足のむくみで悩んでいませんか。とくにデスクワークや立ち仕事など、同じ姿勢で長時間過ごしている人に多い悩みといわれています。むくみが病気と関係があるのであれば、不安ですよね。
そこでこの記事では、むくみとは何かや原因、解消方法、予防方法などを紹介していきます。さまざまな角度からむくみを解説していきますので、むくみで悩んでいる人や気になっている人はぜひ読み進めてください。

むくみとは

引用:o-dan
むくみで悩んでいる人は、むくみとは身体で何が起こっているのか知りたいと思います。そこでここでは、むくみとは何か詳しく解説していきます。
細胞間に水が異常にたまった状態
むくみとは、ひと言でいうと細胞の間に水が異常にたまった状態。
人間の身体は約6割が水分でできていますが、それら水分は細胞内や血管の中を巡っています。そうして身体の中に水分や栄養などを行き渡らせたり老廃物を除去したりしています。
通常は水分が身体全体にバランスよく配分されていて、むくむことはありません。しかし、何らかの異常によってバランスが崩れると、細胞と細胞の間に水分がたまってむくみが発生してしまいます。
実際、指などで圧迫すると水分がたまっているので、へこんだ痕がなかなか戻りません。多くの場合は一時的なもので、病気の心配はないでしょう。後章で解説しますが、病気の可能性もあるので、むくみが続いている人はこの後も読んでください。
重力の影響で足はむくみやすい
むくみは顔や手など身体中で発生しますが、最も発生しやすいのが足です。
その理由は、重力の影響を最も受けるため。足は心臓から最も遠い場所にあり、かつ心臓よりも下にあります。そのため、血液をスムーズに巡らせるためには、ふくらはぎなどの筋肉をポンプのように使わなければなりません。
しかし、デスクワークや立ち仕事で足を使わないと、筋肉のポンプとしての機能が低下します。すると、血流が悪くなって水分の流れも悪化するので、重力によって水が下にたまってむくみが発生します。
なお、寝たきりの人の場合は横になっている時間が長いので、足よりも背中や顔に出やすいのが特徴。このように、むくみは重力に影響されるので姿勢によって発生する場所が違うといえます。
足のむくみの6つの原因とは

引用:o-dan
むくみが発生するメカニズムは同じでも、原因は人によってさまざまです。そこでここでは、足がむくむ原因を6つ紹介していきます。むくみで悩んでいる人は、該当するものはないか1つずつ確認しながら読み進めてください。
睡眠不足
まず1つ目の原因は、睡眠不足。
睡眠中は副交感神経が優位となっています。副交感神経とはリラックス時にスイッチする神経で、筋肉や血管の緊張をほぐして血流を良くする作用があります。睡眠をしっかりと取れば血行が促進されるので、身体の水分バランスが整いやすくなるといえるでしょう。
また、睡眠には体内の不具合をリセットする働きがあります。そのため、睡眠不足が続くと心臓の力が低下してしまい、血の巡りも悪化。つまり、下半身などに水分がたまりやすくなるといえます。
むくみが引き起るメカニズムでも解説しましたが、むくみと血液の巡りには深い関係があります。十分に睡眠がとれていない人の場合は、しっかりと睡眠をとればむくみが改善する可能性が高いでしょう。
運動不足
むくみで悩んでいる人は、運動不足を自覚している人が多いです。実際、デスクワークの人は、むくみで悩んでいる人も多い傾向にあります。
運動不足がむくみにつながる理由は、筋力の低下。筋肉はポンプの役割を持っていて、血液の循環をサポートしています。ところが、運動不足で筋肉が落ちていくと、血液を押し上げる力も低下していきます。
足の中でも、ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれるほど血液の循環に重要な筋肉。ここの筋肉が弱ってしまうと、足に水分が停滞してむくみが発生してしまうといえます。
とくに、デスクワークなど同じ姿勢で長時間過ごしている人の場合、筋肉がこわばって伸縮しにくくなっています。普段から運動が少ないのであれば、余計にむくみのリスクが増大。仕事上、動きが制限されてしまう場合でも、できるだけ身体を動かすように心がけましょう。
ストレス
ストレスは「万病のもと」といわれますが、むくみの原因でもあります。
ストレスがたまると自律神経を乱して、交感神経を常に優位な状態にしてしまいます。交感神経とは興奮状態に優位になる神経で、呼吸を浅くしたり筋肉を収縮したりする作用が特徴。血管を縮める作用もあるので、血液の流れが滞りやすくなります。
血流が悪くなると水分の回収がスムーズにできなくなるので、重力によって足にたまりやすくなります。つまり、足がむくむということ。
ほかにも、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの分泌が増えることも影響しています。コルチゾールは血管などの壁を形成する細胞間の接着力を弱めるため、水分の供給や回収をしにくくします。
つまり、余分な水分が細胞に残りやすくなるために、むくみが発生していると考えられるでしょう。
食生活の乱れ
頻繁な外食などで食生活が乱れている人は、むくみの発生リスクを高めています。
たとえば、外で食べる食事は塩をたくさん使ったものが多いので、血中の塩分濃度を高めてしまいます。体は高まった血中の塩分濃度を下げるために、血中の水分量を増やすことで対応。すると、水分が身体にたまりやすくなるので、むくみが生じます。
また、お酒の飲み過ぎもむくみの原因。お酒をたくさん飲むと、強い利尿作用によって身体の水分量が激減してしまいます。すると、身体は水分をため込もうとするようになるので、むくみやすくなります。
むくみで悩んでいる人の中には、水分を控えているという人もいるでしょう。しかし、水分の摂取量が少ないと、身体が水分をため込もうと働くので逆効果です。むくんでいる人は、身体の水分量にも注意するようにしましょう。
身体の冷え
寒い季節になるとむくみやすいと感じていませんか。それは正解で、身体が冷えるとむくみやすくなります。
寒い日などは身体が冷えて身体が固まり動かしにくくなると思いますが、それは血管も同様。身体が冷えると血管が硬くなって血流が悪くなります。すると、身体の巡りも不十分になるので、水分の回収がスムーズにできなくなってむくみを生じさせます。
とくに、足はむくみやすい場所。足を出すようなファッションの人はレッグフォーマーなどを持ち歩くなど、ふくらはぎや足首をできるだけ冷やさないように工夫しましょう。
病気
足のむくみで最も注意しなければならないのが、病気によるむくみです。
病気のサインとして注目すべきポイントは、一過性のむくみか継続的なものかどうか。たとえば、食生活や運動不足など生活習慣が影響している場合、生活習慣を変えれば改善していきます。しかし、病気が原因の場合は、生活習慣を変えるなど改善策を取ってもむくんだままです。
もし、何をしてもむくみが収まらないという人は、すぐに病院で検査してもらうようにしてください。
なお、むくみを引き起こす疾患には、心不全や腎機能障害、肝硬変などがあります。どれも大変な病気ですので、単なるむくみと放置しないようにしましょう。
むくみの改善方法

引用:o-dan
一過性のむくみの場合は、改善方法を試すことでよくなることが多いです。そこでここでは、むくみに効く改善方法を紹介していきます。
エクササイズ
「足がむくみだしたな」と感じたときは、エクササイズをするのがおすすめ。
むくみの原因の1つは血行が悪くなっているためです。そのため、エクササイズで身体を動かして、血行を促進するのが効果的。特に、ふくらはぎの筋肉のポンプ機能が低下しているとむくみになりやすいです。足がむくみだしたら散歩やつま先の上下運動をして、ふくらはぎを中心に刺激を加えるようにしてください。
ほかにも、膝を伸ばしたり足首を回したりして、関節などをストレッチするのも有効です。硬くなった筋肉をほぐすことで、血行がよくなります。デスクワークでも可能ですので、座りながら試してみてください。
マッサージ
むくみは血液などの巡りが悪いために起こっています。そのため、マッサージをして血液などが流れるように促すのが効果的。
足首や足のつけね、膝の裏など、下半身を重点的に行っていきます。ポイントは、下から上に向かってマッサージをしていくこと。下にたまった水分を上に上にと押し上げていくイメージで、もんでいきます。
その際は、気持ちいいと感じる程度で行うのがちょうどよい力です。あまり力を入れすぎず、指の腹で優しくマッサージをしてください。
入浴
むくみは冷えからくることがあるので、入浴で身体を温めるとスッキリします。
入浴で最もおすすめなのは、40度程度のお湯にゆっくりと浸かること。湯船に浸かれば身体の芯をしっかりと温められるので、血流が促進されてむくみが解消します。また、お湯の水圧によってマッサージ効果も得られるので、たまった水を押し流してくれます。そのため、お風呂はむくみにかなり高い効果が期待できるでしょう。
もし湯船に浸かる時間がないという人は、シャワーで足だけでもしっかりと温めるようにしてください。足は重力の影響で水がたまりやすいです。温めて血流をよくするだけでも、水の滞りを解消できてむくみの改善になります。
休息
足のむくみが気になり出したら、休息をとるのも有効です。
たとえば、身体を横にすると、足にたまった余分な水分が移動しやすくなります。また、血流がよくなれば腎臓の働きによって、たまった水分を尿として排出することが可能。そのため、仮眠スペースなどがあるのであれば、身体を横にするとよいでしょう。
ほかにも、夜はリラックスできる環境を作って、副交感神経にスイッチできるようにしてください。副交感神経を優位にできれば、血行がよくなってむくみに効果的です。もちろん、夜にしっかりと睡眠をとることも必要。ぐっすりと睡眠をとれればストレスも発散できるので、むくみを解消しやすくなるでしょう。
むくみの予防方法

引用:o-dan
むくみは事前に対策をとることで、予防することも可能です。ここでは、むくみに有効な予防方法を紹介していきます。
食生活の改善
まず気をつけて欲しいのが、食事への配慮。
むくみは塩分の取りすぎによって発生のリスクを高めるので、塩分の高い食事はよくありません。毎日の食事では、塩分を控えたもの中心にするようにしましょう。
また、ビタミンやミネラル、タンパク質などバランスよく、さまざまな栄養を摂取することも必要です。そのため、塩分だけでなく、バランスのよい食事をとることが必要といえます。なお、お酒の飲みすぎは水分の過剰な放出を招くので、ほどほどを心がけてください。
1日に摂取する水分量にも注意しなければなりません。人間は1日に約2,500mlの水分を必要としています。一般的に3食の食事で約1,000ml摂取するので、飲み物からの摂取は約1,500mlを目安にしてください。
これよりも極端に多かったり少なかったりすると、むくみの原因となります。むくみが気になる人は、計りながら摂取すると間違いをなくせます。
定期的な運動
むくみに対して高い予防効果が期待できるのが、定期的な運動。
運動をすると身体に刺激を与えられて筋肉が柔らかくなるので、水分が移動しやすくなります。下半身の筋肉を増強してポンプ機能を高められれば、水分をしっかりと上へと押し上げられるようにもなります。
また、適度に汗を流すと爽快感が得られるので、ストレスの発散が可能。さらに少し疲れをためることで、スムーズな睡眠をとりやすくもなるでしょう。
定期的な運動はむくみのさまざまな原因にアプローチできるので、おすすめの予防方法です。健康のためにも運動の習慣を作ってみてはいかがでしょうか。
服装の工夫
足など身体がむくまないようにするには、服装にも工夫することが必要です。
身体を冷やすと血流の悪化によってむくみが生じやすくなるので、温かい服装を選ぶのは必須。天気予報などを見て寒くなりそうな兆しがあれば、先取りした服をチョイスするとよいでしょう。防寒対策をすることで、むくみにくくなります。
また、足のむくみで悩んでいる人におすすめなのが、弾性ストッキングやソックスの着用。ふくらはぎを圧迫して刺激することで、血流の滞りを予防できます。
なお、女性の場合はきつめのブラジャーやガードルには注意が必要。身体を締めつけることで身体の巡りを悪くしてしまいます。普段から適したサイズの下着を身につけるように心がけましょう。
まとめ

引用:o-dan
むくみは血液などの巡りが悪くなって、水がたまることで生じることがほとんどです。そのため、むくみと無縁になるには、身体の巡りをよくするとよいでしょう。
この記事では、むくみの改善方法や予防方法を紹介してきましたので、できるものから試してみてください。効果的なものばかりですので、しっかりと実践することでむくみの悩みを解消できるはずです。