睡眠ノウハウ

α波と睡眠の関係とは?睡眠前のリラックス音楽も活用しよう

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「最近、寝付きが悪くなってきた」

「夜中に何回も目が覚めてしまう」

「朝起きた時シャキッとしなくなった」

こんなお悩みをお持ちの方は、もしかすると睡眠前に音楽を聴くことで解消できるかもしれません。睡眠の問題は日常生活に悪影響を及ぼします。なぜなら、睡眠不足や睡眠の質の低下によって、さまざまな体の不調につながり、生活の質が下がる可能性があるから。そうならないためにも、本記事では就寝前にリラックスした状態を作る音楽の聴き方をご紹介します。どうしたらリラックスした状態になれ、質のよい睡眠を取ることができるのかや、どんな音楽を聴くとよいのかなども説明していきますね。

音楽が睡眠にもたらす効果とは?

音楽の効果

寝付きの悪さ、夜中に目が覚めてしまう、朝起きられないなど、さまざまな睡眠の問題を解決してくれる効果が音楽にはあります。このような状態を放置していると、睡眠不足による集中力の低下や、体のだるさといった精神的にも肉体的にも不調が生じる可能性があります。よい睡眠をとることは健康な生活を送る上で大切なことなので、毎日の睡眠の状況を意識するようにしましょう。

ではスムーズに眠り、質の高い睡眠を得るためにはどうしたらよいのでしょうか。それは、自律神経を日中と夜でしっかり切り替えること。自律神経は、交感神経と副交感神経があります。日中は交感神経が優位で活発に活動でき、夜は副交感神経が優位でリラックスした状態が平常なのですが、自律神経が乱れると、夜なのに交感神経が活発になってしまい、睡眠を妨害してしまう可能性があります。そうならないためにも、夜は副交感神経を優位にさせるために、リラックスした状態でいることが大切。音楽はリラックスした状態を作るのにとても効果的なツールです。上手に使って質の高い睡眠を得られるようにしていきましょう。

音楽を聴くとリラックスして眠ることができる

音楽の種類によりますが、睡眠前に音楽を聴くことでリラックスした状態になることが可能です。リラックスした状態になることで、眠りやすい状態に誘導することができ、深い睡眠を取る準備が整いますよ。ですので、睡眠の問題を抱えている人は就寝前にリラックスできる音楽を聴いてみることをおすすめします。

音楽を聴いて、どんな状態だとリラックスしているかは脳波を指標にします。具体的にはリラックスした状態の時はα(アルファ)波が引き出されており、このアルファ波を上手に活用することが大切です。

α波とは?

では、アルファ波とはどういう性質を持つものなのでしょうか。脳波には、アルファ波、β(ベーター)波、γ(ガンマ)波、θ(シータ)波、δ(デルタ)波の5つがあり、それぞれ特徴を持っています。

特徴を、以下の表にそれぞれまとめました。

種類 出る状態
アルファ波 リラックス
ベータ波 通常時
ガンマ波 イライラ
シータ波 浅い睡眠
デルタ波 深い睡眠

日常生活で出ているベータ波から、アルファ波、シータ波、デルタ波と変わっていくことで、リラックスした状態を経て、質の高い深い睡眠をとることができます。そのためには、まずアルファ波を引き出すことが大切。引き出す手段として、音楽を聴くことで実現することができます。音楽を聴いてリラックスした状態を作り、深い睡眠をとる準備をしていきましょう。

アルファ波が出る音楽を聴いて得られる効果

では、アルファ波が引き出される音楽を聴くことで、どんな効果が得られるのでしょうか。具体的には以下の効果があると言われています。

  • ストレス解消
  • 記憶力の向上
  • 想像力の向上
  • 集中力の向上
  • 免疫力の向上

アルファ波が多く引き出される状態にすることで、精神的にも身体的にもよい効果を得ることができますね。近年では、オリンピック選手やプロスポーツ選手にアルファ波トレーニングが取り入れられている例もあります。免疫力向上による体作りの観点はもちろん、集中力の向上により本来の力を最大限発揮できるようになるので、日常生活においてもたくさんのメリットがありますよね。

そんなアルファ波が引き出される代表的な音楽として、モーツァルトの音楽があります。九州大学大学院人間環境学府の研究によると、5名の大学生を対象にモーツァルトの音楽を聴かせたところ、全員がリラックスしたと回答。個人差はありますが、アルファ波の影響があったことがわかっています。*1

引用:*1 九州大学大学院人間環境学府:

https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/1518346/pp003.pdf

睡眠前におすすめの音楽の特徴

自然と音楽

どんな音楽でもいいかというと、アルファ波を引き出しリラックス状態になれる音楽にはいくつか特徴があります。以下にその特徴をまとめました。

  • 自然音を含む音楽
  • 高周波な音を含む音楽
  • 歌詞が含まれてない音楽
  • 一定のリズムでゆったりとした音楽

1つずつ詳細を見ていきましょう。

自然音を含む音楽

自然が発する音のことで、ヒーリング音楽として用いられています。たとえば、水が流れる音や鳥のさえずりなどを聴くことで、アルファ波を引き出すことができます。なぜリラックスできるかというと、「1/f(エフ分のいち)のゆらぎ」が自然音には含まれているから。1/fのゆらぎは癒しのリズムとも呼ばれ、人の気分を心地良い状態にしてくれます。その結果、アルファ波が引き出されリラックスした状態になれます。

高周波な音を含む音楽

4,000ヘルツ以上の高周波音は、脳をリラックスさせ身体的にも精神的にも癒やしてくれます。その結果、眠りやすい状態になることができ、快適な睡眠が得られるでしょう。代表例であげたモーツァルトの音楽は、3,500〜4,500ぐらいの高周波を多く含んでいるため、リラックスできたと回答した学生が多くなったと考えられます。

歌詞が含まれていない音楽

歌詞が入っていない音楽を聴くことで、リラックス効果を得られるでしょう。歌詞が入っていると、脳が歌詞を聴くことに意識を向けてしまい覚醒してしまいます。気分が上がりストレス発散をするのには効果的ですが、睡眠前に覚醒してしまうと自律神経のバランスが乱れてしまい悪影響を及ぼすため、睡眠前には歌詞がない曲を聴くのがおすすめですよ。

一定のリズムでゆったりとした音楽

歌詞が入っていなくても、激しいテンポの曲や大音量で聴くと、アルファ波を阻害します。一定のリズムだとリラックスしやすいため、落ち着いた音楽を聴くことがおすすめですよ。たとえば、クラシック、ヒーリングミュージック、自然音でリズムが一定なものは効果的です。Youtubeなどの動画サイトで検索するといろんな種類がでてきますので、お気に入りのものを見つけるとよいでしょう。

睡眠前に避けたい危険な音楽の聴き方とは?

激しい音楽

では、ここからは睡眠前に避けてほしい音楽の特徴をご紹介していきます。主な代表例は以下のものです。

  • 激しい音楽で気分を高揚させる
  • 大きな音量で音楽を聴く
  • 睡眠中も音楽を流しっぱなしにする
  • 歌詞付きの音楽を聴く

1つずつご紹介していきます。

激しい音楽で気分を高揚させる

リズムや曲調が激しい音楽は、気分が高揚して交感神経が活発になるため、眠気を妨害してしまいます。ストレスを発散させたい時には効果的ですが、就寝前は睡眠の質を下げないためにも、テンポが一定で落ちついた音楽を聴くようにしましょう。リラックスすることが目的ということを忘れないでください。

大きな音量で音楽を聴く

いくらリズムや曲調が穏やかだとしても、音量が大きいと脳が覚醒し、睡眠の質を低下させる可能性があります。穏やかなテンポや曲調で、自分が聴いていてリラックスできる音量で聴くようにしましょう。自分に合う音量を色々試してみるのがおすすめですよ。

睡眠中も音楽を流しっぱなしにする

音楽を聴くのはあくまで眠りやすくするのが目的です。質のよい睡眠をとるには、アルファ波からシータ波、デルタ波へと移行した状態にならないといけません。アルファ波を出しやすくする音楽は、むしろ睡眠中には逆効果で、熟睡の妨げになる可能性があります。タイマーをセットしておくなど、自動で停止する設定にしておくとよいでしょう。

歌詞付きの音楽を聴く

歌詞付きの音楽は脳を活性化させます。聴こえてくる言葉の意味を、脳が自動で処理してしまうため、脳が覚醒状態になるためです。アルファ波を引き出すためにも、歌詞のない音楽を聴くようにするとよいでしょう。

イヤホンやヘッドホンを使う場合の注意点

家族と一緒にお住まいで自分だけで音楽を聴きたい方や、普段から音楽をイヤホンやヘッドホンで聴かれる方もいると思います。ただ、就寝前に利用する際には注意が必要です。なぜかというと、イヤホンやヘッドホンなどは長時間かつ大音量で使うと難聴を引き起こす可能性があるから。

もし、就寝前に利用する場合はできるだけ音量を下げ、自動で切れるようタイマーをセットするようにしてください。寝る前はなるべく使わないように音楽を聴くとよいでしょう。

この記事の監修者
睡眠健康指導士、建築物環境衛生管理技術者
佐々木崇志
東北大学大学院薬学研究科修了。修士(薬科学)、建築物環境衛生管理技術者。 修了後は臨床研修指定病院で医局秘書や学生担当として全国の医療を志す学生や医療従事者と携る。勤務していく中で睡眠に関する訴えが医療従事者にも多い事に気づき、自身も医療従事者や患者の助けにならないかと考えるようになり個人で活動を始める。現在は東北を活動の拠点として睡眠(体内時計・時計遺伝子)の研究の経験、資格の知識を生かしながら睡眠啓蒙活動を行なっている。

アルファ波を引き出す音楽以外の方法

アロマ

就寝前の音楽も有効ですが、他の方法でもアルファ波を引き出すことが可能です。たとえば、自然を見るだけでもアルファ波は引き出されます。月の光や植物を見るなどがおすすめですね。他には良い香りもアルファ波を引き出してくれます。アロマなどで心が安らぐ香りをかぐと落ち着くのでおすすめですよ。瞑想も効果的な手段で、就寝前にすることでリラックスした状態を作ることができ、アルファ波を引き出すことが可能です。睡眠の質を高めたい人は、寝る前に15分ほど実施すると効果的ですよ。このように、音楽を聴く以外でもアルファ波を引き出す方法はあります。音楽と組み合わせて効果的に活用してみてくださいね。

まとめ

リラックス

今回、アルファ波が睡眠に及ぼす影響から、聴くとよい音楽の特徴までお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。

睡眠前は、快適な睡眠をとれるよう準備をすることが大切です。アルファ波、シータ波、デルタ波と深い睡眠を得るためにも、まずはアルファ波が引き出されるリラックスした状態になれるよう、就寝環境を整えていきましょう。音楽を聴くことはもちろん、様々な方法でアルファ波を引き出すことができるので、組み合わせて試してみながら、自分に合う方法を見つけてくださいね。

読んでいただいた方の日々の睡眠が、よりよいものになるヒントになれば嬉しいです。

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