睡眠ノウハウ

夢を見るのは浅い眠りのせい?深い眠りを得るための方法とは

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最近、毎日のように夢を見る…。しっかりと眠れていないのかも?夢を見るのは眠りが浅いから、といわれていますが夢をよく見る人でも、昼間の活動にまったく影響のない人もいます。

今回は、夢と睡眠の質がどうかかわっているのか、また夢をよく見ることが睡眠にどんな影響を与えているのかも見ていきたいと思います。生活に悪影響がある場合の改善策についてもしっかり解説します。

この記事の監修者
睡眠健康指導士、建築物環境衛生管理技術者
佐々木崇志
東北大学大学院薬学研究科修了。修士(薬科学)、建築物環境衛生管理技術者。 修了後は臨床研修指定病院で医局秘書や学生担当として全国の医療を志す学生や医療従事者と携る。勤務していく中で睡眠に関する訴えが医療従事者にも多い事に気づき、自身も医療従事者や患者の助けにならないかと考えるようになり個人で活動を始める。現在は東北を活動の拠点として睡眠(体内時計・時計遺伝子)の研究の経験、資格の知識を生かしながら睡眠啓蒙活動を行なっている。

そもそもヒトはなぜ夢を見るのか?

夢3

なぜヒトが夢を見るのかは正確には解明されていません。睡眠についてはかなり研究が進んでいますが夢についての本格的な研究は歴史が浅く、わからないことだらけというのが実情です。

ただ、いくつかの仮説は唱えられています。それによると

  • 夢は昼間の活動で得た情報を整理し、重要なものは記憶として定着させる
  • 不快な記憶を消して精神的安定を保つ
  • 昼間体験したことを客観的に評価、分析するために再生している
  • 睡眠の副産物であり、意味や目的はとくにない

といったことが挙げられています。

夢を見やすい時間帯はある?

睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠の2種類があることは、よく知られています。レム睡眠は眠りが浅く、ノンレム睡眠は深い眠りです。ヒトの睡眠はこの2種類が繰り返されています。

最初にレム睡眠を発見した1953年のシカゴ大学の実験では、レム睡眠時に被験者を起こし、夢を見ていたかを尋ねたところ、被験者の80%が夢を見ていたことを覚えていました。このことから、夢を見やすいのは眠りの浅いレム睡眠時と考えられてきました。

しかし、その後1957年のスタンフォード大学の研究では、ノンレム睡眠時でもヒトは夢を見ていることが明らかになりました。最近では、被験者の60%ほどがノンレム睡眠中に夢を見ていたことを覚えていたという研究結果も出ています。

夢を見ることで脳がリフレッシュする?

2021年8月、筑波大学と京都大学の研究チームはマウスを使用しての実験により、レム睡眠中は大脳新皮質の毛細血管に大量の赤血球が流入していることを発見しました。このことから、レム睡眠中は大脳新皮質で活発に物質交換が行われ、脳をリフレッシュしている可能性があると発表しました。レム睡眠が少ないと、アルツハイマー病など認知症にかかりやすくなることが分かっています。

この実験は、レム睡眠が減少すると睡眠中に物質交換が充分に行われないことで、脳細胞の機能低下や老廃物の蓄積が進む可能性があることを示唆しています。レム睡眠中の赤血球の流入が減少すると、脳の老化や認知機能の低下が進む可能性があるのです。詳細なメカニズムについてはさらなる研究が必要ですが、認知症の新たな治療法開発が期待されています。

夢をたくさん見るのは悪いことなのか

夢1

人はどれくらいの頻度で夢を見ているのでしょうか。2008年2月、一般社団法人中央調査社は夢をみる頻度について、20歳以上の男女4,000人に、夢を見る頻度について聞き取り調査を行っています。

質問は

  • 楽しい夢
  • 不快な夢
  • 悪夢による覚醒
  • 鮮明な夢
  • 色のついた夢
  • 奇妙な夢
  • 日常生活の夢
  • 同じ内容の夢
  • 内容を忘れてしまった夢

の9つについてです。回答は

  • 常に見た
  • しばしば見た
  • 時々見た
  • めったに見なかった
  • まったく見なかった
  • わからない

の6つに分けられています。

この結果、「楽しい夢」を見た人の割合は、「常に見た」「しばしば見た」「時々見た」を合わせて全体の20.8%の人が楽しい夢を見たと回答しています。

グラフ楽しい夢

出典:一般社団法人中央調査社

逆に「不快な夢」を見た人は、「常に見た」「しばしば見た」「時々見た」を合わせても17%と、楽しい夢に比べてやや低くなっていました。

グラフ不快な夢

出典:一般社団法人中央調査社

悪夢による覚醒は「常に見た」「しばしば見た」「時々見た」を合わせて7.4%となりました。日常生活の夢に関しては、「常に見た」「しばしば見た」「時々見た」を合計して13.7%が見たと回答しています。

グラフ悪夢

出典:一般社団法人中央調査社

夢は見たが、どんな夢を見ていたかは覚えていない「内容を忘れた夢」は「常に見た」「しばしば見た」「時々見た」を合計すると39.8%となっています。

グラフ忘れた夢

出典:一般社団法人中央調査社

「常に見た」「しばしば見た」「時々見た」の3つを「夢を見たと」定義し、その頻度を計算すると53.6%が何かしらの夢を見ていることが明らかになりました。

夢を見る人、見ない人の違いとは?

ヒトは睡眠中、かなり頻繁に夢を見ています。平均8回~10回ほど夢を見ているという報告もありますが、記憶に残るのはほんのわずかです。

上記の調査では夢をまったく見なかった人も多数いますが、実は内容を覚えている夢というのは、ほとんどが目を覚ます直前に見ている夢です。目を覚ます10分ほど前までに見た夢は、覚えている可能性が高いと言われています。

睡眠中は覚醒時に比べ、記憶を定着させる神経伝達物質の分泌が少ない上に、夢を見やすいとされるレム睡眠時に見た夢もノンレム睡眠に入ると忘れてしまうため、夢がしっかりと記憶に残る可能性はかなり低くなります

毎日夢を見るなら注意が必要

ストレス2

夢を覚えているからと言って、それがすぐに眠りが浅い=睡眠の質が悪いということではありません。しかし、夢は本来記憶に残りにくいものです。毎日のように夢を見る、内容をはっきり思いだせるという場合は注意が必要です。

眠りが浅くなる原因とは

寝不足

眠りが浅くなる原因は、そのほとんどが生活習慣に起因しています。

  • 寝る直前のカフェイン、アルコールの摂取
  • 寝る直前のスマホの閲覧
  • 睡眠環境
  • ストレス

カフェインには覚醒作用があるため、寝る直前にコーヒーやチョコレートなどカフェインを多く含むものを口にすると睡眠が浅くなります。また、寝酒は一見、寝付きはよくなりますが、睡眠中にアルコールが代謝されることで覚醒作用をもたらすとともに、利尿作用もあるため、夜中に目が覚めやすくなります。

また、ストレスが多い生活をしていると、自律神経が乱れて深い睡眠がとれなくなる可能性があります。

夢を覚えているのは自律神経の乱れ?

自律神経は交感神経と副交感神経の2つに分かれています。交感神経はヒトの体を緊張、興奮させるはたらきがあり、仕事や家事、勉強など昼間の活動を支えます。一方副交感神経は、心身をリラックスさせる働きがあります。ヒトの体は夕方になると交感神経と副交感神経が入れ替わり、体が睡眠をとるための準備に入ります

しかし、仕事などでストレスがたまると交感神経のスイッチが入りっぱなしの状態になり、血糖値や血圧の上昇をつかさどるコルチゾールやアドレナリンが分泌され続けるため、交感神経と副交感神経がスムーズに入れ替わることができません

こうなると、夜になっても心身がゆっくり休むことができず、眠りが浅く夢を見やすい状態が長く続いている可能性があります。

頻繁に悪夢を見る場合は要注意

悪夢1

とくに悪夢を頻繁に見る、悪夢で目が覚めることが多い場合は注意が必要です。悪夢によって睡眠が妨げられる場合は「悪夢障害」という睡眠障害の一種であることが考えられます。

悪夢障害の特徴

悪夢障害の場合、明け方のレム睡眠時に悪夢を見やすくなります。目が覚めた時、悪夢の詳細な内容を覚えていることが多いのが特徴です。睡眠中に頻繁に目が覚め、再び寝付くのに時間がかかるということもあり、昼間でも強い眠気で仕事や家事などに支障をきたすことがあります。

夢の内容が気になって不安や苛立ちを覚えることから、対人関係に害を及ぼす可能性もあります。悪夢障害には国際分類の基準があるので、悪夢で目が覚めることが多いという人は、以下の条件にあてはまっているか確認してみましょう。

悪夢障害の診断基準

  • 不穏な夢で眠りから覚めることがよくあるか?
  • これらの夢は、恐怖、怒り、悲しみ、嫌悪などの感情を呼び起こすか?
  • 目が覚めてすぐに、注意深く、はっきりと考えることができますか?
  • これらの夢の詳細を明確に思い出すことができますか?
  • これらの夢は、しばしば睡眠の早朝など、睡眠時間の後半に起こりますか?
  • これらの夢の後、眠りに戻るのは難しいですか?

出典:sleep education

悪夢障害はうつになる可能性も

悪夢障害と診断される人は、長年にわたって悪夢を見続けていることも少なくありません。悪夢を見続けるのは、日常生活で強いストレスにさらされていることが原因です。仕事のトラブルや対人関係など、日常とリンクした悪夢を見続けているようであれば、かなり大きなストレスを抱えている可能性があります。

また、同じ悪夢を何度も見ているようであれば強いトラウマになるような出来事を体験しているのかもしれません。悪夢はトラウマの原因となる出来事を追体験する手段であるとも言われています。

どちらにしろ悪夢に悩まされている場合は、早めに心療内科や精神科の専門医の診断を受けるようにしましょう。

深い眠りを得るための対処法

ストレス1

深く質の良い眠りを得るためには、生活習慣を変えることが大事です。できることから少しずつ始めていきましょう。

起床時間、就寝時間を固定する

金曜日は夜更かしで休日はどうしても昼近くまでベッドの中、という人も多いと思いますが、起床時間、睡眠時間のずれは睡眠のリズムを乱し、深い睡眠の妨げになります。平日、休日関係なく、起床時間と就寝時間はなるべく一定にし、睡眠のリズムを崩さないようにしましょう。

食生活の改善

朝食をしっかりとることで脳が目覚め、活動的に動くことができるようになります。睡眠中は脳も体も飢餓状態です。忙しい、食欲がないからといって、朝食を抜くと、昼間の活動に必要な栄養が供給されないため、仕事や勉強がはかどりません。最低限、コーヒーにミルクと砂糖を入れて飲むだけでもかなり違います。

また、コーヒーや緑茶などカフェインを多く含む食べ物、飲み物を多く摂りすぎないようにしましょう。摂取する時間帯にも注意が必要です。14時以降にカフェインを摂取すると夜眠れなくなります

寝酒も深い睡眠を妨げる原因になります。アルコールも覚醒作用があるだけでなく、利尿作用があるため、夜中に目が覚める原因になり、睡眠のリズムが崩れる原因になります。

また、寝る直前に消化の悪い食べ物を大量に食べると消化が優先され、深い眠りにつくことができません。食事は寝る3時間前までにすませて、夜遅くなる場合はうどんなど、なるべく消化のよいものを摂るようにしましょう。

睡眠環境を整える

自分に合わない寝具も深い睡眠の妨げになります。高すぎたり低すぎたりする枕は、寝返りをうまくうつことができず、肩や首に負担がかかるため肩や首のいたみ、凝りの原因になります

マットレスは仰向けに寝た時に背骨が緩やかなS字形になるのが理想です。柔らかすぎて腰が落ちすぎたり、固すぎて背骨に負担がかかったりすると痛みの原因になり、熟睡できなくなります。また、睡眠中寝汗をかいたり寒くて起きてしまったりしないよう、季節に合わせて寝具を変えることも大事です。寝具は自分が寝心地がいいと思うものに積極的に買い替えましょう

また、寝室の温度、湿度にも注意が必要です。理想的な室温は、夏場は25℃前後、冬場は22℃程度です。湿度は50%~60%に保つと安眠に繋がります。

ストレスをためない工夫を

ストレスは睡眠を浅くし、悪夢を見る原因となります。寝る前にゆっくりとお風呂につかる、アロマをたくなど、リラックスできる方法を見つけましょう。ジョギングやウォーキングなど、適度な運動もストレスの発散になります。

不安を忘れるくらい夢中になれる趣味を見つけることも有効です。趣味を通じて知り合った仲間とおしゃべりすることもストレスの発散につながります。

仮眠の習慣を取り入れる

仕事が忙しくて睡眠時間が少ない、不規則になりがちな場合は、隙間時間に積極的に仮眠をとるようにしましょう。仮眠をとる理想的な時間は12時~15時です。夕方近くになって仮眠をとると、夜、熟睡できなくなる可能性があります。

まとめ

寝室2

夢を見るからといって、それがすぐに睡眠の質が悪いということではありません。ただ、あまり頻繁に夢を見る、夢の内容をはっきり覚えている場合は、睡眠が浅くなっている可能性があります。

とくに悪夢を何度も見る場合は、日ごろから過剰なストレスを感じている可能性があり、睡眠の質を下げている可能性があります。

睡眠の質を上げるには、規則正しい生活、食生活の改善など生活習慣を見直す必要があります。それでも眠りが浅いと感じる場合は、睡眠外来などを受診して専門医の指示を仰ぐようにしましょう。

頻繁に夢(特に悪夢)を見る状態を放っておくと、うつ病などを発症する可能性もあります。睡眠に不安がある場合は早めに改善策をとることが大事です。

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