睡眠ノウハウ

首が痛いのは枕のせいかも?安眠のための枕の選び方を解説

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「朝起きると首が痛い…」
「もしかして、この枕が自分に合っていないのだろうか?」
「首が痛くならないために、どのような枕を選べばよいかが知りたい」

この記事では、このようなお悩みにお応えします。

起きたときに首が痛いと、1日の始まりがすこし憂鬱な気分になってしまいますよね。そのあとの仕事や家事においても、ベストパフォーマンスを出しにくくなってしまうでしょう。

そこで、枕のせいで首が痛くなる原因や、枕の正しい使い方、選び方を解説しますので、参考にしてみてください。

 

1. 枕のせいで首が痛くなる理由

枕で寝る女性

起きたときに首が痛いなら、枕が原因になっている場合は少なくありません。その原因としては、合わない枕を使っていたり、間違った寝方をしていたり、さらには長年使っている枕であれば、へたってしまっている場合もあります。

そもそも枕の役割とは、寝ている間に頭の重みと首を支えること。成人の頭は、体重の約8〜10%の重さです。この重たい頭を枕で支えることができていないと、首から肩にかけての筋肉に大きな負担がかかり、痛んだり、こったりします。

この記事の監修者
睡眠健康指導士、建築物環境衛生管理技術者
佐々木崇志
東北大学大学院薬学研究科修了。修士(薬科学)、建築物環境衛生管理技術者。 修了後は臨床研修指定病院で医局秘書や学生担当として全国の医療を志す学生や医療従事者と携る。勤務していく中で睡眠に関する訴えが医療従事者にも多い事に気づき、自身も医療従事者や患者の助けにならないかと考えるようになり個人で活動を始める。現在は東北を活動の拠点として睡眠(体内時計・時計遺伝子)の研究の経験、資格の知識を生かしながら睡眠啓蒙活動を行なっている。

①合わない枕

人それぞれ、合う枕、合わない枕があります。自分に合わない枕の使用は、控えたほうがよいでしょう。

たとえば、低すぎる枕を使っていると、首が反った状態で寝てしまうことで、姿勢が崩れてしまいます。

また、高すぎる枕もよくないもの。高すぎる枕を使っていると、首筋の筋肉が引っ張られ、首や肩まで痛くなるばかりか、頸椎症やヘルニア、そして腰痛を引き起こすことがあります。また、高すぎる枕の上で頭の位置を調整しようとすると、枕が頭上にずれてしまうことも。さらに、気道が圧迫された状態のまま眠ることになるため、質の高い睡眠をとることができません。

②間違った枕の使い方

寝るときの姿勢には、仰向け寝、横向き寝、うつ伏せ寝などがありますが、どの寝方をする場合でも、「首まで枕に乗せる」ことがとても重要です。大きな負担のかかっている首を、枕で支えることができていないと、痛みを感じることは当然といえるでしょう。

③経年による枕のへたり

長年同じ枕を使っていると、購入当初は自分に合った高さの枕だったとしても、今は低すぎる枕になっている、というケースが考えられます。

枕の寿命は、素材によって異なりますが、長くて5年ほどと考えてよいでしょう。

  • <枕寿命1〜3年ほど>
    そばがら枕、ポリエステル(中綿)枕、ポリエチレンフレイク枕
  • <枕寿命2〜4年ほど>
    羽根枕、羽毛枕(ダウン)、テンピュール枕
  • <枕寿命3〜5年ほど>
    低反発ウレタン枕、高反発ウレタン枕、ポリエチレンパイプ枕

 

2. 首を支える、正しい枕の使い方

寝る女性

首が痛くならないためには、枕で首まで支えてあげることが重要です。そのため、仰向け寝と横向き寝なら枕を肩口にくっつけて、うつ伏せ寝なら胸まで枕に乗せると、首とマットレスの間にすき間がなくなるため、首に負担がかかりにくくなります。

①仰向け寝の場合

仰向けに寝る場合の正しい寝姿勢は、立ったときと同じような背骨のS字カーブが保てる姿勢です。そのためには、枕を肩口にくっつけて、後頭部から首筋にかけての全体が枕に乗るようにしましょう。このとき、枕を引きすぎて肩まで乗せてはいけません。こうすることで、首筋とマットレスの間にすき間がなくなるため、首に力を入れず、リラックスして寝ることができます。

また、左右に寝返りを打つことができるように、枕の真ん中で寝るようにしましょう。

②横向き寝の場合

最も首に負担がかからない寝姿勢は仰向け寝ですが、妊娠されている方など、横向きに寝たいという方もいらっしゃるでしょう。
横向きに寝る場合の正しい寝姿勢は、首の骨や背筋が床と平行にまっすぐを保てる姿勢です。仰向けのときと同様、枕を肩口にくっつけて寝るようにしましょう。仰向けのときよりは高さのある枕がフィットします。

また、左右に寝返りを打つための十分な幅をとるため、左向き寝の場合は枕の左端、右向き寝の場合は枕の右端で寝るようにしましょう。

③うつ伏せ寝の場合

うつ伏せ寝も首に負担がかかりやすい寝姿勢ですが、安心感のある体勢なので、うつ伏せでないと眠れないという方もいらっしゃるでしょう。

うつ伏せで寝る場合は、胸まで枕に乗せて、枕を抱えこむような姿勢で寝ると、負担が少なくなります。高さのある枕だと、首筋に不自然な角度がついてしまうため、柔らかい素材で低めの枕がおすすめです。

 

3. 枕の選び方

枕

自分に合った枕をみつけるためには、いくつか考慮すべきポイントがあります。なるべく、これから紹介するすべてのポイントを満たした枕を探してみてください。難しい場合は、「高さ」と「素材」を重視するとよいでしょう。

①高さ

枕で首を支えるためには、首とマットレスの間にすき間ができない高さのものを選ぶことが大切です。
体格によって、すき間の大きさが異なるため、体格の良い方は高さのある枕、痩せ型の方は低めの枕を選ぶとよいでしょう。

仰向けで寝る方は、背骨のS字カーブを保った理想的な寝姿勢になっているかを確認するためには、枕の上に寝た状態で、「視線が天井に対して垂直よりやや足側に向いているか」を確認してください。その状態になっていれば、あなたに合った高さの枕です。

横向き寝の場合はそれより高い枕、うつ伏せ寝の場合はそれより低い枕を選びましょう。

②素材

枕の素材はたくさんありますが、好みで選んで構いません。寝心地がよくて、リラックスできるものを選びましょう。枕の中身の素材に何を使っているかだけではなく、枕カバーの生地や、素材の含有量によっても、寝心地が異なります。実際に寝てみて、首が痛くならないかを確認しておくと安心です。

③枕の大きさ

枕には、シングル、セミダブル、ダブルと呼ばれる大きさの種類があります。

  • シングル…(横)約63cm×(縦)約43cm
  • セミダブル…(横)約70cm×(縦)約50cm
  • ダブル…(横)約120cm×(縦)約43cm

寝ている間は、左右に寝返りを打つことで、血液の循環をよくしたり、身体の歪みを整えたりする効果があります。そのため、左右に寝返りを打っても頭が落ちないように、自分の頭3つ分の横幅があるものを選ぶとよいでしょう。

④形状

枕にもさまざまな形のものがあります。中には、首の痛みを軽減することを目的に作られたものもあるため、試してみるのもよいかもしれません。

標準の形のもの以外の枕の一例として、以下のような形のものがあります。

  • 中央がくぼんでいて、頭がすっぽりおさまる形
  • 首を乗せる部分が高くなっていて、頭から首までを支えやすい形

このような形の枕を使うときも、標準の形のものと同じように、首とマットレスの間のすき間がなくなるよう、正しい使い方をしてくださいね。

 

4. 首が痛いそのほかの原因

痛みを感じる男性

枕があっていないと首が痛くなることがわかりました。
ただし、枕以外にも、日常生活にも首が痛くなる原因は潜んでいます。せっかく自分に合った枕を見つけても、日常生活で首に負担をかけては台無しですから、首が痛くなるさまざまな原因を知っておきましょう。

①猫背

前述したとおり、成人の頭は、体重の約8〜10%の重さがあるため、立っている間に頭を支えている首には大きな圧力がかかっています。ただでさえ大きな圧力がかかっているのですが、猫背になって背骨のS字カーブが崩れてしまうと、必要以上の圧力がかかってしまうため、首の痛みやこりに繋がってしまう、という仕組みです。

②肩こり

首と肩は繋がっていますよね。肩こりの原因となる、僧帽筋(そうぼうきん)という筋肉は、肩から背中にかけて広がっている筋肉のため、この僧帽筋を痛めると、肩こりだけでなく、首筋のこりや痛みにも繋がります。

③長時間のデスクワーク、スマホ利用

長時間、デスクワークで同じ姿勢をとりつづけると、首の周りの筋肉が緊張してしまうことになります。これが、同じ姿勢を続けると首がこってしまう原因です。

また、現代人は朝起きてから夜寝るまで、1日中スマホを見ているという方も多いのではないでしょうか。このとき、背中が丸まってしまったり、背中は伸ばしていても首を前につき出した姿勢になってしまったりすることが多いと思います。これが、いわゆる「ストレートネック」で、前述した猫背による首の痛みを引き起こす原因の一つです。

④ストレス

精神的なストレスや、肉体的なストレスがあると、自律神経の働きが過剰になってしまうため、筋肉が緊張して血流が悪くなり、筋肉に疲労物質がたまりやすくなります。ストレスを溜めつづけてしまうと、疲労物質がたまって、首のこりに繋がるでしょう。

⑤歯の噛み合わせの悪さ

実は、歯の噛み合わせが100分の1mmずれるだけでも、全身に影響があるといわれています。噛み合わせが悪いと、さまざまな不調があらわれてくるのですが、首の痛みやこりもそのうちの一つです。

顎の筋肉というのは、首の筋肉と近い場所にありますよね。悪い噛み合わせにより、顎の筋肉が緊張して血行が悪くなると、首の筋肉も血行が悪くなり、首の痛みやこりに繋がってしまいます。

⑥隠れた病気

枕が合っていないことや、日常生活の悪習慣だけが原因ではなく、なにかの病気を発症している場合もあります。以下に挙げるような疾患が考えられますので、強い痛みが続く場合は、医療機関を受診するようにしましょう

<首が痛いときに考えられる病気>

  • 頚椎症
  • 頚椎椎間板ヘルニア
  • 首下がり症候群
  • 悪性リンパ腫
  • 脊柱靱帯骨化症
  • そのほか

 

5. 枕以外の首の痛みの解消方法

首のストレッチする女性

自分にあった枕を使うだけでなく、日常生活でも首が痛くならない対策をすることが大切です。

①正しい姿勢

正しい姿勢とは、壁際に背を向けて立ったときに、頭、肩、お尻、ふくらはぎ、かかとが壁につく姿勢です。また、腰の後ろには手のひらが入るすき間があいているとよいでしょう。

また、長時間のデスクワークや、スマートフォンの利用で、ストレートネックの症状に悩まされる人は多いです。パソコンやスマートフォンの画面は、目線と同じ高さにして使用しましょう。

②首の筋トレ

首の筋肉を鍛えておくことも、痛みを防止するために有効です。
簡単な筋トレ方法を紹介しますので、ぜひやってみてください。

<首の筋トレ手順>

  1. 仰向けに寝る。
  2. 息を吐きながらあごをゆっくり上げ、頭頂部を床につけた状態で3秒間キープ。
  3. 息を吸いながら元に戻す。
  4. あごを引き、後頭部全体を床に押し付けた状態で3秒間キープ。
  5. 元に戻す。

③首のストレッチ

ストレッチをして、首周りの筋肉を柔らかくしておくことで、痛みを防止することができます。

<首のストレッチ手順>

  1. 腰に両手をあて、胸を張る。
  2. 両ひじをゆっくり後ろに回し、左右の肩甲骨を寄せた状態で5秒間キープ。

 

6. まとめ

枕

朝起きると首が痛くなる原因として、枕の使い方が間違っていたり、そもそも合わない枕を使っていたりすることが考えられます。

枕は、肩口まで引き上げて、首全体を枕でしっかり支えてあげるようにしましょう。

また、自分に合った枕を見つけるためには、まずは「高さ」と「素材」、そして「大きさ」と「形状」といったポイントを確認しながら選んでみてください。

日常生活にも、首が痛くなる原因は潜んでいるので、正しい姿勢、筋トレ、そしてストレッチなどで、より充実した毎日が過ごせるよう、取り組んでみましょう。

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