仕事の付き合いや繁忙期などは、寝たくても眠れないというケースが誰にでもあります。しかし、寝不足が続いているような状態でも、人によっては仕事をしなければならないでしょう。
そこでこの記事では、寝不足でも仕事に集中するための方法について紹介していきます。また、寝不足の悪影響や寝不足にならないための対策などについても触れていくので、寝不足が続いているという人は参考にしてください。
寝不足でも仕事に集中するための方法4つ
寝不足で仕事に集中するのは、なかなか大変なことです。しかし、上手に脳にアプローチすれば、集中力を高めることは可能です。そこでここでは寝不足でも仕事に集中するための方法を4つ紹介するので、寝不足の人は実践してみてください。
カフェインの摂取
最も一般的にされているのが、カフェインの摂取ではないでしょうか。
カフェインには覚醒作用があるので、摂取することで眠気を覚ます効果が期待できます。コーヒーや緑茶、紅茶、エナジードリンクなど含まれている飲み物はたくさんあるので、誰でも自分の好きなものから摂取できます。糖分も一緒に取りたいという人は、チョコレートやココアなどからの摂取がおすすめ。
カフェイン摂取で目を覚ますときのポイントは、効いて欲しいときよりも前に摂取しておくことです。カフェインは摂取してから効果を発揮し始めるまでに30分程度かかるといわれています。つまり、眠気を感じたときにカフェインを摂取しても、すぐに眠気を抑えられません。
効果の効き出す時間は人によって違うので、30分よりも少し前に摂取するようにしましょう。
なお、カフェインは過剰に摂取すると中毒症状や気を失う可能性があります。大人であれば1日に400mg以内で、1回あたりは200mg以内に抑えるようにしてください。正しく摂取すれば、眠気覚ましに高い効果が期待できるでしょう。
身体への刺激
すぐに眠気を覚まして仕事に集中したいのであれば、身体に刺激を与えるのがおすすめです。
眠気を感じて頭がぼーっとしている状態は、自律神経のうちの副交感神経が優位になっている状態。副交感神経とはリラックスしているときに優位になるので、活動期に活発になる交感神経に切り替えなければなりません。
それに有効なのが、身体への刺激です。たとえば、ストレッチをしたり散歩をしたり身体を動かすのがいいでしょう。背伸びをするだけでも一定の効果があるので、移動ができないという人はグッと身体を伸ばしてみてください。
あるいは、ツボ押しもおすすめ。眠気覚ましには以下のツボが効果的です。
- 合谷:親指と人差し指の間のくぼみ
- 労宮:手のひらの中心
- 中衝:中指の爪の生え際
少し痛みを感じるくらいの刺激を与えてみてください。少しずつ眠気が収まって集中できるようになるでしょう。
人との会話
仕事中に少しでも会話ができるような環境であるのであれば、仲間などに話しかけると頭を活性化させられます。
些細なことでも人と話をすると感情が動くので、脳を刺激できます。興味のある内容であれば刺激的なので、なお効果的。気の合う仲間と趣味やテレビの話題などで交流してみてください。
もし静かな環境の職場であれば、気になっている仕事の質問をしてみてはいかがでしょうか。仕事の話であれば、タイミングをわきまえれば可能でしょう。
仮眠
どうしても眠気を覚ましたいときは、思い切って仮眠を取るのがベストです。仮眠を取れば脳と身体の疲労を取り除けるので、集中力を保ちやすくなります。
ポイントは仮眠を15分程度で済ませること。短時間の睡眠であれば深い眠りに入らないので、スッと起きて仕事を再開できます。あまり長く眠ってしまうと深い眠りに入るので、余計に眠気によってボーっとなって逆効果です。仮眠の長さには注意してください。
なお、おすすめの組み合わせは、カフェインを摂取した後に仮眠をするというものです。短時間の仮眠で脳と身体の疲れを取って、カフェインの覚醒作用が効き出すころに目覚める。こうすれば、効率的に眠気を吹き飛ばして仕事に集中できるようになるでしょう。
仮眠ができる環境がある職場の人は、ぜひ試してみてください。
寝不足による仕事への悪影響
寝不足の状態で仕事をしても、いいことは1つもありません。それどころか、大きな悪影響がたくさんあります。ここでは、寝不足による仕事への悪影響について紹介していきます。
仕事の効率低下
眠たいと思いながら仕事をする悪影響の1つは「効率の低下」。
脳に疲労が溜まったままの状態では、脳の機能が著しく低下しています。うまく働かない状態で仕事をすれば、普段30分で終わるような物でも1時間以上かかってしまうこともあるでしょう。もしその影響で仕事の退勤時間が後ろに延びれば寝る時間も後ろにズレるので、寝不足状態から抜け出せなくなります。
また、仕事がスムーズにできないような状態で続けていれば、ストレスが溜まってしまうのも問題。ストレスは不眠や病気を招いてしまうので、どんどん仕事の効率を下げてしまいます。もちろん、そのような状態は仕事だけでなく普段の生活の質をも低下させてしまうものです。
悪影響が大きくなってしまう前に、寝不足の状態を改めるようにしましょう。
仕事の失敗
寝不足によって眠たいと注意力が散漫になるので、ミスの回数が増えてしまいます。
仕事上でミスをするとやり直しが必要になったり周りに迷惑をかけてしまったりします。もし、取引先に対して大きなミスをしてしまえば、会社に大損害を出す恐れもあるでしょう。
頻繁にミスをする場合、仲間からの信頼を失ったり大きなプロジェクトに参加させてもらえなくなったりします。居心地が悪くなって委縮してしまえば、仕事の質の低下も招いて今までのような結果を出せません。
少しずつ仕事に行きづらくなる恐れもあります。寝不足が原因でミスが増え出したら、できるだけ生活習慣を改めて寝る習慣を取り戻していきましょう。
意欲の喪失
寝不足の状態は、何に対しても意欲的に向かう気持ちをなくしてしまいます。これは仕事に対してもいえるので、モチベーションを保つことができなくなります。
もし仕事が好きであったとしても、寝不足による意欲の喪失によって仕事への向き合い方が変わってしまうこともあるでしょう。一度気持ちが切れると以前のような状態に戻すのは簡単ではありません。
やる気の低下は充実した毎日を奪ってしまうので、しっかりと睡眠をして脳に疲労を溜めないようにしましょう。
一睡もできなかった場合にすべきこと
中には睡眠時間を取ったとしても、寝つけずに寝不足になってしまう人もいると思います。そこでここでは、夜に一睡もできなかったという場合にすべきことを紹介していきます。
仕事を休む
夜に一睡もできなかったような場合は、仕事を休んでしまうのがベスト。
強い眠気がある状態で無理やり会社に行ったとしても、よい仕事はできません。もしミスを頻発してしまえば、周りに迷惑をかけて余計に仕事を増やしてしまう恐れがあります。また、体調が悪い状態で出社すれば、過労で倒れてしまうことも考えられます。
ほかにも、脳疲労が常態化してしまうと、食欲減退や頭痛、精神状態の不安定も招いてしまうでしょう。状態を悪化させないためにも、まずは休むことを考えてください。
睡眠ができなかったために仕事を休む場合は、体調不良を理由にします。その際は、会社のルールに則って伝えてますが、上司に直接電話などで伝えるのが一般的です。
休めない場合は午後からの出社
どうしても仕上げないといけない仕事がある場合などは、午後から出社するとよいでしょう。
一日ゆっくり頭を休められなくても、午前に少しでも休む時間があれば脳の疲労を取り除けます。もし、仮眠ができれば、頭を少しスッキリとさせることもできます。そのまま出社するよりも、仕事でミスするリスクを下げられるでしょう。
もちろん仮眠程度では十分に眠れていないので、脳を本来の状態に戻すことはできません。しかし、気持ちを切り替えるきっかけを作れるので、午後からの仕事に備えやすくなります。
仕事が終われば、できるだけ早く睡眠をとるようにしてください。ぐっすりと寝て寝不足を解消できれば、正常な状態に戻せます。
寝不足にならないための対策
寝不足の状態では仕事のパフォーマンスを上げることはできません。そのためには、寝不足になりがちな人は対策をとる必要があります。
そこでここでは、寝不足にならないための対策を紹介していきます。
スマホ操作の禁止
寝不足になってしまう原因の代表格が、寝る前のスマホの操作。寝不足にならないためには、寝る前はスマホを触らないようにしてください。
寝る前に何気なくスマホを触っている人は、スマホの操作自体はほんの少しの時間かもしれません。しかし、スマホの画面からはブルーライトという強力なエネルギーを持つ光が放出されています。そのため、少しの時間であったとしても、脳にはかなりの刺激になっていると考えられます。
寝る前に脳に強い刺激を与えてしまっているために、脳が冴えて眠れなくなっている可能性があるでしょう。ほかにもテレビやパソコンなどからもブルーライトは放たれているので、要注意です。
就寝時間が近づいてきたらスマホやテレビ、パソコンなどの利用は避けるようにしてください。脳への刺激を減らすことで、寝つきやすくなるでしょう。
アルコールやカフェイン摂取禁止
寝不足になる原因には、アルコールやカフェインの摂取があります。そのため、お酒やお茶などを飲んでいる人は、夜には摂取を控えるのがおすすめ。
お酒には催眠作用があるので、気持ちよく眠れると思っている人は多いでしょう。実際にお酒を飲むとリラックス効果も得られるので、スーッと眠れます。しかし、お酒によって発生するアセトアルデヒドには覚醒作用があるので、深い眠りにつけません。また利尿作用があるので、夜中に目覚めやすくなってしまいます。
すると、アセトアルデヒドの覚醒作用によって寝つきにくくなるので、寝不足になりやすくなります。
カフェインに関しても同様。カフェインには覚醒作用があるので、夕方以降に摂取してしまうと寝つきを悪くしてしまいます。コーヒーや緑茶、紅茶、ココア、チョコレートなどにはカフェインが含まれています。夕食やリラックスタイムに口に入れるのは寝不足の要因。
アルコールとカフェインの摂取には慎重になるようにしましょう。
食事時間の調整
仕事が忙しく遅くまで働いていると、食事の時間も遅くなると思います。しかし、就寝時間に近い食事は寝不足を招いてしまいます。
その理由は、食事が遅いと寝る時間までに消化が間に合わず、脳と消化器官がバラバラに働くため。食事をした後、胃が食べ物を消化するには約2~3時間かかります。この間に眠ろうとしても、消化器官が動いているので脳はリラックスできません。つまり、眠れる状態になっていないので、なかなか寝つけなくなります。
そのため、就寝時間の3時間前には食事を済ませられるように、調整する必要があります
なお、お肉やてんぷらなどの消化が悪いものは、胃を通過するのに4時間以上かかってしまう場合も。食事の時間が遅くなる場合は、時間と合わせて献立にも注意するようにしましょう。時間と食事内容を調整すれば、気持ちよく寝つけられるようになります。
適度な運動
寝不足の人は、運動などしている時間があれば寝たいと考えていませんか。しかし、実は寝不足を感じているのであれば、適度な運動をするのが有効です。
その理由は2つ。1つは、運動にはストレスを解消する作用があるので、定期的に運動をすることでストレスをコントロールしやすくなります。ストレスは寝不足の要因ですので、寝不足解消に効果が期待できます。
もう1つは、運動をすると体温が上がるため。人間は深部体温が下がっていくときに、眠気を覚えるようになっています。つまり、夕方などに運動をして体温を普段よりも上げておくことで、就寝時間が近づくにつれて深部体温が下がるので、スムーズに寝つけるようになるでしょう。
もちろん、適度な運動をすれば疲労が溜まるので、深い眠りに入りやすくなります。つまり、起きた時の満足度がアップするので、寝不足感を吹き飛ばせます。
決まった時間の起床
寝る時間が少し遅くなったとしても、毎日決まった時間の起きるのも有効。
寝る時間が短くなるので、一見寝不足になるように感じます。しかし、人間の身体には体内時計が備わっているので、寝る時間が遅くなった分だけ起きる時間を遅らせると、また寝る時間が遅くなってしまいます。
また、体内時計はちょうど24時間ではなく少し長くなっているので、余計に寝る時間が遅くなって寝不足の原因。
寝るのが遅くなった翌日は少し疲れが残るかもしれません。しかし、生活習慣を乱してしまわないためにも、朝は決まった時間に起きるようにしましょう。
まとめ
寝不足で集中力が低下した状態では、仕事のパフォーマンスを落としてしまいます。この記事では、寝不足でも集中力をアップさせる方法を4つ紹介してきましたので、自分に合っているものを探してみてはいかがでしょうか。
また、寝不足にならないための対策も紹介してきましたので、試してみてください。それぞれを実践することで、仕事で最高のパフォーマンスを発揮できるようになります。