クラシックのようにアルファ波を誘発するような音楽もおすすめです。アルファ波はリラックス状態のときにです脳波ですので、睡眠時に流すとよいでしょう。
なお、睡眠中でも耳からの情報は脳に刺激を与えます。そのため、音楽を流す場合はタイマーを設定しておくようにしましょう。
アロマオイルの利用
心を落ち着かせてよい睡眠を取るには、アロマオイルなどで嗅覚を刺激するのが効果的です。
その理由は、嗅覚は視覚や聴覚などと違って、自律神経を司る視床下部にダイレクトに情報が伝わるため。5感の中で最も本能的で原始的な感覚なので、心地よい香りを漂わせれば効果的にリラックスできます。
ただし、よい香りならどんな香りでもよいわけではありません。寝室に漂わせるのであれば、ラベンダーやサンダルウッドなどの香りがおすすめ。たった1滴でも十分に効果が得られるので、就寝時間が近づいたらアロマオイルを使ってみてください。
まとめ
早起きをするのに有効な方法は5つあり、目覚ましに取り入れることで容易にできるようになるでしょう。しかし、早起きをするには質のよい睡眠を取ることも欠かせません。
この記事では睡眠の質をよくする術についても紹介してきました。それぞれを実践してスムーズに早起きができるようになって、充実した毎日を勝ち取ってください。